2005年7月7日 日本共産党市政報告 bS51(その1)

2005年6月定例市議会報

大型公共事業に税金投入の一方、保育行政後退の逆立ち市政を追及

◎コスト優先のための公立保育所民営化中止を

 日本共産党茨木市会議員団は、「公立保育所の民営化」は中止すべきであり、その根拠について3つの角度から論戦をおこないました。

 第一に、市は「公立保育所では保育士の終身雇用が保障されており、人件費が高くつく」、「民営化しても保育水準・内容は変わらない」というが、ベテランから若い元気な保育士が配置されてこそ保育(技術)の継承が保たれる。民営化はこうした保育環境を根本的に後退させるものであると指摘しました。

 第二に、「きびしい財政状況の中、公立保育所を一カ所民営化すると年間8900万円の人件費が削減できる」と市はいうけれども、それまで勤めていた保育士を退職させるわけではないので、実質的な節減額はわずかであり、これは誤りの宣伝であると指摘しました。
 しかし、無駄な大型開発を進めるときは「健全財政」と言って税金をどんどん投入しながら、市民犠牲を押しつけるときは「きびしい財政」と使い分け、市民サービスを次々と切り捨てていくやり方は許せないと批判しました。

第三に、「私立保育所は安い人件費で運営している」と言うが、私立保育所に対する児童一人あたりの市独自の補助金は公立保育所の五分の一以下で、結果的に私立保育所は勤続年数10年以下の「安い人件費」で対応せざるをえない状況がつくり出されており、、私立保育所に対する補助金を公立並みに増額してこそ、保育サービスの充実がはかれると主張しました。

 これに対し、市は答弁で「公私とも通常保育の最低基準さえクリアしていれば保育環境の後退はない」と、これまでの市独自の配置基準(※)が後退するすることを是認する答弁をおこない、「8900万円の人件費の節減のごまかし」については答弁せずじまいでした。

 さらに、会長が強引に民営化へと結論づけた「公立保育所のあり方に関する懇談会」の市長への「意見書案」に対して、参加している委員からも市民からも異論が続出していることを指摘し、「まだ議論は尽くされていない。もっと時間をかけて議論すべき」と市長に求めました。

 市長は、「懇談会の運営については延長するかどうかは会長に権限があるので、会長が決めることである。会長の決定に従う」と答弁しました。

◎駐輪場用地を4億円で購入で都市再生機構の救済やめよ

 茨木市が、当初は予定していなかった国文都市西部地区に建設が進められているモノレール西センター駅の駐輪場整備に土地購入費4億円と算定し、土地開発公社に用地を先行取得させようとしていることが明らかになりました。

 市は、『基本協定』にも『彩都建設に係る茨木市行財政検討報告書』にも一切載っていなかったは認めながら、「当初から市が整備すべきという認識はあった」「駐輪場は必要」との一点張りで税金投入していく無責任な態度に終始しました。

 問題の土地は、都市再生機構(旧住宅都市整備公団)所有の土地であり、土地購入費4億円の算定根拠も、近隣の土地売買実績に「商業地域」であることを加味して算定しており、算定価格は割高であること、また、駐輪場の必要台数を西部地区の将来人口2万人(※)をベースに算定しており、過大であることを指摘し、これは街開きしても駅前の土地が思うように処分できない都市再生機構への「救済」措置ではないかと追及しました。

(※)彩都西部地区の人口は平成17年3月末現在で1801名

 党市会議員団は「都市再生機構が主体の土地区画整理事業だから、都市再生機構の負担で整備するのが当たり前」で、無条件に税金を投入するのは問題であると批判しました。

◎競輪場外車券売場の建設計画の中止を

 名神茨木インターチェンジ近く、上穂積四丁目の日本橋倉庫叶ユ地に公営ギャンブル「競輪」の場外車券売り場建設計画が浮上しました。

 党市議団は、@地域の住環境を悪化させる、A青少年の健全育成を損なう、Bさらなる交通渋滞の発生を招くなど、市民生活に重大な悪影響を場外車券売り場建設計画は、きっぱり中止すべきという立場です。

公営ギャンブル「競輪」は今、売り上げ増を目的に全国各地で場外売場の設置をすすめています。

今回、計画されている茨木の場外車券売場は「近畿地方で初めての施設」になると、開発の親会社ジェイ・ブリッジ鰍ェ会社のホームページで公開しています。

わが党は、茨木市に対し、どこまで情報をつかんでいるのか質しました。市は、「内容は把握していない。地元説明会があったと聞き及んでいる」、青少年に対する影響については「直ちに非行につながるものではないが、二次的影響はあると考える」という答弁で、地域住民の関心の高まりと比べて行政側はずいぶん「温度差」があることが明らかになりました。

◎税金によるミネアポリス行事参加は止めよ

 7月16日から22日までの間、茨木市議会では議長、副議長、公明党、刷新クラブ、自由市民クラブ、民主みらいの各会派幹事長、随行事務局1名の総勢7名が、一人約43万円の予算で姉妹都市締結25周年の記念行事として、米国ミネアポリス市へ渡航します。

 日本共産党市議団は、姉妹都市交流は市民レベルでおこなうべきであり、市会議員が税金を使って行くことは市民の理解が得られないと、今回も海外渡航に反対の立場をとりました。

(参加予定議員)
福井紀夫議長、中村信彦副議長、青山則子議員(公明党)、辰見登議員(刷新)、松本利明議員(自由市民クラブ)、田中総司議員(民主みらい)

◎公共交通の安全確保等をを求める意見書を可決

JRの脱線事故や日本航空機のタイヤ脱輪・エンジントラブル事故など、公共交通機関の安全対策の強化をはかるよう、政府が強く指導することを求める意見書を全会一致で可決しました。