[畑中たけし] 3月定例市議会 本会議質疑記録

◎議案第15号 茨木市立保育所条例の一部改正について(2007.03.09)

  1、保育所民営化にともなう経費節減効果について
  2、保育所臨時職員の雇用継続について
  3、保護者の選択権について
  4、民営化における諸問題について
  5、民営化予定保育所の耐震診断結果について

◎議案第33号 平成19年度大阪府茨木市一般会計予算(2007.03.12)工事中

  1、本市の臨時職員の雇用条件改善について
  2、本市発注の業務委託の契約方法について
  3、公立保育所民営化にともなう私立保育園への補助金について
  4、同和施策の廃止について
    @同和保育所に対する職員加配について
    A同和関係各種集会・講座等への職員派遣について
    B資源ごみ選別・処理業務委託について


◎議案第15号 茨木市立保育所条例の一部改正について(2007.03.09)

 議案第15号茨木市立保育所条例の一部改正について質疑いたします。
(1)まず大きな一点目に公立保育所民営化による経費節減額についてお尋ねします。昨年の三月議会の参考資料で市は「公立保育所民営化にかかる節減効果について」示しました。民営化1年目の三島・中条保育所の効果については人件費として1億4882万円、光熱水費として736万円、維持管理費として3891万4千円、合計で1億9509万4千円としています。それでは平成19年度一般会計予算で具体的にどのように経費節減額となってあらわれているのか、人件費でいくら減ったのか、光熱水費でいくら、維持管理費でいくらと新年度予算に反映されたのかお答えください。また、人件費については、昨年3月の民生産業常任委員会の答弁で、臨時職員保育士50名、パート保育士18名、臨時作業員1名、パート作業員11名、正規看護士1名、臨時職員看護士1名の計82名が減員となる分の人件費だという答弁がありましたが、三島・中条保育所民営化を目前に控えた現段階において、2保育所の民営化にともない新年度実際どのような人員配置の変更・減員が行われることになる見込みなのかお答えください。またとくに正規職員は解雇されることはなく配置転換されたものと考えますが、もしそうであるとすればどこに配置転換されたのか、公立保育所の職員以外の部署に配置されたとしても公立保育所運営経費からは減るかもしれませんが、市財政全体からするとまったく節減について影響はありません。見解を求めます。

 次に、資料の中の「増額する経費」についてお聞きします。19年度の増加経費として民営化される私立保育園への市単独補助金として平成16年度の実績をベースに3366万2千円としていますが、新年度の予算ではこれら2保育所に対する市単独補助金としていくら見込んで計上しているのかお答えください。あわせて資料で示された節減できる経費と増額する経費の差額、つまり茨木市が節減効果と主張する額について結局のところ新年度予算を提案されている現段階ではいくらと算定できるのかお答えください。

 次に20年度、水尾・玉櫛保育所の民営化にかかる経費節減効果についてお尋ねします。当該資料においては平成20年度の効果として節減できる項目は人件費として2億22万円、光熱水費として736万円、維持管理費として3891万4千円と推計していますが、本条例が提案されている現在において、これらの項目について具体的にいくらと推計しているのか、また増額する経費、差し引き増減額についてもおわせてお答えください。また20年度の人件費節減額について、人件費積算の根拠として保育士、作業員、看護士、正規、臨時、パートの別でそれぞれ何人としているのかお答えください。

(奥原健康福祉部長)
三島・中条保育所民営化による経費節減効果についてお答えする。三島・中条保育所民営化にともなう平成18年度および19年度における当初の予算比較については、18年度当初予算に比べ、人件費一億2812万三千円、光熱水費557万4千円、維持管理費3902万8千円、合計1億7272万5千円の節減額となっている。また、新たに民間保育園となる当該2保育所への補助金の増額分については、新規・拡充分を除き3827万1千円となっている。したがって、節減額から増額する経費を差し引いた額は、1億3445万4千円となっている。水尾・玉櫛保育所民営化による経費節減効果については、昨年3月議会で参考資料として提出した「公立保育所の民営化にかかる節減効果について」の節減効果額2億1657万2千円と考えており、新たに推計はしていない。当該2保育所の民営化による人件費節減の対象となる人員については、正職保育士7人、臨時保育士38人、パート保育士18人、正規作業員1人、臨時作業員3人、パート作業員8人、正職看護師2人、合計77人としている。なお、正職保育士、正職作業員については、定年による退職であるが、民営化による余剰人員でその欠員補充ができることから、節減できる経費として見込んでいるものである。

 

(2)次に大きな2点目として、保育所臨時職員の雇用継続についてお尋ねいたします。この問題については昨年来質疑してまいりました。いよいよ三島・中条保育所の民営化が三週間あまり先となりました。市はこれまでの答弁で、「来年4から三島・中条保育所での職員配置がなくなるので、当然、その分の臨時職員の数は減員となる。保育所での勤務を希望する臨時職員は、ほかの公立保育所での配置を検討する。さらに公立保育所全般の次年度の臨時職員の雇用については、できるだけ早い時期に、現在、任用関係にある臨時職員の方の就労希望を聴取していきたい。実際には、平成19年度の措置児童数が決定した後、必要な職員数が確定するので、公立16保育所全体での職員配置の中で雇用の決定を行っていく。そして、移管先法人の採用の状況については、公立保育所から臨時職員の方が14人採用されたという連絡である」という答弁で、雇用継続については具体的な答弁はいっこうにえられませんでした。そこで、具体にどの時期に公立保育所全般の次年度の臨時職員の雇用について、現在、任用関係にある臨時職員の方の就労希望を聴取したのか。どのような話をしてどのような形での聞き取りを行ったのか聴取内容とその結果についても詳しくお答えください。また4月から民営化により引き続きの就労を希望しているのにもかかわらず実際どれだけの臨時・パートの職員が影響を受け、雇い止め・解雇されることになったのか、当事者はいつその事実を知ることになったのか、お答えください。また継続しての勤務を希望しているにもかかわらず解雇・雇い止めされることになる方々に対して、市としてどのような対応をとったのか、またとっていこうと考えているのかお答えください。「雇い止めによる法的な問題が生じない措置はしている」ということですが。具体的にどのような措置を行ったのか具体にお答えください。

(津田総務部長)
 保育所の職員配置の問題と臨時職員の雇用の問題についてお答えする。まず、職員配置であるが、正職の保育士、作業員、看護師については、民営化により当然解雇することが出来ない。他の保育所を中心に配置していくということになる。配置先については、人事異動の範疇であるので、お答えできない。ただ、三島・中条保育所の人件費効果額として算定した1億4882万円は、臨時の保育士・作業員・看護師を対象としたものであるから、正職の保育士・作業員の人件費は含まれていない。

 次に、19年度の臨時保育士の雇用の問題であるが、18年度から引き続き雇用を希望するフルタイム=一日雇用の臨時保育士は150人いる。19年度まだ措置児童数は確定していないが、その見込み数から見て、雇用できる臨時保育士の数は130人を少し上回る程度という予想を立ている。したがって、20人弱の方が雇用が難しいと考えている。なお、パート保育士・作業員については全員雇用できる見込みである。この人たちに対する雇い止め等の関係の連絡であるが、昨年12月末に全職員、これは保育士だけでなく、全臨時職員対象に平成19年3月末をもって雇用を満了することについての再度理解を求める通知を行った。また2月末には臨時保育士に対して、措置児童数から見て希望者全員を雇用することは難しい旨の通知を再度行った。このような経過から雇い止めにかかる法的な問題は生じないと考えている。

 

 大きな三点目として、保護者の選択権についてお尋ねいたします。神戸市立保育所の民営化について神戸地裁が仮差し止めの決定を下しました。その決定文の中で基本的な論旨として、「市立保育所として本件保育所が廃止されたとしても、(希望すれば)本件保育所と同じ場所で同じ施設を用いて設置される児童福祉法および市基準によって要求される水準を満たした私立の保育所としての本件保育所において引き続き保育を受けることは可能であるが、市立保育所の廃止と民間移管に伴い相当程度の保育環境の変化が生じることもまた不可避であり、これが保育児童に対して大きな影響を与えるであろう事ことも容易に想像のつくことである。」としています。児童福祉法24条は保護者に対してその監護する乳幼児にどの保育所で保育の実施を受けさせるのかを選択する機会を与え、市町村はその選択を可能な限り尊重すべきものとしている。これは保護者に対して保育所を選択しうるという地位(入所後、当該保育所において、一定期間にわたる継続的な保育の実施を受ける地位を含む)を法的利益として保障したものと認められます。こうした法的利益について茨木市の見解を求めます。また市は保護者の保育所選択権を尊重するという意味で公立保育所民営化において対象保育所の保護者の転所希望を優先的にかなえることは実施したのかお答えください。

(奥原健康福祉部長)
 保護者の選択権および転所希望についてお答えする。保護者の選択権については、保育を実施する保育所が存在することを条件として上で成り立つもので、廃止などで当該保育所がなくなるよう状況ににおいては、その廃止を否定する権利は含まないと理解している。つまり、公立保育所を廃止し、民営化することは、地方公共団体の裁量によるものであり、当該裁量権の行使に逸脱あるいは濫用がない限りにおいて、保育所選択権を侵害することにはならないと考えている。また、転所希望については、保育所が保育に欠ける児童を受け入れる児童福祉施設であり、また、公立の保育を引き継ぐことを移管条件としていることからも、民営化を理由とした転所希望者に対して配慮する考えはない。

 

 大きな4点目として、民営化における諸問題についてお尋ねいたします。引き受け法人、保護者会、市とのあいだの三者協議会についてはこれまで5回ないし6回開催されたと思いますが、協議会での討議項目について茨木市として具体的な対応はどうなっているのか?お聞きしたいと思います。三者協議会では少しでも子どもたちに影響が出ないようにとの保護者の思いから、多岐にわたるさまざまな要望が出ていることが会議録の要点筆記からも伺われます。これらの要望について、もちろん引き受け法人の努力にかかるところもあると思いますが、やはり市として努力しなければいけない項目が多々あると思われます。それらに対してそれぞれどのような対応を行ったのかおたずねします。たとえば、

・引き受け法人であるつつみ会や藍野福祉会が従来運営してきた私立保育園において保護者から徴収してきた保育料以外の保護者負担金について
・市基準の対数配置や担任等保育士の数の確保について
・障がい児保育について
・定員の弾力化について
・一時保育実施について
・アレルギー児対応について
・給食格差について
・子どもたちの心のケアについて市の責任で実施すること
・制服などなど

とくに協定書項目の遵守の保障については、市が明確に責任をとって守らせるような体制をとるべきだと考えますが、見解をお聞かせください。

また1月から行われている合同保育実施過程において判明した問題点と市の対応について、あわせて4月以降行われる引き継ぎ保育についてどのような期間および体制で行われるのかおたずねいたします。

(奥原健康福祉部長)
 民営化する保育所における諸問題についてであるが、保育料以外の保護者負担金については、保護者負担の軽減を図ること、保育士の配置基準やアレルギー児の対応についても、現状を継続すること、給食については、アレルギー児への対応を行うこととして、民営化移管法人募集要領に明記し、遵守することを義務づけている。また、一時保育につきましては、当面移管後の保育の状態を見守っていく考えである。子どもたちの心のケアについては、移管後も「引き継ぎ保育」や「巡回保育」を実施するとともに、心理判定員や保育指導主事も巡回し、対応していく。制服については、三者協議会の中では設けないことで合意している。協定書については、現時点で交わしていないが、移管後も三者協議会を通じて引き継ぎ内容の確認を行っていく。合同保育の状況については、子どもたちに大きな変化は見受けられず、新しい先生を受け入れていると、三者協議会で保護者会から報告を聞いており、順調に引き継ぎが行われていると考えている。4月以降については、「引き継ぎ保育」として所長や乳児・幼児クラス代表の計3人が4月から6月まで週5日間程度、7月から9月までは、乳児・幼児クラス代表保育士計2名が週3日程度、さらに所長クラスが10月から12月まで週一日程度「巡回保育」として引き継ぎをしていく。

 

 最後に大きな5つ目として、民営化予定保育所の耐震診断結果についてお尋ねいたします。昨年の9月議会で全市有建築物の耐震一次診断がおこなわれることが決まりましたが、民営化予定の8保育所についてその診断結果はどうだったのかお答えください。

(奥原健康福祉部長)
 民営化予定保育所の耐震診断結果についてであるが、公立保育所の耐震診断は平成18年度に建設時期の関係から春日保育所を除く17カ所について実施し、3月末にその結果がでることになっている。

 

[2問目]
 まず大きな一点目の公立保育所民営化にかかる経費節減効果について、結局の所、当該資料の人件費節減額には、今の答弁では、この4年間に全部正規は含まれていない。臨時とパートのみと理解していいのでしょうか?民営化にともなう民営化保育所に対する支出の増加は資料にあげるような市単独補助だけでは終わりません。土地の無償貸与および建物・備品の無償譲渡については、普通財産の無償貸付をすることは、対価を全然徴さないで普通財産を利用させることであるから、実質的には、貸付の相手方、借受人に対し補助金を支出するのと同様の効果を持つものである。また、普通財産の譲与は、対価を全然徴収しないで、その所有権を特定の者に移転し、その者に財産的な利益を与えることであるから、実質的には、譲与の相手方に対し、補助金または寄附金を支出することと同様の効果をもたらすものとしています。土地の無償貸与については国有財産法普通財産貸付料算定基準による積算では、三島保育所については年間762万6000円、中条保育所については年間491万6000円、建物については三島保育所が建築価格で1億1600万円、中条保育所が1億2481万円、備品は三島保育所が購入価格で937万4千円、中条保育所が1085万7千円となる。そして市も「それが補助と同様の効果があるというふうに考えております。」と答弁されています。つまりこれらについても補助金換算して増額する経費として算入するべきです。本当の市財政全体から見た経費節減額はいくらなのかお答えください。

 また、20年度として水尾・玉櫛それぞれの保育所について土地無償貸与、建物・備品の算定価格についても同様の算出方法でいくらになるのかお答えください。

 また、代表質問の答弁で市長は「市の土地および建物等は民営化してもこれまでと変わらず保育に使用され、市が設置した当初の目的が損なわれるものではありません。」とのことですが、いくら財政基盤の安定していそうな法人を選定したとしてもそれにはおのずと限度があります。とうてい公立のような安定性は臨むべくもありません。仮に引き受け法人が運営困難に陥って解散というような憂き目にあった場合、貸与していた土地はともかく、無償譲渡した建物や備品の行方はどうなるのでしょうか?法人の債権者が差し押さえにかかるという可能性が十分考えられる事態です。市としてこのような事態を想定した上で、保育所を運営してもらうという名分で譲渡した市民の財産が雲散霧消してしまわないようなどのような方策をとられているのかおたずねいたします。

(奥原健康福祉部長)
 土地・建物については、民間保育園に対して補助していくものに相当するのではないかということであるが、土地・建物については、別途、財産の譲渡ということでの議会に提案し、議決してもらっているので、そういう考えもあるかもしれないが、市としては議決をもらって処置するものである。

 次に、水尾・玉櫛の土地・建物の価値についてであるが、水尾については、土地取得価格は1億8761万5千円である。建物については1億818万円である。玉櫛については、土地は寄付してもらったものである。建物につきましては1億399万円である。

 それから土地が…雲散霧消しないようにということであるが、市の土地・および建物については民営化してもこれまでと変わらず保育に使用され、市が設置した当初の目的が損なわれるものではない。さらに移管先法人へは一定の保育内容の継続を義務づけている。現行保育園よりも運営経費の増加が見込まれることや建物や備品等を一からそろえた場合、初期投資が法人の負担となることから、それらを軽減し、その分保育の充実に努めてもらうこと、また子どもたちへの保育環境の急激な変化を最小限にとどめることが必要なことから、これまで慣れ親しんできた施設や設備・遊具等の引き継ぎ、緩やかな民営化の推進を目指したものであり、引き続き市民の財産を市民のために使用してもらうということで無償としたものであるので、その考え方については今後も引き継いで行かれるように十分観察していこうとかんがえている。

(南助役)
 昨年の三月議会に議案資料としてだした「公立保育所の民営化にかかる節減効果について」ということで、19年から22年の4カ年にわたる節減効果という額を示したように、人件費については、民営化することにより減員となる臨職・パートを含む保育士・作業員・看護師の推計ということで出している。

 それから、無償譲渡と云うことでの内容については、今回、民営化をすると言うことで応募もらった法人については、その財政状況その他いろいろの資料、または内容によって検査したということである。そして建物等の譲渡については、譲渡を受けた建物等については法人が所有権登記を直ちに法人の基本財産に編入するということの対応をしてもらうということになっている。

 そして、倒産した場合の方策について、倒産を予定をした対応と云うことは考えていないが、それなりのきちっとした対応を、本市の地域内において長年に渡って保育所運営をし、その経験もあり、また財政状況等も勘案した中で移管先法人を決定したものであるが、やはり民間の保育所においては、今後の経営状況については注意をしてもらうことについては、十分申し伝えはしていこうと考えている。

 

 次に2点目の保育所臨時職員の雇用継続についてお尋ねいたします。保育所臨時職員の雇用継続について、聴取時期は12月末ということです。更新されない可能性があると2月末になってやっと知らせたと。更新の有無が当事者に知らされたのはほとんど任期切れ直前、このような状態で、また、アフターケアについても具体的に応えてもらっていませんが、これでは期待権侵害の阻却要素と市がいう法理、「解職手続きの妥当性」や「配置転換等による解職回避の努力」に反するのではないでしょうか?見解を求めます。また20年度の民営化に向けた雇用継続についての考え方もお答えください。大阪府下の他の民営化例では解雇・雇い止めすることなく計画を進めているところもあると聞いています。他市に出来て茨木市でできない理由はありません。見解を求めます。

(津田総務部長)
 保育所の臨時保育士の関係で、更新の期待権の保護等で問題はないかということであるが、これは前回もお答えしたとおり、本市の臨時職員の雇用については、採用時において6ヶ月の雇用の一回更新、再雇用もある旨説明もし、一定の時期に年度末をもって雇用の満了とする通知を、これは昨年の12月末に全臨時職員を対象に通知を送っている。この通知書と共に、再度雇用を希望する場合には、どういう職種で次年度雇用が可能か、これは当該臨時職員の方からもアンケートも聴取している。あわせて、また、二月末に、今の保育所の現状等をふまえて、全員の雇用は難しいという通知を、フルタイムの保育士またパート保育士等にも通知を行っている。したがって、法的な問題は発生しないと考えている。なお、雇い止め回避のための努力はどういう努力をしておるかと云うことであるが、先ほど言ったように、どういう雇用先があるのか、またどういう職種が希望なのか、そういう調査もして、できるだけ雇い止めにならないような努力はしているし、また今後措置児童数も推移していくので、その中であわして4月当初からでなくして中途からでも採用は可能かどうか、そのへんも当該臨時保育士と十分意見を聴取して、できるだけ雇い止めが発生しないような努力は今後も続けていきたいと考えている。

 

 第三点目の保護者の選択権について、今後民間委託実施の過程において予想外に児童に多大な悪影響が生じたり、償うことのできない損害が生じることも決してないとはいえません。こればかりは他市ではどうだから本市でも大丈夫という論理はあてはめられないと考えます。とすれば児童の生命・身体・精神等に対する重大な危険性だけでなく、保護者および児童の保育所選択に関する法的利益、これは、その選択権の中には公立も私立も選ぶ権利が保護者にはある考えます。こういう法的利益も侵害されることになりかねません。少なくとも、市民である保護者会が要望しているように、中条・三島保育所の民営化の影響についてしっかりと検証されるまでは民営化の推進は凍結し、本条例の提案についても撤回すべきではないかと考えますが、見解を求めます。

(奥原健康福祉部長)
 選択権の問題であるが、公立と私立と保護者からすれば選ぶ権利があるということで、民営化については凍結すべきではないかという指摘であるが、凍結する考えはありません。

 

 次に、大きな四点目として民営化における諸問題について、民営化後の諸問題について、移管後、保育所運営の主体が法人となります。公立時代の保育士は肩身の狭い思いをし、率直に意見が言えないような遠慮するような事態も発生すると聞きます。茨木市としてそのようなことが起こらないよう責任を持って引き継ぎ保育に対処していく必要があると思いますが見解を求めます。また協定書項目の遵守の保障については茨木市の一方的な都合による民営化で法で認められた保護者の選択権や保育所に通う児童に多大な影響を及ぼす危険をおかす以上は茨木市は責任を持っての遵守の保障体制について明確にし、協定書に盛り込むべきだと考えますが、見解を求めます。

(奥原健康福祉部長)
 諸問題についてであるが、法人に対して意見が言えないことが起こらないように市が対処すべき事があるのではないかということであるが、今のところは協定書を結ぶと言うところまでは行っていないが、今後検討していきたいと考えている。

 

 そして第5点目に、民営化予定保育所の耐震診断の結果について、3月末に結果が出るので、まだわからないという答えでしたが、耐震補修が必要な民営化保育所が生じた場合、公立保育所については市の責任で耐震化が順次行われていくことからすると、その公平性の観点から、財政基盤がけっして安定していない民間法人に任せきりではあまりに無責任です。市は答弁の中で「耐震補修等につきましては、これは民間のほうと、十分、相談させていただいて、市としても対応させていただくという考えを持っております」ということでしたが、今、現在、具体的にどういう考えを持っていて、民間とどのような相談をされているのかお答えください。新年度の予算において、耐震診断の助成制度が創設されるとのことですが、耐震補強にも市独自補助制度を創設すべきだと改めて求めますが、見解をお聞かせください。新年度予算で民間保育園の補助として民営化する保育所に対して改修が必要な場合、一園最大で500万円の助成が行われるそうですが、この制度は耐震補強工事にも適用できると考えて良いのでしょうか。茨木市には既設の制度として民間建築物に対する耐震補強工事助成がありますが、民間保育園がこれを利用しようとする場合、その上限価額は100万円でしかないと聞いています。いかにも不十分であると考えます。見解を求めます。

(奥原健康福祉部長)
 耐震の関係であるが、三島と中条保育所については診断結果によっては移管法人と協議していきたいと考えている。それ以上のことについては現在検討はしていない。

(南助役)
 耐震の補助、今後の対応についてということであるが、診断が出て、民営化された保育所、端的に言うと、三島・中条保育所がそういう対応が必要だということになれば、建物については民間の方に移管しているから、市が直で工事をやるというわけにはいかないので、法人と協議の上で、最終的にはそういう補助金対応の手段もあるだろうということでお答えしている。

 

[3問目]
 まず大きな一点目の節減効果について、19年度の当該資料では、最初の単年度合計では1億6430万円の節減効果、差し引き増減が出ると言っておりましたが、結局、新年度予算に至っては1億3400万円と、その節減効果が3千万円なくなっております。また、2問目に言いました建物や備品の無償譲渡や土地の無償貸与、これも市が認められているとおり補助としての効果があると、これも絶対に加味しなくてはならないと考えます。その上で、この増減、節減効果を出さなくてはならないと考えます。そして2問目で聞いた土地の無償貸与について、土地の価格について聞いたのではなくて、国有財産普通財産貸付料金の算定基準による計算を水尾・玉櫛について聞いたのであって、答弁いただいてないと思います。

 法人が、突然、仮に運営困難に陥って解散になった場合、これについて茨木市として具体的に動産や建物が法人の債権者に差押えされないような方策を具体的にとっておられないような答えをいただいておりますが、これはあまりにも無責任であると考えます。起こってから想定外だったということではあまりにも茨木市としてなさけない、しっかりこの辺を保障するような、市民の財産を無償で渡してしまうわけですから、これからどういうことが起こるかわかりません。公立に対して安定性はどうしても限定されます。このへんの対処を茨木市としてとっていかなければあまりにも無責任だと考えます。再度、答弁を求めます。

 人件費の節減額については、今、南助役がお答えになったように、正規職員はいっさい含まれていない、算定価額には含まれていないと解釈して正しいのでしょうか?昨年三月議会の民生産業常任委員会の課長の答弁では82名減員となる分に、正規看護師がカウントされていました。その人件費730万円、これを足した上で1億4882万円になるとヒアリングで聞いております。それと矛盾しますので、もう一度、ちゃんと明確にしてください。正規は含まれていないのか、いるのか、そこだけしっかり答弁お願いします。

(奥原健康福祉部長)
 玉櫛保育所と水尾保育所の土地の貸し付け価格については、玉櫛保育所の年間土地貸付料は515万9千円、水尾保育所については643万3千円。建物については計算していない。

(南助役)
 財産の無償譲渡に係わっての、民間引受先法人が倒産した場合の対応ということで、今日は資料を持ち合わせていないので、満足に答えられないと思うが、一つは社会福祉法人としての???あったと思うが、今後そういった事態も予想しなければならないということも考えられるが、これは指導監督の権限を持っている大阪府との連携を十分とり、また研究もして、市としての対策をしていきたいと思う。

 

 大きな2点目として臨時職員の雇用継続について、実際に20人弱が影響を受けると。いずれにしても公立保育所勤務の臨時・パート職員は単なる正規職員の補充的存在ではなくて、配置理由からして恒常的な理由で配置し、任用の更新を何年も行ってまいりました。今や、臨時職員の存在がなければ保育サービスの提供は成り立たず、欠くことのできない主戦力の一端を担っています。茨木市の一方的な都合で民営化が行われ、正規職員は解雇による不利益を受けないのに非正規である臨時・パート職員が解雇・雇い止めという不利益を一方的に受けるのは不平等にすぎます。たんに法的問題を回避すれば事足りると冷淡に使い捨てるのではなく、繰り替えしますが、「思うに、非常勤職員といっても、任用更新の機会のたびに更新の途を選ぶに当たっては、その職場に対する愛着というものがあるはずであり、それは更新を重ねるごとに増していくことも稀ではないところである。任命権者としては、そのような愛着を職場での資源として取り入れ、もってその活性化に資するよう心がけることが、とりわけ日本の職場において重要であって、それは民間の企業社会であろうと、公法上の任用関係であろうと変わらないものと思われる。また、非常勤職員に対する任用更新の当否ないし担当業務の外注化の当否については方針もあろうが、任用を打ち切られた職員にとっては、明日からの生活があるのであって、道具を取り替えるのとは訳が違うのである。」この判決文の精神について改めて見解を求めたいと思います。解雇・雇い止めをしなくては民営化を進められないのなら、民営化自体をそれだけでも凍結・撤回すべきだと考えます。

(津田総務部長)
 まず人件費の問題で、正規職員はこの削減効果に入っていないのかということであるが、正規職員の異動というのは確かに行っている。ただし、今後退職等が当然年々発生していくので、この補充をしないということは人件費の抑制という形の効果に現れくる。また、今回、中条・三島保育所の作業員または看護師等については、今現在、不補充としているところに配置換えしているので、そういう意味から云えばそういう削減効果の、人件費の効果という形になる。今後、退職者もかなり発生してくる。この4年間で正規職員の保育士が。その分を補充しないということは経費の節減効果として現れてくると考えている。

 次に、臨時保育士の雇い止めの問題、先ほども答弁したように、法的な問題が発生しないような措置は、今年度、平成18年度に措置している。また、実際問題、こういう措置をしなくても臨時職員の方については公法上の任用関係にあるので、いわゆる民間の雇い止めの問題は発生しないと考えている。ただし、今まで公立保育所の運営に大きく貢献してもらったということは、我々も理解している。そのためにできるだけ多くが配置できるための努力は続けていくと。ただし雇用のための雇用という考えはもっていない。

 

 3つ目の保護者の選択権について。また、同時に神戸地裁は「特定の保育所に在籍する児童およびその保護者に対して保育所選択権が認められるとしても、市町村が、その設置している当該保育所を廃止することがまったく許されないわけではないと言うべきであり、廃止についての判断は保育所を取り巻く諸事情を総合的に考慮した上での当該市町村の政策的な裁量判断にゆだねられるているものと解される。もとより、保育所廃止にかかる判断は無制約に許容されるわけではなく、当該施設が保育所であるという施設の性質や入所中の児童や保護者の利益が尊重されるべき事をふまえた上で、その廃止の目的、必要性、これによって利用者の被る不利益の内容、性質、程度等の諸事情を総合的に考慮した合理的なものでなければならないことは当然である。」としています。茨木市の公立保育所の民営化は財政的逼迫性もなくあまつさえ根拠もなく、その合理性は皆無であると考えますが見解を求めます。

(奥原健康福祉部長)
 保護者の保育所の選択権に絡んで、合理性が皆無ではないかということであるが、保護者に民営化にともなって影響のある事柄については、子どもについては「合同保育」あるいは「引き継ぎ保育」・「巡回保育」といったようなことをやっており、市としてできるだけ影響がないような形での対応はさせてもらっている。また、民営化の一つの目的としては、民営化にともなって経費が節減できるという一つの目的もあるので、これについては、この議会の中で種々議論してもらった結果、市長の裁量権の範囲に当たらない範囲で議決をもらったものと理解している。

 

 耐震の問題については、19年度で拡充・・・新規で行われる私立保育園への補助金の中に、一園最大500万円の助成が行われる、これが耐震(補強)に使ってもいいのかという質問に答えてもらってないと思うので、もう一度応えていただきたいと思います。

(南助役)
 耐震化については、さきほど言ったのは、耐震診断の結果、耐震の工事が必要だという場合の対応を言ったのであり、今年度新たに組ましていただいたのは耐震診断に対する補助金ということである。

(奥原健康福祉部長)
 施設改修費500万円で耐震改修してもらってもいいとなっている。

以上