2009年3月31日(火) 日本共産党市政報告 bS66

2009年3月定例市議会報告

 

不況の中だからこそ、「福祉切り」許さず、無駄遣いただし、
財源確保の手立て尽くせと奮闘

 

 3月定例市議会は、景気悪化を口実にした大企業の無法な「非正規切り」と国・府の悪政から、住民に最も近い市政が暮らしと雇用を守るため最大限の手立てをどうとるかが問われた議会でした。日本共産党茨木市会議員団は、大企業の社会的責任を免罪し、市民に負担ばかり押し付ける現市政に対して具体的、建設的提案で市民要求実現のため全力で奮闘しました。

市民の皆さんと力を合わせて実現できた主なもの

○乳幼児医療費助成対象年齢拡充(小学校2 年生まで、11月から)

○妊婦健診公費助成の拡充(3回→14回)

○子育て支援総合センターでの一時保育実施

○出前型一時保育事業の実施

○私立保育園への支援(休日保育事業・子育 てサポート保育士事業補助等)

○心理判定員の増員(2人→3人)

○小児2次救急医療・木曜日実施追加(昨年12月より、実施機関・済生会茨木病院)

○市内事業所への正規雇用促進奨励金支給事 業(失業中の市民等の正規雇用、30万円 /年/人)

○失業中の市民を路上喫煙禁止等マナー啓発 員として雇用(12人、短期雇用)

○ともしび園における医療ケアの本格実施

○ひとり暮らし高齢者等生活支援事業の実施(庭の除草・大型ごみ出し等)

○中学校全普通教室エアコン設置(7月供用 開始予定)

○学校・幼稚園施設の耐震化、音楽教室エア コン設置、便所改修、園庭緑化等の推進

○学校応援サポートチームの拡充

○中央図書館・祝日開館の実施

○商店街活力アップ支援事業の実施(空き店 舗活用に改装費、家賃の一部補助)

○茨木・ふれあいの森づくり事業の実施(竜 王山地区の保全整備)

○新型インフルエンザ対策事業(救急隊員着 用の感染防止衣服等の購入)

○同和予算の削減

 

自民・公明、民主など、総額3億円以上の市民負担増・市民サービス後退を強行!

 市は法人市民税等の落ち込みを口実に、新年度予算ではこれまで進めてきた市民犠牲の「行革」を前倒し的に実行する提案がされました(左表参照)。党市議団は、08年度の税収は当初見込みに対して個人市民税は1億円の増、法人市民税は15億円の減、たばこ税は3億円の減で、法人市民税でいえば07年度比で6億円もまだ増収となる見込みであったこと、かつての税収落ち込み(04年度、05年度)と同程度であり深刻さはあるが過大にいう必要はないこと、国に措置を求めるべきであること、茨木市自身もあらゆる努力をしたとはとてもいえないこと、を明らかにし、予算組み替え動議(2面参照)を提出しましたが、自民・公明・民主などは「ぎりぎりの苦渋の選択」などと市民犠牲の提案を強行しました。

《市民犠牲の主な内容》

○市民サービス後退

◇身体・知的障害者福祉金支給額半減

◇特定疾患者福祉金支給額半減

◇重度障害者福祉タクシー料金助成縮小

◇在宅寝たきり老人等介護見舞金支給額半減

◇敬老祝金77歳支給廃止

◇高齢者世帯家賃助成の支給限度額を1/2に

◇高齢者住宅改造助成縮小◇高齢者福祉タクシー助成縮小

◇ふれあい入浴事業廃止

◇老人健康マッサージ事業廃止

◇奨学金支給縮小

◇各種団体補助一律2割削減

◇維持補修費予算おおよそ1〜2割削減

○市民負担増

◇公民館通年講座受講料徴収(250円/回)

◇小中学校施設使用料のスポーツ施設減免規定準用による有料化・値上げ

◇公共施設駐車場の有料化・値上げ(市役所、地区公民館、保険医療センター、ハートフル、図書館、運動広場、市民体育館、忍頂寺スポーツ公園等)

◇国民健康保険料の値上げ

◇介護保険料の値上げ

◇障害者入浴サービス(ハートフル)利用料の値上げ

◇障害者訪問入浴サービス利用料の値上げ

 

厳しい財政といいながら、彩都、安威川ダム、新名神関連事業、阪急茨木市駅東側府営住宅跡地取得などは推進

 見通しのない彩都開発では、彩都東部地区の開発が事実上中止となるなかで、なんとか中部地区の開発までは強行しようという巻き返しが起こっています。しかしこれは、当初予定処分価格24万円/uから5〜10万円/uへと「大安売り」が前提であり、15社が進出希望企業として登録されたといっても、実際の進出について何の担保もありません。

 3月議会で党市議団は、彩都西部地区の国際文化施設地区約22haの都市再生機構の保留地・約10区画についても売却処分されたのは4区画のみで、用地譲渡による処分が困難となると、事業用施設用地として20年間の借地権を設定し、その価格も月額300〜350円/uと著しく低額で、こんな状況でどうして「良好なまちづくりが進みつつある」といえるのかと追及しました。ところが、答弁では「都市再生機構の経営のことなのでコメントは差し支える」といいながら「彩都事業が破綻しているとは認識していない」と無責任な答弁に終始しました。

 安威川ダム建設計画でも、市長は「本体工事の早期着工」を府に求めていくことを改めて表明し、阪急茨木市駅東側府営住宅跡地も使途不明のまま無計画に先行取得し、新たな不要不急の公共事業に踏み出そうとしています。

 大型開発関連では財政状況などどこ吹く風とばかりの対応は、まさに「逆立ち」財政運営です。

 

同和行政の完全終結を!

 質疑を通じて、不十分な対応ながらも、いのち・愛・ゆめセンター(旧解放会館)と青少年センターとの統合による同和行政にかかわる職員の一定の削減などで約1億4千万円の削減が明らかになりました。いのち・愛・ゆめセンター内の部落解放同盟支部事務所問題でも大阪高裁控訴審の退去和解決定を受け、「3月末までに自主的退去するよう求めている」「平成21年度の目的外使用申請書は提出されないものと考えている」と答弁しました。さらに市営住宅(同和住宅)の悪質滞納者についても「明渡等請求訴訟の法的措置による対応を考えている」と答弁しました。

 

4 国保料・介護保険料の引き下げを!

 昨年12月市議会に2万7千筆あまりの国保料・介護保険料の引き下げ等を求める請願署名が提出されたこともあり、一般会計からの国保への繰り入れ額が増額されました。しかし残念ながら、09年度は国保料を引き下げるまでには至らず、3年ぶりの国保料値上げとなりました。介護保険料も市民から取りすぎた保険料が9億6千万円も余っているのに基準月額にして30円・3期連続の値上げを打ち出しました。保険料抑制のために基金を全額活用すれば介護保険料は基準月額で、107円引き下げが可能ですが、市は答弁でそのつもりはないと言い放ちました。

 

5 予算の組み替え動議を提出

 今回の議会で提案された一般会計予算は、大幅な市民負担増、市民サービス後退の提案となっていたため、党市議団は、無駄や浪費を改め、財源確保の手立ても明らかにした、歳入歳出両面にわたる組み替え動議を提出しました。

 その内容は、彩都や安威川ダム、新名神関連や同和関連予算、小学校給食の民間委託、阪急茨木市駅東側用地の利用検討、大手企業優遇策である企業立地奨励金など総額約6億8千万円の歳出予算の削減を求めるとともに、障害者福祉金の削減など一連の市民サービス後退を中止すること、仕事おこしとして市内業者発注・住宅リフォーム助成制度創出、歩道整備・バリアフリー化など身近な公共事業の積極的推進、国保料の引き下げなど総額約5億円の歳出予算の増額を求めました。

 歳入面では、公共施設駐車場の有料化や公民館通年講座受講料の徴収などの一連の市民負担増の中止として総額約8千万円の歳入予算の削減を求め、さらに財源確保として基金の新年度積み増しの中止を要求しました。

→東芝・サッポロビール撤退の影響額はわずか600万円

 質疑を通じて東芝・サッポロビール撤退による08年度法人市民税の影響額は「両方合わせまして約600万円」と答弁し、税収面に関しては、大企業撤退による財政危機論は間違いであることが明らかになりました。


  

市会議員 あじち洋子

障害者福祉金の削減やめよ

  税収減を口実にして、市は受給者の生活実態を把握しようともせず、福祉金の支給半減(施設入所者は停止)を打ち出しました。自立支援法の応益負担に苦しめられている障害者の生活を福祉金が支えている実例を示しつつ撤回を求めましたが、市は「過重な負担とならない範囲で」削減するとの答弁に終始しました。

 

市会議員 朝田みつる

「ふるさと雇用再生特別交付金」と「緊急雇用創出事業交付金」を活用し緊急雇用対策を

 国の経済対策として、わずかではありますが「ふるさと雇用再生特別交付金」と「緊急雇用創出事業交付金」がおりてきます。「徹底して市民のために活用を」と迫りました。答弁では「本市の交付上限予定額は、それぞれ約1億円づつ」であり「多くの雇用・就労につながる事業を実施したい」と答えました。

 

市会議員 畑中たけし

「地域公共交通会議」の設置を

 規制緩和によりバス事業者は届出だけで減便や路線廃止が可能になりました。その代わりとして法改正により自治体、地域住民、バス事業者が合意形成を図る場として「地域公共交通会議」の設置を国は進めています。市に会議の設置を求めたところ、「十分な研究と慎重な判断が必要である」との答弁でした。引き続き設置実現のためがんばります。