[畑中たけし] 平成21年9月定例市議会 本会議質疑

◎議案第72号茨木市保育の実施に関する条例の全部改正について

◎議案第76号財産(建物等)の譲渡について(庄保育所、東保育所)

◎一般会計補正予算質疑

  ○茨木市の財政運営について

  ○分譲マンション管理の公的支援について

  ○旧亀岡街道の中穂積2丁目角の道標復元について

◎認定第三号大阪府茨木市国民健康保険事業特別会計決算認定について(反対討論)


◎議案第72号茨木市保育の実施に関する条例の全部改正について

[一問目]それでは、議案第72号、茨木市保育の実施に関する条例の全部改正について、質疑いたします。

 本条例改正案における保育所保育料の条例化について、お尋ねいたします。

 本条例案については、そのまま可決すれば保育料が硬直化し、高どまりするおそれが高く、きめ細かな保育行政の実施からは逆行するものであり、賛成できないとの立場から質疑を行います。

 これまで市は、保育所保育料については、前年度国徴収基準額表の平均75%に当たる額を市徴収額として規則に定めることで運用してきました。今回の条例改正に先立って、市は茨木市保育所保育料に関する懇談会に諮問を行い、懇談会から「保育所保育料の条例で定めることを、適切であると認める。なお、その保育料については、従来どおり前年度私立保育所に適用される国の定める徴収基準額の平均75%を基本とする考え方を踏襲するものとする」という答申を得ています。

 今回、保育所保育料に関する懇談会に対する市からの諮問内容は、保育所保育料の条例化についてだったわけですが、そもそも条例化について懇談会に諮問するに至ったきっかけについて、お聞かせください。

 これまで保育料の徴収は国の法律に徴収根拠があるので、わざわざ条例で定めることはせずに、規則で額について定められてきました。全国的にも同様な考え方で、ほとんどの自治体で規則による徴収額設定が行われてきているものと思われます。

 懇談会において、条例化諮問の件について、平成10年の児童福祉法改正と、それから市のスタンスとして、市民に一定の負担を求める場合には条例に規定すべきであるという基本方針がある旨あげておられますが、市のスタンスがきのうきょう変化したわけでもなく、法律改正も11年前であるにもかかわらず、今になって突然、条例化の理由にするとしては薄弱であると考えますが、いま一つ理解できかねるところです。

 諮問に先立って、国なり府なりから、条例化についての通知や指針等、方針が示されるようなことがあったのか、お尋ねいたします。
 次に、大阪府下33市についての保育料の条例制定状況について、先ほどの質疑にもありましたが、現在、茨木市と同様、条例化を行っている自治体は東大阪市1市のみということです。府下自治体の条例制定化の動きも、懇談会の質疑の中では把握しておられないと委員の質問に答えておられます。

 市はふだんから、他市の状況を勘案しながらという文句を答弁において使われることがよくあり、横並びを重視している姿勢からしても、今回の府下的にも、全国的にも、突出して条例化に突っ走る理由を改めてお聞きしたいと思います。

 次に、答申では、単に条例化を可としているところ、どのように条例化されるのかが問題です。本条例提案においては、附則に22年度に限った市民税非課税世帯への経過措置はあるものの、第4条で、要するに前年度国基準額に0.75を乗じて得た額とすると規定しています。

 茨木市の保育所保育料は、1982年以来、国基準の75%ラインを踏襲されてきたそうですが、必ずしも75%を堅持してきたわけではなく、その時々の経済情勢、市民への影響等、さまざまな事情を勘案して、ある程度、柔軟に運用されてきたと聞いていますが、本条例提案によって、基本的に前年度国基準の75%と画一的に決められてしまうと、これまでの柔軟性が失われ、国基準額が値上げになれば自動的に茨木市の保育料も値上げになり、運用が硬直化してしまうのではないかと考えますが、見解をお聞かせください。

 例えば、新宿区などでは、保育料について具体的に別表に定めるという形式をとっており、保育料の具体な額が変更される場合には、議会での慎重な審議を経るものとなっています。条例化する利点として透明性の確保があげられており、総論としては賛成するものでありますが、その趣旨を貫徹するならば、スライド制の形のみを条文化するのではなく、あわせて別表に具体額を定める形式をとるべきと考えますが、見解を求めます。

 次に、個別の各段階の保育料についてもお尋ねいたします。

 基本75%、平成22年度は市民税非課税世帯60%とすると、平成21年度茨木市徴収基準額表からすると、先ほどの質疑にもありましたが、市民税非課税一般世帯のB2、さらに市民税均等割課税世帯のC1及びC2階層については、それぞれ50%から60%、70%から75%という値上げになると、さっきの質疑にもありました。こうした、特に低所得者層への福祉政策的配慮、本条例が可決されれば、5%から10%の値上げとなります。市民の家計や雇用を直撃している大不況の影響が重くのしかかっており、好転の気配はいまだ全く見られません。こうした状況で、特に低所得者層に、来年度にはさらなる負担増を押しつけることになる今回の条例案の制定について、市の見解を改めてお聞かせください。

 1問目、以上です。

[村田こども育成部長] ご答弁申しあげます。

 まず、懇談会に諮問するに至ったきっかけということでございます。

 保育所保育料は、法に根拠を持つ徴収金でございますので規則によって定めておりますけれども、保育所への入所が、措置制度から保護者が保育所を選択する契約制度に改められたこと、保育料が保育サービスの対価と考えられること、また透明性の確保の観点から、市民の方に一定の負担を求める場合には条例で定めることを基本としてることから、保育料につきましても条例で定めたいというふうに考えまして、懇談会に諮問をいたしたものでございます。

 なお、国・府から保育料の条例化について、通知等は示されておりません。

 次に、条例化の理由でありますが、保育所保育料は、平成18年度までは、懇談会の答申である「前年度の国の定める徴収基準額の平均75%とする」、これを踏まえまして、保育料総額の平均75%となるように保育料を決定してまいりましたが、階層によって負担に相違がありましたので、負担の公平性の観点、これについて年次的に国の定める徴収基準額の区分と合致するよう、所得階層区分及び各所得階層区分ごとの保育料の見直しを行ってまいりました。

 その結果、7月に設置した懇談会から、「保育所保育料を条例で定めることを、適切であると認める。なお、その保育料については、従来どおり前年度私立保育所に適用される国の定める徴収基準額の平均75%を基本とする考え方を踏襲するものとする」という答申をいただきましたことから、今回、保育料の条例化をお願いするものでございます。

 それから、条例化が、いわゆる保育料の運用が硬直するのではないかということでございますが、保育料は懇談会の答申でございます前年度の国の定める徴収基準額の平均75%を基本に決定しております。国の基準額が変われば、当然、保育料も変わってまいりますので、硬直化するというふうな考えは持っておりません。

 それから、保育料を別表方式にしてはどうかということでございますが、国の徴収金の基礎となる保育単価につきましては、毎年見直しをされております。また、階層区分の認定に係る税額計算におきましても、対象外となる特別控除や寄附金控除など、税法の条文等が毎年改正されております。このことによって、基本的な内容に変更がない場合でも条例改正が必要となってしまうということで、別表方式はしないということにいたしております。

 それから、市民税非課税世帯等の保育料の点についてでありますが、市民税の非課税世帯、一般世帯、いわゆるB2階層の保育料につきましては、懇談会の答申の中で、「条例化にあたっては、市民税非課税世帯について、従来どおり配慮を求めます」とございます。このことから、条例の附則で激変緩和のための特別措置として、国の徴収基準額の60%といたしております。したがいまして、22年度の保育料は、3歳未満児で5,400円、3歳児で3,600円、4歳以上児で3,600円となっております。また、市民税均等割課税世帯につきましては、市民税所得割課税世帯と統合して、国の階層区分と同じ市民税課税世帯の母子世帯等と一般世帯の2階層となりますことから、それぞれの保育料は市民税均等割課税世帯、母子世帯のC1階層でありますが、3歳未満児で1万3,800円、3歳児で1万1,600円、4歳児以上で1万1,600円、それから市民税均等割課税世帯、一般世帯のC2階層でありますが、3歳未満児で1万4,600円、3歳児で1万2,300円、4歳以上児で1万2,300円というふうになっております。

 以上でございます。

(畑中議員) それでは2問目に行きます。

 1問目の大阪府下でも突出して条例化に突っ走る理由については、ちょっと答弁がなかったんですけども、お答えになる言葉がないということでしょうか。

 それから、運用の硬直化についてですけど、それは確かに、国基準はその必要に応じて適宜、変わるんですけどもね、私が問題化しているのは、自治体独自の裁量に基づく運用が硬直化するのではないかという問題点をお聞きしているんです。改めて答弁をお聞きしたいと思います。 それから、1問目でお聞きした条例案に至った経緯なんですけども、今さっき答えていただいた理由については懇談会でも既に述べられている理由で、これについて、なぜ今になってということについて、改めてちょっとお聞きできなかったんで、やっぱり答弁をお聞きしても得心できるとか、腑に落ちる理由というのが見出せません。要するに、毎年12月の民生常任委員協議会で、来年度の保育料について報告する手間を省きたいだけではないかと、これが本当のところではないかと推察しますが、改めて見解を求めたいと思います。

 それから、保育料の徴収については、法律の第56条でも、家計に与える影響を考慮して徴収することができるとしています。この趣旨を十分に生かすのなら、国基準が変わって、自動的に市保育料が変わるというやり方じゃなくて、国基準が変わったら、市の条例に定める具体額に対して各階層をどのように反映させるべきか、これまでも経過措置で50%、60%、それぞれの階層にわたって、きめ細かな対応を行ってきたわけです。こういう対応について、各階層にどのように反映させるべきか、茨木市の保育行政上、どうするべきかというさまざまな状況を勘案して、議会で慎重な議論を経て決定することが望ましいのではないでしょうか。

 具体額を定めた場合の弊害というのを今、ちょっと幾つか、何点か答えていただいたんですけれども、市の徴収基準額表の備考規定については、この部分については規則で定めるという新宿区方式をとるのも方法でありますし、法上、引用の変更であれば、毎年、ほかに幾らでも同様の条例改正案が提出されています。前年度分の国基準適用によって決定した別表の具体額が現年度の国制度の改定による影響を受ける可能性についても、部分的に規則や実施要綱などによって調整を加える方法もあるのではないでしょうか。

 いずれにせよ、1問目であげたような弊害、硬直化、高どまり、こんな弊害が考えられることから、特に条例化により、これまでの市の基本方針と保育料の決定に何ら変わりがないのであれば、弊害を発生させてまで条例化を急ぐ必要がないと考えます。また、加えて、市民の安心と暮らしを支えていくあらゆる施策が今の茨木市政には求められています。条例化に伴う来年度保育料値上げについては回避すべきであります。この点からも、いっそのこと条例化は撤回すべきであると考えますが、見解を求めます。

[津田副市長] まず、自治体としての裁量がなくなるのではないかというご指摘でございます。

 裁量というのは、市が懇談会等へ諮って、国の基準の75%とするという形でさせてもらっているのが、これが市の裁量であって、その裁量がなければ、国基準どおりに保育料を取るというのが原則であるというふうに思ってます。

 そういう意味で言えば、懇談会に諮って、やはり市民各層の意見を聞いて75%が適切であるということもございまして、この件を踏まえて定めさせてもらったものでございます。

 条例化、これは民生常任委員協議会等での説明を省くためではないかということでございますが、決してそうではございません。やはり透明性を図るということと、従来ですと、やはりその辺のことも勘案して、非常にファジーな部分もございましたので、きちっとした形の条例化をして保育料を定めていきたいということでございます。

 次に、家計に与える影響ということですが、これは国の基準を定める場合でも、こういう所得階層等を設けまして、家計に与える影響を、既に国基準のほうで考慮しておりますので、それ以上の考慮というのは、75%という形の減額をしているということが市としての考慮でございます。

 次に、この条例化を急ぐ必要はないのではないかということ、撤回を求めるということでございますが、これは以前から議会等で条例化すべきやというご指摘もいただいておりますので、今回、他の使用料等との兼ね合いもございまして、やはり条例できちっと定めるほうが適切であるという判断に基づいて条例の提案させていただいておりますので、よろしくお願い申しあげます。

 以上です。

 

(畑中議員) この8月30日に行われた総選挙でも、各政党からマニフェストが発表されて国民の関心も高まりました。これまで政権を担ってきた自民党のマニフェストにさえ、3歳から5歳の保育所保育料の段階的無償化がうたわれる時代になりました。こうした流れにあるにもかかわらず、保育料75%と決め打ちして、各階層について、きめ細かな配慮がしにくいという規定になってしまいます。

 茨木市は、大阪府でも保育料は決して安価な部類に順位される実態でないということは山下議員の質疑でも明らかになりました。国の基準にも、ある程度の各階層にわたっての保育料の段階の違いはありますけれども、毎年毎年、刻々と変化する経済情勢について、やはりそれについては国の基準ではなかなか反映できないと。そこでやっぱり自治体の裁量権、75%、それよりもさらに踏み込んで、各階層についてのきめ細かな配慮というのが必要とされているのではないでしょうか。

 今回の75%決め打ちだけの条例化では、やはり条例としては好ましくない、条例化するのであれば、別表方式まで踏み込むべきであると考えます。

 改めて、このような方式での条例化は撤回すべきであると意見いたしますとともに、あわせて、少なくとも21年度保育料の経過措置については、来年度も今の経済情勢下のもとでは継続すべきであると指摘いたしまして、私の質疑を終わります。

 


◎議案第76号財産(建物等)の譲渡について(庄保育所、東保育所)

(畑中議員)それでは、議案第76号、本議案は庄保育所、東保育所、2か所の公立保育所民営化に伴って、建物、備品等を無償譲渡するという提案ですが、中でも、特に建物、施設の無償譲渡方式が移管後の保育所で行われる保育の質の維持、向上に役立つどころか、かえって弊害となる可能性があるから、反対であるとの立場から質疑を行います。

 1点目に、2つの保育所建物の状況について、庄保育所は、鉄筋コンクリート2階建て、東保育所は軽量及び重量鉄骨造平屋建てと、議会提出の資料にありますが、それぞれの建築年度と直近の大規模改修実施年度について、お尋ねいたします。

 また、2保育所の現時点での修繕、改修の必要性について、茨木市の認識をお聞かせください。

 移管先法人がこの建物を無償譲渡によって受け継いだ場合に、いきなり安心・安全な保育を実施していく上で、経年劣化による一定の建物の補修、修繕が必要であることが判明して、移管先法人の財政負担が生じて、修理、修繕しなければならないということが実際に起こる可能性について、市の現時点の見解をお聞かせください。

 2点目に、それぞれの建物についても耐震性の調査が行われたはずですけれども、診断結果は第1次、また第2次診断について、それぞれの保育所の建物について、どのような数値結果となったのか、お聞かせください。

 仮に、耐震改修が必要な建物である場合、改修方針についてはどのような方針を持っているのか、お聞かせください。

 3点目に、建物等の無償譲渡方式については、従来から党市会議員団は、公立保育所民営化については原則反対でありますけれども、強行するにしても、建物については公設民営方式で行い、保育の質の確保を追求するならば、移管された法人が施設維持について、財政負担が軽くなるようにすべきであると意見してまいりました。改めて市の見解を求めます。
 1問目、以上です。

[村田こども育成部長] まず、庄保育所、東保育所の建築年度についてでございますが、庄保育所、東保育所とも昭和45年度であります。

 それから、直近の大規模改修でございますが、庄保育所の水遊び場補修工事が平成20年度、東保育所の便所改修工事が平成20年度でありました。

 民営化する保育所につきましては、平成21年度茨木市立保育所民営化移管先法人募集要項に、建物、プール、倉庫、その他工作物及び保育所備品は現状のまま無償譲渡するとございます。修繕、改修については、移管先法人のほうで負担をしていただくということになっております。

 保育所の耐震結果でございますが、庄保育所の耐震診断につきましては、1次診断で規定値を上回っておるということで補強は不要との結果が出ております。また、東保育所の耐震診断につきましては、2次診断で規定値を下回っておるということでございますので、耐震補強工事が必要になると考えております。この改修工事につきましては、移管先法人のほうで対応していただくことになりますが、安心こども基金等の助成金を活用いたしまして、調整してまいりたいというふうに考えております。

 それから、保育所の民営化につきまして、平成18年度に策定いたしました茨木市立保育所民営化基本方針の第6に基づきまして、この民営化を推進いたしております。したがいまして、公設民営化という方式についての考え方は持っておりませんので、よろしくお願いいたします。 以上でございます

 

(畑中議員) それでは2問目です。
 2点目でお聞きしました耐震改修の件についてですけども、安心こども基金の活用を考えておられるということですが、その制度内容と基金を利用して耐震改修を移管先法人が実施する場合に、大阪府の基金の積み立て、それを利用するらしいんですけども、国・府・市、事業者、それぞれが財源として、どのような負担割合で行われることになるのか、お尋ねいたします。

[村田こども育成部長] 大阪府の安心こども基金の関係でございますが、新待機児童ゼロ作戦に基づきまして、保育所の計画的な整備を促進する、そして認定こども園の拡充等により、新たな保育需要の対応、保育の資質の向上のための研修などを実施して、子どもを安心して育てることができる体制整備を行うということで、平成22年度までの特別措置として設置をされております。

 この負担割合といたしましては、本基金を活用して耐震改修等を行います場合には、その負担割合として補助基準額の2分の1が本基金、4分の1が市、残りの4分の1が事業所ということになっております。

 以上でございます。

 

(畑中議員) 3問目です。
 民間法人の財政基盤と、そして施設整備維持、負担の問題については、以前から質疑を重ねてまいりました。民間保育園は、確かに今、厳しい事態に立たれております。国の施策により公的保育の後退、それから最近では、直接契約方式の導入が強行されようとしています。これらはすべて、国の保育予算の削減と結びついています。一部、さきに述べた基金などの設置があるとはいえ、総じてこうした方向に向かいつつあることは確かです。

 こうした事態に備えて、今、民間保育園、耐震化、また老朽化施設の改修、こういうことに備えるために、人件費を含む諸経費の抑制による経常収支の大幅な黒字化、それから積立金の積み増しが各民間保育所の法人では迫られて行われています。一方で、公立保育所については、各保育所の黒字の収支を考える必要がありません。また、施設の改修に備えて、保育に割くべき資質を抑制してまで積立金をつくる必要もありません。

 このような基本的な条件から考えると、私立保育園が公立保育所を上回る保育水準を向上させる財政的な基盤が乏しいことは明らかです。繰越金が出ていることについては、茨木市はこれまでの議論では、あくまでも是認の姿勢の答弁を繰り返されて、そこに固執してはるんですけれども、過度の黒字と積立金については、問題点を指摘しても、まともに答えようとはしてこられませんでした。こうした中で、公立保育所を引き継いで、さらに上回る、保育水準の向上が期待できるのか、大いに疑問であると考えます。

 以上のことから、公立保育所民営化に伴う建物の無償譲渡方式は中止して、少なくとも公設民営化方式に転換して、施設維持については財政負担、公的責任において行って、民間保育所の負担を解放するべきです。それこそが移管後、保育所の保育の質の維持に資するものであると改めて意見いたしまして、質疑を終わります。

 

 


◎大阪府茨木市一般会計補正予算(第4号)質疑

(畑中議員) それでは、1問目、大きな1つ目は、茨木市の財政運営について、お尋ねいたします。

 まず、平成21年度の今年度の普通会計について、お尋ねいたします。

 第1に、市税収入の見通しについて、お尋ねいたします。見込みは、当初の約439億円と見積もっていますが、今後の推移について見解を求めます。

 第2に、市税収入の減に対する国の財源措置について、お尋ねいたします。市税収入予想約439億円は、20年度の決算数字より約17億円の減ですが、一方、臨時財政対策債による国からの財源措置が約11億円の増となります。市税収入の減は、この財源措置で相当程度カバーできると考えますが、見解を求めます。

 第3に、前年度の繰越金の増についてもお尋ねいたします。当初予想では、前年度黒字による繰越金を約1億円と見積もっていましたが、結果的には約7億2,000万円と、約6億円の増がありました。その理由について、お尋ねいたします。この財源増を21年度の財政運営で、どう生かすのかも、お尋ねいたします。

 第4に、今年度実施された市民負担の増と、それから市民サービス切り捨てについて、改めてお尋ねいたします。このことについて、3月議会では、厳しい財政状況を市民、団体、行政等、すべてが共有する観点に立って、種々の方策を実施したと答弁しましたが、その後、これらの市民負担の増と、市民サービス切り捨てについて、市民の方から特に市の駐車場の全有料化を筆頭に、来年度実施予定のコミセンと公民館の統廃合とあわせて厳しい意見が噴出しています。

 施政方針では、市税収入の減少、財政の自立性、徹底した行財政改革、市独自の施策の見直し、地域の特性とニーズに応じた施策の展開など、美辞麗句が並んでおりますけれども、結局のところ、市税収入の減と、そして企業の移転とあわせて、これらを二枚看板にして誇大宣伝し、市民に我慢を押しつけるものと断ぜざるを得ません。今、わき上がっている市民の厳しい批判をどう受けとめておられるのか、あわせて市長の見解を求めます。

 第5に、性質別歳出充当一般財源の見通しについて、お尋ねいたします。当初予定より補助費等で約2.3億円、普通建設事業費で約2億円の増を予想しておりますが、その内容と理由について、お尋ねいたします。

 次に、20年度の普通会計決算数字確定も関連して、あわせてお尋ねいたします。

 第6に、20年度実質収支黒字額は約8.9億円と、19年度の4.2億円を大きく上回りました。この理由を基金の取り崩し12億円を理由にしていますが、取り崩し当初予定の約18億円を6億円も下回りました。一方では、財政危機を大宣伝しながら、この膨大な黒字をどう説明するのか、市長の見解を求めたいと思います。

 第7に、市税収入について、お尋ねいたします。20年度は約457億円と、19年度対比では約4億円の減ですが、法人市民税の減となる約8億円を個人市民税の増等で約4億円カバー、その他の財源も加えて、その影響は最小限に食いとめられたと考えますが、見解を求めます。

 第8に、事業債の発行が6月補正予定より最終的に約9億円の減となっていますが、その理由をお尋ねいたします。

 第9に、財政調整基金取り崩しの額が、予定の約18億円が約12億円と、6億円の減になっていますが、その理由について、お尋ねいたします。

 第10に、性質別歳出充当一般財源総額の推移についてもお尋ねいたします。6月補正の予想対比では、扶助費で約2億円の減、補助費等で約12億円の減となっていますが、その理由について、お尋ねいたします。

 大きな2点目として、茨木市内分譲マンション管理の公的支援について、6月議会に引き続いて、お尋ねいたします。

 第1に、分譲マンション管理に対する国の動向について、改めてお尋ねいたします。2006年6月、住生活基本法の成立、同法に基づいてつくられた住生活基本計画も策定され、また、新たに国土交通省住宅局市街地建築課内にマンション政策室も設置されました。このように国の分譲マンションに対する支援施策の充実については、大きな、前向きな変化が起こっています。

 市の答弁では、住宅の価値をできる限り保全をし、ストックとして活用していくという視点も非常に重要であり、老朽化した既存マンションの適切な維持管理、あるいは将来の建て替えに向けた区分所有者の合意形成、資金確保等の対策は住宅政策として重要なものであると認識しているとのお答えでしたが、分譲マンション管理への施策について、基本計画では住宅の合理的で適正な管理を通じて、良質な住宅ストックを将来世代へ承継することを目指す観点から、25年以上の長期修繕計画に基づく修繕積立金額を設定している分譲マンションの管理組合の割合を25%から50%に引き上げると掲げていますが、茨木市の分譲マンションの実態はどうなっているのか、お聞かせください。

 また、共用住宅ストックの共用部のユニバーサルデザイン化、つまりバリアフリー率も10%から25%に引き上げるとしています。こちらについても、市内の実態について、お聞かせください。あわせてマンション履歴システムの市内の普及実態についてもお聞かせください。

 第2に、分譲マンション管理の支援施策充実の地方自治体の動向についても、改めてお尋ねいたします。以上のような国の動向のもとで、地方公共団体においても分譲マンション管理へ支援策として、さまざまな取り組みがなされつつあり、地方公共団体の先進的な取り組みの例や分譲マンションの管理等に、国や地方自治体が政策的に関与することについての意義について、茨木市は将来の建て替え等を円滑に進めるため、合意形成へ身近な団体である地方自治体が情報提供、あるいはアドバイス等の一定の関与をしていくことが求められていくと認識を示されて、茨木市として分譲マンション管理への支援策の現状について、お答えいただきました。国の動向や審議会の答申を踏まえて、今後、市の分譲マンション管理に対する支援施策の役割、方向性や具体的施策について、これからどのように発展させていこうと考えておられるのか、改めてお聞かせください。

 さらに、マンションの管理は居住者の住環境の維持だけではなくて、マンション周辺の住民の居住環境、ひいては都市環境の悪化の防止、地震等に対する地域の安全性の維持に影響を及ぼすものであり、積極的な公的支援が必要であると考えられていますが、この観点について、茨木市の見解をお聞かせください。

 第3に、茨木市の分譲マンション管理の実態把握について、お尋ねいたします。茨木市の分譲マンションは約210か所、総戸数約2万2,000、推定居住人口約5万2,000人とされていますが、中には1970年代初めに建設されたものも相当あります。したがって、建築から約40年経過しています。こうしたマンションは老朽化とともに高齢化や単身化、賃貸化など、多くの問題を抱えています。こうした老朽マンションの建て替えや大規模修繕等実施状況、また大規模修繕等が迫られている分譲マンションは、どの程度、存在するのか、市として把握しているのか、お答えください。

 6月の答弁では、市内分譲マンション210棟のどの程度まで実態把握されているかについては明確な答弁がいただけませんでした。茨木市独自の取り組みとして、茨木市分譲マンション管理組合連合会を設立して、さまざまな情報提供や相談活動も行い、その過程で、実態や課題についても把握していけるだろうというお答えでしたけれども、この連合会には市内分譲マンションの管理組合210棟について、どのくらいの割合で参加しているのか、参加実態について、お答えください。

 さらに、参加組合から体系的に、どの程度の情報提供を受けているのか、建築概要、建物の状況、共用施設、給水設備、管理の概要、維持管理費、建物の状態、耐震性能、補助や融資制度の活用状況など、茨木市が収集に努めている情報はどうなっているのか、お聞かせください。 連合会という団体名からすると、例えば自治会連合会のように相当程度の参加率があるように思ってしまいますけれども、実態として管理組合の担当者が熱心な方であるとか、または連合会の参加に相当なメリットを見出せるのでもない限り、なかなか参加が難しい状況にあるのではないかと考えますが、これについての茨木市の見解もあわせて、お聞かせ願いたいと思います。

 大きな3つ目は、亀岡街道と中春日街道との交差位置にかつて存在し、現在、文化財資料館に現存している道標(道しるべ)の現地復元について、お尋ねいたします。

 第1に、1983年に茨木市教育委員会は、「わがまち茨木道標編」を発行しました。新聞では、茨木市が石の道標に戸籍簿、散逸防止のため出版と報道しました。また、当時、道標が82基確認したが、10年間で道標が9基も姿を消して、場所も移転しているものも多いと書かれています。それから約26年たちました。現在、現存は何基で、位置が移動しているのは何基あるのか、お尋ねいたします。

 第2に、道標の所有権と良好な管理の責任の所在について、国道、府道、市道に現存しているものについての所管課と教育委員会の見解をお尋ねいたします。

 第3に、発言通告で言いました指摘の道標の現地への復元について、お尋ねいたします。この道標について、「わがまち茨木道標編」では、中穂積二丁目角にあったが、道路改修のとき捨てられたので、一時、安威三丁目の民家に保管されていたものが、1984年の文化財資料館開設時に寄贈されたと記述されています。この道路改修を実施した事業主体と時期はいつか、そもそも、どの位置に存在したのか、道標には大阪府と記されていますけれども、現在の所有権はどこに存在するのか、復元の位置を確保すれば、復元は可能なのか、お尋ねいたします。
 関連して、その交差点から北へ約1キロ、上穂積四丁目にも1975年当時まで、同様の道標が存在しましたが、同じく姿を消しています。道路整備は茨木市が行ったもののはずですが、その行方について、お尋ねします。

 第4に、現存の道標の保全、また、もとの位置への復元は文化財保護、観光振興、そして道路管理等の見地から必要です。関係各課共同して管理責任と保全責任を明確にし、取り組む必要があると考えますが、市長の見解を求めたいと思います。
 1問目、以上です。

[楚和企画財政部長] それでは、財政運営につきまして、ご答弁申しあげます。

 平成21年度の市税収入の見通しについてでありますが、景気の動向に大きく左右されます個人市民税と法人市民税につきましては、直近の景気指標では景気の持ち直しの動きが見られるとありますが、税収に影響が出てくるまでは時間がかかりますので、現時点では、ほぼ予算額どおり推移すると考えております。

 また、固定資産税をはじめとするその他の税目につきましても、ほぼ予算額を確保できるものと考えております。

 次に、平成21年度の市税収入の減に対する国の財源措置についてでありますが、普通交付税につきましては、21年度も引き続き不交付となったことから増収が見込めないという、こういうことから、税等を含めた一般財源総額の比較におきましては約18億円も減少すると、非常に厳しい状況にあると考えております。

 次に、繰越金がふえた理由につきましては、当初予算編成時には前年度の決算額が確定しておりませんので1億円を計上しております。その後、翌年度へ繰り越す事業、また、決算剰余金が確定したことによりまして7.2億円となっております。

 このうち一般財源として自由に使える純繰越金は約4.3億円であり、その活用といたしましては、5月補正予算におけるインフルエンザ対策、また、7月補正予算における経済危機対策、また、今回、9月補正予算でお願いしております小・中学校施設の耐震化、市税償還金等の経済不況に伴う対応経費であります。

 次に、平成21年度当初予算と現時点を比較いたしまして、補助費等が増額となっている理由につきましては、経済不況に伴う中小企業への融資信用保証料や、法人市民税の償還金の増、さらには平成20年度の国庫補助金の額の確定に伴う精算金の増によるものであります。

 次に、普通建設事業費の増につきましては、小・中学校施設や橋梁の耐震設計委託の増によるものであります。

 次に、20年度の市税収入についての見解ということなんですが、決算比較では4億円の減となっております。しかしながら、市税を含む一般財源総額では約6億円も減少していると、非常に財政運営に大きく影響があったものと考えております。

 続きまして、平成20年度の事業債の発行額は約9億円の減額となっている理由についてでありますが、道路新設改良事業や街路整備事業におきまして、翌年度へ事業を繰り越したこと、また、道路新設改良事業、学校教育施設整備事業などにおきまして起債対象経費が減になったということによります。

 次に、財政調整基金の取り崩し額が減額となった理由についてでありますが、財政調整基金につきましては、3月補正時点で見込みました収支の状況から、歳入面で市税収入の増加、歳出面で国保会計、下水道会計への繰出金の減、また、職員給の減、さらには歳出の各事業におきまして執行残が生じました。こういうことによりまして、一定の黒字額が見込まれることから取り崩し額を減額したものであります。

 次に、扶助費の減につきましては、生活保護費の減が主な要因であります。補助費等の減につきましては、大阪府後期高齢者医療広域連合療養給付費負担金の決算統計における取り扱いにつきまして、補助費等から繰出金に振りかえるよう、国から通達があったことによるものでございます。

 以上でございます。

[野村市長] 20年度の実質収支がふえたことに対する見解ということでございますが、20年度の実質収支につきましては、3月議会において見込んでおきましたことよりも、年度末において市税収入の増加、あるいは事業完了に伴う執行残が生じたことによりまして黒字となりました。予定より黒字が多くなりまして、ほっとしているところではございます。しかしながら、実質的には12月補正、さらには3月補正で財政調整基金の取り崩しを追加するなどによりまして対応した結果でございますので、引き続き厳しい財政状況にあるものと認識をいたしております。

 次に、平成21年度における市民サービス見直しの見解ということでございますが、市政を担う者といたしましては、現下の財政状況をしっかりと受けとめまして、効率的、効果的な行財政運営に努め、また、市民全体の安心・安全な生活に向けた施策を展開すること、さらには、本市の将来のまちづくりの発展を担保することが重要であると考えております。

 このような考えのもとに、平成20年度後半から急激に変化しました経済状況を踏まえまして、21年度におきましては、歳出面において、職員の人件費の削減はもとより、社会情勢、あるいは近隣各市の状況等を配慮して、福祉等のサービスの見直し、あるいは歳入面での負担の適正化を図ったところでございます。

 これらの見直しにつきましては、市民の皆さんにとって本当に厳しい内容とは認識をいたしておりますが、将来にわたり全体の市民福祉の充実、さらなる行政水準の向上を目指し実施したものございますので、ご理解をいただきたいと思っております。

 それから、最後の質問になりますが、道標の保全についての考え方でございます。

 道標は、現存で既に道標として保全されているものもありますし、また一方では、歴史的な資料として、文化財資料館で保管しているさまざまな道標があるわけでございます。今後、庁内的には十分、検討をいたしますが、撤去した事情もあるでしょうし、また、道路交通の安全性の問題もございます。それらを総合的に踏まえ、検討をいたしてまいりたいと思います。

○大塚都市整備部長 分譲マンションに関する質疑について、お答えいたします。若干、重なる部分があるかと思いますが、よろしくお願いいたします。

 まず、1点目の国の政策動向から見た分譲マンションの管理の実態ということでございますが、国におきましては区分所有法の改正、マンション建替え円滑化法の制定、マンション管理適正化法の制定施行、あるいは住生活基本法の成立に伴います住生活基本計画の中で、マンション政策についてもきちんと位置づけられるというところで、分譲マンションに対する施策の充実が図られるということは十分認識をいたしております。

 ご指摘の本市における築25年以上の長期修繕計画に基づく修繕積立金額の設定している分譲マンションの実態、あるいは共用部のユニバーサルデザイン化、バリアフリー化率、マンション履歴システムの普及実態等につきましては、現時点では把握いたしておりません。今後、分譲マンション管理組合連合会の活動の中で実態把握に努めてまいりたいというふうに考えております。

 なお、マンション履歴システムにつきましては、財団法人マンション管理センターによるマンションみらいネットというのがございまして、この活用により対応ができるということになっております。市としても管理組合に対して、このマンションみらいネットに登録されるよう、また働きかけなり、情報提供をしてまいりたいというふうに考えております。

 2点目ですが、分譲マンションの管理についての地方自治体、地方公共団体としての対応についてのご指摘でございます。

 分譲マンションは、基本的には区分所有法に基づきまして、私の財産が集合してあるものということでございますので、その管理は管理組合なり区分所有者の責任で対応されるべきものというふうに基本的に認識をしておりますが、多くの方が住まわれておりますし、また、建物の規模等を考えますと、周辺の環境に与える影響、非常に大きいものがございます。また、区分所有者の合意形成なり資金の確保、技術的、法律的な判断の難しさ等の課題もございますので、市として一定の支援が必要ということで取り組んでいるところでございまして、本市におきましては、大阪府分譲マンション管理・建替えサポートシステム推進協議会とも連携して、情報提供、相談アドバイザーの派遣など、必要な支援体制を進めているということでございます。

 また、昨年11月、茨木市分譲マンション管理組合連合会を組織して、また、本年8月にもセミナーを開催しておりまして、今後とも、このような取り組みを通じて良好なストックが維持、保全されるよう、支援策の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。

 3点目で、茨木市の分譲マンション管理の実態把握についてということでございますが、本市におけます築30年以上経過している分譲マンション、現在で56棟あるというふうに把握をいたしております。ただ、このうち大規模修繕等の実施状況や大規模修繕を必要とする分譲マンション数については、現時点では把握いたしておりません。

 また、ご指摘のいろんな部分でございますが、建築概要については把握をいたしておりますけども、共用施設など、その他の情報については把握いたしておりません。

 今後、これらのうち必要な情報につきましては、先ほど申しあげましたけれども茨木市分譲マンション管理組合連合会の活動の中で収集等をしてまいりたいというふうに思っております。 この連合会は、市内の分譲マンションの210管理組合すべてを対象にしておりまして、この設立に当たりましては、このすべての管理組合にお声をかけさせていただいております。そのうちセミナーを兼ねた発足会には61の管理組合が参加をいただいておりまして、非常に関心が高いというふうに考えておりますし、また、欠席された方につきましては、当日の資料なりセミナーの様子をまとめた資料をすべて送付をさせていただいておりまして、適切な情報提供に努めているというところでございます。

 今後も管理組合の関心が高まる情報を提供するなど、またセミナーの内容等も充実を図りながら適正な維持管理が進められるよう努めてまいりたいというふうに考えております。

○竹林生涯学習部長 道標についてでございますが、道標の数につきましては、当初設置した位置に現存するものが43基、そして、所在が不明のものを含め、位置を移動しているものが52基というふうになっております。

 次に、道標の所有権等につきましては、遺失物として取り扱い、警察に届けることで判明をいたします。ただし、管理の責任所在につきましては、本来の設置者でありますところの個人、また旧の村、そういった地域、府などであるというふうに考えております。

 次に、道標の復元等についてでございますが、道路改修についての事業主体と時期、また所有権につきましては不明でございます。なお、当該道標につきましては、もとの設置位置が不明であること、また文化財資料館で保管することが歴史的資料の管理等において望ましいというふうに考えておるとこでございます。

 また、上穂積四丁目にありました道標の所在につきましては、現在不明でございます。

 

(畑中議員) それでは、2問目、まず、財政運営について、今、1問目にお答えいただいたように、21年度市税収入は、現在のところ、当初予想より悪化する見通しは少なくともありません。また、21年度市税収入そのものの悪化部分も、1問目に主張しましたように、臨時財政対策債等の国からの財源措置で直撃は逃れて相当額、緩和される予想です。繰越金も当初の予想よりふえて、財源として6億円の増加となりました。せっかくできた財源です。

 1問目、このように使っているとお答えいただきましたけど、重ねて指摘しますが、この厳しい財政状況を市民や団体、行政等、すべて共有するどころか、大型開発関連には手をつけず、市民会館建て替え資金も漫然と1億円積みますと、まさにどの口が言うかともいうべき財政運営です。

 財政が全く厳しくないとは言いませんけれども、もっと深刻なのは、市民の家計であり、暮らしです。市民の安心と暮らしを守るという、この観点を大事に見なければなりません。その地方自治体が誇大宣伝で市民に恒久的な痛みを強いるのは下の下策と言います。今、わき起こっている市民の厳しい批判を真摯に受けとめて、駐車場の有料化や公民館統廃合をはじめとした数々の市民負担増と市民サービス切り捨てはやめるべきです。このことは行財政改革でも何でもありません。受益者負担、受益者負担と間違った路線を押し通すなら、何のために市民は高い市民税を払っているのかわかりません。

 国政でも自民党政権が長らく続けてきた構造改革路線も、今度の総選挙で国民の審判を受けて、ノーの審判を受けました。茨木市も心を入れかえる時期に来ているのではないのでしょうか。改めて答弁を求めます。

 2問目、分譲マンションの管理の公的支援について、国の住生活基本法に基づく長期修繕計画のその他の情報については、まだしっかり把握しておられないと、これからということで、しっかり必要性については認識しておられるんですけども、実際、行動面で情報の把握にはまだまだおくれているという状況がわかりました。計画期間内に目標を達成する上で、国の支援も重要になってくるんですけれども、自治体として、まず、しっかりと実態把握を早急に行う必要があると考えますが、それについて頑張って情報収集に努めてください。

 マンション履歴システム、マンションみらいネット、これもちょっと私、ホームページを見に行かせてもらったんですけども、既存のマンションで登録ゼロ、新築マンションで茨木市のマンション、登録2件、これ、会員になればもっと情報が見れるのかしれませんけども、茨木市内の分譲マンションで、みらいネットについて、あまりにも低い状況にありますんで、そこについてもちょっと円滑に進めていただきますようにと。

 それから、分譲マンションの管理の公的支援として、各種調査、研究とか管理組合の把握、管理組合の情報提供、セミナー、講演会の開催、交流会、これらアドバイスの橋渡し等も含めて茨木市、頑張ってメニューとしてやられてるということですが、一定の戸数を超える市では、さらに管理についての財政的支援まで乗り出している例もあります。茨木市でも府の制度に合わせる形で、耐震診断の補助は分譲マンションについて補助を行っておりますけども、一般的な補修や改善、耐震補強、または、そうした修繕、改修に向けた計画立案のための資金の融資や補助、利子補給など、多様な財政支援について、先進自治体で行われているんですけども、これについての意義と必要性について、茨木市の見解をお聞かせください。

 それから、道標の復活についてなんですけれども、文化財資料館へ納めたら、それでええというよりも、やっぱり例えば、旧亀岡街道、ここに道標編、茨木市が出している資料にもたくさんここにあった、あちらにあったといろいろ書かれておりますから、できるだけ復旧したほうが、やはり歴史探訪というのが旧亀岡街道、道標を歩いてたどっていくと、そういうような市民の文化的な行動、そういうのを推進するためにも、文化財資料館に来て、見てもらうのもいいかもしれませんけど、やっぱり現地にあるのが昔の歴史の薫りを楽しむということでも、観光振興という面でも、より効果があると思うんです。

 それから、もうどうしても復旧が無理というのも、それはあるかもしれませんけども、やっぱり可能な限り復旧に努める姿勢を改めて示してほしいんですけども、改めて、そこのところ答弁を求めたいと思います。

 2問目、以上です。

[楚和企画財政部長] 財政運営に対するご指摘をいただいておるんですが、本市の財政運営、基本とするところは市税収入、この動向によって大きく左右されます。

 現下の情勢は、ことしの市税収入は確かに予算額どおり確保できると、先ほど答弁させていただきましたが、ことしと去年を見ますと、大きくやっぱり予算額でも税収入は落ちてると。こういう状況というのをしっかり受けとめて行財政運営を行っていかなければならないというふうに考えてます。

 このような中で、今回、さまざまな見直しを行いました。先ほど答弁がありましたけど、福祉の施策につきましても見直しを行っております。それだけではなしに、他の、例えば経常経費につきましても、市民生活への影響を最小限に抑えるという形でしっかりと経常経費の精査もいたしております。こういう財源をもってやはり市民福祉の向上というところに資して、いろんな施策の充実を図っているというところでございます。

 基金につきましても、やはり多額の経費が要りますので、それに備えて、例えばごみ処理施設であるとかいう分については、計画的に積み立てることが大切であります。そうしませんと、後の世代にまた負担がかかるということになりますので、財政運営につきましては、やはり将来も考えて、現下の情勢を踏まえながら運営していくことが大事であるというふうに考えております。

 以上でございます。

[大塚都市整備部長] マンション管理につきまして、財政支援の意義なり、必要性について、どう考えているかということでございます。

 先進地で財政的な支援がされている部分につきましては、基本的には共用部分での整備なり、設計、計画をつくるという対象になっているということで、これは分譲マンション、いわゆる私有財産に対する支援というところで、そういうふうになっているということは、まず申しあげたいというふうに思います。

 マンション管理につきましては、先ほど申しあげましたように、基本的には先ほどありましたように、区分所有者が自覚を持って、責任を持って適正な管理をしていくというのが基本になりますので、まずは今取り組んでおりますようなマンション管理に対する非常に重要な役割を管理組合が担っていること、あるいは、こういう制度があるというような情報提供を行うことがまず第一義的な使命が濃いかなあというふうに思っております。

 その上で、先進事例の事例なり、実際にそういう財政支援が必要な部分があるのかどうかということを見きわめて今後の検討をしていく課題になるんかなあというふうに考えております。

○竹林生涯学習部長 道標についてでありますが、まずは、その道標につきましては、道路改修等々の中で、その状況にあわせて道標が取り除かれたというような経過もあるかと思います。また、安全の面も含めて、その設置状況を考えながら、具体的に道路改修のときに一定、取り除かれた、また、文化財資料館のほうに保管をしているというような、いろいろケースがございます。

 先ほどもご答弁させていただきましたように、現在、残っておりますもので43基あるということでございます。歴史的資料として道標の価値というものもあるかと思いますが、文化的な要素を持ち合わせる場合、その状況に応じて検討をしていく必要があるというふうに考えております。

 

(畑中議員) 3問目、もう、時間がありませんので、財政問題については、これからも議論を重ねていきたいと思います。

 それから、マンションの管理組合の情報収集については、連合会での実質的な参加による、そこからの情報収集では、なかなか全数把握というのが実態として進まないと思うんです。ですから、まず全数把握の調査、1問目で言いましたような各種の情報の収集を実態把握、積極的に進めていっていただきたい。それから、そのためにも管理組合連合でセミナー参加、自主的な参加じゃなくて、もうちょっと進んだマンションの管理登録制度の採用ですか、そこまでちょっと頑張って進めていただきたいと思います。

 以上です。


◎認定第3号、平成20年度大阪府茨木市国民健康保険事業特別会計決算認定(反対討論)

認定第3号、平成20年度大阪府茨木市国民健康保険事業特別会計決算認定について、日本共産党茨木市会議員団を代表しまして、反対の立場から討論を行います。

 平成20年度の茨木市の国保料金は、前年度と比較して均等割が600円の値下げ、平等割は反対に960円の値上げ、所得割は0.48%の下げということで、19年度に続いて一定の世帯で保険料が引き下げになった状況でありました。保険料引き下げの年は基本的に賛成させていただくのですが、一方で、条例改正により賦課限度額が53万円から56万円に引き上げとなり影響を受ける世帯が一定出たこと。また20年度は後期高齢者医療制度など医療制度改定により当初予定としては全体的に保険料への負担が軽くなることが予想されるもとで、市が料金軽減目的の法定外繰入れ金を一人あたり6800円とまで考えられないほどの大幅に引き下げられたことなどもあり、20年度国保当初予算では党市会議員団は反対の立場を取りました。あらためて、以下、3つの理由を申し述べ決算認定反対の根拠といたします。

反対の理由の第一は、国保料金引き下げの努力が不十分であったということです。

 さきほど申し述べたように茨木市は20年度当初予算の段階から保険料抑制のための法定外繰り入れを一人あたり6800円にまで後退させてしまいました。市はこれまで曲がりなりにも一人あたり13000円から15000円の水準を維持してきたことからすれば、過酷ともいえる姿勢であります。ともかく、20年度末には、結果的に医療制度改定による影響を読み違えたこともあり、このままでは大きな赤字に終わってしまうとの見込みのもと、本年3月議会の補正により独自繰り入れは5億9千万円増額され、一人あたり14445円にまで復元されました。ところが終わってみればまたしても繰入れ額は補正額より1億7千万円も減額され、一人あたり13000円という執行に止まりました。長期化する経済不況、社会保険にも満足に入れない非正規労働者が増え続け、その上こうした労働者が簡単に首切りされるというむごい状況が続いています。そのことは国保の新加入者にも数字となって表れています。年金生活者もあいつぐ税制改悪の結果、国保料や介護保険料の負担が増し、老後の生活にますます不安を覚えておられます。国保は制度設計上一般の社会保険と比べても同額の所得でも保険料は2倍から3倍と非常に高くなり、第一義的には国による制度改正が求められていますが、国による措置を漫然と待つだけでなく、住民に接する自治体として保険料抑制の最大限の努力が求められており、またその優先度が非常に高いことはこれまで何度も指摘してきたとおりです。今回においても三月補正時の独自繰入れ額を約束通り執行し、保険料抑制のために役立てるべきであります。

反対する理由の第2は、市の保険料減免制度が条件の面でも運用の面でも不十分であるということです。

 今日の国民健康保険制度のもっとも深刻な問題は加入者にとって保険料負担が耐えかねるほど非常に大きいということであるのは言うまでもありません。茨木市でも滞納世帯の約8割が所得200万円未満までに集中していることからみても、とくに低所得者世帯にとって保険料が高すぎて払いたくても払えないという状況に追い込まれていることはあきらかです。こうした中、近年、茨木市の保険料収納率も非常に厳しい状況にあるのは決算意見書においても数字となって表れています。国民健康保険会計と一口に言っても、北摂七市だけを見ても保険料設定や所得割・均等割・平等割による配分バランスはそれぞれ自治体の考えのもとに運営されています。保険料比較は世帯構成によって変動するなど単に一つのモデル世帯の保険料を挙げて高い安いを判断することは困難であるのはたしかですが、茨木市はいろいろなパターンで算出した場合、総じて3位から4位という位置にあることがわかります。たとえば豊中市は新聞報道にもあるようにモデル世帯比較という見方からすると保険料は北摂七市の中でも高い水準にあるように見えますが、茨木市とそれほど大きく変わらぬ法定外繰り入れの努力を行って国保会計本体を支えつつ、さらに保険料独自減免を充実させて、真に手をさしのべることが必要な低所得者世帯等への負担を軽くし、保険料負担のバランスを補正しています。ひるがえって、茨木市の保険料減免制度は、条件面では各市ほぼ同条件であると思われる一般減免の件数が615件と加入者人口あたりに換算すると北摂七市では第6位と低位にあります。これはつまり市民への周知度も低く、また市民にとって「もしものとき」に頼れる適用状況になっていないということの現れであります。またその他の条件の減免にしても豊中市、池田市、箕面市が行っている身障者等減免や独自の軽減措置も茨木市においては行われておらず、トータルで見ると件数でも適用金額においても桁違いの低水準にあるのが実態です。収入率向上を図る上でも、運用面でも条件面でも経済的弱者におかれている加入者が利用しやすいよう思い切って充実させ、払ってもらえる分にはできるだけ払っていただく制度に改善するべきであります。

反対する理由の第3は、20年度においても保険料滞納者に対する過酷な制裁措置を漫然と続けているということです。

 とくに資格証明書の発行については、市民の世論もあり一時期に比べて減りつつはあるものの、いまだ北摂七市の中でも茨木市がトップであり、3月末現在1180件となっており、2位の豊中市352件と比較しても3倍以上と突出しています。市はこの間かたくなに多数の資格証の発行を続けてきましたが、20年度においても収納率は北摂七市中第4位と平均以下にとどまっており、本市の収納率の年次推移を見ても、17年度70.4%、18年度70.4%、19年度69.7%、20年度65.8%と低下傾向から抜け出すことができていないことは数値にも表れています。また、滞納世帯率も22.3%と、吹田市、高槻市、箕面市等を上回っており強行的な資格証の発行が効果的であることの数字は見あたりません。他市では資格証発行以外の努力を尽くすことにより本市よりも優れた収納率や滞納率を維持しているのです。資格証の発行はこれまでの調査からも明らかなようにすさまじい受診抑制がおこることが発表されており、自治体としてこのような命や健康を質に取るような行為はもっとも忌避すべき禁じ手であります。加えて、資格証問題は決して個人の問題だけではなく、早期発見、早期治療は将来の医療費つまり保険給付費の抑制につながるであろうことは容易に想像できることです。つまり資格証発行は国保会計全体にとっても決して益になることではありません。全国でも1/3の自治体が独自の判断で資格証の発行をゼロに抑えています。茨木市もただちにそれに習うべきであります。

 今日の国保制度の危機の根本原因については、国の責任が重大であるということは言うまでもありません。新しくできた民主党政権では厚生労働大臣が後期高齢者医療制度の廃止を打ち出しました。それにともない国保制度についても大なり小なり影響が及んでくることは必至であります。あたらしい潮流の変化を見据えつつ、直接の保険者である自治体としても収支両面にわたる改革と改善への取り組みが切実に求められています。

 以上、大きく3点の理由を申し述べ、反対の討論とさせていただきます。議員各位のご賛同をよろしくお願いいたします。