[朝田 充]平成23年3月定例市議会 本会議質疑、討論

◎議案第8号 特別職(市長等)の職員の給与に関する条例等の一部改正について

議案第 号 企業立地奨励金条例の改正について

議案第35号 平成23年度大阪府茨木市一般会計予算

    ①解同優遇行政の是正について
    ②商工業振興施策について


議案第8号、特別職の職員の給与に関する条例等の一部改正について

(朝田一問目議員) それでは、議案第8号、特別職の職員の給与に関する条例等の一部改正について、質問いたします。

 これまでも給与の問題については、人事院勧告に伴う給与改定の際などに、一定、議論させていただいてきました。その中で、今の社会経済状況、公務員の勤務条件、すべてに対して非常に社会の厳しい目があるということを何度も市として答弁されてきたわけです。当然、それは特別職に対しても、むしろ特別職にこそ、この指摘は当てはまると言わざるを得ません。

 そういう意味では、今回の提案、市長月額3,000円、副市長、教育長、水道事業管理者2,000円、固定資産評価委員及び常勤監査委員1,000円の減額措置は、到底、今の市民の世論からしても理解が得られるものじゃないと考えます。今回の改定の考え方について、説明を求めます。

 次に、この間の特別職の給与の減額措置でいえば、平成20年の市長10%減額と副市長等の7%減額でありますが、平成24年度末までの時限措置でありますし、特別職全般の見直し措置でもありません。削減額自体も現下の政治的状況から見て、市民的理解が得られるものではないと考えます。

 特別職全般において、恒久的、大胆な削減に取り組むべきではないかと考えますが、市長の見解を求めます。また、関連して、退職金等のさらなる減額についても答弁を求めます。

 1問目、以上です。

[津田副市長] 今回の特別職の給与の基本的な考え方ですが、特別職報酬等審議会に諮問の上、答申をいただいたものです。

 前回、平成20年では、給与の自主減額を行っていることから、現行額で妥当という答申を受けておりますが、今回は、前回の平成20年度以降の人事院勧告の状況を考慮した減額の答申であり、妥当なものであると考えております。

 次に、市民に理解を得られるものかということでございます。特別職の給与につきましては、2年に一遍、特別職報酬等審議会に諮問し、答申をいただいております。前回の平成20年度では、給料の自主減額を行っていることから、現行額で妥当という答申を受けております。今回は人事院勧告等に従い、財政状況、人事院勧告、また給与の減額の答申を受けたので、妥当な答申であると判断をいたしております。

 次に、退職金につきましては、特別職の職員等の退職手当に関する条例で、給料月額に在職月数及び支給割合を乗じて得た額としており、市長は、支給割合は100分の36、これは府内では下から見て第6位という低い位置にありますので、今回、減額する必要はないというふうに判断いたすものでございます。

 以上です。

 

(朝田二問目) こういう問題ですから、市長にお答えいただきたいんですけども、2問目に行きます。

 議員もそうですけども、特別職の給与について見直ししなければならない時期に来ているのは間違いないところであります。府下の状況でも、市長2割、3割カットという自治体もあるわけで、退職金についても特例の条例をつくって、ある一定期間は受け取らないだとか、とめるというんですか、そういう措置が全国でもいろんなところで出てきているわけであります。そうした大幅減という議論、動きが起こる政治状況であります。

 2問目として、特別職の給与等のこうした動きについて、市長の見解を求めます。

 さらに、市長、副市長等の給料額についても、やはり、先ほどの議員の報酬のところで議論ありましたけども、審議会への白紙諮問ではなくて、政治状況を認めて有額諮問とすることが妥当であると考えますが、市長の見解を求めます。

 いずれにせよ、今回の提案はあまりにも市民感覚とかけ離れており、怒りを呼ぶことは必至であります。私たちとしては、賛成するわけにはいかないということを表明するものであります。

 最後に、直ちに再検討の上、再提出等の手だてをとるべきだと考えますが、その意思はあるか、答弁を求めます。

 2問目、以上です。

[野村市長] 特別職の報酬につきまして、2割、3割のカットの市もあるような状況であると。そういう政治状況であるから、本市においてもそうすべきではないかということでございますが、報酬はあくまで労働に対する対価でございますから、政治状況というのは、最後の話でございまして、決して政治状況だけが優先するような額の決め方というのは適正ではないと考えております。

 それから、有額諮問にすべきということでございますが、これは有額諮問という方法もあり得るわけですが、資料を示して、平たく白紙諮問したほうが、審議会が意見を交わしやすいという考え方に基づき、そうしたものでございます。

 それから、再検討する考えはございません。

 

(朝田三問目) 3問目に行きます。

 非常に残念であるわけです。私は、2問目で給与だけでなくて退職金も、そういったいろんな動きが起こっている状況であると、この見解もあわせて聞いたので、退職金についても特別職の退職金、やっぱり1期ごとに多額の退職金が支給されるという、ここにもやっぱり大きな怒りの世論というのがあるわけで、これについても、やはり大胆な提案をすべきだということを求めたわけで、その点についての答弁はなかったと思いますので、3問目で改めて、お答えください。

 いずれにせよ、これでは市民は納得しないだろうということを再度、指摘して、3問目終わります。

[野村市長] 退職金につきまして、大胆な考えをということでございますが、現行、退職金について適正と判断いたしておりますので、変更する考えはございません。


◎議案第17号、茨木市企業立地促進条例の一部改正について

(朝田一問目) それでは、議案第17号、茨木市企業立地促進条例の一部改正について、質問いたします。

 代表質問で指摘したとおり、企業立地促進奨励金制度は、拡充するのではなく、制度そのものについて、地域経済の活性化に本当に役立っているのかという点で疑問があり、再評価、再検討する必要があると考えます。

 その立場から質問するわけですけども、まず第1に、改めて企業立地促進奨励金制度についての本市の評価、そして、今回の改定の考え方について、全体の予算額と対象拡大による増加額について、明らかにされるよう答弁を求めます。

 次に、企業立地促進奨励金の見直しについて、お尋ねいたします。

 再評価、再検討という点でいえば、昨年、この問題でどれほどの波及効果があるのか疑問だという質疑をしましたら、雇用面で効果があるんだということで、21年3月に新たに立地した企業10社に対して調査を実施して、雇用増があった旨の答弁でありました。この21年の調査というのはどういう調査であったのか、調査方法、内容についての答弁を求めます。また、それ以外に、過去に調査した実績があるならば、その内容についてもお示しください。

 次に、交付対象者についていえば、全市域と産業集積促進地域、すなわち彩都ライフサイエンスパークの2種類があるわけですが、それぞれの交付要件の違いについて、実績として、それぞれの交付件数、割合について、答弁を求めます。

 また、彩都ライフサイエンスパークについては、現在、進出企業が何件で、そのうち奨励金交付企業は何件なのでしょうか。また、ライフサイエンスパークの未処分地というのはどれくらい残っているのでしょうか、答弁を求めます。

 また、奨励金の交付期間というのは、彩都ライフサイエンスパークの特例を除いて5年間であるわけですけども、交付期間後の後追い調査というのは実施しているのでしょうか、その内容も含め、答弁を求めます。

 次に、従来より、同じ奨励金を出すならば、目的、費用対効果がはっきりとわかるものに切りかえていくべきであると指摘したところであります。その意味で、何といっても、正規雇用をふやす、中小企業支援に直接効果があるものをという意味で、既存の事業としては正規雇用促進奨励金事業、この事業こそ、この際、強化すべきではないかと指摘したところであります。企業立地促進奨励金の拡充ではなく、正規雇用促進奨励金の拡充を求めるものでありますが、23年度の予算において、どういう手だてをとったのか、正規雇用促進奨励金のこの間の実績も含めて、答弁を求めます。

 また、中小企業支援ということでいうならば、この点でも昨年、質問したときに、企業立地奨励金も交付している事業所は約半数が中小企業ですので、中小企業支援に役立っている旨の答弁でありました。この答弁の根拠について、説明を求めます。

 やはり今は、施策の優先順位の的確性というものが、しっかり検証されなければならない時代であることは言うまでもないことです。私は、中小企業支援策でいえば、この不況で苦しい中でも頑張っている地元既存中小企業の下支え、支援策こそ最優先にすべきであると考えます。その意味でも、企業立地促進奨励金は、優先順位においても、投入される予算額でいっても、問題であると考えていますが、見解を求めます。

 1問目、以上です。

[田中産業環境部長] 企業立地促進奨励金制度について、お答えをさせていただきます。

 まず、評価と改正の考え方についてでありますが、この制度は、企業等の立地や企業活動の活発化を図ることを目的として、これまで15社が市内に立地しており、市内企業におきましても、建て替えや設備投資などで28社の利用があり、市内の産業振興と地域経済の活性化に効果があったものと考えております。

 また、今回の制度改正の考え方についてでありますが、補助対象設備投資額を引き下げることにより、5,000万円規模の設備投資を考えている中小企業の投資意欲が高まるよう拡充したものであります。

 次に、平成23年度予算額は3億5,797万2,000円で、改正に伴う増加額は550万円と見込んでおります。

 次に、企業立地促進奨励金制度に係る平成21年3月に行った調査内容等につきましては、新たに立地した企業10社に従業員数、新規雇用数、雇用形態等について聞き取り調査を実施しております。

 なお、それ以外に、過去に調査は実施はしておりません。

 次に、全市域と産業集積促進地域の交付要件の違いと交付件数、割合についてでありますが、産業集積促進地域では交付対象に医療法人を加え、土地を賃借した場合も対象としており、また、投下固定資本額が100億円以上の場合、交付期間を7年間としております。

 平成22年度の交付件数についてでありますが、全体で37件で、産業集積促進地域は9件であります。その割合は約25%であります。

 次に、彩都ライフサイエンスパークへの進出企業につきましては、進出または進出が決定している企業等は13件で、そのうち9件に奨励金を交付しております。

 なお、彩都ライフサイエンスパークの事業用地は20区画で、残り5区画であると聞いております。

 次に、交付期間後の調査についてでありますが、交付期間後の調査は実施はしておりませんが、これまで本奨励金制度を受けた企業は、交付期間後も市内で事業を継続いただいていることは確認をいたしております。

 次に、正規雇用促進奨励金の平成23年度の予算額についてでありますが、予算額は本年度と同額の600万円であります。また、本制度を創設してからの累計での実績でありますが、31人を対象に交付をいたしております。

 次に、この奨励金が中小企業支援に役立っているとの答弁をしたことについてでありますが、昨年3月答弁の時点では、37社に交付しており、その内訳として中小企業基本法に定める中小企業が17社、大企業が17社、その他法人が3社で、約半数が中小企業ということでありますので、その旨の答弁をしたものであります。

 最後に、地元中小企業支援を優先することについてでありますが、企業立地促進奨励金制度は、設備投資する企業等を支援することにより、地元の企業の事業活動の活性化を促すとともに、新たな企業等の立地を図り、もって市内産業の振興、地域経済の活性化を図ることを目的としておりますので、中小企業への支援策にもなっております。

 なお、施策の優先順位や予算額につきましては、十分配意して行っております。

 以上でございます。

(朝田二問目) 2問目に行きます。

 答弁にもありましたとおり、今回の改定で約550万円の増額ということですね。正規雇用促進奨励金予算額600万円という、これもご答弁でして、これと比較しても、これだけあれば、やはり仕事と雇用を直接ふやす施策が展開できると考えるわけであります。

 企業立地促進奨励金、全体額では約3.5億円の支出ということですけども、これとあわせて優先順位というのが、本当に施策展開の上で重視されるわけで、やっぱり改めて見直すべきだと考えています。

 そういうことでして、費用対効果の検証についても、調査については、過去に行った調査というのは23年3月の1回切りの調査のみということで、内容も聞き取り調査ということでして、ですから、こういう点で、これを根拠にして、この施策を拡充せねばならない根拠づけとしては、私は乏しいんではないかというふうに考えるわけでありますけども、ご見解をお聞かせください。

 次に、我々、もともとこの事業は彩都開発支援という性格が強い事業であると従来から指摘してきました。その点でのご答弁でも、平成22年の実績ですか、全37件中9件がいわゆる産業集積促進地域、ライフサイエンスパーク地域でして、その割合は25%ということでして、進出企業13件のうち9件が交付企業だと、こういう数字に照らしましても、やはりこの事業は、実態としては彩都ライフサイエンスパーク進出企業への支援という、そういう性格が強いのではないかと。お答えになった、ご答弁の数字からも、やはりそういうことが裏づけられるんではないかと指摘するものですけども、これも見解を求めておきます。

 しかし、ライフサイエンスパークに対するいろんな支援策、補助策ですね、これは今回の奨励金だけに限らず、本当に大阪府も含めて、もう、これでもかというぐらいの支援策があるわけで、そういう点からしても20区画中残り5区画やというんですけども、これだけやってもなかなか埋まらないという、こういう状況にもあるわけです。その点でも費用対効果で私は非常に疑問だというふうに感じますけれども、この点についての見解も求めておきます。

 さらに、こんもりとこの区域に対しては、もう支援策があるわけで、ですから中小企業支援策全般的に見ても、商工業振興策全般的に見ても、公平性の観点から、この施策は非常に問題ではないかと私、改めて指摘するものですけども、これについても改めて見解を求めておきます。

 次に、後追い調査についてもやっていないということで、その交付を受けた企業は事業を継続しているというご答弁でした。しかし、これは事業を継続しているといっても、どうなんでしょう、こういうご時世ですから、交付金を受けた5年間後に廃業するだとか、倒産するだとか、そういう事例も含めてどうなのか、こういう点からも、より詳しく2問目では、答弁を求めておきたいと思います。

 2問目、以上です。

[田中産業環境部長] まず、企業立地促進奨励金制度を拡充することでなく、見直す考えについての見解ということでありますが、この制度につきましては、やはり本市の産業の活性化、振興を図るという意味から、非常に意義ある制度であるというふうに考えております。そのようなことから、さらに拡充を図って、市内の事業所への支援に努めてまいりたいというふうに考えております。

 また、この制度本来の目的が彩都ライフサイエンスパークへの支援策というようなご指摘でありますけれども、先ほども答弁をさせていただきましたように、全交付件数の約75%は市内に既存する、あるいはライフサイエンスパーク以外に立地した企業ということでありますので、そのようなことにはならないというふうに考えております。

 また、彩都ライフサイエンスパークへの立地につきましては、今後の動向といいますか、その中でさらに立地が進んでいくものというふうにも考えておりますし、そのために担当部署としてできることは、大阪府などと共同してやってまいりたいというふうに考えております。

 また、この制度以外にさらなる商工業振興施策のほうへというご意見かと思いますが、他の商工業振興施策につきましては、その内容と目的に応じて、予算についても、それなりに精査をさせていただきまして、十分な手だてをしているというふうに考えております。

 最後に、後追い調査ということでありますが、奨励金制度が終了した後につきましても、企業支援チームの職員のほうが企業訪問等をする中で、どういう実態であるのかというようなことを確認しておりますので、全く何もせずに終わってるということではないということを申しあげます。

(「それに関する事例とかはないんかな、それも含めて答えて」と朝田議員呼ぶ)

 失礼いたしました。答弁漏れがございました。

 交付した中で廃業したところはあるのかないのかということでありますが、廃業ではございません。市内の同一グループ会社の中で、事業所の統合によりましてグループ内での統合があったことによって、交付したところについて1か所が合併といいますか、対象とならなくなったという経過はございますが、その後も合併後のその企業として市内で事業を継続いただいております。

 以上です。

 

(朝田三問目) 3問目に行きたいと思います。

 2問目の答弁、お聞きいたしましても、やはり納得しかねるわけであります。そもそも、私は商工業振興策あるいは中小企業支援策というのは、いわゆる呼び込み型よりも、今は地力をつけるというんですか、持ってる力を生かす型の事業が今は大事だと、重要度を増してるというふうに私は考えます。ですから、この事業は廃止も含めた見直しを行い、先ほどから指摘しています仕事と雇用をふやす、あるいは地元中小企業を直接支援、こういう目的で費用対効果がはっきりわかるものに切りかえていくよう求めるものであります。そういう点では、やっぱり今の時代では、ちょっとずれた施策であるということを指摘したいと思うんです。

 ですから、少なくとも今回の拡充の550万円、この財源、仕事と雇用を直接ふやす事業に充てるべきやと、すぐ見直しというふうにならんでも、せめてそれぐらいはやるべきだったと主張して、終わりたい思います。

 以上であります。

 


◎議案第35号 平成23年度大阪府茨木市一般会計予算

(朝田一問目) それでは、まず第1に、行政の主体性の確立と終結宣言について、大きな1点目として、解同優遇行政の是正について、お尋ねいたしますけども、第1点目に、このことについて、お尋ねいたします。
 いわゆる人権施策、人権教育について、行政の主体性を放棄した解同優遇行政を是正する課題は、今や最終段階に入っているというのが私たちの見解です。最近では、2000年には和歌山県同和教育研究協議会の解散、2005年には事実上の終結宣言である「山口県における同和行政・教育のまとめ」というように広域行政、つまり県レベルでもこうした変化が起こってきています。基礎自治体では、さらに名実ともに終結を打ち出す自治体が増加するであろうことは間違いないところであります。こうした中で、動きについてどう認識してるのか、改めて答弁を求めます。
 いずれにせよ、本市においても、同和問題はなお深刻という立場の人権施策、人権教育は全く必要ありません。改めて行政の主体性確立と、こうしたゆがんだ人権施策、人権教育の終結を求めるものでありますが、答弁を求めます。
 次に、施政方針では、人権施策については、「土地建物の取引や入居等に関する人権問題について、その啓発に努める」とあります。これは、この間、大阪府が不動産会社など関連業界において旧同和地区の所在地を調査したことを差別助長行為であるとして、不動産取引における土地調査問題研究会なるものを立ち上げ、昨年3月、この研究会に報告書を提出させています。府は、この報告書に沿って、差別助長行為を法的に規制するとして、大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例、いわゆる興信所条例の一部改正をするとしています。
 今回の市の対応は、こうした動きと軌を一にするものだと考えますが、見解と府の条例改定の動き、その内容について、答弁を求めます。
 また、市はどういう啓発に努めるというのか、施政方針の内容について、具体的な答弁を求めます。
 いずれにせよ、旧同和地域へのマイナスイメージ、府民の忌避意識があり問題だ、差別事象だと騒ぎ立てるわけですが、大体、行政みずからが地区指定を行い、格差が解消されても、なお特別扱いを続け、国の特別法がなくなっても同和地区はあるんだと言い続け、深刻なんだと言い回り、つまりマイナスイメージを流布しているのは、ほかならぬ解同関係者と大阪府、そして茨木市自身ではないか、いつまでこんな時代錯誤の対応を続けるつもりか、こうした対応こそ、行政の主体性放棄そのものではないかと厳しく指弾するものですが、答弁を求めます。
 次に、隣保館事業の問題について、お尋ねいたします。隣保館としては廃止せよとの質問に、今回の代表質問答弁でも、毎度のことながら考えてないということですが、2008年、隣保館条例を廃止し、各中学校区の子どもセンターに用途変更した滋賀県近江八幡市、最近では、昨年9月、隣保館廃止、いきいき市民活動センターへの用途変更が決まった京都市と、この流れも押しとどめることはできないと指摘するものですが、こうした動きをどう認識してるのか、答弁を求めます。
 いずれにせよ、特定の地域住民を対象にした隣保館及びその事業は、歴史的役割を終えてることは明白です。幾ら全市民対象ですと口で言ったところで、隣保館として事業展開することは、料金の低廉規定も含めて、社会福祉法は特定地域住民とそれ以外に区別するわけで、こういう格差が全く時代にそぐわないことは明らかです。運営要綱を根拠にしても、この矛盾はなくなりません。むしろ、運営要綱の規定は法の精神に反しており、要綱の改定で拡大解釈していくことこそが問題です。同和地区もなくなり、隣保館事業の対象地域もなくなったとすること以外に、この矛盾の解決はなく、市としてそうした見解に立つべきですが、答弁を求めます。
 また、全市民の利用に供する施設と言うなら、各センターにおいて一民間団体にすぎない地域人権協の事務所を目的外で使用許可していることは、到底、市民の理解が得られるものではないと考えます。退去を求めるべきと考えますが、答弁を求めます。
 さらに、隣保館内の児童館事業の新年度からの廃止については、利用者に対する手だてと、その経費節減効果について、答弁を求めます。
 次に、人権センターについて、お尋ねいたします。委託事業もなくなり、人権センターも実態からしても、存在理由は失われています。人権センターで残ってる事業と、今年度と比較して新年度、事業面において変化はあるのか、答弁を求めます。
 また、人権センターへの補助金額についても、22年度と23年度を比較しての答弁を求めます。
 さらに、府レベルでは大阪人権センターが閉鎖され、ここに入っていた府人権協会及び関連の約20団体も昨年3月末をもって退去し、大阪市内の民間ビルに事務所移転しました。同様に、本市においても合同庁舎内の人権センターの退去を求めるものですが、答弁を求めます。
 次に、関連NPO法人について、お尋ねいたします。総持寺センターでは高齢者食の自立支援サービスが、総持寺センター、沢良宜センターにおいては街かどデイハウス事業とCSW事業が、それぞれ関連NPO法人によって、高齢者食の自立支援サービスは貸し室事業で、街かどデイハウス事業とCSW事業は目的外使用許可という形の独占的使用にて実施されています。こうした特別待遇はやめるべきですが、改めて答弁を求めます。
 また、他の施設においてNPO法人に目的外使用許可を出しているところはあるのか、答弁を求めます。
 次に、人権教育研究協議会について、お尋ねいたします。違法な教職員の人権教育研究協議会の運営業務への公務出張は中止するように求めましたが、代表質問では、既に改善に努めておりますと答弁しましたが、何をどう改善したのか、具体的な答弁を求めます。
 交付金支給については、今後検討していくと、今までの考えてないという答弁からは幾らかましになったのかなという印象を受けましたが、これもどういうふうに検討していくのか、具体的内容について、答弁を求めます。
 教育というのは、その全分野において子どもたちの人権が尊重されなければならないことであって、人権教育という特定の分野は存在しないと考えます。ましてや、いわゆる同和問題を中心とする人権教育は、今では全く必要ないと考えますが、答弁を求めます。
 次に、市営住宅について、お尋ねいたします。毎年、空き家戸数と滞納件数をお尋ねしてるわけですが、22年度の状況について、21年度と比較してどうなのか、それぞれ数字と傾向について、答弁を求めます。
 また、この間、悪質な滞納者に対して明渡し請求訴訟の対応もされたわけですが、この取り組みについて、どう総括されているのか、答弁を求めます。
 さらに、市営住宅の入居募集面において新年度で改善点はあるのか、また、空き家について被災者緊急入居だけでなく、関係機関とも連携の上、派遣切り等でホームレスになった住民への緊急の住居確保等にも活用すべきではないか、そうした活用方法についても検討すべきだと考えますが、答弁を求めます。
 長寿命化計画については、23年度中に策定予定ということですけども、どういう形態、手法で策定していくのか、答弁を求めます。
 次に、大きな2点目として、商工業振興施策について、お尋ねいたします。
 まず第1に、これまでも求めてきた市内業者発注住宅リフォーム助成制度の創設についてであります。代表質問でも、全国180自治体が実施と、その広がりを指摘したところでありますが、中でも注目されているのが岩手県宮古市の住宅リフォーム促進補助制度であります。これまでの住宅リフォーム助成と違って、第1にCO2 の削減、第2に生活への支障改善、第3に水洗化、第4に災害対策、第5に住宅の長寿命化を目的に、屋根塗装や畳がえをはじめ、洗面所、換気扇など機器の更新も含まれるなど、極めて幅広い工事が対象になり、補助金も一律10万円の現金支給であること、申請手続も簡単で、申請用紙はA4用紙1枚、住民登録や納税状況などの要件の確認も申請者が書類を集めて提出する必要はなく、個人情報の取得欄に同意のチェックをすればよいという、きめ細やかな工夫がされています。
 制度創設の契機は、市内業者が元請になるような制度はできないかという市長の提起からで、実施すると爆発的な利用で、当初の5,000万円の予算を3度にわたって補正し、合計3.5億円にまで大幅に拡大されたとのことであります。
 公益性が必要で、すべてのリフォームを対象としたような助成はできないと答弁されましたが、それは宮古市の5つの目的設定という工夫でクリアできるのではないでしょうか。見解とともに本市での検討、実施を求めるものでありますが、答弁を求めます。
 次に、小規模工事登録制度の創設についてであります。従来から市内業者育成の立場から少額な工事は市内業者に発注することを基本としているので、小規模工事登録制度は考えてないという答弁をずっと続けているわけですけども、小規模工事登録制度の眼目は、市内業者といっても、競争入札資格のない未登録業者、つまり零細業者に自治体が発注する小規模な建設工事や修繕工事等を発注するところにあるわけです。この制度は、顔の見える業者なので安心して仕事を任せられる、地元の業者なので、ふぐあいの際にも対応が早い、これまで下請仕事中心だった零細業者が元請になることで、請負代金を事業者が直接受け取ることができ、より市内業者育成の目的が達成されるなど、発注側の自治体にも大きなメリットがあります。
 このように、1件ごとの発注金額は少なくとも、自治体が地域の中小企業、零細業者の経営を直接支える意義は非常に大きいと考えるものですが、見解とともに本市での検討、実施を求めるものですが、答弁を求めます。
 1問目、以上です。

[大野総務部長] 順次、お答えをいたします。
 まず、終結宣言の動きへの認識でございますが、和歌山県同和教育研究協議会の解散の件につきましては把握しておりませんが、山口県における同和行政・教育のまとめは、特別法に基づく特別対策の終了を示す内容でございます。本市におきましては、改めて終結宣言という形はとっておりませんが、一般対策として必要とされる施策を適切に実施しているところでございます。
 次に、行政の主体性確立と人権施策、人権教育の終結についてでございます。土地差別問題をはじめとした忌避意識が今も残っておりますので、引き続き、差別意識解消のための人権教育や啓発活動に取り組んでまいります。
 次に、土地建物の取引に係る土地差別事象につきまして、平成19年に大阪府内で差別につながる土地調査が行われていたことが発覚し、府では、現行の大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例では規制ができないため、府民の基本的人権の擁護を図るという観点から、平成23年10月1日の施行に向けて、条例の改正を進めているところでございます。
 改正の内容につきましては、規制の対象に土地に関する事項の調査を新たに加えるとともに、調査を行うものの定義や遵守事項、違反行為の取り扱いの追加などでございます。
 次に、市はどのような啓発をするのかということでございますが、宅地建物取引における人権課題の解決には、宅地建物取引業者や市民の人権意識の高揚を図り、人権問題について、正しい理解と認識を築くことが必要でありますので、市の広報誌に、府の宅地建物取引業人権啓発推進員の記事を掲載するなど、大阪府と連携して、土地に関する差別や入居に関する差別の解決に向けた啓発に努めてまいります。
 次に、マイナスイメージの流布や行政の主体性の放棄ということでございますが、残された人権課題の解決に向けた取り組みは、行政の公正性、中立性の確保のもとで人権尊重の視点から、市が主体性を持って実施しているものであります。
 次に、隣保館廃止や用途変更の流れへの認識でございますが、隣保館の廃止あるいは用途変更がされている事例があることは承知しております。平成14年に、隣保館は社会福祉法に基づき、広く一般市民を対象とした福祉の向上や人権啓発のための交流の拠点施設として位置づけられ、本市においても、各種相談事業等を実施しておりますので、廃止する考えはありません。
 次に、隣保館事業の対象地域、また地域協議会への目的外使用許可についてでございます。本市では、国の特措法が失効後の平成14年度から、一般対策として人権施策を実施しております。したがいまして、いのち・愛・ゆめセンターでは、事業の対象を市内のあらゆる地域と人ととらえ、事業を実施しているところでございます。また、人権地域協議会の事務所につきましては、地方自治法また茨木市財務規則の規定に基づき、目的外使用を許可しているものでございます。
 次に、利用者に対する手だてと削減効果でございます。児童館の利用者につきましては、児童館廃止後は、学童保育や放課後子ども教室等を利用していただくこと、また愛センターの施設も利用していただくことになると考えております。児童館として特別な事業展開は、従前からしておりませんので、削減経費はございません。
 次に、人権センターの事業と補助金でございます。平成22年度から人権センターへは事業委託は行っておりません。平成23年度の事業は人権講演会や人権相談事業などの予算でありまして、22年度と変わりません。補助額の比較につきましては、予算額で平成22年度735万2,000円、平成23年度707万2,000円でありまして、マイナス28万円となっております。
 次に、合同庁舎内の人権センターに退去を求めることにつきまして、人権センターは、人権が守られた豊かで住みよいまちを目指す本市の人権行政の協力機関であり、今後も連携して人権尊重の社会づくりに努めてまいりたいと考えておりますので、退去を求める考えはございません。
 最後に、関連NPO法人への使用許可についてでございます。目的外使用許可につきましては、地方自治法や本市の財務規則に基づきまして適正な使用料を徴収し、許可しているものでございます。また、貸し室事業につきましても、茨木市立いのち・愛・ゆめセンター条例施行規則に基づき、利用申請を受けて許可しているものでありますので、問題ないものと考えております。
 他の施設での使用許可でございますが、市民体育館でNPO法人への目的外使用許可をしております。
 以上でございます。

[岡田学校教育部長] 人権教育研究協議会についてでございますけれども、事務局長等の出張につきましては、回数を縮減するなど是正し、改善するよう指導をいたしております。
 また、交付金につきましては、教職員で構成されている他の教育関係団体を含めて見直しております。
 次に、人権教育につきましては、平成12年に制定された人権教育啓発推進法に基づき閣議決定されました基本計画及び文部科学省が平成16年、18年、20年と三度にわたり取りまとめました「人権教育の指導方法等の在り方について」におきまして、学校においては、人権教育に取り組むことが明記されております。本市におきましては、すべての小・中学校において、教育活動全体を通じ、また児童・生徒の発達段階に応じながら取り組んでいるところでございます。

[梅田建設部長] 市営住宅でありますが、空き家戸数は、平成23年1月末時点で31戸、平成21年度末では33戸、滞納件数は平成23年1月末時点で37件、21年度末は51件でありまして、空き家戸数及び滞納件数はそれぞれ減少傾向にあります。
 また、家賃滞納者に対して行いました住宅明渡し訴訟は、滞納者に対し、滞納は許さないという市の断固たる強い姿勢を見せるとともに、新たな滞納者を発生させない効果があったものと考えております。
 また、市営住宅の入居募集につきましては、今年度から6月と12月の2回、入居募集を行っておりまして、新年度についても、同様に募集をしてまいります。なお、市営住宅の一時入居につきましては、離職退去者も対象に行っております。
 また、長寿命化計画につきましては、10年間の計画とし、耐震上問題がない良好な市営住宅ストックを活用した安全で安心な市営住宅を提供するための合理的、経済的な計画としてまいります。

[田中産業環境部長] 市内業者発注住宅リフォーム助成制度についてでありますが、宮古市の例を挙げて、目的設定の工夫により、公益性はクリアできるのではということについてでありますが、補助制度の設計には公益性の確保が必要であり、個人住宅の改修は所有者みずからが行うことが基本であると考えておりますことから、住宅リフォーム助成制度を創設する考えは持っておりません。
 なお、本市におきましては、個人住宅に対する補助制度といたしまして、住宅用太陽光発電システム設置補助、耐震改修補助、バリアフリー改修補助など、それぞれの制度目的に沿って実施しているところであります。

[楚和企画財政部長] 小規模工事登録制度の創設についてでございます。現行の登録制度におきましては、入札参加資格の希望業種に修繕業務を設けております。企業の規模や建設業の許可の有無にかかわらず登録ができ、現在74社の登録がありますので、小規模工事登録制度の創設は考えておりません。
 また、現行の登録していただきますと、当然のことながら、市が直接発注するため、元請として受注することになりますので、市内業者の育成という目的は十分に達成されてるというふうに考えております。


(朝田二問目) それでは、時間の関係で質問を絞らざるを得ませんけども、2問目、行きます。
 大きな1点目の解同優遇行政の是正の問題であります。優遇行政の是正、終結については、既に指摘したとおり、この道に踏み出す自治体が次々と生まれる状況となっており、理論、理屈だけでなく、さまざまな実践を示すことができる時代になってきています。そういう意味でも、まさに解決への最終段階であります。特に07年にNHKが放映した「岐路に立つ同和行政」で同和問題を解決したまちとして紹介された和歌山県吉備町、今は合併により有田川町になっているわけですけども、ここの実践は広く知られているところであります。何よりもスローガンがいいですね。「差別者のいない吉備町」ではなく、「差別される部落民の存在しない吉備町をつくろう」、これが吉備町の掲げた目標、スローガンです。この目標に向かって、実に120回に及ぶ住民会議を実現させ、合意をとってきたというのが吉備町の実践であります。
 私たちの言う終結というのは、行政としては何もしないということではもちろんありません。むしろ、その逆であります。今や問題解決の最大の障害物となっている解同優遇から決別して、市民間の自由な意見交換、交流を保障し、市民的合意を得ていくための条件整備、援助、こういう点では、行政が主体的公平性を確立して、積極的にかかわらなければならないと考えています。
 とにかく、終結とはこういうことをいうんだという具体的実例を何ぼでも示すことができる時代になったというのは、本当に喜ばしいことであります。答弁をお聞きしていまして、本市では、啓発の問題を中心に、解同優遇行政の呪縛に、いまだ縛られてるということは非常に残念であり、そういうふうに聞いておりました。
 今回、そういう意味での1つの逆流というんですかね、そういうことで指摘しました府の事例改正の内容等ですけども、答えていただきましたけども、全くとんでもないことなんです。改正の中身は、土地に関係する企業活動全般に規制をかけるもので、土地取引の経済活動にかかわる不動産業者、金融機関、弁護士、司法書士など、すべての業者が対象になります。こんな法的根拠が与えられれば、立入検査、行政指導という形で行政が解同の確認、糾弾に手をかす、同調するということになりかねません。この手の問題は、府民、市民の良識を信頼して、自由な意見交換を保障することで解決するというのが筋であります。大体、こんな時代錯誤の条例がまかり通っていることこそが問題です。
 今回の条例改定の動機になってる府の報告書、その中で、業界全体として人権意識が希薄と決めつけていますけども、そんなことはありません。この報告書の中で実施したヒアリング調査でも、次々と出ている意見は、「若い人は同和地区のことを気にしない、今回の件で、逆に気にするように仕向けられている」「同和問題はみんな意識していないので、自然と忘れ、馴染んでいくことがいい」「同和問題を知らない人に伝えることが本当にいいのか、どうしてわざわざ教えるのか。逆に差別意識を芽生えさせるのではないか」、こういうふうに極めて健全であります。
 したがって、市は、自分自身が啓発と称してマイナスイメージを振りまき、その原因をつくってきたことを反省して、大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例の廃止こそを府に求めるべきであります。答弁でおっしゃったような啓発というのは、これは、やればやるほど、そうした差別事象なるものを生み出すということであります。未来永劫続くという、こんなやり方でありますから、こうした啓発というのも中止すべきであります。答弁を求めます。
 次に、NPO法人の問題でありますけども、NPO法人の目的外使用許可の実例について尋ねたんですけども、市民会館で実例があるというお答えでしたんで、ちょっと教育委員会に質問が飛びますけども、市民会館の具体的な実例、具体的な答弁を求めます。どういう実例か、お願いいたします。
 次に、児童生徒支援加配教員の人権教育研究協議会の違法な公務出張の是正についてであります。この問題の核心は、学校業務と関係のない民間団体の会議、運営業務に対して公務出張を承認するという今回のケースは、地方公務員法等を逸脱した裁量権の乱用であり、認められないということで違法判決が確定したわけですよ。そうである以上、直ちに公務出張承認を中止せよということであり、今の答弁のように、回数を減らすように指導したとか、そういうことじゃないんですよ。あれこれ、枝葉の改善でよしということではありません。
 この点で、昨年の12月議会の教育委員会の答弁に係って幾つかお尋ねしますけども、まず第1に、各校の教育活動に支障のない範囲で教育に資すると判断しているから問題ないという答弁で、12月議会ではそうお答えになったわけです。支障があるとかないとかというのは、公務出張の許可に関係のないものであり、出張内容が適法かどうかが唯一の判断基準ですよ。教育に資するという理由も同じであります。教育に資する面がたとえあったとしても、学校業務と、個人として所属してる民間団体の会議運営とは本来別物であります。ここは厳格に区別されなければならないんです。教育委員会の答弁は、まさに裁量権の乱用にほかならないと考えますけども、答弁を求めます。
 第2に、法的根拠として、12月議会で、平成12年制定の人権教育啓発推進法、これをあげていますけども、同法は人権教育及び人権啓発推進に対する国、地方自治体、国民の責務、基本計画の策定等を規定する法律であり、違法出張を認める根拠になり得るものでは全くないということは明白であります。それどころか、第3条の基本理念で、「実施機関の中立性の確保を旨として行わなければならない」とうたわれており、むしろ、今回のケースは人権教育啓発推進法に照らしても問題だと言わなければなりません。見解を求めます。
 また、この違法出張の根拠に、先ほどちょっと答弁にも出た「人権教育の指導方法等の在り方について」、この文書も持ち出してるわけですけども、この文書は人権教育の実践的なノウハウを紹介する、そのことを目的としてつくられた文書であって、今回の目的とは何ら関係なく、こういうものを持ち出すということ自体が、私は教育委員会の見解を、率直に言うて、疑うということでありますんで、これもあわせて答弁を求めます。
 第3に、関係者の責任について、教育委員会が出張の承認まで関与していないので、責任は及ばないという答弁でありました。これも12月議会の答弁です。しかし、判決は積極的に関与していたかどうかという点、これは確かにあります。そして、もう1つ、種々の判決がこの種の事案の違法性の判断基準を示していた、そういう状況のもとで承認するというのはいかんと。そういうことで過失を認定してるわけで、こうした点に照らして、どう認識してるのか。直接承認している校長への見解、あわせて答弁を求めます。
 いずれにせよ、違法が確定したものをこの議会の場でも、公的な場でも指摘されてるわけで、それに対して、何ら抜本的な是正の手だてをとられないということは、行政の不作為だと考えますけども、この点に対しても答弁を求めます。
 次に、商工業振興策についてであります。商工業振興策については、住宅リフォーム助成も小規模工事登録制度も、キーワードは下請中心の市内中小零細業者を元請にするということであり、そうした地元業者直接支援に本腰を入れるという意義は大変大きなものであるということを強調したいわけであります。
 これまで、呼び込み型で、企業を誘致すれば、大きな企業が潤えば下にも波及するという、こういう考えで政策展開してきたわけですけども、これはうまくいってないということは明らかで、上を潤わせても下には回らない。内需主導の経済成長実現という観点から、下から潤わせていくという施策が、今ほど重要になってるときはないと、そういうふうに考えますけども、経済政策として、その観点からの見解を求めておきたいと思います。
 2問目、以上です。

[大野総務部長] 大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例について、時代に逆行している、廃止を求めるべきではないかということでございますが、差別につながる土地調査が現に残っておりまして、そうした行為をなくすには、市民の忌避意識を解消させることや業界団体の意識改革が重要でありますが、この条例に明記されることにより、土地調査が許されない行為であるとの意識が広く醸成されるものと考えております。
 次に、啓発をすればするほど差別事象が発生するというようなことかと思いますが、啓発をすべきではないのではないかということかと思いますが、土地差別問題や忌避意識が現在も残っておりますので、そっとしておけば自然に差別はなくなるという自然解消論は、偏見が広がるおそれがあることから、同和問題をはじめとする人権課題の解決に向けて啓発に努めているところでございます。
 以上です。

[竹林生涯学習部長] 市民体育館のほうで、NPO法人茨木市体育協会に目的外使用許可を出しております。

[岡田学校教育部長] 茨人研のことに関しまして、お答えさせていただきます。
 まず、出張の法的根拠というところでございますけれども、これは、出張命令の承認というのは管理職、校長が職員に対してやるということでございます。それで、その根拠につきましては、教育に資するという部分で校長が認めたときに出張命令を出すという形で認めておりますので、そういう意味では、この茨人研の活動に対して、特に、茨木市におきましては、茨人研というのは教職員の主体的、創造的な教育実践を基礎に人権教育を推進している組織であると認識しておりますので、特に近年、生起しております、いじめとか不登校とか虐待等のさまざまな人権に対応する職員の人権意識の育成にとって重要な役割を担っていると、そういう視点で、出張を認めているというふうに把握はしております。
 それから、推進法につきましても、これは国全体の1つの人権教育推進のあり方というところでございますが、これは市にとっては、1つの根拠法として、子どもたちの人権意識をどれだけ育てていくかという部分で考えさせていただいているというところでございます。
 それから、3次の取りまとめのところを引き合いに出してというところでございますが、これは、具体的には指導方法もございますが、教職員の人権意識、それから子どもたちへの人権の指導方法の中身とかも含めた研修、研究、そういう部分も含めての提示でございますので、それに基づいてやっているということでございます。
 それから、教育委員会が出張を認めることに関して、関与してないという言い方をしたと、校長が権限を持ってるということでございますが、教職員の管理、特に、先ほど言いましたけれども、出張につきましては、校長が業務の支障のないように、その中で、子どもたちの教育に資する部分、それから教職員の資質向上、それも含めた形での意味合いがあるというところで、出張を認めているということで、教育委員会としても、そういうような形での認識を持っているというところでございます。

[田中産業環境部長] 住宅リフォーム制度助成に関しまして、地元業者へ直接、上からでなく下からというようなご質問かというふうに考えますが、本市では、市内の商工業の振興、また地域経済の活性化を図るため、個人事業者等も含めまして商業者あるいは商店街、また企業等への支援に努めているところであります。また、それらの補助金を交付することに当たって、その補助金を活用し、またその工事等を行う場合は地元の業者を活用いただくというようなこともお願いしておりますところであります。そういうことから、本市の中でも地元市内業者への支援というふうにつながっているものというふうに考えております。
 以上です。

[楚和企画財政部長] 本市の修繕業務の登録制度でございますが、修繕ですので200万円までという非常に大きい金額が要ります。他市で実施されております金額を見ますと30万円、50万円ということで、他市に比べて、非常にメリットのある制度ではないかと考えております。
 また、当然、先ほど申しあげましたが、市が直接その業者に発注いたしますので元請となると。したがいまして、市内業者の育成、すなわち、ひいては地域経済の活性化につながってるものと考えております。
 以上でございます。


◎議案第35号 「平成23年度大阪府茨木市一般会計予算」原案反対・修正案賛成討論

私は、日本共産党茨木市会議員団を代表いたしまして、議案35号、平成23年度大阪府茨木市一般会計予算について、予算の組み替え動議に賛成し、原案に反対する立場から討論を行います。

 今、日本の経済は、後退・停滞という状況にあり、多くの国民が前途に不安をいだいています。あらゆる面で、古い政治・経済が行き詰まっており、この打開を求める国民のエネルギーはかつてなく高まっています。今こそ、家計・内需主導の経済成長政策への転換、すなわち、仕事と雇用を増やす身近な公共事業の推進と社会保障拡充路線への大転換と、その負担の在り方も庶民負担増路線から大企業・大資産家への行き過ぎた減税をやめ、応分の負担を求める、すなわち、「支払い能力に応じた負担」を原則とする路線へと大転換することであります。地方政治においても同様で、「行財政改革」という名の市民サービス切り捨てと市民負担増路線からの転換が求められています。

ところが、平成22年度においても、公共施設の3割5割使用料減免制度の廃止をはじめ、一般会計繰入金を大幅に減額するための下水道使用料の引き上げ、高齢者、障害者のかろうじて残っていた市単独分の医療費助成制度を市民税非課税世帯を残して廃止するなど、引き続いて大掛りな市民サービス切り捨てと負担増を押し付けてきました。その一方で、今議会でも22年度、最後の補正予算が提案されましたが、市税収入も地方交付税も臨時財政対策債も当初予想は低く見積もっておいて、今回、増額補正し、その財源の大部分は、またしても用地取得や買い戻しに費されました。つまり、年度当初は「財政は厳しい」と一面的に強調し、市民犠牲強行の理由にする、年度末は、それを修正し、無原則的な普通建設事業の拡大をはかるという、こんな市民不在の財政運営は改めるべきです。こうした財源は、次年度に繰り越して、市民の暮らし、福祉、教育の充実に回すべきです。改めて厳しく指摘するものです。

平成23年度においては、指摘した誤った路線から決別し、市民犠牲により生み出された財源は市民の暮らし、福祉、教育に還元すべきであり、本予算の組み替え動議の立場こそ、そうした市民本位の財政運営であると強調するものであります。

以下、具体的に理由を述べます。

組み替え動議に賛成し、原案に反対する理由の第1は、本予算原案が、これまでの市民犠牲路線を反省するどころか、引き続き、これを推し進める予算になっているからであります。

本予算原案の中には、緊急雇用創出等事業や、こどもの医療費助成の小学校3年生までの拡充、小・中学校耐震補強の推進、小学校普通教室へのエアコン設置事業、保育所建設補助事業や彩都西小の学童保育室増築事業、などの市民要求が反映し、実現するものもあります。しかし、全体としては、これまで進めてきた市民犠牲の行革を更に進めようという予算になっています。

予算編成方針において指示された各部の事務事業見直しは、障害者ホームヘルパーの廃止や保育所まかない材料費の縮小をはじめ、その他多くの経常経費、委託料の見直しで総額5億円に及び、そのほとんどが市民サービス低下につながるものであります。さらに、下水道使用料引き上げによって、大幅な一般会計からの繰り出し減となり、学校給食の民間委託化においても現行の9校から11校に拡大するための予算が組まれています。政治的姿勢としても、更なる公立保育所民営化推進について、改めて検討することが表明され、公民館運営事業においても、公民館のコミセン化と称して、人的体制面、市民サービス面での更なる後退が表明されました。

予算の組み替え動議では、こうした誤ったやり方を改め、市民生活を守る立場から、歳出予算の減額では、小学校給食業務委託・拡大の中止を求め、歳出予算の増額では更なる国保料引き下げを図るための国保会計への繰り出し増、下水道使用料据え置きを図るための下水道会計への繰り出し増、事務事業見直しで削減された障害者ホームヘルプサービスや保育所まかない材料を元に戻すための増額、さらに市内業者発注住宅リフォーム助成事業創設のための予算計上を求めています。

組み替え動議に賛成し、原案に反対する理由の第2は、大型プロジェクトの必要性や優先性について改めて精査が必要であるにもかかわらず、本予算原案は、彩都や安威川ダム、新名神高速の推進、もうやる必要のない解同優遇行政に固執する逆立ち財政運営の予算になっているからであります。

従来から推進してきた、彩都開発、安威川ダム建設、新名神高速道路建設に加え、市民会館建て替え計画、府営住宅跡地を中心にした阪急東口駅前再整備構想、サッポロビール工場跡地の立命館大学進出計画、フジテック跡地のJR新駅構想と、今や茨木市は大型プロジェクト目白押しという状況になっています。したがって、大型プロジェクトに対して、その必要性や優先性について改めて精査する必要が生じていることは言うまでもないことです。彩都開発は、赤字を拡大する中部、東部地区の開発はきっぱり中止し、西部地区においては、地元住民も含め、関係者の「円卓会議」を設置し、見直しについて協議していくべきです。安威川流域の治水については、ダム建設ではなく、堤防補強に切り替えるべきであります。新名神高速は、無駄な高速道路の典型であり中止すべきですが、少なくとも抜本的見直し区間の結論が出るまで、関連事業は凍結すべきであります。市民会館の建て替えは緊急性、優先順位で疑問があり、当面は最低限の補強工事で対応すべきであります。阪急東口駅前再整備構想は凍結し、立命館大学進出とJR新駅計画については、市全体の財政状況を踏まえ、徹底的な情報公開のもとで、広く市民の意見を募り、市民的合意形成が得られる形で協議を進めるべきです。その中で、市の費用負担を減らす努力を行うことは当然のことであります。

ところが、答弁でも「長期的な視点から引き続き検討を進めてまいります」と答えるのみで、何ら具体的な方針は聞くことができませんでした。それどころか、本予算は、彩都開発や安威川ダム建設、新名神などは、何の見直しもなく、従来の立場に固執し、漫然と推進する予算になっているのであります。

さらに、事業効果が極めて薄い、大手企業優遇策と指摘せざるを得ない企業立地奨励金、彩都限定のバイオインキュベーション施設賃料補助事業、バイオインキュベーション施設集積促進事業についても見直しをすべきです。ところが、企業立地奨励金については要件緩和も含め、前年度対比で約7千万円の大幅増額、バイオインキュベーション関係についても前年度対比で微増という措置が取られました。こうした費用対効果で問題がある事業は改め、仕事と雇用を増やす直接的効果のある事業に振り替えるべきです。

解同優遇行政の是正についても、児童生徒支援加配教員の人権教育研究協議会への違法出張や、人権センターや関連NPO法人への特別待遇の中止、さらに隣保館事業の廃止に踏み出す時でありながら、解同優遇の呪縛から抜け出せずに、これを拒否する答弁を繰り返しています。「人権啓発」についても今やるべき啓発は、いわゆる同和問題の解決は最終段階にきていることを正しく伝えることであるにもかかわらず、「差別自然解消論では偏見が広がる」として、やればやるほど忌避意識が広まる、解同流の誤った人権啓発を永久に続けるという態度であります。

組み替え動議では、そうした対応を正すため、歳出予算の減額として、山麓線整備事業、彩都建設推進事業、安威川ダム建設推進事業、新名神高速道路推進事業、企業立地奨励金、バイオインキュベーション関係補助、同和人権関係補助委託料等の減額を求めています。

組み替え動議に賛成し、原案に反対する理由の第3は、「厳しい財政」と過度に強調しますが、市民本位の立場で財源確保をはかったとはいえないからであります。

私たちは、財源確保の面でも市民本位の立場に立ち、積立金の積極的な取り崩しで制度に合った施策に当てること、計画的かつ適切に地方債の積極的活用を図ること、普通財産の処分検討など、あらゆる方策をたどって財源確保に努め、市民生活を守る、市民サービスの水準維持と拡充を図ることを求めてきました。その点で、市民会館建て替えの基金に23年度も2億円積み立てを計上していることは納得しがたいことであります。大型プロジェクト乱立で、必要性や優先性について改めて精査が求められているときに、21年度1億円積み増しし、22年度は更に1億円増やして2億円積み増しし、そして今回も2億円の積み増しです。市民に対しては「財政は厳しい、厳しい」と脅しつけておきながら、その舌の根も乾かぬうちにある分野は聖域化するような対応は、到底、市民の理解が得られるものではないと厳しく指摘するものです。

組み替え動議では、歳出予算の減額として、この文化施設建設基金積立の減額を求めるものです。

以上、大きく3点にわたり、組み替え動議に賛成し、原案に反対する理由を述べました。議員各位のご賛同をお願い申し上げ、討論を終わります。