[朝田 充]平成24年3月定例市議会 本会議質疑

◎議案第4号茨木市非常勤職員の報酬等に関する条例の一部改正について

◎議案第14号茨木市立コミュニティセンターの指定管理者の指定について

議案第号 平成24年度大阪府茨木市一般会計予算
  ○商工業、農業振興策と、雇用対策について


◎議案第4号茨木市非常勤職員の報酬等に関する条例の一部改正について

(朝田一問目) それでは、議案第4号、茨木市非常勤職員の報酬等に関する条例の一部改正について、質問いたします。
 本件は、ライフサイエンス環境保全対策専門員と、かしの木園や障害福祉センター、そして、ともしび園の相談員や指導員といった非常勤嘱託員の職を廃止する提案であります。私たちは従来から官製ワーキングプアの根絶、非正規職員の待遇改善を求めてまいりましたが、今回の提案は、これに逆行するものなのではないかと考えます。この立場から質問いたします。
 まず第1に、これらの非常勤嘱託員の職を廃止する理由について、お尋ねいたします。
 これらの職、とりわけ、かしの木園や障害福祉センター、そして、ともしび園といった障害福祉関係の指導員、相談員兼指導員、看護師兼指導員というのは十分専門性が要求される職であり、今回のように非常勤嘱託員としての職を廃止する理由が私にはわかりません。その理由についての説明の答弁を求めます。
 第2に、今回廃止する非常勤嘱託員の現状について、お尋ねいたします。
 各職の非常勤嘱託員の任用人数について、答弁を求めます。既に非常勤嘱託員のいない職種については、いつまで非常勤嘱託員として任用していたのか、そして、その任用人数について、答弁を求めます。
 関連して、同職種での臨時職員の任用人数についても、それぞれ答弁を求めます。また、各職の非常勤嘱託員と臨時職員の勤務形態と給与等の違いについて、答弁を求めます。
 第3に、今回の提案どおりに廃止した場合の影響について、お尋ねいたします。
 まず、各職の非常勤嘱託員について、雇い止めということになるんでしょうけれども、この方たちの任用の継続について、どう考えているのか、答弁を求めます。
 さらに、非常勤嘱託員から臨時職員に任用形態を変更した場合の給与比較、市の負担額の変化についても答弁を求めます。
 1問目、以上です。

[小林総務部長] 福祉関係職員の職を一部廃止する理由について、先ほどもちょっと申しあげましたけども、再度、答弁させていただきますが、かしの木園の相談員兼指導員及び障害福祉センター看護師兼指導員、障害福祉センター指導員は現在、該当者がおらず、今後も委嘱する予定がないこと、また、かしの木園用務員及び障害福祉センター相談員兼指導員、ともしび園指導員は、従来から今回廃止する職の専門性について担当課と調整した結果、当初は身体障害者の機能訓練、あるいは重度心身障害者の介護支援など専門的な役割を担っておったところでございますけれども、最近では正規職員の補完的な役割でございまして、その専門性がなくなってきておりましたので、これまで、見直しの時期などを慎重に検討を加えた結果、その職を廃止するとしたものでございます。
 それから、廃止する非常勤の現状でございますが、まず、現在の嘱託員の人数につきまして、お答えしたいと思います。
 まず、かしの木園の相談員兼指導員は、平成22年3月まで1人おられましたが、現在はおられません。補完する臨時職員は2人でございます。それから、かしの木園用務員は現在1人、補完する臨時職員は1人でございます。それから、障害福祉センター相談員兼指導員は現在1人、臨時職員は7人でございます。それから、障害福祉センター看護師兼指導員は、平成22年3月まで1人で、現在はございません。臨時職員は1人でございます。障害福祉センター指導員は、平成23年3月まで1人、現在はございません。臨時職員もございません。ともしび園指導員は現在5人、補完する臨時職員は7人でございます。
 次に、勤務形態の違いにつきまして、嘱託員と補完する臨時職員が勤務している職についてのお答えをさせていただきます。
 かしの木園用務員は、嘱託員の勤務時間は午前8時45分から午後3時15分の1日5時間45分で、月曜日から金曜日までの週5日、28時間45分となっておりまして、臨時職員につきましては午前8時45分から午後3時30分の1日6時間で、月曜日から金曜日までの週5日、30時間となっております。障害福祉センター相談員兼指導員は、嘱託員の勤務時間は午前9時から午後5時の1日7時間15分で、月、火、木、土の週4日、29時間となっております。臨時職員につきましては午前8時45分から午後5時の1日7時間30分で、火曜日から土曜日までの週5日、37時間30分となっております。ともしび園指導員は、嘱託員の勤務時間は午前9時から午後5時の1日7時間15分で、月曜日から金曜日のうち週4日、29時間となっており、臨時職員につきましては午前8時45分から午後5時の1日7時間30分で、月曜日から金曜日までの週5日、37時間30分となっております。
 また、報酬の比較につきましては、時間額に換算してお答えいたしますと、かしの木園用務員は、嘱託員が1,530円、臨時職員が1,020円で、障害福祉センターの相談員兼指導員は、嘱託員が1,722円、臨時職員が1,070円、ともしび園指導員は、嘱託員が1,969円、臨時職員が1,070円でございます。
 あと、廃止した場合の影響でございますが、まず任用の継続につきましては、現在勤務している非常勤嘱託員は、長期にわたり市の業務に従事していただいておりますので、臨時職員としての勤務を希望される場合は任用するように努めてまいりたいというふうに考えております。
 また、報酬等の比較等につきましては、年額でお答えいたしますと、かしの木園用務員は、嘱託員が213万4,800円、臨時職員になれば149万9,400円で、市の負担額は63万5,400円の減額となり、障害福祉センター相談員兼指導員は、嘱託員が240万1,400円、臨時職員が195万8,100円で、市の負担額は44万4,300円の減額となります。ともしび園指導員は、嘱託員が274万6,800円で、臨時職員が195万8,100円で、市の負担額が78万8,700円の減額となります。
 以上でございます。


(朝田2問目)2問目ですけれども、答弁をお聞きして、最近では正規職員の補完的な役割ということで、その専門性がなくなってきたとかというわけですけども、そういう理由づけをしてはるわけですけども、現状についてお聞きすれば、かなりの数で臨時職員にかわっていってるということが言えると思います。ですから、いろいろ理屈をつけるんですけども、安上がりの臨時職員に切りかえていってるというのが実際のところだと思います。
 今回の廃止、そして臨時職員への切りかえということで、市の負担額の変化をお聞きしましたら、かしの木園の用務員では年額約63万円の減額と、同じく障害福祉センター相談員兼指導員では約44万円の減額と、同じくともしび園指導員では約78万円の減額ということでした。先ほどの山下議員の質疑でも答えてはりましたけども、ともしび園の指導員、嘱託員の方が5人おられて、3人が臨時職員にかわるということなので、掛ける3で約240万円の減額ということになろうかと思います。
 非正規職員の待遇改善の観点からすれば、こうした専門性が求められる職については、臨時職員化ではなくて、逆に非常勤嘱託員化こそ求められていると。非常勤嘱託員化こそ進めていかなければならないと私は考えます。任用の形態からも、こうした職は実態としては臨時的な任用ではなくて、継続的な任用になっていると考えます。それを安上がりだからといって臨時職員でどんどん任用していくということは、法的にいっても無理があると考えます。
 以上の点から、官製ワーキングプアの根絶、非正規職員の待遇改善、これに逆行する今回の提案には賛成できないということを明確にして、質問を終わります。
 以上です。


◎議案第14号茨木市立コミュニティセンターの指定管理者の指定について
(朝田1問目) それでは、議案第14号、茨木市立コミュニティセンターの指定管理者の指定について、質問いたします。
 本件については、三島公民館のコミセン化ということで、昨年の12月議会においてコミュニティセンター条例の一部改正が提案された際に、社会教育活動の拠点である公民館の機能を大幅に後退させるものであり、進め方も利用者の声を置き去りに進められており、承服できるものじゃないとして反対したわけですが、いよいよ指定管理者の指定の提案であり、12月議会同様、これも賛成できるものでありません。この立場から質問いたします。
 まず第1に、今回の指定管理者の指定の提案に至る経過について、お尋ねいたします。
 経過については、12月議会の答弁では、昨年7月に三島公民館区の地域関係団体にコミセン化についての説明会、昨年9月に三島コミュニティセンター設置準備委員会設立、そこの協議を経て、12月に三島コミュニティセンター管理運営委員会設立、同時に利用者に対して説明会開催という説明であったと思います。
 これに対して、公民館の体制面や利用面でのたび重なる後退に対して、その都度、請願などの形をとって抗議の声がわき起こってきたこと、今回の三島のコミセン化についても、利用者に対して十分に説明したとはとても言えないこと、今後の公民館事業、公民館の運営というものがどうあるべきなのかという市民的な議論がなされずに強行されていることを指摘してきたわけであります。
 そこで、今回の提案に当たって、つまり12月議会以後、特に利用者に対して何らかの手だてをとられたのかということも含め、提案に至る経過について、説明の答弁を求めます。
 また、今後のスケジュール、基本協定の締結等の予定されてるスケジュールについても答弁を求めます。
 第2に、指定管理者の指定、つまり管理運営形態として指定管理者制度にするというのが今回の提案であるわけで、このことによる法的問題について、お尋ねいたします。
 12月議会では、公民館併設のコミュニティセンターにおいて、公民館使用という側面からの法的な問題を指摘したわけですが、今回はコミセンの指定管理者の側面から見た問題点を指摘したいと思います。
 三島においても、公民館は併設されて残るわけであります。普通ならば、併設館であろうと、すべての公民館事業は社会教育法及び公民館条例により保障されていなければなりません。ところが、社会教育法第22条第6号に基づく自主サークル、グループ等の公民館使用については、その使用料について、公民館条例で規定された料金体系から適用除外という扱いにされてしまったわけであります。これ自体、同じ公民館でありながら、併設館とその他の公民館で料金格差をつける不当なもので、法的に問題であります。
 同時に、コミセンの指定管理者の側からいえば、社会教育法第22条第6号に基づく公民館使用の許可及び料金の徴収という、コミュニティセンター条例にも基本協定の勤務の範囲にもない業務をやることになるわけです。コミュニティセンター条例の第4条は、「指定管理者は、次に掲げる業務を行うものとする」とあり、(1)コミュニティセンターの利用の許可に関する業務、(2)コミュニティセンターの管理に関する業務となっています。さらに、コミセンの基本協定の第2章、本業務の範囲と実施条件の第8条、業務の範囲にも、コミュニティセンター条例の第4条での範囲での業務しか列記していません。上位法の条例がそう規定しているのですから、当たり前の話であります。つまり、法的にもコミセンが公民館事業の範疇のことをやるなどということは全く想定していません。ですから、こんなことがまかり通れば、市の思惑1つで指定管理者などの業務委託において、何ぼでも業務の範囲を拡大できるということになってしまいます。
 私は議員になって、いろいろ経験してきたわけですけども、今回のコミセン化のような法的整備というものを全く無視してやられているケースは初めてであります。一体どう考えているのか、答弁を求めます。
 1問目、以上です。

[大西市民生活部長] まず、利用者への説明につきましては、三島コミュニティセンター管理運営委員会が昨年12月4日に設立されまして、以後、利用者に対し、12月及び2月に延べ3回の説明会を開催されております。
 次に、指定管理者の指定の提案に至る経過でありますが、去る2月3日の指定管理者候補者選定委員会を経まして、今回の提案とさせていただいております。また、今後のスケジュールにつきましては、議会での議決を経まして、今月中に基本協定書の締結を予定しております。
 次に、基本協定と社会教育法との関係につきましては、社会教育法第22条に掲げられている公民館の事業につきましては、条文にもありますように、公民館がおおむね行う事業であり、そのすべてを行うことを義務づけているものではないと認識いたしております。したがいまして、以前、小学校に公民館があった当時から、併設の公民館はこの6号の業務、つまり、「その施設を住民の集会その他の公共的利用に供すること」は実施していなかったものと認識しております。
 コミセンは、その設置根拠を法令に基づくものではなく、本市の条例によって設置されているものであります。したがいまして、公民館の指定管理者と結ぶ基本協定の中に社会教育法第22条6号の業務が規定されていないとしても、何ら問題はないものと考えております。
 以上です。

 

(朝田2問目) 答弁をお聞きしましても全く納得ができないわけですけども、第1の経過の問題ですけども、答弁いただきまして、2月にコミセン管理運営委員会と市の共催で、利用者に対する説明会もしたというふうに聞いています。そういうご答弁やったわけですけども、12月の議会からも含めて、ご理解願ったと、こういうわけですけども、これは私はとんでもないことだと思います。いろんな説明会ごとに、やはり利用料の問題について、300%の値上げはひど過ぎるという、そういう声が寄せられたと聞いています。それに対して市は、公民館使用料だとコミセンの収支がとれないということ、それから、受益者負担が原則だからと言って、そういった趣旨の返答をしたとも聞いています。どちらも利用者置き去りの一方的な主張であります。
 特に教育活動は、学校教育、さらには社会教育、生涯学習を問わず、人格の完成、人を育てていく、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与する、そういう活動であります。教育に関しては、ヨーロッパ諸国のように無償とまではいかなくても、低廉でというのは日本でも広く認められてきた社会的合意であります。それを何か既得権益のように言って、受益者負担なるものを押しつけるというのは全くの筋違いの話であり、こういうものは改革でも何でもありません。
 第2の法的問題なんですけども、小学校併設公民館のことを持ち出してきはりましたけども、小学校併設公民館においては公的な説明ができるわけですよ。社会教育法では、学校施設は、支障のない範囲で社会教育の利用に供さなければならないと、そういう趣旨のことを規定してますので、ですから、その規定を使って社会教育活動にも貸し出ししていた。私なんかでも、市政報告なんかで学校施設、プレイルームなんかを借りた経験はあるわけです。ですから、社会教育法のどちらの項目をとるかというのは、それは教育委員会の裁量にかかわることであって、公民館事業の規定を使って貸し出すか、それとも学校施設の社会教育への活用、この規定を使って貸し出すか、それは別に教育委員会の範疇であって、こういう点では何の法的矛盾は起こらんかったわけですわ。ですが、このコミセンと公民館という全く違うものをくっつけたことによって起こってくる問題を私、ずっと指摘してるわけで、もう1回、この12月議会で出してきた公民館条例の一部改正、つまり使用料の適用除外の条文をもう一度読みあげます。第17条、「茨木市立コミュニティセンターを併設する公民館であって、当該コミュニティセンターにおいて、法第22条第6号に掲げるその施設を住民の集会その他の公共的利用に供してるものについては、第8条から第12条まで及び第14条から前条までの規定は、適用しない」という、こういう規定ですね。これ、裏返して言えば、コミュニティセンターを併設する公民館では、第8条から第12条まで及び第14条から前条までの規定、つまり、これは公民館使用料に係る諸規定、これは適用されない、適用されないんだけれども、法第22条第6号に掲げられている公民館事業、すなわち、その施設を住民の集会その他の公共的利用に供すること、これに基づく自主サークル、グループ等の公民館使用の事業は引き続きやりますよと宣言してるのと同義語ですわ。
 だから、確かに社会教育法で掲げられている6項目、必ずしもやる必要はないという、そういう規定になっていますけども、しかし、この出してきた適用除外の条文自体が法第22条第6号に掲げる、そういう事業もやりますよという規定になってるわけですからね。条件つきでありますけど、やりますよという規定になっているわけですからね。ところが、実際の業務をやるコミセン側には、条例でも基本協定でも、公民館事業の一部、法第22条第6号に掲げる事業を請け負うということは追加されていないわけですわ。だから、私は、全然、法的整合性がとれてないと思いますよ。
 だから、こういう最低限度の法的整備もしないまま強行する、こういう不誠実な対応は、ただただあきれてしまいますわ。答弁を求めても、同じことを答弁するだけやと思いますので、以上、厳しく指摘して、とても賛成できるものではないと、重ねて、厳しく主張して、質問を終わりたいと思います。何か反論することがあれば、答弁してくださったら結構ですけども。

 

[大西市民生活部長] 先ほどのお話ですけれども、12月議会のときにも申しあげましたが、公民館条例17条の適用除外の適用は、公民館がコミセンを併設することにより、その使用許可や利用料の適用を明確にするように確定的に規定したものでありまして、何ら問題ないと考えております。
 それと、コミセン側から見た場合、公民館の自主サークル、グループであろうが一般の団体企業であろうが、申込者として何ら変わるものではなく、コミュニティセンター管理運営委員会の委員は、条例や基本条例に基づいて、館としてのコミュニティセンターの使用許可、また、管理に関する業務処理を行っておりますので、何ら問題はないと考えております。
 以上です。

 

(朝田3問目)答えはったんで、また反論しておきますけども、あなた方の思惑を聞いてるん違うんですよ。これは法律なんですよ。法律でこう規定されてる以上、こういう理屈になるじゃないですかと再三言うてるわけですわ。だから、適用除外も、そういう明確にするためにやっただけやいうて言いはるんですけども、しかし、こういうのを適用除外ということで明確に規定すると、コミセンで公民館事業をやってるということに裏返して言えばなるので、ですから、窓口で公民館事業として借りたいと言われたときに、本当に矛盾が露呈すると、こういう客観的な問題を言うてるわけでね。あなた方の思いが何ぼそういうところにあったとしても、これは明確に、そういう客観的に存在する矛盾だということを再度、指摘して、質問を終わります。

 


◎議案第号 平成24年度大阪府茨木市一般会計予算
(朝田1問目) 今回は、商工業、農業振興策と、雇用対策について、茨木市産業振興ビジョンと茨木市産業振興アクションプランが発表されて一定期間経過しましたので、このことを中心にお尋ねいたします。
 茨木市産業振興ビジョンが発表されて2年、このビジョンに基づく茨木市産業振興アクションプランが発表されて1年がたちました。1点目としてお伺いしたいのは、産業振興ビジョンとアクションプランの進捗状況についてであります。産業振興ビジョンは、おおよそ10年をめどにしたものであり、産業振興に向けた重点取り組みとして、第1に「成長を目指す事業者の活力向上」、第2に「市民の快適な暮らしや地域社会を支える機能の充実」、第3に「産業を活性化させる基盤づくり」というふうに、大きく3つの柱に整理され、かなり体系だったものとなっています。これに基づき計画期間の前半に当たる3年から5年をめどにした取り組みを示したアクションプランでは、特に平成23年度から集中して取り組む施策として5つの重点施策、すなわち「中小製造業者等に対する巡回訪問の強化とプロジェクト化のサポート」、「ビジネス交流機会の充実」、「民間の自発的な取組を誘発する仕組みの整備」、「提案公募事業の創設」、「茨木ブランドの創出と発信」の5つを明らかにしています。
 そこでお尋ねいたしますが、平成23年度から集中して取り組むとした5つの重点施策の取組状況、進捗状況について、答弁を求めます。
 また、ビジョンやアクションプランに示されたその他の取り組み、施策でも前進したものがあるのであれば、この機会に明らかにするように求めます。
 また、こうした取り組みの目標設定、評価、総括について、産業振興ビジョンでは取り組みの進捗管理の項を設けて、「産業振興ビジョンの実現に向けては、個別の取組を計画的に進めるとともに、その取組の進捗状況を管理するため、取組ごとに目標指標を設けて、その現状や達成度合いの把握に努めます。また、数値目標などの指標で評価できない取組については、成果や実施上の問題点などを幅広くつかんで分析を行います。そして、それらの結果は、外部人材を中心とした機関を組織して、内容の確認を行うとともに、取組の改善に役立てます」と述べています。
 そこでお尋ねいたしますが、取り組みごとに目標指標を設けるとありますけども、この作業はどこまで来ているのか。文章化され、公開もされているのか、答弁を求めます。
 また、取り組みの評価について、外部人材を中心とした評価機関を組織することをうたっているわけですけども、この機関の具体的な体制はアクションプランの策定過程で検討していくというのが市の方針であったように思います。アクションプランを見ても、「本プランに基づく施策を実施した上で、関連するさまざまな取組を年度ごとに『事業評価委員会(仮称)』で評価し、施策の仕組みや進め方などについて見直しを行います」とありますので、アクションプラン策定から1年を経過した今、具体化が必要だと考えますが、どうなっているのか、答弁を求めます。
 次に、2点目として、農林業振興ビジョンの策定について、お尋ねいたします。本市の産業振興ビジョンにおいても、「地元農産物の流通の促進」ということで「販売機会の充実支援」、「農商工連携の推進」、「農産物の安全性の向上支援」がうたわれ、アクションプランでも「消費者と生産者の交流の促進」と、「茨木ブランドの創出と発信」が掲げられているわけですけども、これだけでは不十分ではないでしょうか。
 この点では、お隣の高槻市を見習う必要があると考えます。高槻市では、平成17年3月に平成26年度を目標年度とする現行の高槻市農林業振興ビジョンを策定したわけですが、このビジョンを改訂する作業を進めており、ことしの3月に改訂版ビジョンの素案が発表されました。改訂版ビジョン素案では、現行ビジョンについて、「持続的な農林業の振興はもちろんのこと、農地・森林を環境財として捉え、生産活動と調和させながら、保全活動することにより、生活・文化に溶け込んだ高槻の農林業の振興を図ることを基本理念として打ち出したところに特色がありました」と解説しています。
 また、改訂の趣旨として、「農林業者だけでなく市民と共有できる農林業振興策を持つ必要があるため、改訂ビジョンでは農林業者と市民・NPO・企業、行政が協働で農地・森林の保全活動を目指し、展開領域である農地・森林をより総合的に捉え、親しみの持てるフィールドにすることにより、農林業の持続的発展に寄与するものです」としており、なかなか格調高いものです。
 この間、平成20年に高槻市農林業の活性化に関する方策検討懇話会が設置され、翌21年に懇話会の提言がまとめられ、提言の実効性を担保するために、22年には高槻市農林業の活性化に関する条例が制定されています。こういう点は素直に学んで、産業振興ビジョンの考え方をさらに発展させるという意味においても、本市において農林業振興ビジョンの策定を検討すべきであると考えるものですが、見解を求めます。
 最後に、3点目として、商工業振興策、雇用対策の改善について、お尋ねいたします。ここでは個別的な施策の改善について、お尋ねするものです。小売店舗改築(改装)助成事業については、要件緩和を一貫して求めてまいりましたが、やはり個人業の小売店舗にとっては、対象工事が50万円以上の工事というのがかなりネックになっていると考えます。工事に要する経費について、30万円あるいは20万円以上に要件緩和する必要があるのではないでしょうか、答弁を求めます。
 また、小売店舗改築(改装)助成事業のこの間の実績と、平成24年度の予算額についても、この機会に答弁を求めます。
 雇用対策についても、奨励金制度としてやるなら費用対効果で甚だ疑問である企業立地促進奨励金制度はやめて、正規雇用促進奨励金制度をもっと積極的に事業展開すべきであると主張してきました。改めて見解を求めるとともに、2つの奨励金制度のこの間の実績と平成24年度の予算額についても、この機会に答弁を求めます。
 1問目、以上です。

[田中産業環境部長] 産業アクションプランの進捗状況についてでありますが、重点施策として掲げている「中小製造業者等に対する巡回訪問の強化とプロジェクト化のサポート」につきましては、75事業所を訪問し、本市の産業施策をはじめ、国・府の支援情報などを提供し、その中から1事業所で、府のものづくり技術開発助成金の採択を受けております。
 また、「ビジネス交流機会の充実」では、産業にかかわる人の幅広い交流を促進するため、ビジネス交流会を3回開催し、67人の方が参加をされておられます。
 さらに、「民間の自発的な取組を誘発する仕組みの整備」につきましては、プロジェクト創出会議を4回開催し、50人の参加があり、イベントとタイアップした市内飲食店のPRなど、新たな企画が6件提案され、例として、茨木ヴィンテージカーショー&食のマルシェや茨コンなどが実施されております。
 また、「提案公募事業の創設」につきましては、4件の応募があり、そのうち地元産サツマイモを使った、しょうちゅうの試作や市内飲食店の認知度を高めるイベントなど3件を採択し、産業活性化プロジェクト促進事業補助金により、その取り組みを支援いたしております。
 次に、「茨木ブランドの創出」につきましては、市民が推奨する市内産商品約200件の情報を収集するとともに、その内容を掲載した冊子等の作成を市民グループが検討をされておられます。
 次に、その他の取組状況でありますけれども、市民や事業者などが集まり、新たな取り組みを提案し合うプロジェクト創出会議をきっかけに、新品種のサツマイモを生産し、それらを使った商品開発に取り組もうとする動きが進んでおります。
 また、2月に、市内飲食店約40店を参加者900人が回り、各店が自慢の一品を提供することで個店の魅力をPRし、新規顧客の獲得につなげるイベントが開催されるなど、市民等による新たな取り組みが生まれてきております。
 次に、目標、指標の設定についてでありますが、中小製造業者等に対する巡回訪問の強化とプロジェクト化のサポートでは、訪問件数を40件以上、訪問による課題や要望を15件、そのうち解決を6件、事業化件数を2件と設定いたしております。
 また、ビジネス交流会の充実では、製造業を中心とするセミナーと交流会を3回の開催で、参加者45人であります。
 民間の自発的な取り組みを誘発する仕組みの整備では、会議を4回開催し、新規提案件数5件を目標としております。
 また、提案、公募型の補助制度への提案件数を2件以上とし、事業化支援をすることとしております。
 さらに、茨木ブランドとなり得る商品等の発掘、創出件数を10件といたしております。
 なお、施策の実施や評価、見直しなどを行うための指標でありますことから、評価や見直しを行った後に公表をしてまいりたいと考えております。
 次に、取り組みの評価についてでありますが、アクションプランの目標設定と事業評価を実施するため、市民や事業者、製造業者、農業者、学識経験者など11名による産業振興アクションプラン推進委員会を設けております。
 次に、農林業振興ビジョンの制定についてでありますが、本市におきましては、第4次総合計画を上位計画と位置づけ、農林業に関し、農業振興地域における農地、農道、水路等の整備計画や、農業経営基盤の強化を図るための基本構想に基づいて生産基盤の整備や担い手の育成、地産地消の推進などの施策を実施しておりますことから、農業振興ビジョンを策定する考えは持っておりません。
 次に、小売店舗改築(改装)補助事業の要件緩和についてでありますが、この補助制度は小売店舗等の改築、改装によるリニューアル効果により、その店舗の集客をふやし、市内商業の活性化に結びつけることを目的としておりますことから、一定規模の工事が必要と考えておりますので、改めて対象工事に係る要件緩和を行う考えは持っておりません。
 次に、小売店舗改築(改装)補助事業の実績と予算額についてでありますが、平成21年度は10件で、交付額は468万6,000円、22年度は7件で、333万3,000円、23年度2月末までで8件で、交付額は372万1,000円であります。平成24年度の予算額は400万円を計上いたしております。
 次に、企業立地促進奨励金制度と正規雇用促進奨励金制度に関する見解ということでありますけれども、企業立地促進奨励金制度は、本市への新たな企業等の立地を促進するとともに、既存企業の事業活動を支援し、市内産業の振興や地域経済の活性化を図ることを目的に、また正規雇用促進奨励金制度は、市内事業所の人材確保とともに、市民の安定就労を促進することを目的として実施しております。今後とも、それぞれの事業指針に沿って取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、これらの奨励金制度の実績と予算額についてであります。まず、企業立地促進奨励金制度につきましては、平成21年度は37件で2億5,764万6,000円、22年度は37件で2億1,145万5,000円、23年度2月末現在で39件で交付額は3億1,545万1,000円であります。平成24年度の予算額は3億2,769万4,000円を計上をいたしております。
 また、正規雇用促進奨励金制度につきましては、平成21年度は10件で300万円を、平成22年度は24件で720万円、平成23年度2月末現在で19件で570万円を交付しております。なお、平成24年度の予算額は600万円を計上いたしております。
 取り組みの評価に関しまして、評価の時期ということでありますけれども、このアクションプラン、今年度から着手したところでありますので、事業評価はこれからの作業というふうになります。
 以上です。


(朝田2問目) 2問目、行きます。
 産業振興ビジョンについては、かなり丁寧な取り組み、議論の上に制定したと言えるわけで、かなり体系化された力作であるということは言えると思います。進捗状況をご答弁いただきましたけども、一定頑張っているということも言えると思います。取り組みをさらに発展させてほしいという立場で2問目、質問します。
 ご答弁をお聞きしていて、まだビジョンやプランが商工労政課がやっていることという認識に庁内でもとどまっているのではないかという、そういう印象をちょっと持ったわけです。まずは、この農林課との連携ですけども、どうなっているんでしょうか。市民との協働という点では、いろんな市民団体やNPOとの連携ということも考えられますが、庁内の他の部署との連携という点ではどうでしょうか、答弁を求めます。
 目標、指標も設定についても、もうちょっと積極的でもいいんと違うかと思うわけですけども、今回とめておきます。今回は指摘ということで、とどめておきます。進捗状況の管理評価という点でも、一刻も早い具体化を求めるものであります。
 次に、農林業振興ビジョンについてなんですけども、ビジョン策定で実際、高槻市でも成果が上がっていると思います。「後継者・担い手を育成し、営農活動を支援するために」として、大阪版を含む認定農業者数では、平成16年の計画策定時では7件であったのが、平成23年の現状では149件に、「農業振興、地産地消、流通面での取り組みを推進するために」として、大阪エコ農産物認証面積(年間認証面積合計)では、同じく61アールから158アールに増、「市民協働・交流を促進するために」として、森林ボランティアの累計養成者数では、同じく25人から170人に増と。主なものだけ紹介しましたけども、比較の意味で茨木市の認定農業者数、大阪エコ農産物認証面積、森林ボランティア累計要請者数の現状はどうか、答弁を求めます。
 この取り組みの違いがどこから来ているのかと、急にいろいろ言ってもせんないことだろうと思うんですけども、やっぱり私は茨木市でも取り組んでいかなければならんと思っています。ということで、私は学識経験者、農林業等の関係者、公募市民から成る茨木市の農林業活性化に関する懇話会、こういった組織を立ち上げて議論を始めていく、まずはここから始めることであると提案するものですが、答弁を求めます。
 次に、小売店舗改築(改装)助成事業については、私の経験したところでこういうのがありました。ある個人商店で、今まではお向かいにも商店が並んでいたので問題にはならんかったんですけども、お向かいの商店が廃業、建物も取り壊され撤去された。すると、日差しが直接店に差し込んでくるようになって、真夏などは商品を陳列するのに非常にぐあいが悪いと。消費管理上ぐあいが悪いと。そこで、古い全然使用しなかった折り畳み式の日よけというんですか、ひさしというんですか、このハンドルぐるぐる回して出てくるという、添え式の折り畳み式のひさしですけども、案の定、全然使ってなかったんで、古くてぼろぼろで使い物にならないと。何とかならんかということで、この制度を紹介したわけですけども、50万円以上というのがやっぱりネックになって使えなかったと。不況の影響で、多くのところが厳しい営業を強いられているわけですけども、とりわけ個人商店では50万円以下の出費でも厳しい状況にあります。こういうところにも手が届く、商業の活性化ということなら、そういうのも含めて活性化だと思うわけです。そういうふうに施策を発展させてほしいと望むわけですけども、こうした現状も踏まえて再度、答弁を求めます。
 正規雇用促進奨励金制度については、実績を見ただけでも、本当に一目瞭然だと思います。特に、21年度10件から22年度に24件と倍以上にふえています。予算規模が大体600万円くらいという答弁でしたので、この22年度はそういうことで急にふえたので、この年度は予算が足りなかったんじゃないかなと推察されるわけですけども、どういう措置をとったのか、答弁を求めます。そして、増加した要因についても答弁を求めます。このことは、いかに雇用の安定化に資する施策が待ち望まれているのかということの何よりの証明だと私は思うんです。市民ニーズを的確に反映した事業展開こそが、本当に求められていると思います。改めて、正規雇用促進奨励金制度については予算規模の拡大も含めて一層積極的な対応を求めるものですが、答弁を求めます。
 2問目、以上です。

[田中産業環境部長] まず、アクションプランの推進に当たっての関係課との連携という内容でございます。当然、このアクションプラン、ビジョンも含めまして、アクションプランの策定に当たっては、関係する庁内の各課といろいろ検討を進めてきたところでありますので、当然、推進に当たっては、その内容に応じて関係課と連携をしてまいります。当然、同じ部内にある農林課は、まず第一番に連携を図り、農商工連携、あるいは6次産業化などについてもいろいろ意見交換をしながら進めてまいりたいというふうに考えております。
 次に、本市と高槻市との比較ということで、まず、本市の23年度の現状ということでありますけれども、大阪版を含む認定農業者数は、茨木市では111人でございます。また、大阪エコ農産物認証面積は1,282.9アール、森林ボランティア累計養成者数は149人となっております。
 また、農林業を活性化するための懇話会を設置してはという内容でございますけれども、これにつきましては、先ほどもご答弁をさせていただきましたように、本市では総合計画に基づき、また整備計画、基本構想に基づきまして各種施策を進めておりますので、現時点で懇話会を設ける考えは持っておりません。また、関係する各種協議会等からも意見を伺っているところであります。
 次に、小売店舗改築(改装)補助事業の要件緩和をすべきであるというご指摘でございますけれども、先ほど申しあげましたように、この補助制度、一定の要件をつける中で市内の活性化を図ってまいりたいというふうに考えております。しかしながら、これまでも利用者等のニーズを反映するなど改善を加えておりますことから、今後ともニーズ把握には努めてまいりたいというふうに考えております。
 次に、正規雇用奨励金制度が22年度予算額よりも多く交付しているのではないかということであります。これにつきましては、事業間流用という形で対応をさせていただいたところであります。また、その要因ということでありますけれども、こちらのほう、正規雇用になられた方に対して、その事業所、雇用したところに対して、1人当たり30万円ということでありますので4人分ということであります。これはそのときの状況がなったものというふうに考えております。
 最後に、正規雇用奨励金制度の予算規模の拡大、また積極的な対応ということでありますけれども、この制度につきましても創設をし、周知を図りながら市民の正規雇用への安定雇用への促進ということでさせていただいてるものでございます。今後とも、その状況に応じて必要な予算は考えてまいりたいというふうに考えております。
(「増加した要因」と呼ぶ者あり)
 増加した要因につきましては、特に4人の方が予算よりふえたためであります。それと、事業実施の翌年でありますので、周知についてもさらに図っていったということが要因かと思います。
 以上です。


(朝田3問目) もう3問目ですので、もう絞っておきますけども、農林業振興ビジョンの策定についてなんですけども、私も、高槻市と茨木市とは条件の違いもあるんで、機械的に比較するというわけではありませんけども、しかし高槻市と茨木市でやっぱり自然条件というのは酷似してると、そういうところがあると思います。面積上も半分が森林あるいは農地ということで、そういう点では、かなり似通っているというところがあると思います。そういう点で、やはり取り組む予算に、なぜこう違いが出てくるのかというのは本当に疑問なわけです。
 この取り組みの違いですけども、やっぱり何ていうんですか、関係者の意見を聞くというところから始まってるようにも思いますんで、そういうところはきっちり見習ってやっていってほしいと。再度、こういった組織の立ち上げ、本当に検討することを要望しまして、質問を終わります。
 以上です。