2012年4月1日(日) 日本共産党市政報告 bS78

2012年3月定例市議会報告

維新政治の導入、大規模プロジェクト優先を止めて
教育環境整備、地域経済振興、身近な街づくりを!

 3月定例市議会が、3月5日から19日までの会期15日間で開催されました。4月8日に市長選挙(市議補選も同日実施)が行われるため、3月提案の一般会計予算は経常経費が主な内容の骨格予算となります。本格的な予算は新市長のもとで6月議会で審議され、各派代表質問も行われます。日本共産党市議団は大規模プロジェクト最優先の財政運営をあらため、具体的な茨木再生の道筋を提案して市政の転換を求めるとともに、予算案には税金の使い道をあらためる修正案を示し、国保・介護保険料の引き下げ等を求める請願署名を採択せよと主張しました。

 


 野村市長の任期最終市議会となった、今市議会であらためて立命館茨木移転やJR総持寺新駅負担、彩都中部地区関連道路整備などのための財政負担にともなう市民犠牲や税収の落ちこみを復元するための中長期的な施策の選択や維新政治の茨木への持ち込みについてただしました。野村市長は「大規模プロジェクトの財源については、市民への影響は最小限に」としながら、「施策見直しは時代の変化の観点に立って見直しが必要」将来の茨木のあり方については「新しい体制において、本市を取り巻く現状を十分把握の上で、まちの発展につながるような施策・事業を展開していくことが重要」、維新政治については「教育基本条例や職員基本条例などは、本市の対応は新しい体制において、議論されていくことになる」といずれも答弁を避けました。

 

(12年度)みなさんと力を合わせて実現できた主なもの(骨格予算分)
 ○国保料抑制のための市補助金の増額
 ○小・中学校施設整備と耐震補強工事の推進
 ○児童虐待防止のための実務者研修回数増と養育支援事業対象者を18歳に拡大
 ○通常学級に配置する支援教育サポーターを小中学校で増員
 ○小学校校門受付員配置の継続
 ○幼稚園保育室エアコン設置
 ○あけぼの学園(54→64人)とばら親子教室(44→70人)の定員拡充
 ○緊急雇用促進事業により市の9事業で71人の雇用創出
 ○生活保護受給者の就労支援のために支援員と求人開拓員を配置

 

四月からの下水道料金の再値上げやめよ

 新年度の下水道特別会計予算は、一昨年(平成22年度)の料金値上げにつづく二回目の値上げの予算となっており、そのために下水道料金抑制のための下水道会計への税金投入が約1.6億円も減らされます。
 一昨年当初の市の言い分は、@今後、水利用量が減る見込みで下水道料金収入も減ることA汚水処理施設の維持管理費が増大していくことB独立採算の原則に近づけることを値上げの根拠としていました。
 ところが、今議会での質疑を通じて、水利用の見込みについては「若干、大きく予測した」と認め、維持管理費は増加傾向にあるものの、資本費(市債の元利償還金のこと)は減少傾向で、全体の経費は緩やかな減少傾向であることが明らかになり、市の言う値上げの理由は「独立採算性の押し付けのみ」で実質的には根拠がなかったことがあきらかになりました。
 党市議団は、下水道事業は極めて公共性が高く、独立採算性の押し付けこそが間違いであること、財政のひっ迫性もない今回の市民負担増は許されないことを厳しく指弾し、本予算に反対、下水道料金据え置きのための組み替え動議も提出し、最後まで奮闘しました。

 

7万4000本の直管型LEDランプ照明導入
                           〜規格採用は機会均等・門戸開放の確保を

 茨木市は、節電や環境負荷低減(CO2削減)を目的として、昨年実施した市営駐車場と生涯学習センターきらめきの直管型蛍光灯2000本以上のLEDランプへの交換業務入札に際して、ランプだけでなく本体灯具の交換工事まで必要な特定規格品のみに限定し、結果的に他規格メーカーの参入を制限することになりました。党市議団の「市場には複数の直管型LED規格の商品が多数存在し、オフィス向けや駐車場向けなどさまざま。使用現場に即した製品を選ぶべきであり、一規格限定では経費の点でも効果の点でもかえって不効率である。」との質疑に対し、市は「安全性、照度、配光特性を勘案して一規格限定にした。40W二灯用の交換経費は43400円である」と答えました。これに対し、「LEDランプの性能向上は日進月歩であり、拙速に多額の経費をかけて本体灯具まで交換するより、ランプ交換のみの製品ならば半分以下の経費で済むという意見もある。府下の自治体の導入実態を調査するとともに、学識者・市民も参加してLED導入に関する基準作りや全体計画を策定すべき」と訴えました。市有施設の直管型LED交換対象本数は約7万4000本に及びます。

 

市会議員の違法な政務調査費使途にかかわる高裁判決確定
                     〜党議員団、議長に原因究明と再発防止を申し入れ

 06年度の政務調査費の使途について市民から違法支出であると訴えられていた裁判で、3月1日に高裁判決が確定しました。判決では、茨木市議会の政務調査費使途基準に照らして以下の事例が不適法であるとされました。
 松本利明元市議(現・大阪維新の会府議)が議員辞職直前にデジカメを購入したこと、また事務所経費で領収書不備とされたこと。公明党の篠原議員は本人名義ではないインターネット利用料に政務調査費を充てていたこと。現・維新の会・みんなの茨木会派の大野議員も本人名義ではない携帯電話利用料に政務調査費を充てていたことです。
 党議員団はかねてから政務調査費について公私を明確に区別できない使途を認めるべきでないと主張してきました。判決を受けて党市議団はあらためて議長に対して原因の究明と再発防止策の徹底を求めました。また判決で不適法であるとされた使い道を認めてきた市の監査や市長の責任も重大です。

4 『国保料と介護保険料の引き下げ等を求める請願署名』
                          1万1620筆の市民の願いを議会が無視!

 市民の世論の力もあって、新年度国保料については、保険料抑制のための税金投入増額を市に実行させましたが、保険料引き下げにまではいたりませんでした。国による3年連続の年金カットが打ち出され、一方で、国保料、介護保険料、後期高齢者医療制度保険料がそろって4月からの引き上げ行われようとしている中、国保制度をよくする茨木連絡会は、今年も3月市議会に「国保料と介護保険料の引き下げ等を求める請願署名」を提出しました。さらに審議の場である民生常任委員会では、よくする会代表者による請願趣旨説明も行われ、市民がおかれている窮状と切実な願いが訴えられました。しかし、自民・保守系・民主・公明・維新系の議員はそろって無言の不採択となりました。

5「こころの健康を守り推進する基本法の制定を求める意見書」、「骨格提言を尊重する(仮称障害者総合支援法の制定を求める意見書」など3意見書を採択

党市議団も原案を提出していた表記の2意見書は全会一致の採択となりました。中でも、「障害者意見書」は障害者団体から採択の要請を受けていたもので、党市議団も共同提案者となりました。

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市会議員 あじち洋子

市民の暮らし向上の財政運営を

 23年度の年度末最終補正でも、あいかわらず「財政健全化に向けて」と称して、財政調整基金積み増し7億円、公社取得用地の買い戻し13.2億円、合計20.2億円を予算化しました。この財源は、本来、市民生活向上に役立てるべき財源で、後年度の財政運営のやりくりに使う財源ではありません。市民生活向上より大規模プロジェクトのための財源づくりを優先する財政運営は止めよ」と主張しました。市長は「大規模プロジェクト推進の財政運営に備える」と答弁しました。

 

市会議員 朝田みつる

商工業・農業振興策と雇用対策を積極的にすすめよ

 産業振興ビジョンと産業振興アクションプランの更なる取り組みの前進と、茨木においても農林業振興ビジョンの策定と公募市民・農林業関係者・学識経験者からなる農林業活性化に関する懇話会の設置、雇用対策として、事業効果が薄い企業立地促進奨励金はやめ、正規雇用促進奨励金こそ積極的に拡充すべきと提案しました。市の答弁では、特に正規雇用促進奨励金の実績が当初の2倍に伸びていることが明らかになり、「雇用の安定化に資する施策こそが待ち望まれている」と強調し、一層の拡充を求めました。

 

市会議員 畑中たけし

私立保育園への「一時保育」市独自補助の継続を

 国による「一時預かり保育事業補助」開始にともない、既存の市独自の「一時保育事業補助」が廃止となることに対し、「国制度は専用部屋や保育士複数配置など基準が厳しく、たとえ国基準に対応できない民間園でも一時保育実施に努力している園に対しては従来の市独自補助金を継続して支援するべき」と訴えました。市の答弁によると「国の制度に移行できない保育園は10保育園」にものぼることが明らかになりました。