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[阿字地洋子] 平成24年6月定例市議会 本会議質疑
◎議案第49号 平成24年度大阪府茨木市公共下水道事業特別会計補正予算(第1号)
  ○市長マニフェストについて


議案第49号 平成24年度大阪府茨木市公共下水道事業特別会計補正予算(第1号)

(阿字地一問目) それでは、新市長のあげるマニフェストについて、以下、市長にお尋ねいたします。
 4月の市長選挙を通じて、茨木にも維新の市政が出現しました。選挙を通じて、市民への公約、すなわちマニフェストの検証が重要です。
 1つ目に、市長のマニフェストの定義について、お尋ねいたします。特に選挙時にあげたマニフェストの定義と解釈について、お尋ねします。日本共産党は、本来のマニフェストというものは、ローカルマニフェストといえども、従来の選挙公約とは異なり、何を、いつまでに、どれくらいやるか、具体的な施策、実施期限、数値目標を明示するとともに、事後検証性を担保することで、有権者と候補者との間の委任関係を明確化することを目的としていると理解していますが、見解を求めます。
 2つ目に、共産党は、マニフェストについては責任の範囲を明確にすべきと主張しています。そこで、市長のあげたマニフェストの範囲について、お尋ねします。すなわち自民党が選挙時に発行した機関誌での市長と市議補選予定候補との握手ビラ登載の茨木市統治機構改革八策は、市長のマニフェストに含まれていたのか、お尋ねします。
 私たちの知る範囲では、大阪維新の会いばらきと、みんなの党茨木のマニフェスト策定委員会による茨木市長選マニフェストの10項目116件、さらに、その後の政治活動用ビラ、選挙運動用ビラ、選挙公報を通じて、8項目に統合していますが、その範囲を明確にするよう求めます。
 3つ目に、策定時の経過について、お尋ねします。共産党は、マニフェスト策定時に責任ある立場が必要と考えています。いずれにしても、基本は、マニフェスト策定委員会による茨木市長選マニフェストの10項目116件と理解しています。この茨木市長選マニフェストは、何を、いつまでに、どれくらいやるか、具体的な施策、実施期限、数値目標についても検証した上で策定したものかどうか、お尋ねします。
 4つ目に、マニフェストの推進と検証について、お尋ねします。市長就任時以降、6項目119件に統合しています。この6項目119件のマニフェストの検証については、基本的には4年間に実行する、検証は、優先順位を決めるだけで、マニフェストの見直し等は含まれていないとの解釈でいいのか、お尋ねします。
 市長は、取り組みに当たっては、行政のプロとしての立場と市民目線のバランスが重要である。効果や課題等を検証の上で、急いで実行に移す事業と時間をかけて取り組む事業を見きわめ、具体策や工程表を策定してほしいと訓示、10月上旬をめどにマニフェストの各項目について、具体策や工程表を策定する予定としています。どう考えても、1期4年間で、6項目119件、単年度で30件のマニフェストを実行するのは、よしあしはともかく、常識的、物理的に不可能と考えます。第一、119件を3か月で結論を出すのも困難ですが、見解を求めます。

[木本市長] 阿字地議員の質疑にお答えいたします。
 マニフェストの定義でございますが、阿字地議員が申された、そのとおりでございます。そのように私も理解をしております。今後の4年間の、さらには、これからのあるべき姿をお示ししたものであります。
 次に、マニフェストの範囲についてでございますが、119件の、いわゆるマニフェスト策定委員会によります、これは市民の参加のもとに策定したものでございまして、それを私のマニフェストにほぼそっくり取り入れさせていただきました。それと、今、その119件についてプロジェクトチームで検討、いわゆる行政のプロとしての目線から検証、検討していただいているところであります。
 自由民主党・絆の市長選挙マニフェスト骨子(茨木市統治機構改革八策)は、マニフェストに含まれておりませんが、今後、いろんな場面でまた提案をしていただければ、検証してまいりたいというふうに考えております。
 策定時の経過についてであります。先ほど述べましたとおり、マニフェストは茨木市のこれからのあるべき姿を考え、お示ししたものでございまして、具体策や工程については、現在、プロジェクトチームにおいて、その素案の検討を進めているところでございます。
 推進と検証ですが、マニフェストで掲げた改革の項目は、4年間での実施を基本と、先ほど、到底、物理的に不可能だと言われましたが、何とかやれるものはやらせていただきたいと思いますが、課題や効果を十分に検証した上に、すぐにできるもの、それから、既に実施しているものも中にはあります。それから、時間をかけて取り組むべきもの、また、このマニフェストよりももっと別の方法のほうが効果が上がるんではないか、費用対効果もいいんではないかと、そういったものに分類いたしまして、当然、見直しも含むことになります。その結果は、可能な限り、次年度の予算に反映するために、スピード感を持って進めて、政策推進会議に諮った上で、10月上旬をめどに、何とか頑張って決定することにしたいと思います。よろしくお願いします。

(阿字地二問目) 2問目も市長にお尋ねしたいと思います。
 今回の市長のマニフェストは、本来のマニフェストの定義と大きくかけ離れております。具体的な施策、実施期限、数値などを、実際は事前に検討されておられる痕跡が見当たらないと思うんですけれども、いかがでしょうか。改めて見解を求めます。
 茨木維新の会のマニフェストと自民党茨木のマニフェストは、基本条例制定の部分でも相違しておりますので、今後、これを入れていくということですけれども、実際は今、入ってないという明確な答えやったかと思いますが、それで認識しておきます。
 候補者本人や推薦政党が選挙前に約束したマニフェスト、就任後に行政組織に、そのやるか、やらないか、実施可否の推進について諮問するのは公私混同だということでございますが、行政執行権の乱用だと、まだ今さっきの答弁ではやはりそういうふうに思わざるを得ませんが、見解を求めます。
 マニフェスト内容と関連して、茨木市行政の現状について、市長の認識と解釈について、お尋ねします。
 私たちは、再生、発展が求められていると言われる茨木市の現状について、少なくともバブル後の90年代後の失われた20年と言われるこの時期に、茨木市が国や大阪府から押しつけられた彩都と安威川ダムという2大プロジェクトに人も金も投入を強制され、それに従った茨木市政が独自のまちづくりや発展策遂行を放棄していたことが大きな要因と分析しております。
 しかし、市長は選挙前後のマニフェストをはじめ、さまざまなところで、茨木市は大阪万博が開催された1970年代以来、市の大きな発展がとまっている。逆に言えば、茨木市は大きな発展するポテンシャルがある都市であると言える。この原因は、この40年以上、市の職員から市長を出し続けてきたことにある。このことは、茨木市が大きく変わることを目指さず、従来路線の延長上の行政を行ってきたと言える。今こそ従来の慣習にとらわれず、新しい民間の発想で茨木市を大きく変える必要がある。この改革は職員組織や既成政党とのしがらみのない、保身のない市長にしかできない改革と発言しています。これまでの市政について、大きな発展がとまっているとする、その原因が、この40年以上、市の職員から市長を出し続けてきた職員組織や既成政党とのしがらみと指摘する根拠と事実関係は茨木市にあったのか、お尋ねいたします。
 少なくとも市長が議員生活の40年間は、この市政を礼賛し、推進してきた責任について、どのように認識しているのか、お尋ねいたします。
 いわゆるオール与党政治の終えん、2大政党による政治の破綻、官僚政治への反感など、現状の政治に対する閉塞感打破を願う有権者の声を間違った方向に誘導する維新流改革に未来はありません。世界でも日本でも大阪でも、そして茨木でも、グローバルリズムに基づく、市場第一主義を克服してこそ、新たな未来が開けます。市長の見解を求めます。
 市長就任前のブログについて、事実誤認とそれに基づく間違った理解がありますので、この機会にお尋ねいたします。
 ブログにはこのように記述しています。「驚く事が今日(3月29日)あった。民主党推薦、連合推薦、刷新会派の応援を受けている、また野村市長からも支援を受けている某女性候補を、日本共産党が応援すると表明したのだ。共産党の茨木市会議員は、8年間の野村市政に野党の立場をとってこられた。それはそれなりに一貫しているという意味で尊敬に値すると私は思っていた。その共産党が某女性市長候補を応援するというのはおかしいと思う。もし某女性候補を応援するならどうして野村市長の与党でいなかったのか?共産党が某女性候補を応援するその理由として、大阪維新の会の候補者をどうしても当選させたくないというような事を書いていた。反維新、反橋下改革をその理由としている。大阪の市役所での一連の公務員の不祥事を暴いたのが、共産党の癇に障ったのか、28万市民の為の橋下改革が気に入らないのか、私には理解が出来ない。大阪市役所(4万人の職員)の為の大阪市役所が壊れようとしているのを恐れているのか?大阪職員の中に共産党系の労働組合と民主党系の労働組合があります。共産党大阪市会議員団は、共産党系の労働組合の利権の為に平松さんを応援した。また、民主党大阪市会議員団は民主党系労働組合の為に平松さんを応援した。この、大阪市の構図がそっくり茨木市に当てはまると言っても過言でない!40年間続いたこの構図はかつての55年体制(自民党と社会党が対立しているように見えて、実は馴れ合いをやってきた)と全く同じ体質だ。私は共産党茨木市会議員に騙されたと、今になって気が付いた。騙した共産党が悪いのか、騙された私が悪いのか・・・ああ嫌になる」、「今度の茨木市長選挙は大阪維新推薦の候補者による茨木市の公務員改革か、野村市長や民主党、共産党、市役所労働組合の支援を受けた某女性議員による市役所職員の為だけの戦いなのか、その選択が重要な要素である」と書いて、今も掲載しています。
 御存じのように、過日の市長選挙で、維新の市政阻止の一点で、共産党は桂 睦子さんを自発的支援をしました。自発的支援の理由は、野村市政の継承を中心とした政策を指示したわけではありません。また、反維新、反橋下改革から応援したわけでもありません。桂さんは、御存じのように、明確に反維新、反橋下改革もあげていませんでした。共産党が独自候補も立てずに、一応、反維新、反橋下改革をあげた山下さんも応援せず、党派を超えた幅広い方々との共同で、維新の市政阻止という一点で、桂さんという存在を応援したわけです。それは市長のあげた維新流茨木改革が市場第一主義をあげ、競争と淘汰で格差を拡大し、改革の方向と約120項目の多くを実行すれば、茨木市の財政を破綻させ、市政は混乱し、衰退が必至と判断したからです。まして、茨木で、市長が言う共産党系の労働組合の利権のために桂さんを応援したというのも、歴史や事実を無視した言いがかりです。

[木本市長] このような予断と偏見によるブログの撤回を強く求めます。市長に答弁を求めます。
ありがとうございます。私のブログをよく読んでいただいていることに、改めて非常に感謝をしております。
 それで、マニフェスト策定委員会は、いろんな意味で、時期とか予算とか、そういうものは一切検証していませんので、まず、今、その検証をプロジェクトチームがやっているということでご理解を、その点はいただきたいと思います。ですから、今、その手続を、先ほど申しあげましたように、やっている最中でございます。
 それと、公私混同、何の公私混同かよくわかりませんが、私は、やっぱり曲がりなりにも市長として選ばれた私でございますので、私のマニフェストを今、職員に検証していただくのは、これは当然の話でございまして、そのように思いますので、ご理解を賜りたいと思います。
 それと、長々と私のブログについて言っていただきましたんですが、私は1つ、当選してから認識が間違っていたということはあるんです。それは、何回も申しあげましたが、茨木市の職員は大阪市の職員と違って、非常に、大変優秀であるということが、この2か月でわかりました。ですから、そういう意味では、これから一生懸命、茨木市民のために、安全、幸福、福祉のために頑張っていっていただけると確信を持っておりますので、どうかご理解いただきたいと思います。ありがとうございました。

(阿字地三問目) 最後に一言申しあげておきたいと思います。
 今度の市長選挙は、市場第一主義で競争と淘汰で格差を拡大する維新の改革か、市場第一主義に決別して格差是正と茨木の再生を目指す市民本位の改革かが最大の争点であり、結果的にも、市長の言う維新の改革を支持したのは、投票者の42%にすぎなかったことも申しあげておきます。