[畑中たけし] 平成25年12月市議会 本会議質疑
◎議案第92号 平成25年度大阪府茨木市一般会計補正予算(第2号)質疑
○茨木市の行財政運営について
○高齢者施策の見直しについて


◎議案第92号 平成25年度大阪府茨木市一般会計補正予算(第2号)質疑
(畑中一問目) それでは、大きな1つ目として、茨木市の行財政運営について、お尋ねします。
 第1に、平成25年度、今年度の行財政運営について、お尋ねします。
 日本共産党は、これまでも大規模プロジェクト優先、そのために市民を犠牲にする行財政運営の是正を強く求めてきました。特に毎年の年度末等の補正予算では、大規模プロジェクト推進に備えるための財政基盤を確立するとして、市民犠牲と市民要求を抑制して残した財源を、第1に基金の積み立てを最優先する、第2に不急の用地取得や先行取得用地の買い戻しを行う、第3に起債発行額を減額するなど、行ってきたことを強く批判してきました。改めて日本共産党は、市民犠牲と市民要求を抑制して残した財源は翌年度に繰り越し、市民要求、とりわけ民生や教育などのソフト事業充実に活用すべきと強く求めるものであります。
 そこで、25年度の財政運営の最終見通しについて、お尋ねします。
 1つ目は、基金の積み立てを最優先する。第2に、不急の用地取得や先行取得用地の買い戻しを行う。第3に、起債発行額を減額する。この3点の最終見通しをお示しください。
 2つ目に、25年度予算編成時点の見通しと現時点における最終見通しについて、お尋ねいたします。
 25年度の方針では、歳入一般財源が538億円、その内訳は市税436億円、譲与税、交付金38.7億円、地方交付税23.3億円、臨時財政対策債32億円、財産収入0.2億円、使用料等3.2億円、繰り越し1億円、諸収入3.4億円としていましたが、最終見込みをお示しください。
 歳出経常的経費一般財源は486.2億円、その内訳は人件費が120.1億円、扶助費70.1億円、公債費50.2億円、物件費123.7億円、補助費等51.8億円、繰出金70.3億円としていました。それぞれ最終見込みをお示しください。
 実際の予算編成では、通常収支見込みによる財源に見直しの財源を加えて、それを政策事業に43億円、時代の要請事業に6億円、市債発行抑制に12億円と振り分けたと理解しています。それぞれ最終見込みをお示しください。
 3つ目に、政策事業の主なもの、時代の要請事業の主なものをお示しください。問題は、政策事業43億円のうち、実に7割の29億円がハード事業でした。基金を除いてソフト事業に回ったのはわずか2割、10億円です。また、ハード事業29億円と時代の要請事業に6億円のうち、大規模プロジェクトに回した額を事業別にお示しください。
 次に、26年度、来年度の予算編成方針の具体的編成実施について、お尋ねします。
 日本共産党は、財政の健全性への確保の取り組みなるものは、大規模プロジェクトを推進するための財源づくりのために市民負担の増大、市民サービスの切り下げ、民営化と民間委託、そして市民施策の抑制など、市民犠牲を推進する行財政運営だと批判してきました。26年度も、一層、その方向が強まろうとしています。方針では、26年度は歳入一般財源を539億円、歳出経常的経費一般財源は503億円、経常収支は差し引き36億円、それに経常経費削減と既存事業見直しで3億円、合計39億円をソフト事業に5億円、基金積立に8億円、ハード事業に19億円、夢いばらき創造枠に3億円、市債発行抑制に4億円を振り分けるとしています。経常経費削減と既存事業見直しで3億円の基本的方針と内容の考え方をお示しください。ハード事業19億円、夢いばらき創造枠3億円のうちの大規模プロジェクトの26年度の必要経費について、事業別にお示しください。
 大きな2点目として、今後の高齢者施策の新たな展開について、お尋ねします。
 市は今年度、高齢者施策を統合的に検討する専門部会を7回にわたって開催し、部会の報告を踏まえて、これまでの高齢者施策の削減、後退を進めようとしています。日本共産党は、茨木市の高齢者福祉は、その根本法規である老人福祉法の精神に立って進めるべきとの立場であり、今回の見直しの方向と内容は、老人福祉法の内容に逆行している暴挙と指摘せざるを得ません。老人福祉法は、日本国憲法第25条にある生存権の規定に基づき、すべての老人に対する社会保障を担ってきましたが、財政の悪化により、現在は老人保健法、介護保険法が適用されない場合に限り、老人の福祉を行う根拠法律となっています。なお、実施者は市町村であるとされています。
 老人福祉法は、老人の福祉に関する原理を明らかにするとともに、老人に対して、その心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な措置を講じ、もって老人の福祉を図ることを目的として制定された法律です。老人福祉法の総則の第1条、目的では、「この法律は、老人の福祉に関する原理を明らかにするとともに、老人に対し、その心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な措置を講じ、もつて老人の福祉を図ることを目的とする」、第2条、基本的理念では、「老人は、多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として、かつ、豊富な知識と経験を有する者として敬愛されるとともに、生きがいを持てる健全で安らかな生活を保障されるものとする」、第3条では、「老人は、老齢に伴つて生ずる心身の変化を自覚して、常に心身の健康を保持し、又は、その知識と経験を活用して、社会的活動に参加するように努めるものとする」、「老人は、その希望と能力とに応じ、適当な仕事に従事する機会その他社会的活動に参加する機会を与えられるものとする」、さらに、老人福祉増進の責務として、第4条、「国及び地方公共団体は、老人の福祉を増進する責務を有する」、「国及び地方公共団体は、老人の福祉に関係のある施策を講ずるに当たつては、その施策を通じて、前二条に規定する基本的理念が具現されるように配慮しなければならない」としています。
 1つ目に、今回の見直しの背景と方向性は、今、申しあげた憲法25条の生存権を脅かし、老人福祉法の精神と条文に逸脱していると考えます。市の見解をお示しください。
 2つ目に、高齢者福祉施策における自助、共助、公助の茨木市の考え方と施策の見直しの目的も同様です。市の見解を求めます。
 また、茨木市における70歳以上高齢者の所得格差の実態についての資料をお示しください。さらに、70歳以上高齢者の生活保護受給者の状況もお示しください。
 もともと大規模災害などをはじめ、防災の議論の中で自助、共助、公助というキーワードが使われてきましたが、今では国の社会保障制度改革の分野で喧伝され、自立を強調する一方で、個人や弱い立場の人に向ける公助を切り捨てるための言いわけの言葉として利用されています。大きな1点目の質問でも、大規模プロジェクトの財源確保のための市民犠牲についてお聞きしましたが、今、計画中の高齢者政策の見直しについても、高齢者人口がふえる中でも、高齢者のための予算を、特に老人福祉費を抑え込むための施策後退、縮小ではないでしょうか。市の見解を求めます。
 3つ目に、老人福祉センターの廃止と転用について、お尋ねします。
 市は、老人福祉センターの問題点として、高齢者ニーズに対応できない施設形態、利用者の減少と遍在化、施設老朽化に伴う費用負担の増大として、老人福祉センター機能を廃止して、桑田荘は地域支え合いセンターに、ほか5施設はふれあい交流センターとして転用するとしています。その中で、ふろの廃止、有料化、送迎バスの廃止も打ち出されています。
 まず、高齢者ニーズに対応できない施設形態という点にかかわって、お尋ねいたします。
 老人福祉センターの形式的な利用対象者は60歳以上の高齢者ですが、そもそもが、老人福祉センターはスタート時点から高齢者のすべてのニーズを満たすために生まれた施設ではありません。公の施設として、法にのっとって、無料、または低廉な料金で老人福祉に関する各種の相談に応じ、高齢者の健康増進や教養の向上、またレクリエーション機能などの機会を総合的に提供することを目的として設置された老人福祉施設です。茨木市の老人福祉センターもさまざまな改善すべき点はありますが、おおむねその目的を果たして運営してきたものと考えますし、現在の利用者もそうしたニーズを持って年間延べ17万人もの高齢者が、日々、センターを利用しているものと理解していますが、市の見解を求めます。
 言われているように、高齢者のニーズは就業、交流、ボランティア等さまざまであり、そうした中、老人福祉センターは前述のような機能を果たしているのであり、老人福祉センターが本来的に持っていない機能をあげつらって、ニーズを満たしていないから老人福祉センターを廃止して転用するというのは暴論に過ぎます。市の見解を求めます。
 次に、利用者の減少と遍在化について、お尋ねします。
 20年度以降の老人福祉センター総利用人数のうち、ふろの利用者を除く総利用人数の推移をお示しください。市は利用者の減少と一言で言いますが、ふろ以外の利用人数の推移から見ても低落傾向にはなく、減少の原因はただ1つ、ふろの実施日の半減にあることが数字からも明白です。老福が高齢者ニーズに即していないから利用者が減ってきたというのではなくて、市がサービスを後退させた結果として、ニーズに十分こたえられなくなったから、この利用者の人数が減ったのであって、これが適切なとらえ方ではないでしょうか。答弁をお願いします。
 いずれにせよ、日本共産党は、ふろの廃止や、有料化を含めた老人福祉センターの廃止、転用は中止するべきであり、あり方検討会の提言にあるように、その設置目的を十分に発揮できるようにサービスの改善と充実に努めるべきである、老人福祉センターを含めて、市はさまざまな高齢者施策を総合的に展開して、多様化する高齢者ニーズにこたえていくべきであると考えますが、市の見解を求めます。

[河井企画財政部長] 財政運営に関して、ご答弁を申しあげます。
 まず、基金積立、公社先行取得用地の買い戻し、市債発行の抑制の平成25年度の見通しについてでございます。
 歳出は事業完了に伴う執行残が一定時期に予想できますが、歳入はまだまだ不確定な要素がございまして、年度末の見通しにつきましては困難でございます。したがいまして、基金の積み立て、公社先行取得用地の買い戻し、市債発行の抑制におけるそれぞれの見通しについても、現時点では難しいところでありますが、財政の健全性の確保を念頭に、適切に運用してまいりたいと考えております。
 次に、歳入一般財源と投資的経費、基金を除いた歳出充当一般財源の平成25年度の見通しについてでございます。
 歳入一般財源につきましては、市税や譲与税の見込みが不確定でありまして、また、歳出充当一般財源におきましても、事業完了に伴う執行残が予想されるとともに、国・府補助金等の特定財源も確定していないことなどから、最終額を見通すことは困難でございます。
 なお、当初予算で計上しましたハード、ソフト、基金、積立等の政策事業につきましては、適切な執行に努めてまいることに加え、現時点で確定している純繰越金及び普通地方交付税の一般財源は、補正予算を通じて、市民サービスの充実を図る事業に適切に活用しております。
 次に、平成25年度予算における政策事業の主なものということでございますが、現時点では執行が完了していないことから、当初予算における一般財源ベースでございますが、耐震補強をはじめとした学校園の整備事業に10.9億円、私立保育所建設補助事業に1.5億円、こども医療費の助成事業の拡充に1.5億円を計上しております。また、時代の要請事業としましては、駅周辺再整備基金に4億円、小児救急の広域化に0.6億円、屋外拡声機付き防災行政無線の整備等の防災対策に0.9億円を計上しております。また、主要プロジェクトとしましては、立命館大学関連事業で約1.5億円、彩都関連事業で1.2億円、新名神関連事業で0.9億円、(仮称)JR総持寺駅整備事業で0.1億円、安威川ダム関連事業で0.1億円であります。
 次に、平成26年度予算編成における事業見直し3億円の考え方でございます。
 平成26年度予算編成のスローガンとして掲げました「『今』必要なサービスの充実と『将来』の活力あるまちの推進、『財政の健全性』の確保」を実現するために必要な財源3億円を部内協力のもと、経常経費等の事務事業の見直しにより創出するものであります。
 見直し目標額の3億円につきましては、各部の経常経費の予算規模に加え、経常化する新たな事業は既存の経常経費を見直した上、実施する考えのもと、政策推進プランで採択した新規経常事業の規模等を勘案し、配分をしております。
 次に、平成26年度予算編成におけるハード事業、夢いばらき創造枠、そのうち大規模プロジェクト事業の内容についてという質問でございますが、現在、新年度予算の編成過程でございますので、それらの内容につきましてはお示しすることができません。この時期は本年度の最終見通し、ないし来年度予算の内容、いずれもまだ固まっておらず、具体的にお示しできない時期でございますので、ご理解をお願いいたします。
 以上です。

[小西健康福祉部理事] 続きまして、高齢者施策の見直しについてということでご答弁させていただきます。
 まず、憲法や老人福祉法にそぐわないのではないかというご質問でございますが、今回の専門部会の報告にもありますように、今回の改革提案は老人福祉法の趣旨に沿ったものであると理解しております。
 また、自助、共助、公助の考え方についてということでもございますが、今回の見直しにおきましても、茨木市総合保健福祉計画策定の趣旨を踏まえまして取り組むものでございます。
 次に、70歳以上の高齢者の所得格差の実態についてというご質問でございますが、今回の報告書でお示ししております高齢者の所得格差の実態につきましては、国の高齢社会白書によるものでございまして、所得格差の実態や生活保護受給者の状況につきましては、本市におきましても、国と同様の傾向にあるということを推察しておる次第でございます。
 ちなみに、70歳以上の高齢者の生活保護受給者数でございますが、今年度10月末現在で1,149人というふうに把握しております。
 続きまして、今回のこの高齢者施策の見直しが施策の後退、縮小じゃないかというふうな点でのご質問でございますが、今回の高齢者施策の総合的な見直しの目的でございますが、これから到来する超高齢社会に向けた持続可能な福祉施策を再構築するというものでございます。そのため、高齢者の居場所と出番を創出するという具体的表現で取りまとめたものであり、発展的に施策を展開するものでございます。
 続きまして、老人福祉センターの再編の必要性についてでございますが、老人福祉センターは現在、利用対象者の2.5%程度の高齢者にしか使っていただいてない施設であるという状況でございます。そのため、この老人福祉センターの機能を再編させていただきまして、高齢者のさらなる利用促進を進めていくことが今回の改革の柱でございます。
 続きまして、老人福祉センターの利用者数の推移及び減少の原因というふうなことでのご質問でございますが、おふろの利用者を除いた6つの老人福祉センターの総利用人数ということでございますが、具体的に申しあげますと、平成20年度は9万8,866人、21年度は11万2,529人、22年度は11万7,308人、23年度は11万1,424人、24年度は11万5,562人となっております。このように、おふろの利用者数の減少ということは、この要因の1つではございますけども、平成21年度以降の回数の見直し以降につきましても、おふろにつきましては利用者数が減っておると。ただ、年度ごとの総利用人数で見てまいりますと、一部増減等はございますが、これは、この6センターのうち、特定のセンターにつきましては、若干、事業等の見直し等によりまして増となった要因もございますが、全体的に見ますと、やはり老人福祉センターの利用人員は減少傾向にあるというふうに認識しております。
 そして、最後に、今回の高齢者施策につきまして、多様化する高齢者ニーズへの対応というふうな点でございますが、今回の見直しは多様化する高齢者ニーズに対応するため、老人福祉センターの利用者だけでなく、センターを利用されていない他の高齢者の皆さんや、高齢者の事業に携わっていただいている皆さんのご意見をお伺いし、高齢者施策の再構築を図るものでございます。よろしくお願いします。


(畑中二問目) それでは、2問目、26年度の予算編成方針について、引き続きお尋ねします。
 結局、今のスクラップ・アンド・ビルドの予算編成はハード事業、とりわけ大規模プロジェクト優先、市民犠牲を押しつける予算編成方針です。その予算編成方式も完全に行き詰まっています。大規模プロジェクトの乱発で財政の危機的状況を迎えていると日本共産党は考えています。市の見解を求めます。
 身の丈にあっていない面がどんどんあふれ過ぎて、ぜい肉を膨らませて、肝心の骨身や筋肉がそぎ落ち、骨はすかすか、こんな予算編成方式は廃止と見直しを求めます。見解を求めます。
 スクラップ、すなわち市民犠牲で毎年3億円から4億円削っていくことは、もう長続きしません。まず、数字ありきのスクラップはもう限界でないでしょうか。市の見解を求めます。
 日本共産党は、限られた財源を生かすために、大規模プロジェクトの予算を見直して、教育費、民生費、商工費のソフト事業にシフトし、普通建設事業、身近なまちづくり優先で進め、茨木の再生を目指すということです。市の見解を求めます。

[河井企画財政部長] まず、主要プロジェクトの財源ということでございますが、こちらにつきましても、財政運営に当たりましては財政の中長期見通しを策定いたしまして、その中で想定されるプロジェクトのほうは盛り込みまして、適切に運営をいたしていく考えでございます。
 次に、スクラップ、限界ではないかということでございますが、これは先ほども申しましたとおり、一定、経常化する経費というのはスクラップをしないと、新たな経常化する経費というものをどんどんどんどん積み重ねていきますと、これは一定、これも1つの破綻ということと考えておりますので、これは必ずセットで行っていかなければならないものであると考えております。
 以上です。