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トップ>市政報告目次>朝田みつる平成27年12月市議会 本会議質疑

朝田みつる平成27年12月市議会 本会議質疑

議案第69号 茨木市個人番号の利用に関する条例の制定について
◎議案第70号 茨木市個人番号カードの利用に関する条例の制定について
◎議案第71号 茨木市印鑑登録及び証明に関する条例の一部改正について
◎議案第72号 茨木市住民基本台帳カードの利用に関する条例の一部改正について <br>
議案第82号 平成27年度大阪府茨木市一般会計補正予算(第2号)
  • 福祉文化会館耐震診断結果、市民会館閉館及び阪急駅前文化芸術ホール建設問題について
  • 解同優遇行政の是正と、いのち・愛・ゆめセンターのあり方について
[賛成討論]議員発第12号、茨木市職員旅費条例の一部改正について
◎議案第86号、一般職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例に対する修正動議について
議案第69号 茨木市個人番号の利用に関する条例の制定について

(朝田1問目) それでは、午前中の質疑に引き続きまして、私も議案第69号を質疑させていただきます。
 この議案第69号、それから、その後に一括質疑される議案第70号から72号は、9月議会に引き続くマイナンバー制度に係る議案であります。9月議会で明らかにしたとおり、私たち日本共産党は3つの理由から、マイナンバー制度導入そのものに反対であります。
 3つの理由とは、まず第1に、国民一人一人に原則不変の個人番号を付番し、個人情報をこれによって容易に参照できる仕組みをつくることは、プライバシー侵害や成り済ましなどの犯罪を常態化するおそれがあること。第2に、共通番号システムは初期投資、維持費等に膨大な費用を要するにもかかわらず、その具体的なメリットも費用対効果も示されないまま、新たな国民負担が求められ続けること。第3に、徴税強化や社会保障給付の削減の手段とされかねないことであります。
 そこで、改めて今回の個人番号の利用に関する条例の制定について、その理由、必要性について明らかにされるよう、答弁を求めます。
 次に、9月議会の議案は地方の裁量が及ばない、いわばこのマイナンバー法成立に伴う、望もうが望むまいが提案せざるを得ない、強制的なものであったわけですが、今回の議案はそうではありません。裁量権が及ぶ範囲、あるいはそういう部分を含んだ議案であります。
 そこで、順次、尋ねていくわけでありますが、まず第1に、提案者のほうから本体の条例案とともに参考資料として、条例施行規則(案)もつけてくれているわけでありますけども、そこでは膨大な福祉分野を中心とした事務が個人番号の利用範囲として規定されています。
 これだけ広範囲の情報を扱って集積化するならば、行政の側からすれば極めて国民、市民を管理しやすくなるでしょうが、肝心の国民や市民の側からすれば、ほとんどメリットというものはないのではないかと思います。
 条文全体を読んでみて、盛んに言われている利便性の向上なるものは、実はこの市民の側より、専ら行政の側にある、そういう行政都合だけの制度なのではないかと感じざるを得ないわけですが、見解を求めます。
 私の質問でも先に確認をさせていただきたいわけですけども、第2に、この条例案では、第3条において個人番号の利用範囲が規定されていますが、この第3条に基づく別表に掲げられている老人医療費助成や子ども医療費助成などの5つの事務が、本市でのマイナンバーの独自利用を行う事務であると理解するものですが、その理解でよいのかどうか。また、独自利用の範囲を、この5つの事務と定めた理由についても答弁を求めます。
 さらに、その他規則で定める事務として、施行規則のほうで別表第2というのが設けられていますが、これはどういう規定だと理解すればいいのか、条例の別表とはどう違うのか。施行規則の別表第2が、この庁内連携を行う業務であるという、こういう理解でいいのかどうか。条例及び施行規則(案)における庁内連携を行う業務の件についての、そうした説明の答弁も求めます。
 加えて、基本的な問題ですけども、庁内連携を行う業務を設定するということは、マイナンバー法において、地方の裁量権の及ぶ範囲であるのかどうか。さらに、今回どういう考え方で庁内連携を行う業務の範囲を定めたのかについても答弁を求めます。
 第3に、こうして法で定められた業務に加えて、さらに独自利用、あるいは庁内連携されることになり、具体的な窓口に市民が提出する申請書等に番号の記載と、本人確認のための通知カードなどの提示を求められるようになるわけでありますけども、午前中の質疑でもいろいろありました。もう既に、この通知カード送付の大幅なおくれだとか不手際が発生しており、マイナンバー制度に便乗した不審電話などの警察相談が続発している状況であって、このマイナンバー制度に対する市民の不信感は相当大きなものになっていると考えます。
 そういう状況を反映して、番号提供を拒否されるというケースも起こるのではないかと容易に想像できますが、その場合の対応も含めて見解を求めます。
 1問目、以上です。

[河井企画財政部長] まず、条例の制定理由及び必要性につきましては、市民の利便性の向上及び事務の効率化を図るため、独自利用事務及び庁内連携について、番号法第9条第2項に基づき条例を制定するものでございます。
 次に、ほとんどメリットがない、行政の都合だけという見解というところでございますが、マイナンバー制度のメリットについて答弁させていただきます。
 行政手続における添付書類の省略のほか、迅速かつ、より適正な事務執行を可能とするためのものでございますので、市民の利便性の向上、行政の効率化、公平な給付と負担の確保という具体的な意義があると認識をしております。
 次に、独自利用及び庁内連携に関してでございます。
 条例別表の5事務が本市での独自利用の事務でございまして、この5事務を定めた理由でございますが、国から示された独自利用事務の事例及び独自利用事務の根拠が既存の条例に定められていることが望ましいとされていることを踏まえた結果でございます。
 次に、規則の規定との区別につきまして、条例別表では、他市との連携を行う独自利用事務を規定しておりまして、施行規則別表第1及び別表第2では、庁内連携を行う事務の詳細を規定しております。また、施行規則別表第2は庁内連携を行う事務でございます。庁内連携に係る規定につきましては、裁量の及ぶ範囲でございますが、これまでから庁内関係課間で連携していた情報で、今後はマイナンバーがひもづくものを規定したものでございます。
 次に、番号提供拒否の対応についてでございます。
 申請書へ個人番号を記載することは、各制度における義務であることを説明をいたしますが、それでも記載を拒否された場合は、番号法第14条第2項に基づき、職員が地方公共団体情報システム機構から個人番号を含む機構保存本人確認情報の提供を受けることになります。


(朝田2問目) お答えいただきまして、2問目へ行きます。
 最初に、この条例制定の理由や必要性をお聞きしましたけども、今回の提案で重要だと私考えてますのは、やっぱり独自利用や庁内連携の部分であります。考え方として、本市はこれからこれを推進していこうという立場なのか、広げていこう、そういう立場なのか、ここが聞きたいわけで、2問目として、この独自利用や庁内連携の今後の考え方についても答弁を求めます。
 次に、市民にはメリットがほとんどないという質問に対して、答弁で添付書類の省略化などを挙げられたんですけども、結局その程度だということであります。そういった年に1回ぐらいの頻度での行政手続、あるいは、そんな頻繁にあるような手続ってそんなにないですよね、それの添付書類が省略されるぐらいのメリットですよね。だから、やっぱり市民にとっては、その程度のメリットしかないんやということであります。
 その一方で、この1問目で挙げた、私たち日本共産党が反対する3つの理由を初め、デメリットが余りにも大き過ぎるのが、このマイナンバー制度だということがよくわかる答弁やったと思うんです。
 午前中の質疑で情報漏えいの問題の危惧、いろいろ、いろんな方が質問されましたけども、私はそれのほかに、このマイナンバー制度が特に社会保障、税、災害の3分野での活用から開始されるわけですけども、結局、市民への徴税強化、あるいはこれから何かにつけて、社会保障を削減していく、その1つの方法として、いろんな理由、条件をつけて、社会保障の受給者を狭めていく、こうした行政措置を実行するために個人情報の集積化を図る。
 私は、先ほど来から質問で、この情報漏えいの危惧の質問ありましたけども、そのほかに、こうした懸念も拭い切れないんです。国が躍起になってる理由もそこにあると思いますけども、見解を求めたいと思います。
 次に、マイナンバー制度がシステム利用開始以前の段階で、大幅なおくれとか不手際、トラブルが続出している状況にあって、そのことに対する見解、特にこのまま見切り発車すると、市民の不信感から来る番号提供拒否も、起こり得るのではないかと、その場合の対応についてもお聞きしましたけども、本人が望まなくても、そういう行政が番号を取得できるというね、こういう答弁でした。
 私この質問で、要するに言いたかったのは、どんどんこうした問題が発生しながらも進んでいるわけですけども、市の考え方として、本当に大丈夫やろうとか、国を信頼とかね、そういうことを言われるわけですけども、そうした安全神話に基づいた対応ではなくて、100%完璧なシステム構築いうのは不可能でして、番号提供者の側、つまり市民の側からすれば、提供先の信頼性も問題となるわけであります。ですから、番号提出を回避できる仕組みの併用、あるいは共通番号の定期的変更を認めること、あるいは離脱したい人にはできる制度に変更を求めること。私たち日本共産党は、このマイナンバー制度中止を求める立場ですけども、せめてこれぐらいは国に働きかけるべきではないでしょうか。この財政負担に関する要望だけでなくてね、そうした要望もあってしかるべきです。その考えについて、答弁を求めます。
 2問目は以上です。

[河井企画財政部長] まず、1点目ございました独自利用、庁内連携についての今後の考え方でございます。
 これにつきましては、今後、市民の利便性や他市の動向も注視しながら検討をしてまいりたいと考えております。
 次に、徴税の強化等を国が想定しているのではないかということについての見解ということでございますが、これにつきましては、先ほどもご答弁しておりますように、公平な給付と負担の確保という趣旨であると理解をしております。
 それから、安全神話、100%というのは不可能といったご指摘でございますが、これにつきましては、システム等々が大きく関係してまいりますので、セキュリティ、安全性を一層高めて、また、職員研修等も徹底をして取り組んでまいりたいというように考えているところでございます。
 それから、国への要望というところでございますが、具体的にございましたようなご指摘の内容については、現在のところ要望する考えは持っておりません。


(朝田3問目) 3問目です。
 独自利用、庁内連携について、他市の状況も見ながら検討してまいるということで、そういう答弁だと、進めていくんだという立場ともとれます。
 情報漏えいの問題も、他の議員の答弁も聞いてまして感じるんですけども、一般のネットから隔離されてるという、そういう状況なんで大丈夫だと、こういうような答弁もありましたけども、これから、個人のパソコンから活用できるマイナポータル制度ですね、このマイナポータルも、これから始動していくわけであります。情報漏えいの経路としては、これが一番危惧されているわけですけども、ですから、そういう答弁をされても、私は何の気休めにもならないと思ってます。このマイナポータルの問題についても何かあれば、それは答弁をお願いいたします。
 日本共産党は国に対して、そうしてマイナンバー制度の実施中止を求めていくものですが、地方自治体からも、私はその声を大いに上げていくべきであると考えていますし、その考えはありませんなんて、本当に消極的ですよね。で、共通番号にひもづけする情報をできるだけ限定させる措置をとるべきだと思います。そういう点で、このマイナンバーによる独自利用や庁内連携はやるべきではないと主張するものです。
 ですから、答弁は納得のいかないものばかりで、極めて残念です。こうした独自利用や庁内連携の条例制定には反対であることを表明して、質問を終わりたいと思います。

[河井企画財政部長] マイナポータルに関する見解ということでございますが、一定、まだ今後の話でございますので、具体的な見解としては持っておりませんが、言われておりますとおり、各市民が自己情報についての提供経過、そういったものを自分で確認できる、または、そのさらに先にプッシュ型のサービスも提供が可能になると、そういうものであると理解しております。


議案第70号 茨木市個人番号カードの利用に関する条例の制定について
議案第71号 茨木市印鑑登録及び証明に関する条例の一部改正について
議案第72号 茨木市住民基本台帳カードの利用に関する条例の一部改正について

(朝田議員) それでは、続きまして、私のほうからも幾つか質問させていただきます。
 議案第70号から72号は、個人番号カードのICチップ内の空き領域を利用する業務を規定するため、そして個人番号カードの交付に伴い、従来の住民基本台帳カードは10年間は使えるという経過措置を設けるための一連の新たな条例の制定や諸条例の一部改正の提案であると理解するものであります。
 そこで、まず確認の意味で質問するわけですけども、今回の条例制定及び条例一部改正提案は、地方の裁量権の及ぶ部分での提案であるということでよいのかどうか、答弁を求めます。
 その上で、今回の条例制定及び条例一部改正の理由について、特に自動交付機による住民票の写し等の交付と印鑑登録証明の交付の2種類、2業務を規定した理由と、本市では住民基本台帳カードについて、この10年間有効とした理由についての答弁を求めます。
 また、議案第72号には、この10年間有効である旨の条文上の文言が見当たらないように思うんですけども、どこに規定されているのか答弁を求めます。
 次に、日本共産党は住基ネットや住基カードの導入や、それから住基カードでのコンビニ交付に反対をしてきました。そのとき指摘した問題点は、今回の個人番号カードにおいても基本的には同じであります。むしろ扱う、ひもづけされる情報量は飛躍的にふえ、民間でも広く番号が使用されている点でも、その危険性は飛躍的に高まらざるを得ないと考えます。
 そこでお尋ねするわけですが、まず第1に、個人番号カードのICチップの中に入っている個人情報は何種類で、どういう情報が入っているのかについて、答弁を求めます。
 また、カード利用による履歴や個人情報は、ICチップの中に残り消えることはない、どんどん集積されていくのかどうか、答弁を求めます。
 第2に、空き領域を利用する業務について、今後ふやしていこうとしてるのかどうなのか、市の考え方について、答弁を求めます。
 1問目、以上です。

[大西市民文化部長] 順次、お答え申し上げます。
 今回の条例制定及び条例の一部改正につきましては、地方の裁量権限の及ぶ部分での提案でございます。
 次に、現在の住民基本台帳条例の一部改正を公布した理由ということですが、現在の住民基本台帳カードにおけるサービスと同様の水準を個人番号カードにおいても維持するために、条例の制定と改正を行ったものであります。
 次に、住基カードの有効期限につきましては、住民基本台帳法施行令第30条の16におきまして、住基カードの有効期限は10年と規定が定められておりますが、平成28年1月1日に同施行令が改正され、住基カードの規定については削除されますことから、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第20条第1項の規定において、既に交付されている住基カードにおいては、なお従前の例によるとの取り扱いが規定されておりますことから、有効期限について条例上には規定をいたしておりません。
 次に、個人番号カードのICチップの中に入る個人情報は、基本情報といたしまして、個人番号、住民票コード、氏名、住所、生年月日、性別の6種類となっております。
 次に、ICチップの個人情報の蓄積についてでありますが、個人番号カードのICチップ内の個人情報は、変更のあるごとに上書きがされますので、過去の情報は蓄積されることはございません。
 次に、今後の個人番号カードの空き領域を利用する業務ということですが、今のところ、他の業務で利用する考えはございませんが、今後、市民の利便性や行政の効率化を視点に、関係課と必要に応じて調整、協議してまいります。


(朝田2問目) 答弁を踏まえまして、2問目、行きたいと思います。
 特にこのICチップの蓄積の問題ですけども、上書きで、そういうことはないという答弁だったんですけども、しかし、いろいろそこで扱う情報が今後ふやされていくと、国はそういう方針ですので、そういうことになってくる。で、本市の対応の答弁でも、今後検討という旨の答弁でもありました。
 カードの問題も、扱う個人情報がふえればふえるほど利用価値を高めて、不正取得や不正使用などの危険性は高まります。それに見合う市民の側のメリットは、やはり見出すことはできないということであります。
 マイナンバー制度の問題点については、この9月議会の質問でも詳しくやりましたし、第69号の質疑でもやりましたんで、ここではもう繰り返しませんけども、ですが、改めて強調したいのは、世界の流れは共通番号制ではなくて分野別番号制だということであります。ですから、個人番号カードも含めて、マイナンバー制度は実施中止を国に求めるべきであるし、住民基本台帳カードはすぐにでも廃止をすべきです。そうしても、住民生活には何の支障も生じません。ただ、高齢者などが住基カードを申請する理由に、カードを使っての各種処理交付というよりも、写真つきの本人証明書が欲しいと、こういうのがあります。したがって、昔あった市民証の発行、それもちゃんと銀行などの民間でも、本人確認の証明書として認知される、そういう条例で規定するなりの法的な保証もしたような、そういう市民証の交付事業を考えるべきだと考えますが、最後にその見解だけ答弁を求めておきます。
 以上です。

[大西市民文化部長] 現在のところ、公的な証明ができる市民証の発行は考えておりません。
 以上です。




◎議案第82号 平成27年度大阪府茨木市一般会計補正予算(第2号)
(朝田1問目) それでは、今回は12月議会提出案件等の事前説明会で配付、説明された平成27年11月付の報告事項に基づいて、大きく2点の問題について、質問いたします。
 大きな1点目として、福祉文化会館耐震診断結果、市民会館閉館及び阪急駅前文化芸術ホール建設問題について、お尋ねいたします。
 報告資料では、福祉文化会館耐震診断等についてとして、福祉文化会館の耐震診断結果及び対応策が報告されています。改めて、その内容について説明の答弁を求めます。
 次に、結論で言えば、福祉文化会館は耐震診断の結果、耐震改修が必要と判明しましたが、建てかえを基本に市民会館跡地利用と一体的に検討する、言いかえれば、検討結果が出るまで耐震上の問題があっても使用継続するということになりますが、この対応では、市民会館のほうは耐震上の問題があって、ことしいっぱいで閉館なのに、福祉文化会館は同じ問題でも使用継続するということで、対応に一貫性がなく、論理矛盾です。このようなちぐはぐな対応について、どう考えてるのか答弁を求めます。
 次に、市民会館の閉館措置は、はっきり言って、表向きは耐震上の問題を上げていますが、市長が突如持ち出した阪急駅前の文化芸術ホール建設、この方向に持っていくための措置だと言わざるを得ません。
 そこで、この問題を振り返って検証するために、市長答弁の遍歴を見ていきたいと思います。
 まず昨年の6月9日の答弁ですが、「民間で運用していただいて、文化芸術ホールはただでやると、ただでつくっていただき、そして茨木市が使う、例えば1年間に、じゃあ100日使いましょうと」、民間の「プロポーザルがなかったとしたら、このアイデアはリセットしなきゃならない。リセットという意味は、やはりほかの、いわゆる公共的なものにリセットする」。これは6月議会で最初に阪急駅前の文化芸術ホール建設の議論になったときの市長答弁で、ポイントは、ただでできるということと、ただでできない場合はリセット、すなわちほかの公共的なものにということです。
 ところが、わずか3カ月後の昨年9月5日の答弁になると、「ただでということではなくて、例えば、今の市民会館の積立基金内で」、「これから委託をして検討していただきますが」、「優先順位からいけば、ただでできたら優先順位が早くなりますし、そうでなかったら優先順位的にはもっと遅くなるということもあり得るというふうに考えております」という答弁に変わりました。
 これから委託をして検討というのは、9月議会に補正で計上した文化芸術ホール建設事業手法検討調査の委託ですが、昨年6月時の答弁と9月時の答弁との違いは、まず1つに、ただという主張から、あるいは積立基金内でというのをつけ加えていることです。2つ目には、リセット、すなわちほかの公共的なものにという答弁から、優先順位が早いか遅いかという対応に変更されていることです。
 政治には、社会情勢の変化などでいろんな修正、変更はあり得ることですが、その場合も合理的な理由を示さなければならないと考えます。2つの点において発言内容を変更された理由について、答弁を求めます。
 最初の見解からすれば、ただでも積立基金内でもできないという結果が出ているわけですから、文化芸術ホール建設基本構想は白紙に戻すのが筋だと考えますが、見解を求めます。
 次に、昨年9月25日の本会議において、文化芸術ホール建設事業手法検討委託の補正予算計上の議論で、委託理由について市長は、「実は、私は、当初はこれは必要ないと思っていたんですが、6月の議会で自民党さんをはじめ皆さんからいろいろご議論いただいて、民間でただでできるというのは私、確信を持ってたんですが、建設物価とか、いろんなものが高騰いたしまして、果たして大丈夫かなという、それまでは二、三社ぐらいの方から、ただでできますよということは聞いておりましたので、ところが、建設物価が3割とか4割とか上がってきましたので、そういって自民党さんのご指摘もあったので、この予算をあえて計上させていただきました」と、その理由について明快に答弁しています。同日の立命館フューチャープラザの状況を見てからにしてはという質問に対しても、「あれを見てからということには決して当たらないのではないかなというふうに思っております」と答弁されています。
 ところが、ことしの9月4日の本会議や9月8日の文教常任委員会においては、「立命館のフューチャープラザができてからでも、使い勝手を見てからでも遅くないのではないかという、多くの議員の皆様のご指摘もいただいたので、たしか、いわゆる検討を、いわゆる委託をさせていただいたということでございます」という答弁に、まるで変わっています。発言内容を変更した理由について、答弁を求めます。
 次に、市長はたびたび文化芸術ホールの規模についても、「どれくらいの規模の文化芸術ホールが非常に多くのイベントが、興業できるのか、これは民間、例えば1,200人がいいのか、あるいは1,500人がいいのか、あるいはもっと、2,000人がいいのか、その辺は民間のいろんな市場調査等をしていただいて、適切な規模のものにしていただいたらいいかなと思っています」と答弁されていますが、一体市政は誰のためにあるのかと疑わざるを得ないような発言で、その考え方そのものが根本的に間違っていると指摘するものです。
 地方自治体が市民会館のような施設を整備する理由の第1は、やはり市民の自主的、主体的な文化芸術などの市民活動を保障するためであって、そこに公共性があり、規模などの根本的な考え方についても住民こそ主人公、すなわち市民活動を保障する上での最大限の効果、平たく言えば、市民にとって使い勝手がいいというのが最大の基準になければならないと考えます。民間の採算、もうけに合わせた施策というのは、そういうことを後景に追いやる逆立ちした議論ではないでしょうか。福文や市民会館、文化芸術ホール問題は、もとをただせば市民会館の建てかえ問題に端を発しているわけで、この問題の議論は政治的思惑が先行して、市民置き去り、市民不在となっていると考えます。本当に市民、利用者を巻き込んだ、私たちが何度も言っている市民的議論の方向へかじを切りかえるべきですが、答弁を求めます。
 次に、大きな2点目として、解同優遇行政の是正と、いのち・愛・ゆめセンターのあり方について、お尋ねいたします。これも報告事項に(仮称)いのち・愛・ゆめセンターあり方検討部会の設置についてという報告が載っています。これも改めて、その内容について、答弁を求めます。
 解同優遇行政の是正と、いのち・愛・ゆめセンターの問題については、9月議会でも突っ込んで議論させていただいたつもりであります。私たち日本共産党は、9月議会でも解同優遇行政の誤った姿勢、行政の主体性が欠如した姿勢を改め、そのもとで隣保館としては廃止した後、同施設の活用方法について自由闊達な議論、検討すべきであると主張しました。今回設置されるあり方検討部会は、そうした隣保館廃止も含めた議論、検討をやろうというものなのか、答弁を求めます。
 1問目、以上です。

[田川市民文化部理事] 順次、答弁いたします。
 まず、福祉文化会館耐震診断結果の内容についてでありますが、第2次耐震診断の結果、最小値のIs値が0.3でありました。このIs値0.3は、今すぐ崩壊するわけではありませんが、震度6から7程度の規模の地震の際、倒壊または崩壊する可能性があることを示す数値で、耐震改修の必要があると判断したものです。
 また、実施可能な耐震補強計画として、文化ホール部分を撤去する減築方法が提案され、工事期間は全館休館の場合で約12カ月、概算費用は約12.5億円の内容になっております。
 次に、福祉文化会館も耐震上に問題があるのに市民会館のように閉鎖しないのはなぜかというご質問でございますが、市民会館は維持管理面や建物機能に課題があることやIs値が低いこと等、総合的に判断し、閉館を決定したものです。
 一方、福祉文化会館も耐震面で一定の課題はあるものの、直ちに閉館すれば、代替施設の確保が難しいこと等から、当分の間、使用するものであります。
 積立基金内で、優先順位が早いか遅いか、と対応が変更したことについてでありますが、事業化に当たりまして、当初、費用負担は伴わず事業を進めることができると見込んでおりましたが、さまざまな検討を加えることにより、社会情勢など前提条件に変化が生じたためであります。
 文化芸術ホール建設基本構想は白紙に戻すべきであるというご意見ですが、本市の文化を振興していくために文化芸術ホールは必要な施設と考えておりますので、今後とも建設基本構想をベースに検討してまいりたいと考えております。その中において、立命館大学フューチャープラザのホールの使用状況、阪急茨木市駅前の動きや市民会館跡地の活用、また基金の積み立て状況、事業手法、ホール規模などの視点も含め、さまざまな角度から総合的に検討を加えることが必要であると考えております。
 立命館フューチャープラザの状況を見るという趣旨の発言についてでありますが、文化芸術ホールの建設を検討する上で、市民の利用状況やニーズを把握することが必要と判断したものであります。
 文化芸術ホール建設において市民的議論が必要ではないかについてでありますが、今回の事業を進める上でさまざまな検討を行っており、より多くの住民や団体の考えを反映させることも必要と考えております。そのため、文化関係団体へのアンケート調査や文化芸術団体への意見を聞く会の開催、さらにはパブリックコメントも実施し、文化振興施策推進委員会での審議を経た上で建設基本構想を策定しており、住民ニーズの把握や、一定の市民的議論はできているものと考えております。

[大西市民文化部長] (仮称)いのち・愛・ゆめセンターのあり方検討部会につきましては、9月議会の議論を受けて、いのち・愛・ゆめセンターの今後のあり方を検討するため、人権尊重のまちづくり審議会の部会として設置するものであります。
 検討部会は審議会委員で構成し、審議会規則に基づき、生活困窮者自立支援関係者等から必要に応じて説明または意見を聞く予定にしております。スケジュールといたしましては、平成27年12月に検討部会を設置し、1月から専門的に調査、検討して、平成28年6月をめどに検討結果を取りまとめ、審議会に報告いただく予定をしております。
 次に、あり方検討部会の議論についてでありますが、今後のいのち・愛・ゆめセンターのあり方について、隣保館機能も含め総合的に審議、検討いただく予定をしております。

(朝田2問目) 時間の関係上、2問目は大きな1点目に絞ります。
 これまでの市長答弁をただしましたけれども、前提条件が変化したというのみで具体的に言わないと。そこを聞いてるのに、政治に変更は私は認めるものですけども、そこをはっきりさせなあかんと。ということは、結局その場その場で無責任なことを言うとったということ、市長のそういう姿勢がよくわかりましたので、ここで置いときます。時間がもったいないので、そんなことよりも、具体的な提案をしていきたいと思います。
 これまで市民会館閉鎖の理由について、耐震上の問題を錦の御旗にしてきたわけですが、それが福祉文化会館の使用継続で崩れているわけです。福祉文化会館は耐震上の問題があっても代替施設の確保が難しいから使用継続するというのであったら、日本共産党は耐震補強した上で使用継続すべきという考えを持っていますが、とにかく同じように市民会館も使用継続すべきです。市の対応はますます混迷を深めて、ほんまにわけわからん状況です。市も市民会館のとりあえずの代替策として市民体育館の条例の一部改正の提案をしましたが、それは否決され、現在、策が何もないという状況なんですから、そうすべきです。市民会館のファイナル企画「ありがとう!大ホールファイナルコンサート」は、「ありがとう!大ホール使用継続コンサート」に変更して、市長の英断を大いに祝ったらいいと思います。答弁を求めます。
 次に、とにもかくにも福文は使用継続されるわけで、その際には豊中市の対応が参考になると思います。同市では、2009年に市民会館の耐震診断を実施し、2010年3月の耐震結果を受けて、翌2011年4月からの市民会館の休館を決定しました。今、建てかえをやっているわけですが、それはさておき、休館までの1年間の会館利用の際には、申請時に耐震上の問題があることを説明した上で受け付け、使用許可をするという対応をとったとのことです。市民の安全・安心に責任を負う行政なら当然の対応だと考えます。政治的思惑をごりごりと押しつけることばっかりやってないで、ちゃんと市民に責任を負う対応を求めるものであります。本市の対応について、答弁を求めます。
 次に、市民会館建てかえ問題での市民的議論の問題ですが、できてるといいますが、私から言わせれば、単に聞きおくというだけの調査やニーズ把握です。よその市はもっと丁寧にやってます。詳しく例を挙げる時間もありませんが、さきに例を挙げた豊中市だって、(仮称)豊中市文化芸術センター基本構想計画検討委員会、はっきり言って、本市と違ってしっかりした委員会をつくっています。耐震補強と天井等の改修という選択をした寝屋川市で、古い市民会館のままだと茨木市のように音響とか施設面で利用者からいろいろと要望が出ないんですかと聞くと、不思議そうな顔をして、ないと答えるんです。あそこは、このアルカスホールという、新しい、施設面でもすぐれた、お隣の枚方市からも結構利用されるという中規模ホール施設を整備しており、基本的にそうしたニーズが満たされているからだと思います。市長の言う民間市場調査などではなく、丁寧な市民ニーズをつかむ調査と努力こそが求められていると考えますが、答弁を求めます。
 最後に、以前ご説明いただいた報告では、庁内検討で今年度中に市民会館跡地活用の基本構想策定というスケジュールを言われていましたので、その進捗状況についても答弁を求めます。
 以上です。

[田川市民文化部理事] では、答弁してまいります。
 市民会館の使用を継続すべきというご意見についてでありますが、市民会館につきましては、耐震面の問題に加え、経年劣化から維持管理経費が増加していること、舞台装置の旧式化により利用者の多様な要望に対応できないこと、バリアフリー化されていない等の問題があり、総合的な判断のもと、閉館の条例を昨年12月議会に提案し、可決いただいたものであり、また、その準備も着実に進めておりますので、使用を継続する考えはございません。
 次に、福祉文化会館の使用継続における責任についてでありますが、各自治体は住民の安全・安心に行政として責任を負うことは当然のことと考えております。今回につきましては、それらのことを踏まえ、福祉文化会館と市民会館の耐震性能の差やその他の性能面などさまざまな点を考慮し、決定したものでございます。
 市民会館建てかえの市民的議論についてでありますが、市民会館の建てかえ、文化芸術ホールの建設を進めていく上で、幅広く住民や団体のニーズを把握し、それを反映することは重要なことと考えております。その方法が一般住民や学校等へのアンケートであったりパブリックコメントであると考えており、さまざまな方法を活用し、建設基本構想を策定いたしております。今後も事業を進める上で、このような考え方に基づき取り組んでまいりたいと考えております。

[木本市長] あんだけぼろくそに言われたら、だんだんファイトが湧いてきて、これはやっぱりやらないかんなという気持ちに改めてなっております。
 市民会館の閉鎖というのと矛盾してるという発言なんですが、あの両方を一緒に潰すと代替の施設がなくなるのはもう目に見えてますわな。いや、それでも潰せ、潰して新しいのを建てろというのか。
(「使用継続せえ言うてるねん」と朝田議員呼ぶ)
 耐震補強したら。
(「ごまかしたらあかん、使用継続せえ言うてるねん」と朝田議員呼ぶ)
 いや、人がしゃべってるとき黙って聞いて、黙って聞いて。
 そういう、何か逆に朝田さんのほうこそね、中に自己矛盾があるんと違うかと私は思いますよ。
 私もかつて議長に30年前にならせていただいたときね、共産党さんの投票で私ならせていただいた。あのときはね、共産党さんはよかったですね、今の共産党さんが悪いというわけじゃないんですけど。今はもう非常にファイトの湧く発言ばっかりしていただいて、本当に感謝しております。
 あとの文化芸術ホールにつきましては、田川理事が答えたとおりでございまして、今後ともフューチャープラザに対しては、今、立命館のほうに、使い勝手の悪さがよくわかってきてましたので、大学に対して、今度、文化芸術ホールができるまでの間、何とか使用の申込期限を、今6カ月ですが1年に延ばしてほしいと、そういったことのお願いは今、しております。その返事を聞いて、今後どういうふうに対処させていただくかということも検討をしてまいりたいと思います。
 それともう1点、いわゆる解同優遇行政という、いつもの紋切り型の言葉ですが、私は解同を優遇したことは一切ありません。ただ、人権問題としての、基本的問題としては残る。いろんな人権問題、障害者差別、男女の差別、いろんな人権問題として、やっぱり、いわゆる部落というのは人権問題として、まだ残っているのではないかというふうに思っておりますので。
 特に貧困の連鎖という問題で、先日、指定管理の提案をさせていただきましたが、残念ながら否決されましたが、貧困の連鎖を断ち切るのは経済的に見ても有効なんだというデータが既に出てるんですね。ですから私は、その貧困の連鎖、来年の4月に向けてどういうふうにしたら断ち切れるかという、いわゆる子どもの貧困ですね、それをどうしたら断ち切れるか。何兆円という経済効果に、そのまま放っておくのと貧困の連鎖を断ち切るのでは何兆円という効果が違うと、そういうデータもありますので、参考にしていただいたらどうでしょうか。

[河井企画財政部長] 市民会館跡地利用検討の取組状況について、ご答弁申し上げます。
 関係部課による調整会議を開催をしたほか、政策推進会議における総括部会におきまして現状における検討状況などについて報告し、意見交換、庁内共有を図るとともに、今回担当課から福祉文化会館の耐震診断の結果の概要の報告を受け、市民会館跡地と一体的活用に当たっての課題の抽出、整理をしているところでございます。


[賛成討論]議員発第12号、茨木市職員旅費条例の一部改正について
 私は、日本共産党茨木市会議員団を代表して、議員発第12号、茨木市職員旅費条例の一部改正について、賛成の立場から、討論を行います。
 本条例の一部改正に賛成する理由の第1は、旅費に限らず議員や特別職などのこうした費用弁償などの経費支給は基本的に実費支給があるべき姿であり、今回の提案は当然の改革、改善であるからです。
 日本共産党は、ことしの6月市議会で、議員等の出張に係る費用弁償の取り扱いの明確化を図るための旅費条例の一部改正提案がなされたときに、改めて質問 において実費支給の徹底、特に宿泊料についての実費支給の導入を求めました。しかし、市理事者側は相も変わらず説得力のない実務の煩雑さを理由に許否をし たのであります。そのときに日本共産党は、行政のほうにその考えがないということならば、私は議員の側からの提案もやむなしかなというふうな思いを持ちま したと指摘しました。今回の提案はそのことを実行に移したものであります。
 旅費、宿泊料支給の問題で、まず指摘しなければならないのは、この問題は議員自身の問題であるということであります。宿泊料はいまだに定額支給で議員や 特別職の場合は1夜につき1万5,000円が定額支給されています。一般職の一番下のランクでも1万3,000円が定額支給されており、今やビジネスホテ ルでこんなにかかるはずもなく、市民からお手盛りと批判されても仕方がないでしょう。
 強調したいのは2014年度の宿泊料支出実績を見ると、年間支出合計額389万1,500円のうち、議会事務局への支出が250万3,000円と実に 64.3%を占めています。同様に、宿泊数で見ても年間合計269泊のうち、議会事務局が167泊、62%を占めています。すなわち宿泊料支出のほとんど が議員であるということであります。議員こそがそのことを自覚し、問題意識を持つべきであります。そういう点では今回活発な議論があったとは言いがたいこ とは大変残念なことであります。今回の提案は当然であるばかりか、市民から見れば遅きに失していると言われても仕方がないと考えます。
 本条例の一部改正に賛成する理由の第2は、活発な議論がなされなかったとはいえ、委員会審査においては幾つかの懸念点のようなものが示されましたが、そのどれもが的を射たものとは言いがたいからであります。
 まず、行政が盛んに口にする実務が煩雑になるという言い分であります。そこで、日本共産党茨木市議団では、大阪府下で宿泊料実費支給を既に実施している 羽曳野市、大阪狭山市、河内長野市について文書回答による調査を行いました。実際に弊害を生んでいるのかと尋ねたところ、2000年度から導入の羽曳野市 は弊害を生んでいることの認識はないという回答、2006年度から導入の大阪狭山市は、本市の場合ですが、突発的な出張以外は各所属において全て事前に宿 泊予約を行い、出張申請の時点において実費確認を行っていますが、事務処理において特に弊害が生じているところはございませんという回答でした。唯一、昨 年度から導入の河内長野市が新たな事務が必要になった、導入時においては繁忙期に問い合わせが殺到するなど、新制度が職員に浸透するまでの期間、他の事務 に支障を来したという回答ですが、これは導入時の一定の戸惑いと理解することができ、事実、現在弊害を生んでいるとまでの記述ではありません。実態論とし ても市の言い分は当たらないということが言えます。
 次に、委員会審査において、人間の心理として上限まで使おうという意識が生まれるのではないかといった趣旨の懸念点が示されました。これは本市の場合、 支給区分が特別職1区分、一般職では3区分、合計4区分に分けてそれぞれ支給額などが決められており、宿泊料についても第1区分の特別職が1万5,000 円、以後、第2区分1万4,000円、第3区分1万3,500円、第4区分1万3,000円となっており、実費支給導入で1万5,000円以内の実費に変 われば、目いっぱい使うのではないかという心配であります。そんな心配は無用であります。大体、実費支給の一番の目的及び効果は、透明化する、ガラス張り にするということであります。これがそんな心配が無用であるという一番の保障となるわけで、幾ら使ったのかが全てわかるガラス張りになることで、これまで の定額以上を使うというのは、およそ考えられないことであります。
 これについても先ほどの導入3市の文書調査において、実費支給導入のメリットについて尋ねたところ、ほぼ共通しているのが職員のコスト意識の向上と市民 理解が得やすくなったことということが共通しています。大阪狭山市は詳細な検証を行っていないため、具体的な効果額はお答えできませんが、宿泊料について は、おおむね10%前後の削減効果があると考えていますと答えています。
 この問題についてさらに言えば、そもそも本市のような区分支給は廃止すべきです。せめて大阪狭山市のように特別職と一般職の2区分に改めるべきです。さらなる改革、改善点としてこのことも追加して主張しておくものであります。
 次に、宿泊料の中には食費も含まれているのではないか、その点はどう考えているのかといった趣旨の懸念点というか、疑問点というのか、そういう発言もあ りました。確かにこれまでの考え方として、専門書の学陽書房「旅費法詳解」で、旅費法における日当、宿泊料の内訳、構成の考え方として、日当については昼 食代が半分、旅行に伴う諸雑費、目的地を巡回する交通費等を賄うためのものと解説され、宿泊料については宿泊料金、夕食、朝食代、宿泊に伴う諸雑費とされ ていました。しかし、これはかなりの部分が事前に計算できるようになった今の時代において、そのまま無批判、無検証で採用するわけにはいかない見解であり ます。本市の旅費条例の自体も交通費は全て実費支給となっており、実態的にもそぐわないと考えます。国自体も旅費の内部事務の効率化についてという文章 で、支給額の適正さとして、宿泊料については従来の定額方式による支給額を上限として実費支給に変えると予算の削減が期待されるとしているのは6月議会で も指摘したとおりであります。
 日本共産党の考え方は、本市の場合、宿泊料のほかに日当が支給されており、食費については基本的にそこで賄うべきものという考えです。先ほどの実費支給 導入3市において、大阪狭山市は本市と同じ宿泊料と日当を支給するパターンですが、羽曳野市と河内長野市は日当支給がなく、宿泊料支給のみのパターンで す。すなわち宿泊料の中に食費が含まれているケースです。
 羽曳野市の場合は宿泊料の上限は1万8,000円と高目に設定されています。しかし、別に水路や航空による公務出張の場合の食卓料を同市条例は規定して おり、食卓料の額が1夜につき3,000円とすると定め、これが食費における事実上の基準となっています。したがって、羽曳野市の宿泊料の意味するとこ ろ、その内訳というのは1万5,000円以内の宿泊料実費と3,000円以内の食費実費と解することが妥当であると考えます。
 河内長野市の場合は宿泊料金の実費額に食費が含まれていて、その額が明らかでない場合は、別表に定める食費額を差し引いた額を宿泊料の実費額とみなすと いう定めがあり、別表において1食につき朝食は700円、昼食は1,000円、夕食は1,300円、3食合計3,000円と定められており、これが食費に おける事実上の基準となっています。食費と宿泊料及び日当の関係で言えば、そういうものであるという意識改革が議員にも必要であると主張するものでありま す。
 ちなみに、河内長野市の場合は、宿泊料の上限は1万2,000円と定められています。本市においても、まず、実費支給を導入し、その実績を見て、より適正な上限額に改めていくという改革、改善が次の段階として必要であるということも指摘しておきます。
 次に、国家公務員の旅費も定額と定められているという旨の指摘もありました。法でも定額やないかという主張であります。確かにそうでありますが、一方 で、国においても、さきに指摘した文書のとおり、改革の方向を打診しているのであります。この点で、6月議会において、「確かに国は、さっきのこれだけの 文書を出していながら、みずから率先して変えようとしていないわけで、それはけしからんことやと思います。それはそれで問題なわけですけども、だからと いって本市も旧態依然としていていいんだと、それにあぐらをかいていていいんだという理由にはなりません」と私たち日本共産党は指摘しました。この発言の 引用だけで十分答えになっていると考えます。
 次に、長期宿泊の実態を把握しているのかという質問もありましたが、条例では滞在日数が15日以上から長期滞在ということになって定額支給の減額の対象 になるわけですが、実態としては年5件、10人程度の消防職員の消防学校派遣などの事例ですが、質問でもごく限られたケースとお認めになっているように、 殊さら今回の提案の弊害となるような事例ではないことは明らかであります。
 高騰している地区の宿泊料についての指摘もありましたが、実績として現在の4区分全てにおいて、宿泊料を超えて支出した例はないとのことであります。
 先ほども述べたように、透明化するというのが実費支給の最大の目的であります。ここに経費抑制効果にしても最大の保障があります。ですので、このような実態のないことを持ち出すというのは、いかがなものかということだけ指摘しておきたいと思います。
 以上、委員会審査を受けての日本共産党の見解であります。
 本条例の一部改正に賛成する理由の第3は、こうした議員や職員の費用弁償等の経費支給についても、市民の目線で検証し、おかしいというものはやはり勇気 を持って正していく。そのための真剣な議論を開始せねばならないし、本条例一部改正をその第一歩としなければならないからです。
 こうした問題において、本当に残念に思うことは、議員や職員自身の問題について、市民目線で見ておかしいことはやはり正すべきだ。恐らく、どの議員も市 民の前ではそう答えると思います。中には身を切る改革などと訴えているところもあります。私は身を切る改革という表現は全く不適切だと思っています。なぜ なら、これは市民の暮らしの予算を切ることを前提に、だから我々も身を切らねばという主張だと思います。少なくとも私にはそういう主張にしか聞こえませ ん。市政は市民のためにあるのであって、市民の暮らしを切る必要などないし、一方、市民目線でこれはおかしいだろうというのは、議員に係るものであろうと 聖域化せずに改革、改善しなければならないのです。ところが、これまでそうした議論では、定数問題しかないんかというぐらい問題が矮小化され、政争の具に なっているように思います。日本共産党は、やみくもな定数削減には反対です。議会の土俵をどんどん狭めていって、結局は市民には何のメリットもないと考え ます。経費削減ということなら、議員報酬の削減という方法で実現すべきです。
 残念なのは、今回は旅費の議論でありますが、ご自身の考えをちゃんと表明なさる議論というのは、見られなかったということであります。ご自身の考えを明 確化なさらず、結局この部分だけの改正ということには反対というのであります。何といってもここが一番残念であります。ご自身が実費支給に反対だというな らともかく、基本的にこの方向に賛成なら、ご自身が考えている全体的な見直しではないにしても、一部分が実現するわけですから、この反対理由というのは説 得力に乏しいということを指摘しておきます。
 日本共産党は、当然、この分野でも改善、改革の全体像の見解は持っていますが、議会は合議機関であり、先ず隗より始めよという立場です。
 やりたいのは真面目な議論であります。この提案がそのきっかけになればということも最後に指摘いたしまして、私の賛成討論といたします。


◎議案第86号、一般職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例に対する修正動議について
 それでは、所定の賛成者を得て提出いたしました議案第86号、一般職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例に対する修正動議について、趣旨説明を行います。
 日本共産党は、かねてから議員報酬が議員の職務の実態からして高額に過ぎると主張してまいりました。そして、当面、議員報酬の20%削減を主張し、条例 の一部改正提案なども行ってきたところであります。こうしたかねてよりの私たちの主張に鑑み、本修正動議は2015年人事院勧告に基づく給与等の改定を実 施するための議案第86号のうち、議員期末手当のアップを規定した部分を削除する。すなわち議員期末手当を上げない、現状維持にとどめるための修正であり ます。
 私たちは一般職員などの給与とともに非正規職員の給与は、デフレ経済脱却、家計消費を温める、官製ワーキングプアの根絶のために賃上げは当然だと考えて おり、議員や特別職とは分けて別次元の問題と捉えています。したがって、今回の提案は一般職や再任用職員は予定どおりのアップを、特別職については見解を 持っており、これでよしとするものではありませんが、二元代表制の原則に鑑み、今回はみずからの部分について自発的に据え置こうではないかと提案するもの であります。
 その内容は、議員期末手当アップを規定した原案第3条、第4条を削り、その後の条文を繰り上げるため、第5条を第3条に、第6条を第4条とするものであります。
 次に、削った第3条、第4条及び繰り上げた各条文について、原案最後の附則においても同様に削り、あるいは繰り上げの修正をするものであります。
 続きまして、所定の賛成者を得て提出いたしました議案第87号、一般会計補正予算(第3号)に対して組み替えを求める動議について趣旨説明を行います。
 本組み替え動議は、先ほど趣旨説明をいたしました議案第86号修正動議と相関連するものであります。議案第86号を予算化したのが議案第87号の補正予算(第3号)であり、本組み替え動議は補正予算中の議員期末手当計上分の削減を求めるものであります。
 その内容は、1、歳出予算の削減として議員期末手当233万円を削減させるものであります。
 説明は以上であります。
 よろしくご審議賜りますよう、お願い申し上げます。