[反対討論]議案第12号茨木市介護保険条例の一部改正(介護保険料の大幅引き上げ等)について〜畑中たけし/2006年03月23日

 議案第12号茨木市介護保険条例の一部改正即ち介護保険料の大幅引き上げ等について、日本共産党茨木市会議員団を代表して反対の立場から討論を行います。

 介護保険制度が導入され、約6年が経過しました。現状はだれもが安心して必要な介護をうけられる制度になっておらず、改善が強く求められています。ところが政府の介護保険「改定」内容は、もっぱら介護への国の財政支出を抑制するために、高齢者のサービス利用を制限し、国民負担をいっそう増やすという、大改悪となっています。

 こうした中、本議案に反対の理由の第一は、今回の保険料の引き上げ額が被保険者とりわけ低所得者に過大な負担を押しつけようとしているからです。
 前回の見直しでは、基準保険料で5%の値上げ、月額151円UPでしたが、今回は23%の大幅値上げ、月額で718円UPになっています。また値上げによる影響額も、第2期目は3年間で約2億2千万円を見込んでいましたが、今回は同じく3年間で約11億4千万円と市民への影響は重大です。その負担内容を所得段階別にみると、今回は現行の所得第1段階の方は年額18,774円が23,082円と4,308円も増え、23%の大幅値上げとなっています。また現行の第2段階については細分化し、負担を軽減するとしていますが、これは現行の所得第2段階の「本人および世帯全員が住民税非課税のうち本人の課税年金収入+合計所得金額が80万円以下の方」だけが対象になっているだけであって、「本人および世帯全員が住民税非課税」であっても「本人の課税年金収入+合計所得金額が80万円以上の方であって新第2段階に該当しない方」は新第3段階となって、負担増となります。また小泉内閣による大増税が介護保険料に与えている影響について、2年間はそれぞれ一定の経過措置があるものの、収入が変わらなくても6人に1人が保険料の負担が増えるといわれています。
 また低所得者の保険料負担を軽減するため、国は保険料段階設定について市町村が条例により区分数、保険料率等について弾力的に設定できるようにしました。当然本市でも、所得段階を更に細分化し、低所得者の負担軽減を図るべきであるにもかかわらず、充分考慮しなかったのは低所得者に対する配慮があまりにも欠けると言わねばなりません。

 反対する理由の第二は、標準給付費約284億円および地域支援事業費約7億円で合計291億円と過大な見込みを根拠に保険料の大幅引き上げをしようとしているからです。
第2期の介護保険料基準額算定の標準給付費見込み額と実績を見ると3年間合計で計画見込み約236億7千万円に対し実績は221億2千万円と、15億5千万円も下回っています。このような第2期の実績状況からみても、第3期の介護保険料基準額算定の標準給付費見込み額の約284億円は金額で63億円増、率にして29%増となっており過大見積もりは明らかです。また居住費や食費の利用者全額負担となった影響額約15億円の給付費減を考慮すればなおさら過大見積もりと言わねばなりません。さらに第3期から導入された地域支援事業は3年間で約7億円を見込んでおり、合計291億円が保険料の算定基礎となって、今回の保険料大幅引き上げの原因となっています。もっと適正な見込み額にして、保険料の値上げを回避するべきであります。

 反対する理由の第三は、保険料大幅引き上げ抑制のために、基金積立額の適正な活用がはかられていないからであります。
第2期介護保険料基準額算定にあたり、約8億円の基金積立額から3億6千万円を取り崩しを見込みました。今回、基金積立額は約7億円を見込んでいますが、第3期保険料算定にあたり、わずか2億円弱しか取り崩そうとしていません。7億円全額を保険料引き上げ抑制に活用すべきです。そもそも基金積立額は、第1号被保険者より取りすぎた保険料です。国も「介護保険制度は、計画期間内に必要となる保険料については各計画期間における保険料で賄うことを原則としており、保険料が不足する場合には財政安定化基金から貸付等を受けることができること、また被保険者は死亡、転居等により保険料を納めた保険者の被保険者ではなくなる場合があること等から介護保険給付費準備基金については、基本的には次期計画期間において歳入として繰り入れるべきものと考えている」とし、さらに「当該基金を有している保険者においては、第3期介護保険計画の策定に当たり、その適正な水準について検討し、当該水準を超える額の取り崩しについて充分検討されたい。」と述べ、保険料設定に関する留意事項として強調しているところです。

 反対の理由の第四は、低所得者への実効ある保険料の軽減、また利用料についても市独自の軽減策の拡充創設が図られないからであります。
今回予定保険料収納率98.2%とし、所得段階別加入者割合補正後被保険者数を3年間で延べ132,372人と見込んでいますが、予定保険料収納率98.2%として、実際に保険料を納められる人は、129,989人と算出しています。結局、滞納ないし未納者が2,383人あると予想、その影響額・滞納額は約1億1千万円と予想しているます。この滞納額・不納額は65歳以上の1号被保険者の保険料に上乗せされて、保険料引き上げにつながっていますが、これを避ける方策として基金を生かすなどの必要があります。また、本市独自の保険料軽減策「第3段階の軽減対象所得96万円まで、預金額100万円以下」を今回預金額350万円以下に拡充がされましたが、全国で更にひろがっている、低所得者への実効ある保険料、利用料の市独自の軽減策の拡充創設を強く求めるものです。

 以上の4点の理由をのべ反対する立場からの討論といたします。議員各位の賛同をよろしくお願い申し上げます。



議案第10号 茨木市立保育所条例の一部改正について 06年3月8日

[一問目]
大きな一つ目として、公立保育所廃止・民営化による経費節減額に関連しておたずねいたします。

第一に、8000万円という数字は公立・私立の経費の差額です。決して公立を私立に移管する場合の経費節減額ではありません。言い換えれば経費の差額イコール経費の節減額ではないということです。経費の差額を経費の節減額という言い方は粉飾・偽装以外のなにものでもありません。経費の差額ではなく、民営化による本当の経費の節減額はいくらか、明確な説明を求めます。また公立保育所の国・府負担金が一般財源かされたことによる影響も含めるなら、これまでの数字を一旦撤回して、きちんとした根拠のある数字を示すべきです。あわせて市長からの責任ある答弁を求めます。

公立保育所の廃止・民営化する最大の目的と理由については、前の市長の時代から今の野村市長も一貫して「厳しい財政状況の中、超過負担の見直しが迫られている」即ち公立保育所運営経費なかでも人件費の削減であると言ってきました。したがって、これまで言ってきた公立保育所の廃止・民営化による経費節減額が市が言うように8カ所民営化したら、年間5億9千万円になるのかどうかが議論の最大のポイントです。市は平成15年から、「一カ所公立保育所を廃止・民営化すると8800万円の経費節減になる」と説明してきました。そして今年の1月27日の民営化新聞発表では、あらためて「1カ所8800万円、8カ所廃止・民営化するので、年間6億4千万円の経費の節減になる」と説明しました。そしてこの計算方法は公立保育所園児一人あたりの超過負担額から私立保育園園児一人あたりの市補助金を差し引きして、それに延べ入所児童数をかけたという単純なものです。しかしこれは公・私の経費の差額の計算式にすぎず、経費節減の計算式ではないと言うことです。民営化に係わる具体的諸条件のもとに、実際の経費節減額の計算では、民営化による経費節減額はほばゼロ。むしろ民営化により私立保育園市補助金の増額で経費が増加になると言うことです。経費の差額ではなく、実際の経費の節減額を明確に答弁するよう求めます。

次に公立保育所運営費超過負担額の積算に児童福祉課市職員16人分の人件費約1億3千万円を含めていたことについて、おたずね致します。

経費の節減額として、プレス発表した6億4千万円さえも5億9千万円と5千万円も水増ししていたことが市民団体の指摘や共産党の質問で明らかになり市は訂正を行いました。8800万円という額も正しくは8000万円であることがわかりました。長年の間、経費の差額を経費の節減額と言いくるめて使ってきた数字さえも間違っていたことが明確になりました。この数字を多くの議員さんが使ってこられました。とくに問題なのは市長をはじめ担当助役も知らなかったことです。また経費の差額資料そのものの精査も必要です。民営化の最大の根拠になった数字について誤りが明らかになれば、公私の経費の差額の資料ではなく、公立を私立に移管する場合の経費の節減額の資料を提出すべきです。市長の答弁を求めます。

次に公立保育所と民間保育園への特別保育の国府補助金に係わる市義務的負担額についておたずね致します。

民間保育園への特別保育に係わる国府補助金に係わる市義務的負担額を、15年度までは市補助金欄に記載していました。ところが16年度は国・府補助金の欄に移しました。しかし、一方で、公立保育所の国府補助金に係わる市義務的負担額はいまだ超過負担の欄に含めたままです。公立と私立を運営経費の差額を比較するなら同じ計算方法で行うべきです。これも公立超過負担と私立市補助金の差額を大きく見せるトリックです。これでさらに5億9千万円の差が約2千9百万円減るはずです。公立・私立のその金額と、指摘の点についての答弁を求めます。

次に公立保育所の国・府負担金が一般財源化された中での超過負担積算値についておたずね致します。

昨年9月の民生産業常任委員会で超過負担積算値についての質疑に対して、市は「公立保育所の国の負担金等が16年度から一般財源化されて、超過負担を積算することは困難になった。16年度以降は具体に8800万円であるという風な数字は使えない」と答弁し、「16年度の超過負担額はいくらか」という質疑にも答弁しませんでした。ところが今回のプレス発表では、15年度決算からの16年度超過負担積算値を発表しました。議会で問われて答弁を拒否した数値を別の場で言うのは問題だと考えます。これについて経過と理由を明らかにするよう求めます。

次に超過負担の積算をこれからも継続するよう求める立場からおたずね致します。

今回プレス発表であらためて8800万円とか、6億4千万円という数字を使ったわけですから、今も、これからも超過負担積算値を試算すべきと考えます。そうしなければ経費の差額についての検証が不可能になります。技術的には、民間保育所に国が示している保育単価資料等から可能です。超過負担積算値の公表を17年度以降もするのかしないのか答弁を求めます。ちなみに18年度当初予算の公立保育所の入所予想延べ人員、超過負担額積算値、国府補助金に係わる市義務的負担額積算値及び私立保育園の入所予想延べ人員、市単独補助金と国府補助金に係わる市義務的負担額積算値について答弁を求めます。

次に公立保育所一般財源化による財源措置について、おたずねいたします。

総務省は人口1万人程度市町村(保育所児童数160人−全国平均が公立保育所への入所であると仮定をおいたモデルケース)の公立保育所一般財源化による財源措置をを発表しています。それによると03年度の市町村の4分の1約1800万円は04年度以降は一般財源化し、国と都道府県の負担はすべて市の負担となり合計額は約7100万円で、約5300万円の負担増となる。しかし地方譲与税で約1300万円、地方交付税で約400万円増の5800万円合計従前の7100万円の財源措置はしっかりしていると説明しています。さらに05年度からは保育対策等6事業の従来の国庫補助金の一部も税源移譲が行われました。こうした茨木市への影響も加味して、民営化の議論をするのかおたずねいたします。

次に三島・中条保育所を廃止・民営化した場合の経費の節減額についておたずね致します。

市のこれまでの計算方法による経費の差額ては約1億7千万円です。しかし経費の差額と経費の節減額は意味が違います。19年度当初予算で三位一体改革の影響も含めて、実際の経費節減額はいくらになるのかおたずねいたします。

次に三島・中条保育所を廃止・民営化した場合の経費節減額について、実際はどうかと言うことでおたずね致します。

民営化により三島・中条保育所の市職員は他の公立保育所に異動するか、ないしは子育て支援センター等に異動するだけで公立保育所の年間超過負担総額や又は市全体の支出では変わらないと思います。一方、三島・中条保育所民営化後の私立保育園年間市補助金総額は約4千万円の増となる。結局、超過負担は民営化により減らず、むしろ私立保育園の市単独補助金が年間約4千万円増となり、市全体では負担が増え、在宅子育て予算に回るどころか、在宅子育て予算を減らさなければならないという結果になると思いますが、おたずね致します。

大きな二つめとして三島・中条保育所廃止・民営化の方式についておたずね致します。

第一に土地は無償で貸与する方式を選択した理由を明らかにして下さい。
次に建物と備品を譲与する即ち無償で譲渡する方式を選択した理由についておたずね致します。コスト面からだけの検討ではないでしょうか、とくに施設や備品で、公立保育所との行政サービスの格差が生まれることについての見解を求めます。

次に三島・中条保育所の廃止・民営化した場合の建物・備品の普通財産譲与についての検討内容をおたずね致します。

「普通財産の譲与は地方公共団体の現在及び将来の財政の運営に対して、重要な内容を有するものであるので、その運用の適否については特に慎重な配慮が必要」とされ、「当該譲与することによる地方公共団体の損失がそれだけ一般の住民の利益となって還元され、客観的に見て当該譲与が何人からも承認される妥当性を有するものであるかどうか、また譲与することが住民の費用負担の公平性の原則からみて容認されるものであるかどうか、慎重に検討する必要があるものである」とされています。たとえば本件民営化により法人に普通財産を譲与することにふさわしい利益が住民にもたらされるのか、これからの想定される施策との関連において整合性はあるのか、住民の費用負担の公平性の原則から見て容認されるものであるかなどについて慎重な検討は行われたのか、おたずね致します。

次に三島・中条保育所を廃止した場合の普通財産の譲与又は無償貸し付けする場合はどのような手続きが必要か、おたずね致します。

大きな三つ目として、民営化予定の三島・中条保育所の土地・建物等の財産価値についておたずね致します。
茨木市財政状況説明に関する条例の財政状況に関する説明書では土地・建物について、その坪数と推定時価を記載するとのことですが、三島・中条保育所の土地と建物の坪数と推定時価いくらで表示されているのか。おたずね致します。

大きな四つ目として、公立保育所の耐震診断と耐震補強工事についておたずね致します。

学校施設の耐震診断と補強工事は進んでいますが、全国的に見て保育所施設の耐震診断と補強工事は遅れており、現時点では全国的な調査も行われていません。しかし全国的には静岡県の各市や東京都内の各区、高知市などの取り組みが進んでいます。高知市の場合は対象は1981年以前に建築許可が行われた保育所施設で、構造耐震判定指標Is0(ゼロ)値は075に定められています。耐震診断の結果、すべての保育所施設の構造耐震指標Is値はすべて0.39〜0.6の間ですべて耐震補強工事の必要があるとの判定が下され、年次的に補強工事が行われています。茨木市の場合は18公立保育所のうち、平屋の4カ所と500u以下1カ所、81年以降建て替えの春日保育所をのぞくと対象は12カ所です。廃止・民営化する中条保育所の建設年次74年、三島保育所は79年といずれも対象施設です。情報公開で入手した民営化予定の8保育所の構造計算書による専門家の分析では中条保育所はIs値が0.4程度の可能性ありとのことです。南海地震の発生の可能性が今後50年間で80%以上と言われています。対策が急がれています。対象の12施設の耐震診断の予定について、あらためておたずね致します。

次に民営化する保育所の耐震診断と補強工事の実施について、おたずね致します。

補強工事のための経費は高知市の例でも外付け鉄骨ブレース工法で一カ所約3千万円〜4千万円の経費が必要とされています。いずれは公立保育所の場合は診断も補強工事も行われると思います。問題は民営化する保育所です。財政基盤の脆弱な社会福祉法人が診断も補強工事も実施する可能性は極めて低いと思われます。市は「建物の維持管理責任は法人等にあり、大規模な修繕・改修であっても国補助及び法人等の自己資金で負担することとになり、委託方式と比較すると市の負担は大きく軽減される」としていますが、全く無責任な見解です。民営化予定の三島・中条保育所の場合はどのようにされるのか、見解を求めます。

[野村市長]
 まず、1点目の公立、私立の市の負担額に伴います節減額の考え方でございますが、今回の節減額につきましては、公立の運営経費と私立の運営経費における市の負担額について視点をあてての節減額を発表したものでございますので、何ら市の負担ということについては、変わりはございません。
 また、所得譲与税に伴う、いわゆる三位一体改革に伴いまして、16年度からの所得譲与税のことにつきましては、今後、市の負担額とともに、市民の皆さんにも説明をしてまいりたいと考えております。
 次に、公立保育所の運営経費の中に、16人を計算していたということでございますが、本来、公立保育所の運営経費に算入いたしますのは、保育所の職員をはじめ、事務の職員、あるいは管理の職員も含むわけでございますが、今回は児童福祉課の事務系職員の18人中16人を算入していたということで、課長以下全員が算入の計算に当たっていたわけでございます。本来ですと、一人ひとりの仕事の内容を分析して、0.1人、あるいは0.2人とすべきところを、16人全体を入れていたということに基づきまして、私のほうから、16人の計算を除外して、純粋の保育所の職員でもって改めて算出するようにしたものでございます。ご理解をお願いしたいと思います。


[奥原健康福祉部長]
 まず、国・府補助金に係る市義務的補助金の関係でありますが、私立保育園運営経費の国・府の補助金欄に市の義務的な補助金を記載し、市が単独で支出している補助金を市補助金欄に記載したことにつきましては、市の単独補助金をより明確にしたものであります。
 次に、平成17年度以降の超過負担積算値の公表、18年度当初予算における入所予想延べ人員等について、お答えいたします。
 公立保育所運営経費に係る国・府の負担金につきましては、平成16年度から国の三位一体改革により一般財源化され、積算根拠はなくなりましたが、運営経費に係る、いわゆる超過負担額の概念は重要でありますので、今後も推計はいたしますが、一般財源化による経費内訳等、これまでと同様の推計は困難と考えており、今後、検討してまいります。
 なお、18年度当初予算における公立保育所の入所児童数は延べ2万6,196人、私立は延べ2万3,724人。私立保育園に対する市単独補助金額は2億4,891万2,000円、市義務的補助金は8,340万3,000円としております。
 なお、公立保育所における超過負担額積算値、国・府補助金に係る市義務的負担額積算値につきましては、積算しておりません。
 三島・中条保育所を民営化することにより、超過負担節減額につきましては、平成16年度推計値でモデル計算した場合は、三島が7,990万円、中条が9,987万6,000円となります。
 次に、土地を無償で貸与する理由、建物と備品を譲与する理由、普通財産の譲与の検討内容について、お答えいたします。
 市立保育所用地を無償貸与し、建物及び備品を譲与することにつきましては、基本的に、民営化しても、市の土地及び建物等は、これまでと変わらず保育に使用され、市が設置した当初の目的が損なわれるものではありません。社会福祉法人に対して、そうすることにより、初期投資の必要がなくなり、経営面での負担が軽減されることにより、その意味で、保育内容の充実が図れるものと考えております。
 なお、普通財産の譲与に当たりましては、市民の大切な財産であることや、適切な目的のために使用されること、利用者に還元されることなど、また、貸与や有償譲渡等についても、総合的に判断し、決定いたしております。
 次に、公立保育所の耐震診断の予定についてということと、民営化する保育所の耐震診断と補強工事の実施についてでありますが、本年1月に施行されました改正耐震改修促進法の基準により、新たに市立保育所12か所が対象となっておりますので、耐震診断計画に組み入れ、対応してまいります。
 なお、民営化する保育所の耐震診断と補強工事の実施については、今後、検討してまいります。


[津田総務部長]
普通財産の一般的な譲与、または無償貸付の場合の事務手続ということについて、お答えします。
 この普通財産の譲与、貸付手続、これは、茨木市財務規則の規定に基づきまして、まず、譲与につきましては、財産譲与申請書を市が受理し、内部で検討し、契約締結という運びになります。貸付につきましては、普通財産貸付申請書及び使用料免除申請書を市が受理し、内部で検討し、契約手続を行うというような手続方法でございます。
 次に、財産状況に関する説明書における土地、建物の坪数、三島保育所、中条保育所の財産価値ということですが、まず、三島保育所、土地につきましては、606.6坪ということで、1億8,813万円、建物については、坪数が230.81、価格は1億8,750万円、中条保育所は、土地の坪数が330.62、価格は1億253万8,000円、建物が284.35坪、価格は2億4,117万円であります。
 以上でございます。



[奥原健康福祉部長]
 三島・中条保育所施設の財産価値について、お答えさせていただきます。
 三島保育所の財産価値につきましては、土地の貸付料は、国有財産法普通財産貸付料算定基準による積算で、年間762万6,000円、建物につきましては、現在の価値について現時点で評価しておりませんが、建築価格で1億1,600万円、備品につきましては、同じく現在の価値について現時点で評価しておりませんが、235点、購入価格は937万4,000円となっております。
 中条保育所につきましては、土地の貸付料は、同様に、年間491万6,000円、建物につきましては、同様に、建築価格で1億2,481万円、備品につきましても、同じく274点、購入価格で1,085万7,000円となっております。


[津田総務部長]
 失礼します。先ほどの土地、建物の価格につきまして、若干、補足させてもらいます。
 先ほど申しあげました土地、建物の価格につきましては、建物再調達価格、これは、社団法人全国市有物件災害共済会の建物総合損害共済における建物の共済責任額を設定するために、同一の構造、質、用途、規模のものを再建築する価格であります。
 以上でございます。


[畑中]
 
答弁漏れ。1つは、9月議会で答弁を求めたことについて、それについて答えずに、プレス発表で情報を発表したということについての経過と理由。それから、建物と備品を無償譲渡することについて、公立保育所の行政サービスの格差が生まれてることについての見解。あとは2問目で聞きます。



[南助役]
 運営経費につきましての計算ということで、今回、16年度につきましては、市の保育単価等を一般財源化ということで、積算根拠というのは、従来のとおりの保育単価というのはなくなりましたから計算ができないということでの答弁を申しあげておりましたが、その後、やはり私立のほうについては、今までどおりの計算式ができるということで、その対比ということでのいろいろ要望もございましたので、それにあわせた形での15年度を推計した形で、今回、出させていただきました。従来と同じような考え方に立ってということですから、100%ということではないというふうに考えておりますが、対比ということでは、やはりそういう形で出させていただくのがいいのではないかというふうに考えております。
 それから、今回の民営化によります建物の譲渡について、市民へのふさわしい利益が還元されるのかと。これは、やはり民間の保育所によって保育所の運営がなされるということにおいて、保育行政においてプラスになる。そこへ入所していただく児童についても、利益が住民にもたらされるということになるというふうに考えております。



[2問目]
 1問目、ひとつ受けて、特別保育の国・府補助金に係る市義務的負担額についての質問なんですけれども、私が尋ねたのは、私立の部分については、市補助金の項から外して国・府補助金に移すのに、なぜ、公立のほうについては、市超過負担のままに含めたままで、こちらを国・府補助金のほうに移さないのか。比較するためにはそれが必要でしょう。
 今回、1億3,000万円外されたのも、それが大きな原因ですよね。私立の保育園のほうには、そのような児童福祉課の職員のような人件費は含まれてない。比較上、ふさわしくないから、今回、1億3,000万円外されたわけです。同じ論理でいけば、これ、同じように、市補助金、私立のほうは、市補助金から国・府補助金のほうに移されたんやったら、公立のほうも移さんと比較できませんね。それについての見解を求めたわけです。
 それでは、公立保育所8か所を廃止、民営化した場合の経費節減額を明確にするよう、改めて答弁を求めておきます。
 重ねて言いますけれども、市の示しているモデル計算は、経費の差額を求める計算式です、単純に言えば。そもそも、シミュレーションというのは、実際の前提条件を入力して、そして、適正な結論を導き出すものです。民営化の前提条件は、正職員を強制退職をしない、配置転換をしても職種転換はしないということです。この前提条件は認めるのか、改めて確認いたします。
 経費節減額を計算するのに、市の計算式では適正ではありません。再度、お聞きいたします。
 市の計算式が、廃止、民営化する公立保育所の市職員が全員退職することをモデルに経費節減額の計算をしている。このように、実態とかけ離れた手法だという立場から、問題点をあげていきますと、その問題点の第1は、超過負担の内容は、主に人件費である。しかも、すべて正職員の人件費の単価差と、そして、対象差に起因するものだということです。人件費以外、まだ事業費とか管理費では超過負担はほとんどありません。したがって、廃止、民営化する三島・中条保育所の正職保育士は、ほかの公立保育所に配置転換するだけです。ですから、公立保育所の運営経費全体はもちろん、超過負担の減少には、ほとんどつながらないということです。これについて、見解を求めます。
 問題点の第2は、廃止、民営化する三島・中条保育所の臨時職員及びパート、アルバイトの人件費分、これは確かに民営化で運営経費全体から減少しますけれども、該当職員の人件費は低く、超過負担ではない。つまり、やはり超過負担の減少には影響しないということです。これについても、見解を求めます。
 問題点の第3、廃止、民営化する三島・中条保育所の正職保育士等は、ほかの公立保育所に配置転換をしますが、配置転換された先のそれぞれの保育所では、その人数に匹敵する臨時職員やパート、アルバイトの人が必要でなくなることになります。しかし、それぞれの保育所の臨時職員及びパート、アルバイトの人件費分、これは運営経費全体からは確かに減少しますけれども、同じように、これら該当職員の人件費は低く、超過負担にも入っていない。超過負担ではない。ここでも、超過負担の減少には影響しないということです。これについて、見解を求めます。
 そして、問題点の第4、現在の18公立保育所を将来も公立保育所で存続させた場合でも、15年から20年間の間は、新たな超過負担は生じないということです。なぜなら、公立保育所の現員は227名、一方で国の基準配置数は190名、これが正職員の必置数です。その差は37名あります。毎年、6名程度の定年及び自然退職が生じた場合でも、これから六、七年は現員のままでいけるということです。
 また、その先、国基準配置数より不足して補充する必要が生じる時点でも、採用する新たな保育士は、国の定めた給与水準より低く、新規採用後10年間は、新たな超過負担が生じないということです。これについても、見解を求めます。
 次に、公立保育所運営費超過負担額の積算に児童福祉課職員16人分の人件費、約1億3,000万円を含めていたことについて、市長は、この件について、いつ知ったのか。市長は、この事実を知らずして、これまで議会で答弁をされてきたのか。担当助役は、この事実を知らずして、あり方懇で説明していたのか。市長や担当助役は、不正確な数字で説明していた責任をどうとられるのか、お聞かせください。
 次に、民間保育園の特別保育に市の義務的負担額、これ、ちゃんと、公立のほうに超過負担の欄に記載しているのは不適切やと最初に指摘させてもらいましたが、公立のほうも、ちゃんと超過負担のほうから国・府の補助金のほうに移した場合は、今までの計算方法だと、市の主張する8,000万円と5億9,000万円という数字は、どう変わるのか、お聞かせください。
 次に、三島・中条保育所を廃止、民営化した場合の経費節減額について、三島・中条保育所を民営化する来年度、すなわち平成19年度の予算では、公立保育所全体の超過負担額がどの程度減額され、在宅の子育て予算に幾ら回るのか、改めてお尋ねいたします。
 そして、1問目で指摘しました行政サービスの格差というのは、例えば、公立のままなら市の責任で、諸々の施設改修や備品の補充や充実、改善が行われるのに、一方で、民営化して譲渡された場合には、譲渡された施設とは格差が出てくるのではないかということです。これについて、改めてお聞きいたします。
 次に、本件の普通財産の譲与が、茨木市財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例の対象になるのか、疑義があります。例えば、普通財産の譲与は、条例では公共団体となっています。社会福祉法人は公共団体に含まれるのか、お尋ねいたします。
 次に、普通財産の無償貸付や譲渡を補助金額に換算した場合、三島・中条保育所を民営化した場合、幾らになるのか、お尋ねいたします。
 普通財産の無償貸付をすることは、対価を全然徴さないで普通財産を利用させることであるから、実質的には、貸付の相手方、借受人に対し補助金を支出するのと同様の効果を持つものであると。また、普通財産の譲与は、対価を全然徴収しないで、その所有権を特定の者に移転し、その者に財産的な利益を与えることであるから、実質的には、譲与の相手方に対し、補助金または寄附金を支出することと同様の効果をもたらすものとしています。それぞれ無償貸付額は、年間換算で幾らで、譲与総額は建物と備品で合わせて幾らになるのか、答弁を求めます。
 次に、三島・中条保育所を廃止した場合の普通財産を譲与、または無償貸付する場合は、議会の議決が必要か、お尋ねいたします。
 補助金の形式をもって特定人に援助をしようとする場合には、予算として議会の慎重な審議の対象とされ、その決定するところに従って執行されることになっているので、それとの均衡上からも、譲与も無償貸付も、管理機関の判断のみで決定するのは適当ではないという理由に基づいて、普通財産の譲与や無償貸付は、議会の意思決定に任されることになっているとされています。これについて、見解を求めます。
 次に、民営化する保育所の耐震診断と補強工事の実施について、茨木市の公立保育所の耐震診断と補強計画が明確になるまで、三島・中条保育所は譲与すべきではないと考えますが、これについて、見解を求めます。
 2問目、以上です。


[南助役]
 まず、第1点目の運営経費の一覧表の中で、特別保育等に係ります国・府の補助金、この欄について、私立は入っているが公立は入ってないということでございますが、先ほどより申しあげておりますように、今回、この中につきましては、市の超過負担という形で、といいますのは、国・府の補助金にいたしましても市としての単独経費ということでございますので、市の超過負担という概念からの意味で、その他超過負担金ということに入れての計算でございますので、公立の場合の国・府の補助金については、国・府の補助金のみということにしております。
 それから、2点目の8か所の節減額についての中で、シミュレーション云々を言われたんですが、職員は退職させない、そのとおりでございます。配置転換をする、そのとおりでございます。全員退職する前提というものではございません。人件費につきましては、正職、そしてまた、臨職の方も皆、含めての計算ということでございまして、減少はしないということ、影響しないということでございますが、それぞれの保育所におきましては、現在、正職、そして、臨職、パートの方々によって保育所の運営をしていただいておりますので、2か所の保育所を民営化するということになりますと、2か所に働いていただいておりますそれぞれの職員、正職については配置転換ということは、あと残る保育所への対応ということになります。したがいまして、臨職で今、補っていただいております保育士の状況につきましては、正職がそこへ入っていくということになりますから、経費としては臨職の方の経費は減少するということですから、影響はあるということでございます。
 それから、正職は配置転換では退職にならない、減少するから超過負担には当たらないということですが、今回、それぞれの保育所に働いておられる方が配置転換ということですから、2か所を民営化した場合には、どれだけ節減額が出るかということにあらわれてくるというふうに考えております。
 それから、今後、10年か20年の間については採用の必要はないだろうと。確かに、現在の正職の皆さん方の数字、今おられる人員からいたしまして、現時点で考えますと、4年間につきましては、今おられる正職で充当ができるというふうに考えております。
 それから、市の運営経費の中に16人分ということですが、これまでから算入はしておりましたが、今回、18人中16人、すべてということの概念がございましたので、16人がすべて保育所ではなしに、それぞれの何%と、事務のその内訳で入れるというのが適切ではないかというようなことの考えもありまして、すべて16人を算入から外したというものでございます。
 それから、特別保育の補助金を移した場合にどう変わるのかと。この公立保育所の運営経費についての欄については、そういう目的で作成しておりませんので、その計算はいたしておりませんし、また、する考えは持っておりません。
 それから、実際の節減額ということで、これは部長のほうからも申しあげておりますが、19年度につきましては、人件費、それから、保育所2か所が直営から外れますので、光熱水費、維持管理費というのが要らなくなりますので、それらを合わせますと、1億9,509万4,000円の減額になると考えております。
 かわりに、その2か所については民営化をお願いしますから、民間保育所のほうへ市の単独、現在の額としての補助ということになりますと、3,366万2,000円を同額になるということでございますので、差し引き1億6,143万2,000円の節減額になるという計算をいたしております。


[奥原健康福祉部長]
 普通財産を譲与した場合に、補助金に換算した場合、これは補助と同様の効果があるのではないか、その金額に換算した場合はどうなるかというお尋ねでございますが、先ほど、三島・中条保育所施設の財産価値について、ご答弁申しあげました。三島につきましては、土地の貸付料は、国有財産法普通財産貸付料算定基準による積算では、年間762万6,000円、建物につきましては、現在の価値について現時点で評価しておりませんが、建築価格で1億1,600万円、備品につきましては、同じく現在の価値について現時点で評価しておりませんが、235点、購入価格で937万4,000円となっております。
 同様にいたしまして、中条保育所につきましては、土地の貸付料は491万6,000円、建物につきましては、建築した価格で1億2,480万円、備品につきましては、274点で、購入した価格で1,085万7,000円かかっております。これに相当するのが、補助金と。現在の評価というものにしていく必要はあるかわかりませんが、それは、今、できておりません。それが補助と同様の効果があるというふうに考えております。


[野村市長]
 公立保育所の運営経費につきまして、16人が入っているというのを知ったのはいつかということでございますが、18人中16人全員が入っていると知ったのは、今議会になってからでございます。
 どう責任をとるかということでございますが、正しい数値に戻すことが責任をとることであると考えております。


[津田総務部長] 普通財産の譲与、また、無償貸与、貸し付けする場合の関係でございますが、まず、私立保育園、これは社会福祉事業法に基づく公益法人で、公共的団体ではありますが、公共団体ではございません。
 次に、議会の議決についてでございますけれども、地方自治法237条第2項に、条例又は議会の議決による場合でなければ、適正な対価なくして譲渡、もしくは貸し付けてはならないというふうになっております。
 また、市条例におきましても、普通財産の譲与は、公共団体に限られる旨、定めております。したがいまして、議会の議決は要るというふうに考えております。
 ただ、貸付につきましては、市の条例第4条に、公共的団体が公共事業に供する場合には、無償貸付ができる旨、定めておりますので、議会の議決は要しないというふうに考えております。
 以上です。


[南助役]
 1点、答弁漏れがありましたので、答弁させていただきます。
 耐震診断にかかわっての件でのお尋ねであったかと思いますが、今回、公立保育所につきましても、耐震法の制度改定によって、2階建て、また、500平米以上ということが耐震診断の対象になったということでございますので、市としましては、対象になる保育所につきましては、耐震診断をやっていく。その結果によりまして、今回、4年間でということでございますので、それぞれの年数に応じた年次的な耐震診断をさせていただく。その結果によって、民営化された保育所が耐震診断をされた時点においてということでございますと、その補修等につきましては、これは民間のほうと、十分、相談をさせていただいて、市としても対応させていただくという考えを持っております。


[三問目]
 改めて、8,000万円とか5億9,000万円というのは、経費の差額であって、経費の節減額ではないのではないでしょうか。
 市は、超過負担と市の私立保育園の補助金の差額で出しているとあります。超過負担の多くの要素、ほとんどが正職員の人件費、これが占められていることも否定されませんね。民営化する保育所の正職員は強制退職させない。ほかの公立保育所へ移されるだけ。これで、どこから節減額が生まれてくるんですか。市の言うている主張では、数字の遊びというか、机上の空論というか。
 確かに、例えば、公立保育所のところから別の公立保育所じゃないところに移せば、名目上の公立保育所の経費は減るかもしれませんけれども、同じ市の職員として働いている以上は、市の全体の経費は減りませんね。経費削減にもならない。数字が減るだけで、実際の経費節減額、説得ある根拠を持ち出して、数字、出せませんやん。改めて、経費の節減額、本当は幾らなのか、お示しください。
 公立保育所運営経費超過負担額の積算に、市の職員、児童福祉課の職員16人分、人件費約1億3,000万円、含めていたことについてですけれども、市長は、ただ訂正するだけで、それで終わりと言ってはりますけれども、これはあまりにも無責任な、議員に対しても、市民に対しても、これまでこういうふうに説明されてきたわけですね。これはあまりにも無責任な物言いやないでしょうか。この際、議案は一たん撤回して、あり方懇に差し戻して、再度、市民代表者や関係者、専門家らを含めてもらって審議をしてもらうべきではないでしょうか。見解を求めます。
 そして、平成18年度の超過負担の積算値、これ、委員会までに、そのもととなる数字も含めて、すべて出していただきますように、お願いいたします。
 それと、公立保育所一般財源化による財源措置についても、茨木市の影響、具体的な数字、これも、委員会に提出いただきますよう、お願いいたします。
 茨木市の普通財産の譲渡についてですけれども、社会福祉法人は公共的団体やと答弁がありました。その上で、議会の議決が必要だと、無償譲渡については。この議会の議決というのは、いつ求められる予定であるのか、お聞かせください。
 そして、茨木市の普通財産の無償貸付とか無償譲渡によって、表の補助金以外にも、こういう裏の補助金というんでしょうか、出てきますね。これも、経費節減額を言うのなら、この部分も加味して、実際の具体的条件、現実的条件に則して、再計算してシミュレーションして提示するべきではないでしょうか。これについても、見解を求めます。
 そして、民営化する保育所の耐震診断と補強工事の実施について、私立保育園の耐震診断と補強工事について、これは財政基盤の脆弱な私立保育園では、なかなか不安やと思います。市補助制度を新たに、早急に検討すべきだと考えます。また、この補助制度についても、国・府にも創設を求めていくべきだと考えます。これについて、見解を求めます。
 それから、ちょっと前後しますけれども、公立保育所の特別保育にかかわる負担金額、私立のほうは義務的負担ということで、表の名目では国・府の補助金というところに入れてしもて、市の補助金になっていませんね。国・府の補助金に入れてしまった。公立のほうは、あくまで超過負担やと。特別保育にかかわる市の制度的な補助金は、それは超過負担やと南助役は答えられたんですけれども、なぜ、これが超過負担なんですか。
 大体、この議案第10号参考資料、私立保育園の経費調ということで、一番左端3つで、市負担額の内訳と、負担基本額から保育料の超過負担、市の補助金と、3つ分けて、それぞれ、どこからどういう形であれども、市から出ている分については、この3つにちゃんと分類されているわけです。そやけど、今回、特別保育にかかわる市の制度的補助は、ここから外して国の補助金に入ってしまって、市の負担額の内訳の3つに含まれない状態になっています。表からしても、えらい矛盾していますよね。これについては、どう考えられるんでしょうか。
 再度、お聞きしますけれども、公立保育所の特別保育にかかわる市の制度的補助も、やはり国・府の補助金も、私立をそんなふうにするんやったら、公立のほうもそうせんと、筋道が通ってへん。これについて、再度、今のことについて、見解を求めます。
 以上です。

 

[南助役]
 お答えいたします。
 超過負担ということで、超過負担の内訳については、人件費がほとんどではないかと。正職員を配置転換することによって、どこからも削減する効果は出てこないのではないかということでございますが、先ほどもお答え申しあげましたように、現在の保育所の運営は、正職の人だけで運営をしているということではございません。臨職の方、パートの方もおられます。正職については、他の保育所への配置転換ということですから、正職の人件費は動かないというふうに思いますが、その2か所に働いていた正職の方を他の保育所へ異動するということで、人員的には他の保育所へ配置になりますから、定数のかげんで、臨職の方については、その保育所からは要らなくなるという形になりますと、臨職の方の人件費というのは削減になる。そしてまた、施設も、直営から民営ということになりますから、光熱水費、維持管理費につきましては、市の負担がなくなるということから、その3つでもって経費の節減ができるということを申しあげておるところでございまして、ゼロではないということではなしに、節減額は出てまいります。
 それから、16人分についてということでございます。国の保育単価の計算の中には、保育に直接必要な人件費、事業費や、保育所の維持管理のために保育に間接的に必要な管理費で構成されているということで、その経費の中に直接費、それから、間接費というのがございまして、運営費全体の中の直接費の中に事業費と人件費という割り振りがございます。事業費としては、この児童に対する一般生活費、児童用採暖費、人件費として組み入れられる項目としまして、所長、保育士、調理員、その他の職員の人件費ということになっております。
 その他の職員ということにつきましては、その保育所運営にかかわる職員ということで、人的にかかわっている職員の人件費も必要額に入れられるということで、民間の場合も、保育士さん、調理員さん、それ以外に事務職員という方を配置をされていると思います。その方の給与は、民間の保育単価などの算定をされていますから、公立におきましては、それぞれ1つの保育所に事務職員を配置いたしておりませんが、それをまとめて児童福祉課というところで管理運営をしているということですから、それに、入所運営、そしてまた、保育指導ということに携わっている職員については、保育所運営にかかわっている職員という考え方に立つべきだというのが従来の考えでございますが、今回、こういう民間との経費の対比ということで、16人分については、今回の数字からは外させていただいたということでございます。
 それから、財産の譲渡に関する議会の議決、いつかということでございますが、これは、民営化の移管先法人が決まってはじめて、議案提出ができるというものでございます。
 それから、無償譲渡ということで、表と裏という言い方をされたんですが、ちょっとよく理解できないんですが、今回、その土地、また、建物、備品等につきましては、土地については市のものでございますので、無償で使っていただくということになります。建物についても、保育所を運営するという意味での対応ですから、それを補助金換算をしてというような考え方はいたしておりませんし、これまで、全国でも、この民営化ということで対応されたところによりますと、北摂もやっておられますが、同じように無償譲渡、また、無償貸付という対応でなされておるということでございまして、民営化の1つの方針として、これは必要なことだということで、市もその方式を採用するものでございます。
 それから、耐震診断について、補助制度をつくるべきだということでおっしゃっておられますが、これについては、先ほどお答えした内容でございます。今後、国・府についての要望をすることについては、市長会等を通じて、また、対応はしてまいりたいというふうに思っております。
 それから、先ほど、特別保育の欄については、申しあげました。
 それから、今回、この表をつくらせていただいて議論をさせていただいておりますのは、16年分ということで対応させていただいております。16年分については、先ほど申しあげましたような考え方での表をそれぞれつくって、その意味を申しあげておりますので、前年度と違うからこの議論はならんというようなことではないと。16年についてはこうですということで説明を申しあげておりますので、その議論でお願いしたいと思います。




議案第30号茨木市一般会計予算について〜畑中たけし 06年03月09日

[一問目]
 それでは、議案第30号、茨木市一般会計予算について質問させていただきます。
 大きな1つ目に、
公立保育所の民営化についてお尋ねいたします。条例質疑の中の意味不明な答弁と答弁漏れについて、お尋ねいたします。
 第1に、民営化による経費節減額について、改めてお尋ねいたします。昨日は経費の差額と経費の節減額は意味が違うと、即ちイコールではないということで質疑させていただきました。それに対して市長は、「公立、私立の市の負担に伴う節減額の考え方ですが、今回の節減額につきましては、公立の運営経費と私立の運営経費の市負担額について視点を当てて節減額を発表したものです。何ら市の負担ということでは変わりありません」と答弁されました。
 この意味は公・私の負担額の差額と節減額は同じ額であるということなのか、再度説明を求めます。

 次に、公立保育所と民間保育園への特別保育の国・府補助金にかかわる市義務的負担額について、お尋ねいたします。16年度の公立、私立の具体的なそれぞれの金額を、改めてお尋ねいたします。
 次に、超過負担の積算について、お尋ねいたします。超過負担の推計は国が示している民間保育園の保育単価表で技術的には可能と考えますが、改めて答弁を求めます。18年度当初予算の公立保育所の超過負担額積算値、国・府補助金にかかわる市義務的負担額の積算値、及び私立保育園への市単独補助金と国・府補助金にかかわる市義務的負担額の積算値について、改めて答弁を求めます。
 次に、公立保育所一般財源化による財源措置について、18年度の茨木市への影響額について、これも改めて答弁を求めます。

 次に、三島・中条保育所廃止民営化した場合の経費の節減額について、お尋ねいたします。
 昨日は、「正職員は配置転換するので人件費は減らない。臨時職員の人件費は減る。光熱水費と維持管理費は減る」と答弁されました。
 それでは、臨時職員の人件費は一体幾ら減るのか。光熱水費と管理費で幾ら減るのか。これについて答弁を求めます。また、そのうち市の負担額、つまり市超過負担額ですけれども、それについては幾ら減るのかも、それぞれ答弁を求めます。

 次に、超過負担の節減について、改めてお尋ねいたします。

 第1に、廃止・民営化する三島・中条保育所の正職の保育士は、ほかの公立保育所に配置転換するだけなので、公立保育所運営経費全体はもちろん、超過負担の減少にはつながらないということです。

 第2に、廃止・民営化する三島・中条保育所の臨時職員及びパート・アルバイトの人件費分は運営経費全体からは減少しますけれども、超過負担の減少にはつながらないということです。

 第3に、廃止・民営化する三島・中条保育所の保育所の正職保育士等は、ほかの公立保育所に配置転換しますが、それぞれの保育所ではその人数に匹敵する臨時職員及びパート・アルバイトが必要でなくなることになります。
 しかし、それぞれの臨時職員及びパート・アルバイトの人件費は、運営経費の全体からは減少しますけれども、ここでも超過負担の減少には影響しないということです。いずれも全体の経費節減はあったとしても、超過負担、市の負担額の節減にはならないということです。

 3点について、改めて答弁を求めます。

 次に、民営化する公立保育所の建物の時価について、お尋ねいたします。
 一般的には再調達価格から経年減価率を乗じた額が時価と言われています。間違いないかどうか、お尋ねいたします。そうであれば、民営化する公立保育所8か所合計の時価は約7億円です。市民の貴重な財産が無償で譲渡されることについての見解を求めます。

 次に、普通財産の譲与について、改めてお尋ねいたします。茨木市財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例によると、普通財産の譲与は条例では対象は公共団体となっています。
 しかし、社会福祉法人は公共団体には含まれないという答弁でした。したがって、茨木市の条例では、公共的団体にしか該当しない社会福祉法人には、原則的には建物無償譲渡ができないということですが、これについて見解を求めます。

 次に、民営化する公立保育所の耐震診断と耐震補強工事ですけれども、きのうの答弁では民営化する公立保育所の耐震診断は検討すると、補強工事は移管法人と協議するということでしたが、民営化予定の公立保育所、いずれも残る公立保育所と同等の対応をするのか、改めて答弁を求めます。

 次に、給食材料費の公私間格差について、お尋ねいたします。
 茨木市の公立保育所の給食材料費は乳児が単価375円、幼児は同じく275円、職員は同じく255円、米代が同じく33円、その他検食、展示食、保存食が同じく375円で、16年度の年間合計予算額は2億2,500万円となっています。
 これを児童1人当たりに換算すると月額約9,200円です。18年度は給食材料費の単価改定があるのかどうか、お尋ねします。
 一方で、私立保育園は児童1人当たり約5,500円と、公立と相当な開きがあります。私立保育園の乳児と幼児の給食材料費の単価はどうなっているのか、把握しておられるのか、お尋ねいたします。
 私立保育園間でも最高と最低では2倍以上の開きがあり、一部外部に委託している園もあると聞いています。実態を把握しているのか、お尋ねいたします。
 基本方針では民営化する公立保育所について、給食はアレルギー児の対応だけを条件にしていますけれども、給食材料の質や給食の方法については、民営化に当たってどう考えておられるのか、お尋ねいたします。
 また、公立保育所の給食材料費も超過負担があると聞いていますが、その実態についてお尋ねいたします。

 次に、公立保育所と私立保育園の運営実態の差について、お尋ねいたします。
 私立保育園の運営実態については、ほとんど情報がありません。それが民営化による不安の1つの大きな理由となっています。
 そこで、私立保育園の場合、大阪府に保育所調書という文書の提出が義務づけられているのは市は御存じでしょうか。茨木市も公文書として保育所調書を保有しているのか、お尋ねいたします。
 この文書には私立保育園の1.建物、設備の状況、2.児童の入所状況、3.運営費の状況、4.職員配置等の状況及び勤務条件の状況、5.職員会議、職員研修会等の状況、6.児童の保育の状況等、7.保護者負担金、8.災害事故防止対策の状況、9.給食の状況、10.諸規定類、必要書類の整備状況と、10項目について必要なデータがほとんど網羅されています。これを見ると市の言ってるように、公・私立とも施設最低基準を満たしているので、基本的に公私間格差がないという説明は根拠がないことが歴然としています。
 特に、公立保育所の運営実態と私立保育園の保育所調書記載の1.設備の状況、2.運営費の状況、3.職員の配置状況、4.職員の平均給与、5.保育基本方針、保育指導計画の有無、6.保育時間の状況、7.保護者負担金の状況、8.給食の運営形態、給食経費などについて、公立・私立の比較対照表を委員会の資料として準備をお願いします。これについて答弁を求めます。

 大きな2つ目に、国文施設導入地区における阪急マンション開発412戸について、国文都市特定土地区画整理事業計画との関連でお尋ねいたします。

 第1に、独立行政法人都市再生機構が行う土地区画整理事業計画を定める場合の留意事項として、環境の改善を図り、交通の安全を確保し、災害の発生を防止し、その他健全な市街地を造成するために必要な公共施設、及び宅地に関する計画が適正に定められていることとしています。当然、この留意事項が、本件の土地区画整理事業にも反映されていると理解しますが、見解をお尋ねいたします。

 次に、事業計画第3の設計の概要、(3)設計の方針、イ.設計の基本構想では、本区画整理事業について都市計画道路茨木箕面丘陵線を本地区の都市軸として位置づけ、この軸に沿って本地区を代表する国際交流、学術文化、研究開発の中核的機能を持つ国際文化施設地区用地及び本地区の都市機能を担う東センター、西センターを計画すると。これらを骨格として計画住宅用地、一般住宅用地及び施設導入地区用地を地形条件及び相互の土地利用の連携等を考慮して、良好な市街地環境形成が図れるように配置するとしています。
 この事業計画の施設導入地区用地の位置づけは、本土地区画整理事業計画の基本にかかわる問題と理解しますが、これについて見解を求めます。

 次に、本計画は未来都市にふさわしい多彩な機能、充実した施設をプランニングしているとして、施設導入地区については、学術、文化、研究施設や業務、サービス施設など多様な都市機能を導入し、魅力ある地域形成を図るとしています。よって、施設導入地区は、本計画の多彩な機能や充実した施設を体現する重要な役割を持つ地区と考えますが、見解を求めます。

 次に、事業計画第3の設計の概要、(3)設計の方針、ロの土地利用計画では施設導入地区は全体計画では約142ヘクタール、西部地区では約65ヘクタール、西部地区茨木地域では21ヘクタールとなっています。阪急マンションの開発計画は、この土地利用計画の実質的な見直しと理解します。経過と理由をお尋ねいたします。

 また、平成5年3月の茨木市、公団、阪急をはじめとした民間事業者による基本協定では、まちづくりの基本理念を遵守するとともに、土地利用では本都市の基本理念を具体化するため、以下の土地利用の考え方を基本に都市の形成を図るものとし、施設導入地区のコンセプトを明記しています。また、土地区画整理事業との整合性を図るともしています。
 本件、阪急によるマンション計画はこの協定に違反する行為と考えますが、見解を求めます。

 次に、事業計画第3の設計の概要、(3)設計の方針のハ.人口計画では、事業区域全体のセンター及び施設導入地区の面積158ヘクタールに住宅戸数は800戸、1戸当たりの人口3.8人、人口3,000人と定めています。
 この人口計画の戸数800戸、人口3,000人から、施設導入地区における阪急のマンション開発計画約3ヘクタールで戸数412戸、人口1,600人を取ると、残りの155ヘクタールで戸数約400戸、人口1,400分しか残りません。この開発計画は、事業計画の人口計画の実質的違反行為と考えますが、これについて答弁を求めます。

 以上で、第1問目終わります。


[南助役]
 順次、お答えを申しあげたいと思います。
 まず、1点目の超過負担についてということで、公私間の格差ということのお話でございますが、今回、市のほうが最初に申しあげてきました公私の超過負担ということについての差があるということを申しあげてきました。それは、保育所運営にかかわります公立において、市の財源として、超過負担として1人当たり年額79万円かかりますと。私立に対しましては、市の補助金、これは市単独の補助ということでの年額12万4,000円かかりますということで、その経営の主体によって、これだけ市の負担が違いますということを申しあげてきました。
 その後で、それぞれの経費の節減ということにつきましては、この後の数字もありますが、そういう運営の形態について申しあげ、そしてまた、今後、一般財源化ということによって、この市の超過負担が、ますます市独自の負担額がふえてくるという状況にあるということを申しあげておるところでございます。
 それから、この表によります事務的負担の公私といいますのは、2つあります。1つは保育単価に基づきます国の2分の1、大阪府の4分の1、市の4分の1、これは公立にはございませんが、15年度に模して一応計算をしたということでございまして、その額はその措置費単価に対する額、それとあと国・府の延長保育等への補助金という措置費単価とは別の補助金制度があります。それについての補助額がございます。これについては私立に入っておりますし、市のほうからもその分、出しておりますが、市に受けておりますことについては、その差額というのは市の超過負担になるということで、今のその他超過負担額に入れてるということでございますので、義務的経費という意味合いには、今の申しあげた措置費単価と、それから補助金に対する義務的経費と2つあるということでございます。
 それから、18年度についての超過負担を、16年度と同じような対応について数字を出せということかなというふうに思っておるんですが、これは昨日からも回答申しあげてますように、今回、こういう市の超過負担ということでの1つの表として、15年度の保育単価を模してきました。今後、18年度につきましては、国の保育単価等もまだはっきりしてないと思いますし、さらに一般財源化ということになりますから、表をつくるとすれば、ますます超過負担というのは多くなってくるんじゃないかなと思っておりますが、その財源の内訳的にどのようになるのかというのは、まだ検討が今のところつきませんので、表の作成をしておりません。
 それから、次に、昨日申しあげました今後の一般財源化ということで申しあげました。これは数字を申しあげてると思うんですが、再度申しあげますと、保育所運営負担金につきましては、現在、所得剰与税ということで対応されております。それから、延長保育促進基本分、これも所得譲与税の対応ということでございますが、これは18年度までが所得譲与税として暫定措置をされると。交付税の対応になってるのが、保育所運営負担金の大阪府の補助4分の1、それと延長保育に対する大阪府の4分の1、これが交付税措置になるということでございまして、18年度は本市は不交付団体になるとすれば、この交付税の措置が受けられないということを申しあげておりまして、そして今後、公立の保育所1か所当たりで4,356万5,000円の市の経費が増額になるということを申しあげておったところでございます。
 それから、三島・中条の民営化した場合の節減額ということで申しあげましたのは、人件費、これは質問の中で人件費ということでいいますと、どうも職員の人件費というふうにすべてとらえられているようでございますが、市のほうで人件費と申しあげてますのは、臨時の方の職員、パートの方の賃金等も入った人件費ということで言っておりますので、その人件費とそれから光熱水費、それから維持管理費、これを合わせまして2か所の三島・中条ですと、1億9,009万4,000円の節減額になるということを申しあげておりました。
 それから、あと2か所民営化する場合については、補助金は増額にするということで差引というのは今申しあげました。
 それでは、人件費について申しあげます。人件費、賃金等含めまして、1億4,882万円。光熱水費、これは光熱水費と維持管理費につきましては、すべての保育所18か所で平均をした単価ということでございますので、そこのところはひとつそういう平均をしたということで出しておりますので、光熱水費が736万円、維持管理費が3,891万4,000円ということで1億9,009万4,000円と。
 正職については、今申しあげたとおりでございます。
 それから、節減額で三島・中条の民営化することによって、それは軽減につながらないということを度々申しておられるんですが、今申しあげましたように、2つの保育所の正職の方を他の保育所に移っていただく、そのことによって三島・中条の働いておられた方、そしてまた新たに正職が配置された職場においては、現在、臨職、パートの方入っていただいておりますが、そのところへ正職の方を配置するということによって、経費の削減が図られるということは出ます。
 それから、2つの保育所が直営から民営になるということで、これは直接経費が要らなくなるというのは光熱水費、維持管理費が要らなくなるというのは、これははっきりしていることだと思っていますから、それを足せば節減額が出てくるということを申しあげているところでございます。
 それから、無償譲渡の件でございますが、きのうもお答えをしておりますように、普通財産の譲与、また貸付については地方自治法に決められておりまして、条例または議会の議決による場合でなければ、適正な対価なくして譲渡もしくは貸し付けてはならないということなっています。
 したがいまして、今回のことにつきましては、移管先法人が決定した段階で、議会にその議決をお願いするという考え方をいたしておるところでございます。
 なお、譲与につきましては、市のほうの普通財産の貸付申請書等の規定によって財務規則によって対応ができるということになっております。
 それから、耐震診断の検討ということについては、きのうもお答え申しあげましたが、再度ということでございます。
 今回の耐震診断の対象になったというのが、公立保育所のうち12か所ということになっております。これはすべての保育所については対応するということでございますが、当面、民営化の対象となっている保育所については、きのう申しあげましたように診断をさせていただいて臨時的に診断をさせていただいて、その民営化のあとについての対応については、その移管先法人と協議をするという対応をしたいということで、お答えを申しあげたところでございます。


[奥原健康福祉部長]
 18年度当初予算における私立保育園に対する市単独補助金額は2億4,891万2,000円、市義務的補助金額につきましては8,340万3,000円としております。なお、公立保育所における超過負担額、積算値、国・府補助金にかかわる市義務的負担額積算値につきましては、今のところ積算しておりません。決算により積算してまいりたいと考えております。
 それから、給食材料費の単価、2倍ほどの差があるのではないかということでございますが、この給食費につきましては、公立と私立につきましても、若干の差があるということは存じておりますが、この給食材料費の単価の差までは、ちょっと今のところ把握いたしておりません。
 それで、給食について外部に委託している私立の保育園があるのではないかということでございますが、これは最近の話なんですが、ある私立の保育園で、給食の作業員が個人的な事情で辞められたということで、そのあとの補充はあるのですが、そのメニューについて、すべてをこなすことができないという状況があるので、アレルギー対策とかそういった対応をした上で、一部給食を運んでいるという状況は聞いておりますが、これは臨時的な対応でありますから、その後、きっちり自前で給食をやるというふうに聞いております。
 それから、府のほうに保育所調書を提出してるということで、その内容を市は持っているかということですが、現在、私どものほうでは持っておりません。
 それから、建物を譲与することにつきましては、基本的に民営化しても市の土地及び建物はこれまでと変わらず保育に使用され、市が設置した当初の目的が損なわれるものではありません。社会福祉法人に対して、そうすることにより初期投資の必要がなくなり、経営面での負担が軽減されることにより、その意味で保育内容の充実が図れるというふうに考えております。
 なお、社会福祉法の第58条では、「国又は地方公共団体は、必要があると認めるときは、厚生労働省令又は当該地方公共団体の条例で定める」ということになっておりますが、その「条例で定める手続に従い、社会福祉法人に対し、補助金を支出」云々ありますが、社会福祉法人に対して有利な条件でその他の財産を譲渡し、もしくは貸付することができるとなっております。この後の手続につきましては、本市の条例で対応していかなければならない、あるいは議会で議決をいただかなければならないということはありますが、そういう社会福祉法人としての条項もございます。



[津田総務部長]
 きのうお答えいたしました財産状況に関する説明の中の三島・中条のいわゆる建物の評価ということでございます。きのうの数字につきましては、きのうもご答弁申しあげてますとおり、再調達価格による額を言うております。これは、共済責任額を設定するために、同一構造、質、また用途、規模のものを再建築する価格という意味でございます
 今、ご質問にありましたいわゆる市有物件の共済の中で、経年減価額という項目ございます。これは中条にしても三島にしても、築後、中条が昭和50年、三島が54年ということですから、その経過年数も加味して減額してると。この減額をした場合ということですが、中条が1億6,651万6,000円、三島が1億3,690万5,000円という形で減額になります。
 しかし、市としてはいわゆる民間企業における減価償却というのがございませんので、この額できのうご答弁申しあげたところでございます。
 以上です。


[横小路市理事]
 彩都に関連したご質問につきまして、お答えをいたします。順次、お答えをさせていただきます。
 都市再生機構が策定いたしました事業計画について、法律上いろんな留意事項が書いてあると、これについてどうかというお尋ねにつきましては、この事業計画は、事業の施行に当たって事業認可を受けると。これにつきまして、土地区画整理事業法に基づきまして、国土交通大臣の認可ということになっておりまして、この彩都の区画整理事業の事業計画につきましても、大臣のほうに提出され認可されたものでございまして、国土交通大臣のほうで適切に判断をされて、その留意事項に照らして良好であるという判断のもとに、事業認可がおりたものと私どもも考えております。
 次に、設計の基本構想の中で、今具体的な文言をご紹介をいただきましたけれども、この基本構想は彩都全体の事業の内容について、大まかな公共施設の配置の考え方ですとか、各地区の配置の考え方というようなものを多く採用しておりまして、そういった記載の内容に照らして施設導入地区の配置も適切になされてるというふうに考えております。
 また、特にその施設誘導地区が重要な位置を占めるのではないかというお尋ねだったのではないかと思いますが、この点につきましては、当然、区画整理事業全体、この彩都では道路をはじめとする公共施設や、商業施設などはじめとする公益的施設、学校もでございますが、また住宅用地、施設誘致地区など、さまざまな土地利用なり施設計画がございまして、どれも重要な地区であるというふうに考えております。
 次に、土地利用計画について、このマンションの計画が実質的な見直しではないかと、土地利用計画の見直しではないかというお尋ねでございますけれども、土地利用計画につきましては、この事業計画の中の設計の概要、そもそもの趣旨といたしましては、区画整理事業で基盤整備をして一応宅地をつくると。それが市の事業でございますけれども、その設計に際して、その上物の土地利用をどういうふうに考えているのかということで、事業計画の中で、こういった土地利用の計画が記載されているものでございますが、その土地利用計画の中で、施設誘導地区につきまして、先ほど議員のほうからも話がございましたように、若干、居住人口の想定もいたしておりまして、当然、施設誘導地区の中にもマンションの建設というものも想定をされていると考えておりまして、全く土地利用計画の見直しには当たらないというふうに考えております。
 また、同じようにこのマンションの計画が関係者の協定に違反してるのではないかというお尋ねですが、この点につきましても、土地利用計画を適正に守っておりますので、何ら違反するものではないと考えております。
 最後に、人口計画につきまして、今回のマンションの計画内容が違反行為ではないかというような趣旨のお尋ねではないかと思いますけれども、これも重ねて申しあげてますとおり、この施設誘導地区の中では一定の居住人口も想定しておりますし、またこの人口計画そのものが彩都全体5万人という計画人口ございますけども、この5万人を地区全体にわたって、それぞれの住宅地なり、その他の地区の中で、おおよそどのように割り振るのかというような考え方を示したものだというふうに理解をしておりまして、その範囲の中で順次、今後、住宅の計画がなされていくというものであろうと思って考えておりまして、今回のマンション建設の計画も適切であるというふうに考えております。



[畑中] 1つ答弁漏れがありますので。超過負担節減についての中で、第1、第2、第3とあげて、これについて見解をお尋ねしたんですけど、これについて答えなかったので、よろしくお願いします。
 1つ目が正職の保育士は配置転換するだけなので、超過負担の減少にはつながらない。第2は三島・中条保育所の臨時職員、パート・アルバイトの人件費は超過負担にはつながらない。2つ目、三島・中条保育所の正職保育士さんが配置転換される先の保育所の臨時職員、パート・アルバイトの人件費は超過負担の削減にはつながらないと、これについて見解をお尋ねしたんですけれども、答えていただいておりません。


[南助役]
 この件につきましても、私としてはお答えをしたつもりをいたしておりますが、人件費という概念の中には職員の正職の給料もありましょうし、臨職、またパートの方の賃金も入ってる。今回につきましては、三島・中条につきましては、正職は退職いたしませんので、他へ配置転換をするということから、臨職の方の人件費ということで、それが削減になるということで、運営経費の削減につながるということを申しあげました。
 したがいまして、正職の方が配転になることによって、次の保育所につきましては正職の方の配置ということになりますから、臨職の方の賃金がその保育所においても節減になるということで、それらを含めて運営経費の節減になるということを申しあげました。それにプラス光熱水費、維持管理費が節減の対象になるということを申しあげたところでございます。



[二問目]
 2問目、市長の公立、私立の市負担額の差額と節減額は同じであるという答弁と、昨日の南助役の民営化による正職員の人件費減らない、今日もお答えいただきましたけども、臨時職員の人件費ふえるという答弁の内容は食い違っていると考えます。この答弁は言いかえれば民営化により、公・私立の経費全体の差は縮まるけれども、公・私立の市負担金の差は縮まらないという意味です。
 さらに言いかえれば、民営化による市負担の節減額はないという答弁になります。どちらが真実なのか。今、南助役、経費と言われますけれども、そこのところ用語をしっかりしていただきたい。総運営経費が減ることなのか、市超過負担の経費の部分が減ることなのか。経費という言葉だけではちょっと区別がつきませんので、臨時職員のパート・アルバイトの人件費が減ることで、市超過負担が減ると理解してよろしいんでしょうか。その辺ちょっと確かめさせてください。
 次、公立保育所と民間保育所、特別保育の国補助金にかかわる市の制度的負担額、16年度公立・私立、これ内容を解説されましたけれども、公立、私立の具体的な金額を教えてくださいと言ったんですけれども、これも答えていただけませんでした。もし、今計算していなくて出せないのなら、委員会への資料の準備をお願いします。答弁お願いします。
 その次に、超過負担の積算について、これも18年度当初予算、公立保育所の超過負担積算値、国・府補助金にかかわる市制度的負担額積算値及び私立の同じ項目について、17年度単価、そして18年度当初予算の数字で結構ですので、もし今計算していなくて出せないのでしたら、委員会のほうに資料を提出していただきますよう準備お願いします。これについても答弁求めます。
 そして、公立保育所の一般財源化による財源措置について、これも項目についていろいろ解説いただいたんですけども、18年度茨木市への影響額についてお尋ねいたしました。これ、細かい積み上げ各項目、それぞれの額についてお尋ねいたしました。今、細かい額が各項目にわたって出せないのでしたら、これも委員会への資料の準備をお願いします。これも答弁求めます。
 そして、給食材料費の質や給食の方法について民営化に当たって、どう考えておられるのかということについて、お尋ねしたんですけれども、これについてちょっとお答えなかったと思います。もう1回答弁お願いします。
 そして、給食の細かい状況を把握しておられないということでしたので、これも委員会への資料の準備をお願いしまして、提出をお願いします。答弁求めます。
 次、阪急のマンション計画、敷地面積に3ヘクタール412戸。1戸当たり3.8人。人口計算すれば1,566人という計算になります。即ち、1ヘクタール当たりの人口密度、522人ということになります。これは全体計画の中高層集合住宅用地87ヘクタールの人口密度計画をも上回っているのではないかと考えますが、これについて見解求めます。
 次に、事業計画第3の設計の概要、設計の方針ヌの項では誘致施設計画では研究、学園等施設、業務施設及び新都市の都市的な魅力を高める多様な生活文化、都市サービスの施設が導入されるよう街区構成を計画するとしています。西部地区の茨木地域の施設導入地区21ヘクタールのうち、本来の施設導入地区の土地利用が既に確定しているのは何ヘクタールで、どのような計画内容があるのか、お尋ねいたします。
 次に、茨木市の関連公共・公益施設整備事業についての支出について、お尋ねいたします。平成5年11月付けの茨木市と公団の関連公共・公益施設整備事業について基本協定書の基本方針では、複合都市の実現とうたっております。その後の議会での当時の阪倉理事の答弁でも、「本計画は公共主導のもとに計画の具体化に取り組み、事業の目的や事業の推進、役割分担は従来の住宅を中心とした民間開発とは大きく異なっている」と答えています。
 しかし、施設導入地区に本来の目的と違うマンション開発を是認するようでは、この答弁とも違ってるように、基本協定書の精神からの逸脱じゃないでしょうか。今後、施設導入地区や国際文化施設地区における住宅開発計画に、茨木市はどう対応するのか、答弁を求めます。
 2問目以上です。



[南助役]
 お尋ねの意味をちょっと全く理解しかねるところがございまして、今回の市の超過負担と言ってるのについては、人件費が大半を占めてるやないかということは、これは畑中議員からの指摘の前にもあったかと思うんですが、確かに市の超過負担ということについては、人件費が大半を占めてるということでございます。
 そういう関係から、今回、市のそれだけではございませんが、そういう市の直営とそして民間で運営されてるところについての市の経費の負担割合が大きく違いますということを申しあげております。
 その中で、今回2か所を三島・中条をまず19年度からということをいたしますと、先ほど申しあげましたような、職員の現段階での正職の異動はございませんので、臨職の方等の経費、それから維持管理費の経費について、これが運営経費としては削減なる。その運営経費については、市の超過負担に該当するものだということを、ずっと申しあげておるところでございます。
 それから、一般財源ということで先ほどの1か所当たりということで、4,356万5,000円ということ、申しあげました。これは、1つのモデルとして算出しておりますので、三島・中条についてということについては積算をいたしておりません。
 それから、義務的経費の内訳は、今、部長のほうから申しあげたと思うんですが、ちょっと意味がよくわかりませんが、措置費にかかります市の義務的負担、民間に対しまして本市は2億2,413万9,633円、これに対しまして市のほうは同じく、同じような金額でございますが、2億2,199万2,629円ということになります。
 それから、国・府の補助金、延長保育でありますとか、いろいろ種類が十ぐらいあると思うんですが、それに対する市の民間に対する義務的経費ということにつきましては、国・府の補助金をここへ入れておりますので、それの内訳の計算はちょっとできておりません。


[奥原健康福祉部長]
 給食の関係で民営化にする場合にはどう考えているかということでございますが、保育所の民営化の基本方針の中で現状における保育内容の継続ということで、1つには費用負担について本市があらかじめ認めた費用以外、保護者負担の軽減を図ること。もう1点は給食はアレルギー児の対応を行うことというふうにいたしております。
 この具体的な中身につきましては、今後、三者協議会が設立されましたら、こういったことについて、また法人等とも三者協議会の中で話をしていきたいというふうに考えております。


[横小路市理事]
 彩都に関するご質問について、お答えをいたします。
 まず、1問目としまして、人口密度の点につきまして、事業計画書の中高層住宅地の密度と比べて上回ってるんではないかというお尋ねでございましたが、今、ちょっと申しあげられた数字について、詳細は手元に把握しておりませんので、それについてご答弁申しあげられませんが、あくまで先ほど申しあげましたとおり、人口計画、これは一定の人口密度をもとに算定してるものでございますけども、全体にわたっておおよその目安でもって策定してるものでございまして、この人口密度それぞれの設定がどうだこうだということが、直接その具体な計画に照らして比較する云々というものではないというふうに考えております。
 次に、西部地区の茨木市域の施設導入地区について、土地利用の具体な計画は確定しているのは何ヘクタールかとお尋ねかと思いますが、私ども具体的に施設導入地区で事業者のほうからきちっとした計画としてお聞きしておりますのは、きょう、話題にされております阪急のマンションの区域3ヘクタールでございます。
 ただ、現在、駅前の地区センターのところで、茨木箕面丘陵線の東側でございますけども、そこの部分で商業施設等の計画が今あがっておりまして、その中で一部隣接する施設導入地区の部分も区域に含まれる可能性があるというふうには承っておりますが、まだこれは検討協議段階の内容でございますので、現在のところは阪急マンションのところだというふうに申しあげさせていただきます。
 次に、3点目の複合機能都市の実現ということについて、今回の計画はその精神に逸脱してるのではないかというご指摘でございますけども、これは代表質問で市長もご答弁申しあげましたとおり、今回の計画も含めまして、当初の土地利用計画に基づきまして、さまざまな住宅宅地の供給や研究施設、商業施設の立地も順次進めておりまして、複合機能都市の実現に向けて関係者一同取り組んでいるというところで、全くこの逸脱してるものとは考えておりません。
 また、今後はその住宅計画にどう対応していくのかというお尋ねであったかと思いますが、各それぞれの事業者の方々には区画整備の事業の事業計画や、あと、市のほうでは都市計画で地区計画なり、用途地域という、そういう都市計画を定めておりますので、そういった市で定めたそういう都市計画にも、当然、適合した形で具体の土地利用を計画していただきたいということで、今後とも協議してまいりたいと考えております。
 以上です。


[南助役]
 国・府の補助金ということでの内訳ということでございます。
 申しあげたいと思います。市の負担額は2,888万8,000円。国・府の補助金額8,651万8,000円、合計1億1,540万6,000円ということでございます


[三問目]
 これまで議論ありましたように、臨時職員とパート・アルバイト人件費。保育単価の支弁額において賄われるということなんですよ。つまり、従来の国・府・市の基本負担額と国基準の徴収金で賄われてるということなんです。
 だから、この部分の経費が減ったからといって市の超過負担は減るはずがないと、こちらは主張してるんですけども、南助役は臨時職員やパート・アルバイトの人件費が減れば市の超過負担が減ると、あくまで主張なさっておられます。ということであれば、今回、三島・中条保育所、それから追い出された先に正職が配置転換された先で減る臨時職員、パート・アルバイトの部分の人件費も含めて、そのうちの超過負担の具体的な額、また8か所の部分の臨時職員パートアルバイトの人件費、超過負担の額が実際に幾らあるのか、お答えください。もし、今出せないようでしたら、これも委員会に資料として提出していただけるようにお願いします。答弁を求めます。
 そして次、無償譲渡、無償貸与の件についてですけれども、いかなる場でも7億円の市民の財産を無償で譲渡することについては、市民的な議論や意見を聴取することは、これまで全くありませんでした。少なくとも、こうしたことも含めて、パブリックコメントに付されるべきやと考えます。答弁求めます。
 また、土地無償貸与と建物の無償譲渡について、きのうのご答弁では社会福祉法人による初期投資の必要がなくなって、経営面でも負担が軽減されることになり、保育内容の充実が図れると。今日もちょっとお答えなりましたかね。この民営化の中で土地無償貸与、建物無償譲渡によって、その分、保育内容の充実が図れる保証はあるのでしょうか。
 仮にそうだとしても補助金または給付金、換算しなくてもよいという理由にはなりません。助役の答弁では、なぜ補助金換算しなくてもよいのかという合理的な根拠は不明です。自前で土地を確保して、自前で建物を建てるというのが私立保育園のこれまでの通例です。民営化による移管法人のみ、特に優遇する理由がどこにあるのか、答弁を求めます。
 そして、民営化により正職員の人件費は減らないと、この一言が問題のすべてを物語っていると思うんです。経費の節減にもならない民営化をなぜ急ぐのか。それは保育市場を民間に開放し、規制の緩和をして民間に自由に競争させると、行政は民間に口出さないかわりに金も出さへん。こういう小泉構造改革の子ども版そのものではないでしょうか。子どもを犠牲にする民営化は撤回すべきと考えます。改めて、この点について、市長に答弁を求めます。
 次に、順番が前後しますけれども、建物の無償譲渡について議会の議決をしても譲与しようというわけですけれども、これまでこのような議会の議決をして普通財産の譲渡をしたこと、こういう例があったのか、お尋ねいたします。
 次に、公立保育所の耐震診断と補強工事の優先順位は、建設年次が古いほうからになると思いますが、民営化予定の公立保育所の無償譲渡は、診断も補強工事も終わってからにすべきじゃないかと考えます。これについて、答弁を求めます。
 次に、阪急マンション開発のほうに移ります。都市再生機構の事業計画見直し作業の状況はどうなっているのか。心配なのは独立行政法人になって、ますます民間の土地所有者の意向に沿った見直しが行われるということです。今の計画でも公的開発と言えるかどうか大いに疑問があります。計画の採算性が悪化する中で、少なくとも留意事項、これが守られるよう茨木市として対応すべきだと考えますが、答弁を求めます。
 そして、もともと施設導入地区と、用途地域的には基本的には何でも建てられると、マンションでもオーケーやと、だからと言って、理事の12月の答弁のように、施設誘導地区の用途地域は第2種住居地域となっており、阪急マンションの立地していところも、そういう用途地域をしておりまして、マンションの建設は可能でございます。また、当該地はモノレールの駅に近接した区域でもあり、平成19年春のモノレール開通にあわせた人口定着を図っていく観点からも、このマンションの計画は望ましいとお答えなられましたが、やはりこれは事業計画の違反を大いに推奨する答弁ではないでしょうか。
 特に、モノレールの採算性のために、計画を犠牲にするというのは本末転倒ではないでしょうか。改めて見解を求めます。
 そして、事業計画、これ事業計画の見直しの中で施設導入地区の区域が今後縮小されることになるのか。これについてお尋ねいたします。
 そして、施設導入地区に阪急マンション建設計画を行うに当たって、事前に茨木市に協議があったのか、お尋ねいたします。あったとしたら、いつごろどのような形で行われたのか、お尋ねいたします。
 次に、事業計画の中の人口計画というのは、別に守らなくてもいい計画なのかどうか、お尋ねいたします。
 また、全体計画の中の中高層住宅用地、こっちのほうの人口密度の規制というのはどのようになってるのか、お尋ねいたします。
 そして、今ご答弁で施設導入地区、マンションも本来の目的と、違反していないと、マンションでもオーケーやと答えられました。しかし、最初に言いましたような施設導入地区の定義からすると、やはりマンション計画というのは異なるのではないでしょうか。西部地区茨木市域施設導入地区21ヘクタール、今聞きましたけども、阪急マンション計画だけでほかに具体的な土地利用が計画進んでいない現状です。これについての理由も、お尋ねいたします。
 最後に、公的開発のシンボル、複合都市と、この看板をあげてこられたわけですけども、それがいまや色あせてきています。少なくとも茨木市として基本協定書の遵守を大いに主張すべきだと考えますけれども、これについて答弁を求めます。
 以上です。


[南助役]
 お答えをさせていただきます。
 保育所の運営費が保育単価で今、おっしゃいましたように、保育士、臨職、パート、すべてが保育単価で賄われているはずだと。そうであったら超過負担はないと思いますが、その保育単価で賄われていない市の公立の保育所の職員構成等から人件費の超過負担ということについては、出てるということは現実の問題でございますので、保育単価で賄いきれてないというとこもあるということでございます。
 しかも、国が決めております保育士の配置にいたしましても、市は1歳児について市独自の配置をしてるということからも、保育単価での賄いきれないところが超過負担になってるというところはご理解いただきたいと思います。
 それから、無償譲渡について、パブリックと、これはこれまでにも民営化の移管先については移管条件ということで、無償また貸付ということで対応させてもらいますということは説明をいたしておりますし、無償譲渡につきましては、今後、移管先法人の決定次第、議会の議決を得るということでございますので、十分市民への周知ができると考えております。
 それから、補助金換算とおっしゃったかと思うんですが、この建物、その他を補助金換算しないというのはおかしいということでございますが、確かに補助金換算をすれば、先ほどから単価等、貸付金等の数字が出てるかと思いますが、今回の民営化につきましては、この建物等を使って、市の保育行政のより充実してもらうということの意味合いはありますので、これを補助金という形で仮にとらえるということになりますと、そういう建物等の補助金を出してはいかんということになりますと、ちょっと市がいろいろ出してる補助金についても、差しさわりがあるんじゃないかというふうに思っております。
 それから、経費の節減についてということでございますが、これにつきましては先ほど申しあげてますような超過負担、それから一般財源化という問題が新たに起こっておりますので、今後、市の財源の中で一般財源化ということになりますと、市の持ち出しがますます多くなるというのは、先ほどから説明をさせていただいておるところでございます。
 それから、今回の民営化が子どもを犠牲にするということでおっしゃいましたが、ちょっと理解に苦しんでおります。保育に欠ける子どもの入所の待機児童の解消、そしてまた抱えておられる家庭のそういう保育に欠ける児童の入所ということでの対応を図ろうということでの市がやっておりますので、そういうことにはならないと私は思っております。


[奥原健康福祉部長]
 ただいま南助役から無償譲与等するのに補助金換算しなくてもよい根拠という答弁をされましたが、一部、補足説明させていただきます。
 今回、民営化するに当たりまして選定しようとしている委託先というのは、社会福祉法人を想定いたしております。社会福祉法人いうのは、社会福祉法に基づいた社会福祉事業をやるということになっておりまして、社会福祉法人に対する助成及び監督というのが第58条で定められております。
 これは先ほどの一応、一部、読まさせていただいたわけですが、この条文では「国又は地方公共団体は必要があると認めるときは、厚生労働省令又は当該地方公共団体の条例で定める手続に従い、社会福祉法人に対し、補助金を支出し、又は通常の条件よりも当該社会福祉法人に有利な条件で、貸付金を支出し、若しくはその他の財産を譲り渡し、若しくは貸し付けることができる」ということは法律的にもうたわれておりますので、この精神に基づいて一定の手続をさせていただきたいというふうに考えております。


[津田総務部長]
 普通財産の譲与の関係でございますが、普通財産の譲与、これにつきましては、地方自治法237条の2項によりまして議会の議決を要すると、こういう実績はあるかというお尋ねですけども、この件で議会の議決をいただいた実績はございません。
 以上です。


[横小路市理事]
 彩都に関するご質問に順次、お答えいたします。
 まず1点目としまして、事業計画の見直しの状況はというお尋ねでございますが、これは代表質問で市長がご答弁申しあげましたとおり、現在、作業中と伺っております。
 次に、2点目の法律で定める留意事項をちゃんと守るように市も言うべきではないかという趣旨のお尋ねかと思いますが、この点につきましては先ほど申しあげましたとおり、法律に基づく認可は大臣のほうでなさっておられますんで、国土交通大臣の所管かと思います。今後も彩都の区画整理事業を適切に関係者一同で進めてまいりたいということで、今後とも都市再生機構と協議していきたいと考えております。
 次に、昨年の私の答弁につきまして、本末転倒ではないかというご指摘についてでございますが、マンション、今回の計画によって駅周辺の人口定着が図られるということと、こういう人口定着によりまして、当然そういった住民の方々を対象としたさまざまな施設の立地というものも進んでまいるわけでございまして、そういったまちの熟成といいますか、活性化といいますか、そういった点も図られるという点もありまして、望ましいというふうに考えております。
 次に、4点目でございますけども、施設導入地区は今後縮小されるのかというお尋ねでございますけども、土地利用計画を具体的に見直すというようなお話は一切伺っておりませんので、この点については存じあげておりません。
 次に、5点目の今回のマンションの計画について、いつ、どのような協議を受けたかというお尋ねかと思いますが、平成17年の2月に、彩都に限らず、一般市街地での開発協議を都市整備部で受けておりますけども、その協議を受けまして速やかに庁内にご説明を申しあげたということでございます
 次に、6点目の人口計画は守られなくてもいいのかというお尋ねでございますけども、全体の人口の5万人、また各地区での目安と申しあげましたけども、そこで想定している人口については当然、意識をしながら具体の計画をしていただく必要があるかと考えております。
 具体の中高層の住宅など密度規制はどうなってるんだというお尋ねでございますけども、ご承知かと思いますが、建築基準法や土地計画法の中で、建物の高さなどについての規制がございまして、そういったもので一定そういった密度規制というものもなされてるというふうに考えております。
 次に、7点目としまして施設導入地区の立地が進んでない、具体化してないのはなぜかというお尋ねでございますが、これは各事業者、地権者のほうのそれぞれの考えがあろうかと思いますが、考えられます中の1つとしまして、具体の造成がまだ完全にできてるわけではございませんので、造成にあわせて順次、事業者のほうで具体の計画を考えられるのではないかという点が1つ考えられます。
 また、利用者が幾つかの土地をお持ちのケースがございますので、その場合には一遍にというわけにもまいりませんので、手順を追って順次ということになりますので、そのあたりも1つの要因ではないかなというふうに考えております。
 最後に、複合都市機能というコンセプトは色あせてると、この点、ちゃんと機構のほうに言うべきだというご指摘かと思いますが、市長もご答弁申しあげておりますとおり、複合機能都市の実現に向けて関係者一同で取り組んでおります。この点については皆の共通した認識というふうに理解をしておりますので、今後とも引続きその考え方でもって取り組んでまいりたいというふうに考えております。


[南助役]
 1点答弁漏れがございまして失礼しました。お答えいたします。
 耐震診断及び工事について、すべて終わってから民営化すべきだというご指摘だったかと思いますが、これはきのうもお答え申しあげましたように、今回、2階建て、そして500平米以上の建物について、本年の1月に施行された改正耐震改修促進法の基準に該当するということで出た対象物件ということになります。これでいきますと、市立保育所の12か所がこの対象になっておるということでございまして、今後につきましては耐震診断計画に組み入れて対応させていただくということを考えております。
 なお、民営化する保育所につきましても、この計画に組み入れ、そしてまた今後の工事等につきましては、その段階での移管先法人との協議もさせていただくということで考えておるところでございます。