[阿字地洋子] 3月定例市議会 本会議質疑および討論

平成20年度大阪府茨木市一般会計予算質疑

  ○ごみの資源化とごみ処理経費の節減について

◎賛成討論「国民健康保険料の引き下げなどを求める請願について」


(阿字地一問目) それでは、お尋ねをいたします。ごみの資源化とごみ処理経費の節減について、お尋ねをいたします。
 まず、ごみ減量の現状について、お尋ねをいたします。家庭系の普通粗大ごみ、また、事業系ごみについて、18年度と比較して、19年度はどれだけ減らされると見込んでおられるのか。また、家庭系ごみで、市民1人1日当たり何グラム減ったことになるのか。また、資源物の収集状況について、18年度と比較して、19年度見込みはどうなっているのか。それは、市民1人1日当たり何グラム資源化、ふえたことになるのか、お尋ねをいたします。
 次に、新年度、20年度の家庭系ごみ減量化促進について、普通ごみ、粗大ごみの見込量、おわかりでしたら、お尋ねをいたします。
 20年度の家庭系、事業系ごみ減量化促進の方策をどのように考えているのか、お尋ねをいたします。
 次に、さらに分別、資源化を進めることが重要であると考えておりますが、その点についてのお考えをお尋ねします。
 次に、ごみは減ったと聞いておりますけれど、それにかかる経費はどうなっているのかということについて、1つには、収集の経費についてどうか。溶融処理の経費はどうか。また、その中で、灯油、コークスの量で、どのくらい減ったのか。また、資源物の売却について、分別収集をしたことによって、18年度に比べ、それぞれどのようになっているのか、お尋ねをいたします。
 次に、家庭系ごみ収集有料化の問題について、基本計画では、22年度から粗大ごみの個別収集をうたっておりますが、20年度において、どのようなことが検討されようとしているのか、お尋ねをいたします。
 1問目、以上です。

(赤土産業環境部長) 19年4月から新たな取り組みとしてやっておりますごみの減量、この取組状況につきまして、18年度の実績と比較して、19年度の見込みについて、お答えをいたします。
 まず、家庭系の普通ごみでありますが、約8,759トンの減少を見込んでおりまして、率にして15.3%の減であります。家庭系の粗大ごみにつきましては、約1,919トンの減少を見込んでおりまして、率で20.9%の減を見込んでおります。合計しまして1万678トン、率で16.1%の減の見込みであります。
 また、1人1日当たりの量としましては114.7グラムの減でありまして、率にしまして16.9%の減を見込んでおります。事業系のごみにつきましては、1,811トンの減少でありまして、率で3.1%を見込んでおります。
 資源物の回収状況でありますが、トータルで1,157トンの増を見込んでおります。1人1日当たりの量としましては11.47グラムの増でございまして、45.4%の増を見込んでおります。
 次に、20年度のごみの減量についてのお尋ねでございます。20年度の取り組みとしましては、この19年度からの新たな取り組みを定着させることを基本と考えておりまして、そのことによりまして、さらなるごみの減量を図ってまいりたいと考えております。
 したがいまして、今の時点での数値見込みは持っておりませんが、ごみの減量につきましては、何よりも市民、事業者の皆さんの意識的な取り組みが必要であると考えております。家庭からのごみの減量につきましては、市民参加、市民協力によるごみの発生抑制と分別収集の徹底が何よりも大切であります。市としましては、そのためのさまざまな啓発や意識的な取り組みへの支援を進めてまいりたく考えております。
 また、事業系のごみにつきましては、何よりも、事業者みずからが法律や条例に基づく責任をきちんと果たしていただき、ごみの減量化や資源物の分別、また適正なごみの排出に努めていただかなければなりません。そのためにも、啓発であるとか、事業者が必要としている情報提供など、事業者とともに取り組みを進めてまいりたく考えております。
 さらなる資源物の分別を進めるのかということでありますが、19年度から新たな取り組みを始めておりまして、一定の成果が見込まれるわけでありますので、今後とも新たな資源物の分別の拡大を進めていく必要はあるというふうには考えております。どのような方法で進めるのか、また検討してまいりたく考えております。
 次に、ごみは減少していると、経費についてはどうかということであります。19年度からの取り組みのための車両などの機材の準備といたしまして約1,700万円、資源物の収集体制の確保のために、収集委託料の増加が約3,600万円、合計約5,300万円の経費が増となっております。
 処理の経費につきましては、ごみがトータルで約10%減少する見込みであることから、燃料や薬品類の必要量が減少しております。コークスで約1,022トン、灯油で約205キロリットルの減少を見込んでおります。その他の経費を含めまして、処分経費につきましては、約7,600万円の節減となると見込んでおります。
 また、資源物の売却につきましては、18年度までは、資源物を混合収集していたことから、分別のための経費が非常に大きく、また売却につきましても、多くは見込めておりませんでしたが、19年度は分別収集を行うとともに、古紙の収集を行ったことによりまして、18年度と比較いたしまして、プラスマイナスで約5,600万円のプラスになると見込んでおります。
 したがいまして、19年度からの新たな取り組みによって、その必要経費を差し引きましても、ごみ減量が進んだことによりまして、全体として、18年度との比較で、約8,000万円の経費が節減できる見込みとなっております。
 次に、22年度からの粗大ごみの収集についてということでありますが、18年3月に策定いたしました茨木市一般廃棄物処理基本計画におきましては、粗大ごみにつきまして、22年度からの個別申し込みが計画としてあげられております。これは審議会における議論の過程で、リデュース、リユース、リサイクルという3Rの考え方が定着するとともに、家電リサイクル法でありますとか、そういったものが浸透して、粗大ごみの排出が大きく減少することによって、粗大ごみの収集を、現在の臨時ごみの収集と同じように、個別申し込みにできるのではないかということから、計画に盛り込まれたものでございます。
 19年度におきまして、粗大ごみの約20%の減少が見込まれておりますから、20年度におきましては、その定着の度合いを図りながら、どのような形で計画の遂行が可能であるのか、そういったことの検討を始めてまいりたいと考えております。
 また、ごみ収集の有料化ということでお尋ねでございますが、環境省の中央環境審議会の平成17年2月の意見具申の中では、有料化ということが明記されております。ごみの有料化につきましては、減量効果をもたらす手法の1つとして、効果的であることは疑いのないところではありますけれども、導入するかどうかにつきましては、現行の分別収集によるごみ減量の達成の度合い、また国の動向や近隣各市の状況も十分に把握しながら、判断しなければならないと考えております。 まとめて、合算でお答えをさせていただきましたが、18年度におきまして、缶類につきましては、18年度と19年度の見込みで約469万円の増、ペットボトルにおきましては、18年度実績と19年度の見込みで約1,090万円の増、古紙類につきましては、18年度の実績と比べまして約1,390万円の増、そして、分別の処理におきましては、18年度の実績と比べまして、約2,670万円の減ということであります。したがいまして、差し引き約5,600万円の増になるということでございます。



(阿字地二問目) それでは、2問目、お尋ねをさせていただきます。
 本当に、ごみ減量が経費削減につながるという実態が、この間の取り組みで明らかになったと思います。1日1人当たり114.7グラムの削減ということは、卵1個が50グラム程度ですので、卵2個ということになります。市民皆さんの一人ひとりのわずかな努力が、大きく市のごみ行政、また環境に与える影響も大きいということが示されたと思います。
 ただ、家庭系ごみについては、一定の率でごみの減量が進んでおりますけれど、事業系ごみについては、わずかな3.1%の減にとどまっております。家庭系ごみが合わせて5万5,573トンに対して、事業系ごみの見込みで5万6,000トンですから、ほぼ5対5という収集状況になっているわけです。
 事業ごみの組成の分析について、なされているのかということなんですが、事業系ごみも一定の努力をしていただかないといけないわけですけれど、収集の情報公開でいただいた資料によりますと、みんな、生ごみで計上しているんですね。紙類もあれば、本当に中に資源いっぱいあると思うんですけれど、生ごみで計上されているという状況ですので、事業系ごみの資源化については、一層進めないけないと思うんですけれど、どのような方策を考えておられるのか、お尋ねをしたいと思います。
 具体的に経費のことでお尋ねいたしますけれど、収集経費、これ、20年度については、どのように見ておられるんでしょうか。19年度も18年度に比べて一定ふえておりますし、20年度については、どのように考えておられるのか、お尋ねをしたいと思います。
 時間の関係で申しあげますけども、茨木市のごみ処理、4款衛生費の2項清掃費、これは平成18年度決算で42億5,800万円でした。平成19年度は46億5,700万円、これ、予算ですね。平成20年度の予算見ますと、44億6,400万円ということを計上されております。これは本市の一般財源、年平均550億円といたしますと、これの8%近くを、1割近くを市税、税金で処理しているということになっております。
 私は、大体30億円程度と思っていたのが、40億を超えておりまして、その中身を見てみますと、清掃総務費で10億1,300万円、そのうち一般財源が10億900万円、ごみ処理収集の関係ですけれど、ここで10億5,700万円、うち一般財源が10億3,600万円、環境衛生センターの処理のほうですが、23億3,200万円、うち一般財源が20億900万円と。本当に市民の税金がここへ投入されているわけです。
 大体これだけの予算があるからといって、収集の委託経費や処理の委託経費が、予算がこれだけあるからと、これまでの積み上げでということで、漫然と使われているとは思いませんけれども、やはり、これは十分と改善していただく点があると思うんですけれども、今後、委託契約などについて、どのように改善されようとしているのか、お尋ねをしたいと思います。
 茨木市は、溶融炉ということで、今回の20年度の予算を見ましても、工事請負費で7億2,000万円もあげておられます。大変、維持、補修にもお金がかかる炉でありまして、何でも溶かせるということでございます。そして、コークスなどの値上がりとかいうこともありまして、これはごみ減量の努力とは関係のないところでお金がかかっていく部分です。これは年度によって変動すると思いますけれども、今の状況では、コークスの値上がりなども大きく響いてはいますけれども。こういう何でも溶かせるということで、ごみ減量が進まないという結果になったらいけないというのは、これまでも指摘させていただいておると思うんですけれども。ごみは減ったけども、処理費に一定は、どうしてもかかるというようなシステムであってはならないと考えますけど、お願いいたします。
 それから、資源ごみのほうなんですけれども、これもなるほど、資源ごみとして、回収量は上がっております。しかしながら、不用物として戻っている率が非常に大きいということを私は思うんですけれど。例えばビンなんかでいいますと、月別に見まして、例えば、昨年11月、ビンのほうの資源物組成資源化報告書、残渣、これを見てみますと、実に64.26%が不純物として戻ってきております。これは処理委託の単価が、トン当たり6,825円かかっておりますので、委託して支払ったお金が8万9,230円、その月ですね。それが戻された分を単価で計算しますと、5万7,380円も戻ってしまっている。これが64.26%という月ですが、あと、やはり45.19%がことしの1月、それから、9月、8月、7月と戻っていっても、40%台ですね。不用としてビンは戻ってきております。分別の経費をかけているのに、戻ってきている量が非常に多い。これはどういうことなのかということをお尋ねします。
 それから、そのほかの缶もペットボトルも、搬出、搬入実績などを見てみますと、不用物として35%、缶。ペットボトルも35%、全部は今回、よう見切れておりませんけれど、20%台というのもありますし、月によって違いますけれど、非常に戻りが大き過ぎる。これはどういう原因かということで、その原因と改善策について、お尋ねをしたいと思います。
 それから、ごみの有料化の問題ですけれど、有料化は減量するための1つの手法やと考えておられるそうですが、私どもはそうは考えておりません。有料化によって、ごみが一時的に有料化の全般は減っても、その後は、またふえているのが全国の実態でありまして、有料化ということで申しあげておりますが、一応、それで終わっておきます、2問目。

(赤土産業環境部長) いろいろとお聞きになられまして、順番は、まちまちになりますが、まず、事業系のごみの組成分析について、どの資料をごらんになったのかということですけども、そこには組成分析の話は載ってないんですけども、それはよろしいけども。
 減量計画書でありますとか、15年の計画の策定のときのアンケート、そういったところで一定、事業所のごみの中身はつかんでおります。一般廃棄物ということでの収集になりますので、それにつきましては、どうしても資源物については、できるだけ取り出して、適切な廃棄の方法を進めてほしいということでのお願いは、事業所に対しては、常にやっているところでございます。
 それと、20年度の収集経費がどんなものかということでございますが、20年度の収集経費につきましては、予算で、19年度の決算とほぼ変わらない数字が収集経費としてあがっておるというところでございます。ごみの経費は、予算があるから、これだけ使わなあかんというようなことかということですけども、決してそんなことはありませんし、原課としましては、これだけの経費が要るということを積み上げまして、予算要求を毎年しておるということでございます。
 7億2,000万円の維持の経費がかかっております委託契約について、特命随契というような話も、先ほどもありましたけれども、非常に運転の難しい炉でありますので、きっちりとした補修なりの委託契約をやっておるということでございます。溶融炉であるから何でも溶かせるのではないかと、そういうことで減量が進まないということになってはいかんと、そういうことがずっと言われてまして、今回、ごみの分別と、そして資源物をきっちりと出していくということを、市民の皆さんにお願いしたところでございます。
 そして、資源物を収集して、あと、残渣は多いということについてでありますが、確かに残渣につきましては、18年度までの収集におきましても30%程度の残渣が出ております。そして、19年度につきましては、平均しますと、40%弱の残渣が出ております。これは1つには、従前は、混合収集の分をまとめて分別をしておるという中で、資源物、缶、ビン、ペットボトル、それぞれに振り分けたということでございましたが、今は個別の収集になっておりまして、例えば、ペットボトルのラインに流したときに、ペットボトル以外のものがまざっていると、それが今の形では残渣という形で返されてしまうというような状況も一定ございまして、キャップでありますとか、ラベルでありますとか、ポリ袋、そしてレジ袋なんかに入っていますけれども、そういったものが非常に多く含まれるということは従前からもありましたが、現在のところもそういう状況であるということでございます。
 実際のところ、もっと資源物の分別をきっちりとやれれば、そういったことはなくなるということが1つと、もう1つ、確かに、ことしの委託契約の中での仕様書の書き方も十分ではなかったというところもあるんではございますが、来年以降は、こちらのほうに返す残渣については、資源物が入らないようにということの取り決め、また残渣の引き取りについても、20%以上は原価をいただくというような話でのことをしていきたいというふうに考えております。
 いずれにしましても、せっかく市民の皆さんが協力していただいております、このごみの分別、資源化につきまして、市民の皆さんに誤解を持たれるような形での処理はやってはならないというふうに思っておりますので、適切な方向に進むように努力をしていきたいというふうに思っております。
 また、最後に、有料化につきまして、効果がないということをおっしゃっておられますけれども、統計上、また、いろいろの話の中で、減量化の有効な手段であるということにつきましては、間違いのないところであるということを申しておきます。
 以上です。



(阿字地三問目) 3問目、行かせていただきます。ちょっと答弁漏れもありますけども、それは置いといて、行かせていただきます。
 市民の協力をいただくということですけど、市民自身も、これ、努力していかないといけないことなんですが。これだけ戻りが多いということは、やはりマナー、どういうことをすれば資源化が進んで、経費の削減になるかということを市民が本当に理解されましたら、この協力率はさらに上がっていくと思います。
 事業系ごみについても、どういう方策かということも、あまりいい考えがないから、答弁もあまりなかったかもしれませんけれども。資源化を進めていくということが、ごみ減量の何よりも方策だと思いますので、事業系ごみについては、3問目できちっと答弁、もう1度していただきたいなと思っております。
 それから、収集委託契約の単価の決め方なんですけれども、これ、割り戻して見てみますと、平成17年で、普通ごみ755円、粗大ごみ198円、1戸当たり単価、月額ですね。18年度は、普通ごみ697円、粗大ごみ183円、19年度は、普通ごみ674円、粗大ごみ177円ということですね。20年度は、どのように見込んでおられるんでしょうか、お尋ねしておきたいと思いますけれど、月額単価というものは、どういうことを基準に決めておられるのか、お示しをいただきたいと思っております。
 総括的に申しあげますと、とりあえず、たくさんの税金を使って、既に、ごみ処理はされているわけです。それをさらに有料化するということよりも、もっと経費を削減する方向を努力してから、そういう議論ならわかるんですけど、有料化が減量に効果的だという認識は、これはちょっと違うと思います。
 資源化しても、1,000万円分ぐらい戻してきて、再処理しているというような現状でありますので、その点も指摘しておきたいと思います。見解があれば、お尋ねしときます。
 以上です。

(赤土産業環境部長) 事業系のごみの分につきまして、しっかりと答弁をということでございます。確かに、ごみの減量、本年度、一定、進んでまいりました。しかし、事業系のごみにつきましては、全体として3%程度であるという状況でございます。したがいまして、本市全体のごみの減量を進めるに当たりましては、やはり事業系のごみを減らすということは極めて重要でございます。
 したがいまして、昨年改正いたしました条例におきましては、月に5トン以上の多量排出事業所に対しまして、廃棄物減量計画書の作成、提出、そして、廃棄物管理責任者の設置、届け出を義務づけたところでございます。
 今後は、事業所に係る廃棄物の減量マニュアル等を作成いたしまして、また、廃棄物管理責任者に対します研修を行うなど、事業者がみずからの責任を自覚して、みずからの責任で廃棄物の処理を適正に行っていけるように支援をしていきたいというふうに思っております。
 また、20年度からは、市内の事業所への立ち入りの調査等を行うなど、具体的に事業所への指導、また啓発を行っていきたく、準備を行っております。
 次に、収集の費用の決め方ということでございますが、17年、18年、19年と、1世帯当たりの単価が下がってきておりますが、まだ20年度につきましては、こういう1世帯当たりの単価ということじゃなくして、19年度から、ブロック別の合い見積もりということをしておりますので、結果として、割り戻せば、またもうちょっと下がるような金額での設定を考えておるというところでございますが、実際、収集の委託料の1世帯当たりの単価の算出ということでございますけれども、やはり労務単価などの人件費、それを基礎にいたしまして、車両の経費、運転の経費、車両の維持費、その他の経費などを足し込みまして、1台当たりの必要費用を積算いたします。収集区域の標準世帯数で割り戻すという方法で積算した金額を基本といたしまして、前年までの実績、また近隣各市の水準なども勘案いたしまして算出をいたしております。
 したがいまして、現在の契約金額、適正に出されたものであるというふうには認識をいたしております。
 また、最後に総括的に有料化の問題をおっしゃいましたけれども、あくまでも有料化は有効な手段であるというふうに思っております。ただ、やるかやらんかということについての議論は、今のところやっておりません。
 以上です。

 


賛成討論「国民健康保険料の引き下げなどを求めることについて」

日本共産党茨木市会議員団を代表して、請願第1号、国民健康保険料の引き下げなどを求めることについては、願意もっともであり、採択すべきという立場からの討論を行います。
 なお、本日現在、2万2,157筆の請願署名が議長へ提出されたとお聞きいたしております。
 国民健康保険制度は、その加入者が、低所得者や収入が不安定な人たちにより構成されており、しかも、高齢者が多く、医療費も相対的に高く、構造的に財政が不安定な状況に置かれていることは、だれもが認めるところであります。また、そのことが、保険料を支払能力をはるかに超える水準にしており、さらに、このことが多くの滞納者を発生させる要因となっています。したがって、この問題を根本的に解決するためには、国の抜本的な対策が必要なことは言うまでもありません。また、同時に、国の対策のおくれをカバーするために、大阪府はもちろん、保険者である茨木市が最大限の努力を行うことが求められています。
 茨木市では、国民健康保険加入者は毎年ふえ続け、今や4万7,000世帯、全世帯の約2軒に1軒が国保加入世帯となっています。また、保険料が払いたくても払えない滞納世帯も加入者の約2割、既に負担能力を超え、生活を圧迫する保険料となっています。それだけに、払える保険料に引き下げて、だれでも安心して医療機関にかかれるようにすることが必要です。したがって、茨木市がこうした現状を踏まえ、最大限の対策と努力を行っているかどうかが、今、問われています。
 しかし、現状は、極めて不十分であり、その対策は、これまでと比較しても、後退しつつあると言わざるを得ません。こうした立場から、本請願の全項目を見るなら、いずれの項目についても、願意はもっともであり、当然、採択すべきものであります。
 請願項目の第1は、国民健康保険料を2008年度も引き下げてくださいということですが、願意はもっともであります。
 2007年度の国保料は、市民の世論と運動の力で、4年ぶりに引き下げとなりました。しかし、これは、2004年度から2006年度にかけて連続引き上げを行ってきたため、大幅な黒字を計上したため、引き下げざるを得なかったものです。しかし、年度末においては、当初に予定した一般会計からの繰り入れ予定を減額しました。2008年度は、国の法改正に従って限度額の引き上げがあり、その影響を受けながらも、加入者の9割の人が引き下げとなっています。しかし、一方では、一般会計からの繰り入れ水準が大きく減額されています。したがって、こうした措置が回避されておれば、一層の引き下げが可能であったことは明白であります。一層の保険料の引き下げを、改めて強く求めるものであります。
 請願項目の第2は、他市に比べて厳しい保険料減額、減免の制度を改善してくださいということですが、これも願意はもっともなものであります。
 茨木市の保険料の減額や減免の件数は、北摂各市の状況と比べて大きく下回っています。これは、減額、減免の基準が他市に比べて極めて厳しいということと、加入者に減免制度を活用して収納率を向上させるという、積極的な姿勢に乏しいということであります。茨木市の保険料の減免制度改善と、減免制度活用の消極的姿勢を改めるよう、強く求めるものであります。
 請願項目の第3は、払いたくても払えない人に対する容赦のない保険証の取り上げや差し押さえはやめてくださいということですが、これもまた、願意はもっともであります。
 国は、こうした現行の保険料の水準が、負担能力をはるかに超えているにもかかわらず、滞納者に短期保険証を発行したり、資格証明書を発行して、事実上、医療を受けられない状況をつくり出すことを保険者である市町村に強制しました。しかし、このことでも、市町村の制度運用には、大きな差が生まれています。
 茨木市の場合、滞納者に対する罰則措置は、国の方針に忠実に従う内容であり、したがって、短期保険証、資格証明書、差し押さえの件数は、北摂各市と比較しても突出しています。各市においては、罰則措置を緩和したり、また、罰則措置をとる場合でも、第三者機関をつくって慎重に行われているところもあります。この問題でも、茨木市に、払いたくても払えない人に対する罰則措置の運用緩和と改善を強く求めるものであります。
 以上、いずれの項目も、願意もっともであり、多少の見解の相違があっても、請願者の願意を尊重すべきと考えます。
 最後に、茨木市議会には今期、これまでに市民から16項目、約22万人分の請願署名が提出されました。いずれも本請願同様に切実なものであり、願意はもっともであり、日本共産党市会議員団は、そのすべてについて、採択を主張しました。ところが、いずれの請願署名も、賛成者少数で不採択となっています。このような市議会は、全国広しといえども、例がありません。まさに、市民の請願権を否定するものであります。このことに強く抗議し、本請願の賛成討論といたします。
 ご清聴ありがとうございました。