2010年度日本共産党代表質問(2010年03月05日、質問者=畑中たけし)

 ※市長答弁は青字部分

日本共産党茨木市会議員団を代表して、2010年度(平成22年度)の市長の施政方針と予算編成の内容について質問をいたします。

大きな第1点目として、国の政治に係わる問題について、市長の見解と見識についてお尋ねいたします。

さきの総選挙での国民の審判は、「政治を変えたい」という国民の熱い願いを示すものとなりました。発足から約半年たった鳩山政権は、この願いに応えているでしょうか。いま、経済危機から国民の暮らしを守るために政治は何をなすべきか。日本共産党は旧来の政治からの転換を提案して、鳩山政権の姿勢を問うています。

 第一は、大企業に、暮らしと経済に対する社会的責任をはたさせる政治への転換です。なぜ日本の景気悪化はここまで深刻なのか。国民の所得が奪われた結果です。昨年12月末に発表された政府の「新成長戦略」では、この10年来の政策の結果、「選ばれた企業のみに富が集中し、中小企業の廃業は増加、国民全体の所得も向上せず、…需要の低迷が続いた」と指摘しています。大企業がため込んだ巨額の内部留保は、労働法制の規制緩和による正社員の非正規社員への置き換え、下請け単価の買い叩きをはじめとした中小企業いじめの上に積み上げられたものだと考えますが、市長はどう認識しておられるのかお尋ねいたします。大企業の巨額の内部留保と利益を、雇用と中小企業に還元させる政策への転換が必要だと考えますが、あわせて答弁を求めます。

日本共産党はそのための具体的な方策として二つの点を提起しています。

 一つは、“非正規社員から正社員への雇用転換”をすすめることです。とりわけ、その焦点となるのが労働者派遣法の抜本改正です。派遣法改正にあたっては、製造業派遣の全面禁止、登録型派遣の禁止の例外とされている「専門業務」の抜本的見直しなど、労働者保護法として真に実効あるものへの抜本改正をおこない、その実施は先送りでなく速やかにおこなうべきではないでしょうか。答弁を求めます。

 まず、大きな一点目の国の政治に関わっての認識と見解であるが、「新成長戦略」については、過去10年間の経済政策や構造改革への取り組みについて分析し、今後の10年間の成長に向けた基本方針を閣議決定されたものと認識している。

 いま一つは、中小零細企業の経営を守る政治への転換です。政府は、中小企業憲章の制定とともに、基本法を改正し、格差是正を中小企業政策の根本にすえ、総合的対策をはかるべきではないでしょうか。答弁を求めます。

 また、大企業の利益を雇用と中小企業に還元させる政策への転換や、労働者派遣法の改正、中小企業政策については、国において議論される内容であると考えているが、本市としては、国の施策と連携を図るとともに、定められた法令に基づき、少しでも市民が安心して生活ができるよう、事業を着実に推進していきたいと考えている。

 

 第二の転換は、自公政権の社会保障費削減路線がつくりだした数々の「傷跡」を速やかに是正することです。鳩山政権は、後期高齢者医療制度について、廃止を4年先送りする方針を決めました。これは、差別制度をすみやかに撤廃し、老人保健制度に戻すことを掲げていた総選挙前の方針からの重大な後退です。後期高齢者医療制度はすみやかな撤廃に踏み出すべきではないでしょうか。答弁を求めます。

 次に、後期高齢者医療制度については、国において、廃止後の新制度の具体的なあり方を検討するため、「高齢者医療制度改革会議」を設置されたところであり、今後、その動向を注視しながら、現行制度の適切な運用に努めていきたいと考えている。

 

 また鳩山政権は、障害者自立支援法によって押し付けられた「応益負担」をなくし、すみやかに「応能負担」に転換すると公約し、政権交代後は、今年4月から、まず住民税非課税の障害者への「応益負担」をなくすと約束してきました。ところが来年度予算案では、そのために必要な額の3分の1しか計上せず、「応益負担」を中途半端に残しています。憲法にも福祉の理念にも反する「応益負担」は、公約どおり速やかに廃止すべきではないでしょうか。答弁を求めます。

 次に、障害者福祉制度については、国において、障害者自立支援法を廃止し、新たな制度ができるまでの間、市民税非課税の障害者等への福祉サービス及び補装具にかかる利用者負担の無料化が図られているので、「応益負担」から「応能負担」に見直しがなされていると考えている。

 

さらに地方財源についてお尋ねいたします。地方自治体の役割は住民の福祉、くらしを守ることにあります。その役割を発揮するためには、まず、「三位一体」改革によって大きく後退した地方財源の充実、回復をはかることです。いま行うべきは、地方交付税の復元、増額であり、交付税率の引き上げに踏み出すことです。見解を求めます。

 一方で、原口大臣は地方財源確保のためと言って「地方消費税の充実」を主張しています。鳩山政権では消費税増税の議論を3月にも開始するとしています。結局は、地方財源確保を口実に消費税増税を国民に押しつけようというものではないでしょうか。答弁を求めます。

 次に、地方財源の充実に関連しての地方交付税制度および地方消費税の改正については、地方自治体の安定的な財政運営に必要な一般財源が確保されるよう、大阪府市長会等を通じて要望しているが、地方消費税の議論は、国においてなされるべきものと考えている。

 

 さらに保育所の問題です。立ち遅れた保育環境の整備は住民の切実な要求です。ところが政府は子ども手当の地方負担軽減に関連して、民間保育園の補助金廃止、一般財源化を主張しています。保育所運営費の一般財源化を見直し、補助金増額をはかるべきではないでしようか。答弁を求めます。

次に、保育所運営費については、現時点において一般財源化されていないが、今後とも国の動向に留意していく。

 

大きな二つ目として、大阪府政に係わる問題について、市長の見解と見識についてお尋ねいたします。

知事就任2年で特集を組んだマスコミ各紙は、世論調査で明らかになった橋下知事への高い支持率を伝えました。しかし、特徴的なのは「政策に期待できる」などの理由の少なさです。「財政再建」を理由に府民、職員に「我慢」を強いる一方で、就任2年目の昨年は「関西州実現」を掲げ、関西財界と二人三脚で大型開発推進の先頭に立つ橋下知事の姿が目立ちました。昨年2月府議会で否決された府庁WTC移転の再提案に当たり、同年9月には、「夢洲・咲洲地区まちづくり推進協議会」を結成し、破たんした大阪湾ベイエリアの再開発を進めようとしています。同協議会では中・長期的な目標として、事業費1千億円ともいわれるJR桜島線の延伸、なにわ筋線(4千億円)、淀川左岸線延伸部(4千億円)など、兆単位の財源を投じることを構想しています。市長は橋下府政のこの2年間をどう評価しているのか、また具体的に関西州実現、府・市再編一体化、大阪府庁の移転、伊丹空港の廃港についての見解をそれぞれお尋ねします。

次に、大きな二点目の大阪府政への評価・見解については、府民のニーズ等に応えるため、府の判断でなされているものであるので、市長としての評価・見解は差し控える。

 

大きな三つ目として、市政の重要な焦点として「行財政改革」という名の市民負担の増大とサービス切り捨てについてお尋ねします。

第一に、大幅な市民負担の増大と市民サービスの後退について、お尋ねいたします。

市長は、新年度施政方針と予算編成においても、個人市民税等の減収見込みを印籠にして、ここまでもとあきれるほどのあらたな市民犠牲を実行しようとしています。「単なる経費削減ではなく、簡素で効率的・効果的な行財政運営と市民サービスの向上に視点を置き、計画的に取り組んでいる」との市長の弁でしたが、新年度の予算編成では、市民のくらしより市財政を優先させる単なる経常経費削減であることがいよいよ明白になってきました。今、求められているのは国政でも地方政治でも市民のくらしや家計を温め、さらに雇用の掘り起こしにつながる施策を積極的かつ効果的におこなうことです。不況の直撃で苦しめられている市民生活の出血を止める救急的施策であり、さらに傷口を広げて失血させるような施策は断固慎むべきであります。見解を求めます。

平成22年度は、行財政運営の基本となる市税収入が減少する厳しい財政環境にあるので、経常経費の徹底した精査を図るとともに、既存事業の見直しに努め、市民福祉の充実と行政水準の向上を基本に諸施策を展開するものである。

その具体的な内容としては、雇用対策や市内事業者の活性化を目指す地域経済の活性化施策をはじめ、子育てニーズへの対応や学校教育の充実施策など、市民サービスの充実を図る施策を積極的に実施していく考えである。

したがって、市民のくらしより市財政を優先させるような予算ではない。

 

ところが、茨木市はこの間高齢者と障害者を狙い打ちしたような福祉サービスの後退を押しつけてきました。昨年だけでも、敬老祝金の77歳支給の廃止、高齢者世帯家賃助成の支給限度額半減、在宅寝たきり老人等介護見舞金の半減、身体・知的障害者福祉金、特定疾患者福祉金の支給額半減などを強行しました。さらに新年度では市が単独で実施している老人医療費や障害者医療費助成制度を後退させ、総額で4300万円、通年ベースでは総額約1億2千万円もの多額の削減となります。いい加減こうした高齢者や障害者にばかり我慢を押しつける財政運営は改めるべきです。見解を求めます。

市が単独で実施しております老人医療費助成や障害者医療費助成につきましては、セーフティネットが必要とされる方を除き、一定所得があり負担能力のある方については、応分の負担をするべきと考えいる。

 

さらに昨年強行されたばかりの公共施設付帯駐車場の料金有料化と障害福祉センターにおける入浴サービス使用料の負担増がわずか1年で見直さざるをえませんでした。このような行き当たりばったりの財政運営ぶりでどうして市民の信頼や理解が得られるというのでしょうか?それでも今からでも遅くはありません。昨年おこなわれた福祉金半減などその他の数々の市民サービスの後退についても、このさい撤回を検討すべきです。見解を求めます。

急激な市税の減収による大幅な財源不足に対応するため、各制度について、受益者負担の適正化や他市の実施状況等を勘案の上見直しを行ったものであり、撤回の考えはない。

 

 第二に、公共施設等の使用料の引き上げと減免見直しについてお尋ねいたします。

「検討組織」における議論がいくつか変化していることが伺われます。現時点での使用料見直しと減免の縮小・廃止についての到達点をお示しください。また今後の予定についても、明らかにするよう求めます。

 使用料については、受益者と行政のおのおのが負担すべき経費について明確化を図り、各施設の料金を試算しているところである。また減免制度については、原則廃止を基本に、基準の明確化および団体の整理を図っているところである。今後は、平成22年度中のできるかぎり早い段階でまとめていきたいと考えている。

 

第三に上水道料金の見直しについてお尋ねいたします。

大阪府営水道料金改訂案の内容と本市への影響をお示しください。本市独自の黒字と合わせて、その還元は市民平等に行うべきです。上に厚く、下に犠牲を押しつけるやり方は認められません。見解を求めます。又今後の改訂のスケジュールをお示しください。

まず、府営水道の値下げについては、本年4月から1立方メートルあたり現行の88円10銭を78円に、10円10銭を予定されており、本市への影響額は、平成22年度で2億6千万円程度と試算している。次に、見直しについては、府営水道の値下げも踏まえ、現在の水需要が減少している時代に対応できる料金体系として、本年の6月議会へ上程し、10月から実施したいと考えている。

 

第四に、下水道料金の引き上げについてお尋ねいたします。

下水道料金の大幅改訂の影響は全市民に及びます。税金からの繰り入れを堅持して、料金のすえおきを求めます。見解を求めます。

下水道事業は、独立採算の原則から、汚水処理にかかる経費については、下水道使用料でまかなうべきものであり、懇談会の提言を十分に尊重しながら、見直しに取り組んでいく。

 

第五に、新たな「行政改革推進プラン」についてお尋ねいたします。

これまでのプランの推進が市民の暮らしを直撃した内容であったことは明白です。一層の推進は認められません。大型開発やハコモノ建設を聖域にして、その財源確保のための新「行政改革推進プラン」の撤回を強く求めます。見解を求めます。

このプランは「市民参加の仕組みづくり」、「経営の視点による行財政システムの構築」、「行政経営を担う職員の育成と組織・機構の整備」を重点目標として、市民サービスの向上と行政経費の削減に取り組むものであるので、撤回する考えはない。

 

第六に、府からの事務権限委譲の中身について、お尋ねいたします。

議論の到達点をお示しください。市町村の行財政や市民サービスの低下をもたらす委譲は認められません。基本的なスタンスをお示しください。

府からの権限委譲の到達点は、地方分権を推進するものであるので、市民にもっとも身近な基礎自治体として、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現と、より一層の市民サービスの向上を目指すとのスタンスに立って、積極的に受けるものである。

 

第七に、市独自の財源確保についてお尋ねいたします。

国からの財源確保が求められるとともに、昨年も指摘しましたが、あらためて検討すべきは、市税収入の見通しが一層厳しい事態の中で、1つに「積立金の積極的な取り崩し」で制度に合致した施策に充てること、2つに計画的かつ適切に「地方債の積極的活用」をはかること、3つに「普通財産の処分検討」などあらゆる方策をたどって財源確保に努力するべきと考えます。新年度予算編成において、市民負担の増大や施策の後退を除いて、それぞれの視点から市長は具体にどのような方策を進め、どれくらいの規模の財源の確保に努められたのかお示し下さい。

基金については、設置目的に応じた取り崩しを行うとともに、市債については、将来の財政負担を考慮の上、負担の平準化という観点に立ち発行することによって、投資的事業の財源として活用を図っている。

普通財産の処分については、売却可能な資産は入札を実施し、収入の確保に努めている。

平成22年度は、約70億円の市債の活用と財政調整基金の取り崩し8億円により、財源の確保をしている。

 

第八に、歳出の見直しについてお尋ねいたします。

これまでも機会ある毎に指摘してきましたが、まず中・長期的観点から投資的経費の精査、見直しをおこない、旧来の大型開発関連の土木・投資的経費財政から脱却し、そのあり方そのものを見なおすことです。市は、彩都中部地域の開発強行や阪急茨木駅東の府営鉄筋住宅跡地を含めた駅前再開発構想、市民会館の建て替え構想など無謀な大型開発に貴重な財源を注ぎ込み、またそのための財源準備や財政構造に固執してきました。しかし、今、求められているのは持続可能な地域づくりと仕事おこしではないでしょうか。市長は茨木市内の状況について、どのように把握し、どのような見解を持っておられるのかお聞かせください。

国の財源も活用しながら自治体として地域の産業を維持し、また住民生活の中から出てくる需要に合致した新たな仕事を創出していく、そうした動きも支援していくことが求められています。たとえば民間住宅改修助成制度や民間分譲マンション大規模改修助成制度です。また公契約条例や中小企業振興基本条例を生かして行政と地元金融機関と中小企業が共同して振興施策を練り上げていくという取り組みです。経済的な激変や自然的な災害から住民のいのちを守り生活基盤を持続可能なものとしていくために、住民を真の主権者として財源や権限、職員の能力を発揮していく組織づくりが重要です。これまで常識とされてきた企業誘致や大型公共工事への依存が通用しないことがあきらかになったいま、足もとにある地域の資源や経済循環の仕組みを把握し直し、地域内再投資力を高めていくことが必要です。そして埋もれている地域資源探しを自治体が自ら取り組む。そのために、まずは市内商工事業所悉皆(しっかい)調査をおこない、行政が自治体の存立基盤ともいえる担税主体つまり中小企業の状況を調査し、公的なサポートが必要とされる部分を見極め、具体的で有効な施策を実施していくべきであると考えますが、市長の見解を求めます。

社会環境が依然として厳しい中、本市においても、地域経済に停滞感のあることは、否めない状況にあると考えている。そのため、小規模発注修繕・工事等の市内業者特別枠の確保や、プレミアム付商品券の発行など、地域経済の活性化に資する事業を展開するほか、国の緊急雇用対策事業を活用して、新規雇用の創出を図るなど、まちの活性化の一助となる施策の実施に努めているところである。

なお、市内の中小企業等を支援するため、市融資制度や信用保証料補助をはじめ、様々な支援施策を実施していることから、市内商工事業所の悉皆調査を実施する考えは持っていない。

 

第九に補助費等の見直しについてお尋ねいたします。

補助金交付事業については、多くが要綱に従って交付されている事業補助金についても、「補助金検討委員会」で見直しをおこない、効果を検証するとともに、客観的で明快な交付基準を策定し、かつ適正に交付されているかチェック機能を持つ監査機関を設けることを提案しているところですが、茨木市の補助費の水準は北摂7市でも低位です。その影響は当該団体の存続に影響すると危惧されます。人権センター補助金のように見直しの必要性もありますが、あらためて見解を求めます。

団体補助金について21年度検討部会において必要性、有効性、公益性の観点から検証を行っていく考えであると答弁しましたが、今後の見直し作業の予定をお示し下さい。

「使用料等、補助金等見直し検討部会」において、平成22年度中に、公平で公益性のある事業に対する補助制度の構築を目指し、外部委員の意見を参考に見直しを進めていきたいと考えている。

 

大きな四つ目として、むだや浪費にメスを入れ、格差是正と開かれた住民参加の行政を進めることに関連して、お尋ねします。

 第一に、新年度予算編成の財源配分と歳出構造の見直しについてお尋ねいたします。

2010年度予算の土木費、民生費、教育費など主要な目的別一般財源総額配分について、09年度と比較してどのように見ているのか、主要な目的別投資的経費の財源配分はどうなっているのか、それぞれ答弁を求めます。また、施政方針でも「市税収入のさらなる減収が見込まれ」と述べているわけですが、今年度の税収入についてどのように見込んでいるのか答弁を求めます。

22年度の一般会計当初予算における土木費、民生費、教育費の一般財源総額につきましては、21年度当初予算と比較して、土木費は1億円の増、民生費は3億円の増、教育費は4億円の減となる。

また、投資的経費については、土木費は1億円の増、民生費は1億円の減、教育費は2億円の減となる。

次に、市税収入については、個人市民税の大幅減により、市税全体で21年度当初予算対比で8億4千万円の減と見込んでいる。

 

第二に、2009年度末の黒字圧縮のための駆け込みでの道路用地買収等の会計操作を中止し、市民負担増によって生まれた黒字を、2010年度の暮らし、福祉、教育に振り分ける積極的な財政運営に転換するよう求めます。2009年度の繰り越し黒字額の予想をお示しください。その財源を新年度でどう生かそうとしているのかお示しください。

平成21年度の黒字額については、決算が未了のため、明確には示せないが、歳出においてある程度の不用額が見込まれることから、一定の黒字額は確保できると考えている。

また、使い道については、黒字額の半分を地方自治法の規定に基づき、財政調整基金に積み立て、残りの半分は、平成22年度の補正予算編成時に、必要な事業の財源として活用していきたいと考えている。

 

第三に、公共事業のあり方についてお尋ねいたします。

学校・保育所・高齢者・障害者施設などを計画的に建設し、改修や耐震化の促進、駅前整備など商業振興、歩道の整備、生活道路の維持補修、水路の維持補修などバリアフリー、防災強化などを積極的に進めるべきです。特に、道路事業、区画整理事業など土木関連予算はその必要性と緊急性について精査し、見直しを進めるとともに、客観性を確保した市民参加による公共事業の政策評価制度を導入すべきと考えますが、それぞれ答弁を求めます。

道路事業等の土木関連事業については、将来のまちづくりの基盤となるものであり、計画的に進めていきたいと考えている。

また、他の公共事業についても、耐震化の推進に向けた小中学校、保育所、橋梁の整備やバリアフリー化を視点においた歩道整備、快適な学習環境を目指した小学校教室へのエアコン設置など積極的に取り組んでいるところである。

なお、事業や施策についての評価の取り組みについては、現在実施している行政評価の結果を予算編成等に活用しているところである。

 

 第四に、彩都特定土地区画整理事業と関連の公共・公益施設整備についてお尋ねします。

 彩都特定土地区画整理事業は、東部地区は中止となったわけですが、中部地区について用途地域を「準工業地域」に変更した上、何が何でも開発を強行しようという動きとなっており、URは中部地区開発の凍結を解除し、工事着工の準備手続きを開始しています。しかし、この事業計画変更に対する国交省の対応が注目されています。「コンクリートから人へ」の民主党政権の方針が独立行政法人の個々の事業での実践が問われています。見通しをお示しください。また彩都関連の本市の道路整備など関連公共公益施設整備の新年度の計画と予算をお示しください。

 彩都事業は、平成19年度末に都市再生機構において、事業再評価が実施され、その結果、「計画を見直した上で事業継続」という方針が公表されている。この方針を受け、現在、都市気候により、主に中部地区にかかる事業計画変更の手続きが進められており、国との協議は平成22年度に行う予定であると聞いている。

また、関連公共公益施設の整備についてであるが、平成22年度は、山麓線の整備ね下水道の設計、(仮称)彩都西コミュニティーセンターの設計を予定しており、事業費は約3億5千7百万円を見込んでいる。

 

 第五に安威川ダム建設についてお尋ねします。

 新政権になり、国交省が安威川ダムを含む全国で推進中の国と都道府県ダム89ダムの再検討を明言し、省内に「検討・研究組織」を設置しました。2010年夏をめどに「中間とりまとめ」を発表する見通しです。お隣の兵庫県においても兵庫県営武庫川ダムも建設中止となりました。新たなダム建設の可否が焦点となっていた武庫川の総合治水対策について、兵庫県は河道掘削や堤防強化など新規ダム以外の対策で流域の安全確保を目指す今後20年間の河川整備計画(原案)をまとめ、有識者や地元住民による諮問機関「武庫川流域委員会」に提示しました。最終的に国の同意を得て計画が策定されれば、1985年に国が建設を認可した武庫川ダム(西宮、宝塚市)事業は完全に消滅します。大阪府も安威川ダム計画について、国に「再検証」することを回答しました。再検討手続きの進め方についての茨木市や地域住民への協議の今後の状況をお示しください。現下の情勢から、ダム本体工事着工は100%ありえません。茨木市も「ダムありき」という立場から脱し、「ダムに頼らない治水計画の確立」という立場に転換すべきです。答弁を求めます。

 安威川流域では、多くの人口や資産が集積しており、災害が発生すると甚大な被害が想定されることから、国の動向も見極めながら、府として独自に検証を進めるとしており、市や地元にに対してこれらの説明が行われている。

 また、大阪府は、安威川の治水対策としてダム事業を継続する方針であり、市としても、市民の生命と財産を守るため、一日も早いダム本体工事の着手を強く大阪府に求めていく。

 

第六に、住環境や自然環境を破壊し、今後の人口動向から見ても必要性に乏しい新名神高速道路計画は中止するよう、関係機関に働きかけを求めます。答弁を求めます。

[新名神高速道路計画について]神戸と名古屋を結ぶ新名神高速道路は、わが国の産業経済の発展と国民生活の向上にも大きく寄与する重要な幹線道路であり、くわえて茨城インターチェンジ周辺道路の慢性的な交通混雑を解消するにも、新名神高速道路の早期完成を願うところであり、中止を求める考えはない。

 

 第七に、市民会館の全面建て替えについてお尋ねいたします。

緊急性や優先性で疑問があり、当面は最低限の改修と補強を行い、経済や財政状況の推移をみるべきであり、毎年の積立についても少なくとも不況を抜け出し市民の所得が回復し名実ともに経済が好転するまで当面は中止すべきと考えますが答弁を求めます。とくに新年度は文化施設建設基金積み立てとして2億円を計上していますが中止するべきです。見解を求めます。

[市民会館の建て替えについて]昭和44年の建設以来、41年が経過しており、経年劣化による維持管理経費の増高、バリアフリーの観点など様々な課題があり、立地条件や施工上の問題から、改修や補強で対応するのは困難であると考えている。

建て替えについては、現下の厳しい社会経済情勢の中ではあるが、基金の計画的な積み立てをおこない、条件整備等、十分時間をかけて検討していく。

 

第八に、市財政にとって大きな負担となる阪急茨木駅東口府営住宅跡地について

大型公共事業の計画立案は中止することを求めますが答弁を求めます。新年度は駐車・駐輪場整備を予定していますが、用地取得の状況、計画検討の到達点をお示しください。

[阪急茨木市駅東口府営住宅跡地について]多くの市民が利用する駅前にふさわしい利用を図るため、府と土地開発公社において用地取得契約を交わし、当面の利用として、駐車場・駐輪場とすることとしている。

また、将来のまちづくりを見据え、当用地を含めた阪急茨木市駅周辺地域を対象に、社会経済環境の変化や多様化する市民ニーズに対応した再生構想の検討に着手することとしている。

 

第九に、官製ワーキングプアの是正についてお尋ねいたします。

反対を押し切って導入された任期付職員制度について、特に留守家庭児童会指導員における現行「経験者」の雇用の継続・確保を図ることを強く求めてきましたが、その結果は違法かつ全く裏切る内容です。経験者の救済について方針をお示しください。また均等待遇実現の立場から他の臨時職員等非正規職員の抜本的な待遇改善と雇用の安定を求めるものですが答弁を求めます。また直近3年間の茨木市の職員の非正規化率の推移をお示しください。

 次に、留守家庭児童会指導員の採用と非正規職員についてでございますが、任期付短時間勤務職員の採用試験において、応募資格の中に経験年数2年を加えましたが、採用試験でありますので、採用を保障するものではありません。また、非常勤嘱託員、臨時職員の勤務条件の改善はこれまでから行っておりますし、雇用については法令に基づき適切に任用をいたしております。
 なお、正規職員以外の過去3年間の比率は、平成19年度36.9%、平成20年度44.0%、平成21年度43.9%となっております。

 

第十に、公立保育所民営化による臨時職員の雇い止めについてお尋ねいたします。

公立保育所の民営化による臨時職員保育士等非正規職員の「雇い止め」は実施せず、希望者全員の雇用継続に努力するよう求めるものですが、新年度から新たに民営化される2保育所についての状況についてお示し下さい。結局、今回の2保育所をもって市の公立保育所民営化計画の8箇所は民営化が強行されてしまったわけですが、この4年間で保育所現場に勤務されていた非正規職員の内、何名が民営化を理由に雇い止めを通告されることになったのか答弁を求めます。

  次に、保育所民営化による非正規職員についての雇い止めについてでございますが、雇い止めにならないよう、他の勤務場所等で任用いたしており、これまで保育所民営化による雇い止めはないと考えております。

 第十一に、指定管理者制度についてお尋ねいたします。

公共性や労働法規遵守を担保する市独自の対策をとるとともに、安易に指定管理者制度を導入することなく直営を堅持することが必要と考えます。とくに図書館の指定管理制度導入はじめ、他の公共施設の計画をお示しください。

  公共施設の指定管理者制度の導入の計画についてでございますが、これまでどおり、市民サービスの向上と経費の削減を目指して、新規施設はもちろん、直営で管理運営されている施設につきましても、制度導入を含め、最適と考えられる方法で管理運営を進めてまいりたいと存じます。

 第十二に、事業委託契約の改善について、お尋ねいたします。

予算編成時期に繰り上げ、適格性の厳正な審査により、特命を含む随意契約を見直し、一般および指定競争入札に改善を図ること、その場合、公正労働基準、環境、福祉、男女平等参画等の施策推進のため総合評価方式の本格的導入とそれを具現化する公契約条例の制定を求めるものですが、それぞれ答弁を求めます。

  次に、随意契約の見直し及び総合評価方式の導入と公契約条例の制定についてでございますが、随意契約につきましては、法令にのっとり適正な契約事務を執行しておりまして、業務委託などにおいては、長期継続契約を活用し、一般・指名競争入札への移行を図っております。また、総合評価方式につきましては、導入可能な施設には福祉や環境などの視点をもって実施をいたしております。
 なお、公契約条例につきましては、国が早期に法整備をするべきものであると考えております。

第十三に、市民に広く情報を公開することについて、お尋ねいたします。

パブリックコメントの案件対象を拡大するなど積極的な活用をおこない、さらにオンブズパーソン制度、住民投票制度の導入など住民参加と情報公開に積極的に取り組むべきであります。また市幹部級会議をはじめ市政の重要課題について論議される会議については、大阪府のように、その議事抄録を市ホームページで迅速に公開し、市の内部意思決定過程をひろく市民に知らせることについてもそれぞれ見解を求めます。

  次に、住民参加と情報公開の積極的な取り組みと市の内部会議の会議録公開についてでございますが、市の基本的な計画の策定や市政の基本方針に係る条例の制定、改廃などに関しましては、パブリックコメントをできるだけ活用し、政策等の意思形成過程への市民等の参加の促進を図っております。審議会等の会議につきましては、これまでから積極的に公開するとともに、公募による市民委員を採用するなど、住民参加と情報公開を推進しているところでございます。なお、市の内部会議の公開については現時点では考えておりません。

 第十四に、一般廃棄物、ごみ問題についてお尋ねいたします。

茨木市一般廃棄物処理基本計画の減量目標達成のため、ひきつづき分別・資源化の推進に取り組むとともに、事業系については、事業者への啓発や呼びかけからさらに一歩踏み込んで分別がなされていないごみの搬入を認めないなど実効ある取り組みをおこなうことも検討すべきであると考えますが答弁を求めます。

  次に、事業系ごみ減量についてでございますが、各事業所を訪問し、21年度に収集したデータや減量マニュアルに基づき、事業所ごとに分別を行うなどの指導を行ってまいります。また、環境衛生センターでの搬入物の展開検査を実施し、排出事業所に対して指導を強化してまいります。

 第十五に「解同優遇行政」の是正についてお尋ねします。

3つのいのち・愛・ゆめセンターでの部落解放同盟支部事務所の目的外使用はなくなりましたが、関連NPO法人の使用はまったく改善されていません。こうした不適切な使用許可について、改めるべきであると再度指摘しますが答弁を求めます。あらためてセンターは解同優遇施設としては廃止を求めます。またセンターの「解同及び関連団体」への指定管理者導入は断固反対するものですが、市の見解を求めます。さらに、沢良宜センター北棟の子育てすこやかセンター転用にともなって、北棟を独占的使用してきたNPO法人「はっちぽっち」による街かどステーション「ほっとスル」の措置はどうなったのか、どうするのか、答弁を求めます。

 あらためてこのような解同優遇行政は特定団体に利権と利益を供与するもので、憲法や地方自治法と相容れません。この間の見直し項目と節減額について答弁を求めます。またこの間、2つの共同浴場廃止と診療所、老人憩いの家、憩いの間の廃止が決まったわけでありますが、「跡地利用」などと称した、新たな解同優遇施策は絶対認められるものではありません。それぞれの施設について、廃止後の対応について答弁を求めます。人権センターについては事業委託と補助金支出、職務免除は一切やめるべきであり、各地域人権協とあわせて、その解散を働きかけるべきだと考えますが、それぞれ答弁を求めます。また、各センターでの相談事業についても廃止すべきです。答弁を求めます。市営住宅ついて、一般公募の現状と悪質滞納者への取り組みの現状について答弁を求めます。また、府の人権組織や団体に対する負担金や補助金も中止すべきです。答弁を求めます。

  次に、いのち・愛・ゆめセンターの運営等についてでございますが、NPOが行う事業で使用している部屋につきましては、条例、規則等に基づいて使用を許可しているものであります。愛センターは、国の要綱に基づき隣保館として市が設置し、運営している施設でありますので、これを廃止したり指定管理する考えはありません。
 市からの委託に基づき実施している街かどデイハウス事業でありますので、事業運営者から部屋を使用したい旨の要望があれば、目的外使用で許可したいと考えております。一般対策の中で実施してきた事業について、行政改革の一環として見直しを行っておりますので、同和関係予算ではないと考えております。
 次に、共同浴場、診療所、老人憩いの家の跡地利用でございますが、その跡地利用については、今後、検討してまいりたいと考えております。また、沢良宜と総持寺老人憩いの家につきましては、街かどデイハウス事業者に貸与する予定にしております。
 次に、人権センターと地域協議会及びいのち・愛・ゆめセンター相談事業についてでございますが、人権センターは人権行政推進の協力機関であり、今後とも事業運営に必要な補助や職員の職務免除を行ってまいります。
 人権各地域協議会は地域の各種団体で構成されている民間団体であり、その解散について働きかける考えはありません。また、いのち・愛・ゆめセンターの相談事業は隣保館としての基本事業でありますので、廃止する考えはありません。
 市営住宅の一般公募の現状と滞納者対策でございますが、平成21年11月に一般公募による入居募集を行い、本年2月の公開抽せん会を経て、当選者につきましては3月1日から入居が始まっております。また、家賃の滞納者に対しましては、催促書の送付や夜間電話による納付指導を行っており、納付指導に従わない場合は、家賃等支払い請求及び住宅明け渡し請求訴訟など、法的措置を含め、対応を行っております。
 次に、府の人権組織や団体に対する負担金、補助金についてでございますが、これらの負担金、補助金につきましても、今後、必要な場合は見直しを行ってまいりたいと存じます。

 

大きな五つ目として、暮らし・福祉・医療の充実を最優先にすることに関連してお尋ねいたします。

第一に、国民健康保険事業についてお尋ねします。

今、国民健康保険事業や介護保険事業、後期高齢者医療事業など市民にとって命と健康を守る上で命綱となる医療や福祉に関わる保険料の負担が市民の家計に重くのしかかっています。今ほど、切実に、保険料負担の軽減が求められている時はありません。09年度の基準総所得は前年度と比較してさらに悪化する可能性が高いと推測されます。国保運営協議会に示された試算値は2010年度国保料の所得割率は7.87%と仮算定されていますが、6月の本算定時には昨年同様に所得割率が試算より大きく増えてしまい、結局、低所得者層から中所得者層における保険料引き下げの試算が雲散霧消してしまうという結果に終わりかねません。一般会計からの法定外繰入額のさらなる増額によって全所得階層での保険料引き下げが確実に実施できるよう努力することが必要と考えますが、答弁を求めます。

 一般会計からの法定外繰り入れについてでございますが、厳しい財政状況の中ではありますが、平成22年度においても一般会計からの繰り入れを予定いたしております。なお、前期高齢者交付金が20年度の精算によりまして増収が見込まれますので、法定外繰り入れのさらなる増額は考えておりません。

新年度国民健康保険料徴収にかかわって賦課限度額引き上げについてお尋ねいたします。国保運営協議会において賦課限度額が医療費分と支援金分あわせて最高4万円の引き上げが諮問されました。10年度国保会計予算案編成において、賦課限度額の引き上げによる保険料収入への影響額はいくらと見積もっておられるのかお聞かせ下さい。いずれにせよ賦課限度額引き上げの対象世帯数と増収見込額をお示し下さい。

 次に、賦課限度額についてでございますが、引き上げ対象世帯数は約1,000世帯であります。また、引き上げによる影響額は、賦課総額に変更が生じませんので、ないものと考えております。

次に無保険問題の解消と保険料減免制度の充実などについてお尋ねいたします。

滞納世帯数、短期保険証発行世帯数、資格証明書発行世帯数、差し押さえ執行数について最新の実態(2月末現在)を明らかにされるよう求めます。加入者の実態を的確に把握し、制度本来の趣旨が徹底できるよう保険料の減免制度そのものの拡充に向けて本市の国民健康保険条例、要綱等の改正に取り組むとともに、運用面においては保険料や窓口負担の減免制度を必要な市民が積極的に利用できるようあらゆる機会を通じて市民にわかりやすく周知することが必要です。それぞれ見解を求めます。また滞納理由を確実に把握もせずに機械的に資格証明書を発行することは中止すべきであり、差押え等強制執行についても慎重を期するべきであると考えますが、それぞれ答弁を求めます。

滞納世帯の実態についてでございますが、2月末現在で滞納は5,262世帯で、短期被保険者証を2,199世帯に、資格証明書を1,205世帯に交付いたしております。また、差し押さえにつきましては、預貯金等90件執行いたしております。
 次に、保険料減免制度についてございますが、減免は、客観的に見て保険料負担能力が著しく低下または喪失している世帯に対して個々に行われるものでございまして、特定の世帯に一律に適用すべきではなく、その納付義務を免除するものでありますので、それ相応の条件を付すのは公平性確保のためにも当然であると考えております。また、市民への周知につきましては、国民健康保険の手引き等により行っております。 次に、資格証明書等についてでございますが、国民健康保険法に基づき、資格証明書の交付が義務づけられております。交付に至るまでの間には、特別の事情等に関する届書、弁明の機会の付与に関する通知等、段階的な事務を経て資格証明書を交付しておりまして、機械的な発行は行っておりません。また、差し押さえにつきましては、関係法令に基づき、国保料の負担の公平性の確保の観点から、執行をいたしております。

 

第二に、介護保険制度についてお尋ねいたします。

昨年4月から第四期介護保険事業計画がスタートしました。第四期の保険料算定に当たって基金を必要十分に活用せず4期連続の保険料値上げとなりました。このように多額の準備基金が積み上がってしまう茨木市の介護保険事業について、どのように総括しているかお聞かせ下さい。また第四期の一年目である2009年度の介護保険会計は現時点での決算見込みとしてどのような状況にあるのか、給付費準備基金の変動もあわせて、お聞かせ下さい。市独自の保険料負担緩和策拡充やとくに低所得者に対するサービス利用料と保険料の軽減制度をいっそう進めるべきであると考えますが見解を求めます。また基盤施設の計画的整備、介護サービスの拡充、地域包括支援センターの機能拡充、住民参加・情報公開の徹底などについてひきつづき積極的に取り組むべきであると考えますが見解を求めます。また昨年の各種施設整備の進展状況についてお聞かせ下さい。あわせて新年度の見通しについてもお答え下さい。さらに、介護福祉従事職員の労働条件改善のため、さらなる介護報酬の実効ある見直しを国に求めるとともに、昨年実施された見直しについても従事者の報酬改善について市内の実態を調査し把握すべきであると考えますが見解を求めます。次に特別養護老人ホームの整備について新年度の具体的見通しについてお示し下さい。あわせて最新の特養待機者数状況と新年度の解消見込み数についてもお示し下さい。

次に、介護保険事業の運営についてでございますが、介護保険料については国から示されましたワークシートに基づき算出しておりますが、本市の介護保険事業の運営が将来において安定したものとなるよう、総合的に判断し、給付費準備基金の取り崩しも予定しております。
 なお、平成21年度の保険給付費については、ほぼ当初予算どおりの執行を見込むとともに、平成20年度末の基金残高約9億6,000万円のうち、21年度は1億4,000万円を、また22年度、23年度にも相当額の取り崩しを予定し、保険料の上昇を抑止するなど、今後とも安定した事業運営に努めてまいります。
 次に、保険料の軽減につきましては、第4期介護保険事業計画期間において、給付費準備基金を取り崩して保険料の上昇を抑止するとともに、所得に応じた保険料段階を6段階から8段階に細分化するなど、低所得者に配慮した保険料としております。
 また、利用料は、所得状況に応じて月額の利用料が定められる高額介護サービスに加えて、今年度、高額医療・高額介護合算制度の導入により、負担が軽減されることになりますので、保険料負担緩和策やさらなる軽減は考えておりません。
 次に、これらの基盤整備についてでございますが、平成22年2月1日現在、特別養護老人ホーム入所申込者は558人で、うち要介護4、5の在宅待機者は87人おられます。このため、地域密着型特別養護老人ホーム1か所、定員29人、及び小規模多機能型居宅介護2か所、登録50人につきまして、平成22年度に開設を予定いたしております。なお、介護サービスや地域包括支援センターにつきましては、第4期介護保険事業計画に沿って整備に努めてまいります。
 次に、住民参加、情報公開についてでございますが、高齢者保健福祉計画、介護保険事業計画懇談会や地域包括支援センター運営協議会に被保険者代表の市民公募委員を採用するとともに、傍聴者の受け入れ、また、広報誌やホームページなどの活用を図っております。
 介護福祉従事職員についてでございますが、平成21年度、国において介護保険従事者処遇改善の報酬改定がなされております。なお、今後、国・府におきましては、実態調査を実施される予定であると聞いておりますので、市独自の調査を実施する考えはありません。

 

 第三に、後期高齢者医療制度についてお尋ねいたします。

本年4月に後期高齢者医療制度の保険料は一回目の保険料改定が行われます。所得割率で0.66%、均等割額で1621円の引き上げといわれています。大阪府下の保険料は、当初の試算では保険料の伸び率は20.3%とされていましたが、給付費の伸び率の見直し、国からの調整交付金剰余金と財政安定化基金の取り崩しにより、平均5.07%の値上げと発表されていますが、高齢者の保険料負担をこれ以上増やさないためには、値上げ分回避のための財政負担を国が全額負担するべきでありますが、府議会で府の増額負担分を総額62億5千万円とすれば保険料引き上げを回避できます。茨木市として市民の負担を軽減させるために橋下府知事や府議会に対処を求めていくべきであると考えますが、見解を求めます。また厚労省は引き上げ率を全国平均で3%前後にしようという方針を出していますが、府下の保険料設定への影響はどうなるのかお示し下さい。

後期高齢者医療制度の保険料率についてでございますが、当初、大幅に上昇するものと見込んでおりましたが、最大でも5%程度の上昇に抑制するとの国の方針に基づき、法律及び府条例の改正、また、国・府からの財源投入等がなされることにより、その結果、大阪府では平均5.07%の上昇にとどまるといたしております。なお、さらなる府の負担を求めることは考えておりません。

 

 第四に、本市における救急医療体制整備についてお尋ねいたします。

小児救急をはじめとする一次、二次救急の体制強化に思い切って力を入れることを党市議団もこの間一貫して求めてまいりました。現状についてお聞かせいただきたいのとあわせ、政権交代もおこなわれた今、不足科目医師の確保のため、さらに積極的に国・府に提言していくとともに、市独自ででも国や府の財政措置などを活用できる道を模索し、民間医療機関助成予算の新設と増額を進めることをはじめ、三島圏域の小児救急施設は早期に実現できるよう関係者との協議をすすめる努力を重ねることを求めるものですが、新年度における見通しも含めてそれぞれ答弁を求めます。

次に、救急医療体制整備についてでございますが、現在、三島医療圏域において、1次救急医療については、茨木市保健医療センター附属急病診療所と高槻島本夜間休日応急診療所が、2次救急医療については、済生会茨木病院をはじめ16医療機関で対応しております。三島医療圏域における小児救急医療施設につきましては、三島保健医療協議会など関係機関と引き続き協議するとともに、医師不足については、その解決が図られるよう、国・府に対して要望してまいります。なお、民間医療機関に対する新たな助成制度は考えておりません。

 

第五に、各種健康診査充実等市民の命と健康を守る施策に関連してお尋ねします。

08年度から特定健康診査が実施され、それにともない検診(健診)の受診率も全体的に大きく後退してしまいました。自治体にとっても財政負担の一因ともなる医療費の抑制は大きな課題であると考えますが、その決め手はなんと言っても早期発見・早期治療であり、特定健康診査は生活習慣病の予防に重点が置かれていますが、とくに「がん検診」については受診率の向上は自治体としても最大限意を払うべき課題であり、独自に積極的な施策の展開も必要であると考えます、市長の基本的考え方をお聞かせ下さい。

次に、がん検診の独自施策、特定健康診査及びがん検診の受診率についてでございますが、本市のがん検診につきましては、厚生労働省のがん検診実施のための指針に基づき実施をいたしております。なお、平成22年度からは、胃がんの発見効果も期待できるぺプシノゲン胃検査を実施する予定であります。

次に特定健康診査および各種がん検診の受診率の最新状況についてお示し下さい。09年度と08年度の同時期と比較しての受診率の変化についてもあわせてお尋ねいたします。また、08年度における特定健康診査受診率は大阪府下自治体においてどのような位置にあるのかお示し下さい。

次に、受診率でありますが、すべての健診で平成20年度に比べ微増しております。また、平成20年度の特定健康診査受診率は24.7%で、府下43市の市町村のうち、33番目となっております。

次に、大阪府下における特定検診受診費用一部負担状況についてお尋ねします。茨木市での国保加入者の特定健康診査受診費用は一律500円となっていますが、府下の自治体の中で、無料で実施されている市町村の数についてお示し下さい。また無料で実施されている自治体における受診率は高い傾向にありますが、市の見解をお聞かせ下さい。また、特定検診およびがん検診について受診率向上を図るために利便性の向上に引き続き努力することに加え、自己負担部分の無料化を行うべきであると考えますが見解を求めます。また、夜間検診の実施や巡回バスによる健診の拡充、市民アンケートの実施等検診体制の改善と市民の意識向上をすすめることについての見解を求めます。葉書通知の徹底や民間医療機関で受診可能なものについては、積極的に委託するよう協議・検討することについても見解をお聞かせ下さい。

特定健診の各市の実施状況についてでございますが、特定健康診査の受診料を無料で実施している府下市町村は、43市町村のうち26市町村であります。自己負担のない市町村は受診率が比較的高い傾向となっておりますが、全体的には、ばらつきもございまして、一概に受診料だけの問題とは考えておりません。各種健診の受診率向上のため、利便性の向上や健診内容の充実等に努めてまいりますが、受益者負担の観点から、特定健診、がん検診とも、受診料を無料にする考えはございません。
 検診機会の拡充と改善、民間医療機関への委託についてでございますが、夜の検診につきましては、現在、既に市内委託医療機関の夜間の診療時間に個別検診として実施をいたしております。また、巡回による夜間の子宮がん・乳がん検診は市内各所で実施しております。
 市民への啓発につきましては、機会あるごとに検診の必要性を伝えるとともに、医療機関からの意見も参考に検診体制の改善に努め、市民意識の向上を図ってまいります。また、はがきによる通知や広報誌、市ホームページへの掲載などで周知を図るとともに、民間医療機関で受診可能な検診につきましては、医師会とも協議し、積極的に委託してまいりたい考えております。

次に、妊婦健診についてお尋ねします。茨木市では昨年から14回の健診について助成を行っていますが、14回における総給付額と各回における給付額をお示し下さい。また、総給付額について北摂七市における茨木市の順位についてもお答え下さい。妊婦健診の各段階における診断内容と費用に即したきめ細かな給付額の増額が必要であると考えますが、見解をお聞かせ下さい。

次に、妊婦健康診査についてでございますが、平成22年度は1回目を7,000円から2,000円増額し、総額4万8,000円に拡充して実施いたします。なお、北摂7市における本市の順位は4番目となります。また、妊婦健康診査の内容は、妊婦あるいは胎児の状況により検査内容が異なるため、費用に即した対応は難しいものと考えております。

次に、乳がん検診についてもお尋ねします。市も30歳から39歳女性の乳ガンエコー隔年検診実施について検討するべきであると考えますが見解を求めます。

次に、30代の女性に対するエコーによる乳がん検診及び子宮がん予防ワクチンの公費助成についてでございますが、がん検診は国のがん検診の指針に沿って実施しているため、30代の女性に対するエコーによる乳がん検診の実施は考えておりません。

次に、子宮頸がん予防についてお尋ねいたします。現時点では任意接種であり、3回の接種に合計で約5万円前後の費用が必要となります。より多くの女性での接種が可能となるように、諸外国では国のワクチン政策に組み入れることが推奨されており、ほとんどの先進国では接種費用に対し公費助成がなされていますが、日本では立ち後れた状況にあります。市として国による助成制度の整備を要望するとともに、市独自でも一定額助成の実施を研究してはどうかと考えます。小学6年生の女子児童を対象としたワクチン接種を市が全額負担するなど全国でも助成に踏み出す自治体が出始めています。見解をそれぞれお聞かせ下さい。

子宮頸がん予防ワクチン接種費用の公費助成について、国において助成制度が整備されるよう要望してまいりますが、市の独自助成は考えておりません。

 

第六に、障害者支援施策の拡充についていくつかお尋ねします。

障害者生活施設の建設促進など障害者の生活の場の確保、障害者自立支援法改定で大きく影響を受け存続の危機に立たされている既存民間施設への助成予算の増額、ケアホーム、グループホームへの建設補助充実に加え、とくに運営補助の実施、民間賃貸住宅利用の事業所に対する賃料補助の実施、ショートステイ事業の抜本的充実など、引き続いて障害者(児)施策推進に積極的に取り組むとともに、無認可障害者施設の切り捨てにならないよう十分配慮するべきであると考えますが、それぞれ見解を求めます。

また、障害者医療助成制度や入院時食事療養費、老人医療費の助成施策の後退は中止し、対象の拡大等施策の充実や一部負担金減免の独自の拡大、障害者控除認定基準の緩和を進めるべきですがそれぞれ見解を求めます。

またホームヘルパー利用可能条件を入院時など拡充することやガイドヘルパーの養成と増員や配置について、需要と供給の実態を把握した上で、事業所任せにせず市が積極的に関わって増員をすすめるべきであると考えるが見解を求めます。

障害者支援施策についてでございますが、ケアホーム、グループホームの建設や開設補助、無認可障害者施設等への助成については継続してまいりますが、ケアホーム、グループホームの運営補助及び民間賃貸住宅利用の事業所に対する賃料補助につきましては、市単独で助成する考えはありません。また、ショートステイ事業につきましては充実に努めてまいります。無認可作業所等につきましては、平成23年度末までに障害者自立支援法に基づく事業体系への移行促進を図ってまいります。
 次に、障害者医療費及び老人医療費助成等の見直しについてでございますが、先ほども答弁いたしましたが、市が単独で実施しております障害者医療費助成、入院時食事療養費助成及び老人医療費助成につきましては、セーフティネットが必要とされる方を除き、一定の所得のある方につきましては、応分の負担をしていただくべきと考えております。したがいまして、対象者の拡大、あるいは一部負担金の独自減免を行う考えはありません。
 次に、障害者控除認定基準の緩和についてでございますが、認定申請書につきましては、日常生活動作の状況をよく熟知されている医療機関に確認をお願いしておりますので、基準を緩和する考えはありません。
 次に、訪問ヘルパーの利用条件及びガイドヘルパーの養成についてでございますが、訪問ヘルプの制度は自宅での利用という制約がありますので、入院中での利用はできません。ガイドへルパーにつきましては、平成20年度から市の事業としてガイドヘルパー養成講座を実施し、平成21年度には、新たに精神障害のコースも設けて人材育成に取り組んでおります。今後とも、障害者の社会参加の観点から、事業の充実に努めてまいります。

 

第七に、子育て支援策前進についてお尋ねいたします。

国と府に対し、子ども医療費無料制度の創設・充実を求めるとともに、市独自でも中学校就学前児童までの対象年齢の段階的引き上げ、所得制限の控除額引き上げや収入環境激変への柔軟な対応など、子育て世帯の負担の軽減に積極的に取り組むことについてそれぞれ見解を求めます。

次に、子どもの医療費制度についてでございますが、国に対して、乳幼児医療費公費負担制度創設を、府に対して、所得制限の撤廃を、市長会を通じて要望しているところであります。また、年齢拡大と所得制限につきましては、昨年対象者を小学2年生まで拡大をいたしましたが、さらなる拡大については現段階では考えておりません。また、所得制限の見直しや収入環境激変への対応についても考えておりません。

次に、乳幼児のインフルエンザ(季節性、新型)ワクチン、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンなど費用対効果の高いと言われる任意的予防接種についても公的助成制度の創設を研究するべきであると考えるが見解を求めます。とくに任意接種の公的助成に踏み出す場合に市として何がハードルになると認識しておられるのか具体にお示し下さい。

次に、乳幼児向け任意予防接種の公費助成制度の創設でございますが、任意接種による健康被害が生じた場合、予防接種法に基づく接種でないため、国や地方公共団体が救済を行えないことが大きな要因でございます。

次に、国における保育制度の規制緩和について、国の公的保育の後退の動きが保育関係者の危機感を大きく募らせています。この間の国の動きについて市としてどのような見解を持っているのかお聞かせ下さい。また、市内保育所運営民間法人からこの間の動きについて意見を聴取しているのか、またどのような意見があがっているのかお示し下さい。いずれにせよ市と民間法人が連携して、保育の質の後退を招かないよう積極的に発言いくべきです。答弁を求めます。

国の保育制度改革についてでございますが、現在、国では直接契約制度や保育所の認可基準の緩和などの見直しが議論されておりますが、まだ確定はされておりませんので、この問題については民間保育所との意見交換は実施いたしておりません。今後、国の動向に注視し、適切に対応してまいりたいと存じます。

次に、茨木市が2006年度からスタートさせた公立保育所民営化計画よって09年度には当初予定計8カ所の公立保育所の民営化が強行されました。党市会議員団は財政面でも児童への影響の面でも「百害あって一利無し」と訴えてまいりました。今、その効果・影響について、市民参加の上、綿密な検証をおこない、また広く市民の意見を募ることについて、新年度においてどのような形で進められるのか、その見通し、実施スケジュールをそれぞれお示し下さい。また新たな公立保育所民営化計画の立案することは放棄すべきであると考えますが、新たな懇談会の設置等についての基本的考え方をお聞かせ下さい。

次に、保育所民営化の検証と今後の考え方でございますが、公立保育所民営化の評価につきましては、財政的な効果や保育ニーズへの対応について、庁内組織をもって検討を加えるとともに、社会経済情勢や保育所を取り巻く環境等を総合的に判断し、今後の民営化について、その中で検討をしてまいりたいと存じます。なお、民営化の懇談会を設置する考えはありません。

次に、民間保育園の公私間格差を是正し、もって保育内容の向上に資するよう市独自の補助金の増額と補助制度の改善を進めるべきであると考えますが見解を求めます。

民間保育所への補助金の増額と補助制度の改善についてでございますが、民間保育所の円滑な運営と保育内容の充実を図るため、これまでから市単独補助を行っております。平成22年度は、新たに留守家庭児童会事業と同様に、小学校低学年児童を受け入れる民間保育所に対して補助を行います。

次に、保育所待機児解消対策について、定員の弾力化による対応では保育の質の低下につながるだけであり根本的な解決になりません。公立・私立とも保育所の積極的増設を計画するべきです。新年度における待機児解消に向けた具体的方策についてお聞かせ下さい。また待機児童についてはとくに0歳から2歳の低年齢児の保育需要が高い状況について市としてどのような対策が必要と考えているのかお示し下さい。さらに厚労省が4月から認可保育所の定員を超えて子どもを受け入れられる上限を撤廃すると各都道府県に通知しました。この改悪では年度当初から大幅に定員を超えた受け入れができることになり児童の詰め込み保育がさらに加速することになります。すでに茨木市も一定の割合で公私とも一定の割合で弾力化が実施されていますが、市内保育所で最大限の弾力化状態で保育室面積などを定めた保育所最低基準の範囲内であることが守られているのか、答弁を求めます。また厚労省の今回の新通知に対する茨木市の見解と対応をお聞かせ下さい。

保育所の待機児童対策でございますが、これまでから公私協調し、定員の弾力化や定員の見直し、民間保育園の創設等により待機児童の解消に努めており、平成22年度は、民間保育園2か所での建て替えや定員変更により定員をふやしております。また、低年齢児の対策につきましては、保育所における各年齢ごとの定員の見直しを図るとともに、市内3か所の家庭保育施設をあっせんするなど、待機児童の解消に努めているところでございます。
 次に、認可保育所の弾力化についてでございますが、本市では、これまでから児童福祉施設最低基準を遵守し、実施しているところであります。今回の弾力化の新基準については、待機児の多い地域で適用してまいりたいと考えております。この新基準は、国からの待機児解消の一助としての通知だというとらまえ方をいたしております。

次に、保育所・私立保育所ともに延長保育、一時保育、休日保育、病児・病後児保育など非定形型保育の実施や利便性向上に引き続き積極的に取り組むべきです。障害児保育についても民間保育園でも対応が十分に確保できるよう必要な支援を充実させるとともに、増え続けていると言われている要配慮児童の適切な発見、いち早い対応などができるよう体制の強化に努める必要があります。それぞれ新年度の具体的計画をお示しください。子育て支援センター事業のサービス拡充、幼児虐待防止のための子育て相談・支援体制の整備充実など保育行政と実効ある子育て支援策にひきつづき積極的に取り組むことが急務です。あわせて具体的取り組みをお示しください。次世代育成支援後期行動計画後期計画の5年間に定められた目標事業量を事業名ごとに目標数値と新年度における達成目標をお尋ねします。

延長保育などの特別保育についてでございますが、平成22年度の特別保育につきましては、延長保育は38か所、一時保育は13か所、休日保育は1か所、病児・病後児保育は、病後児保育対応型で2か所、体調不良児対応型で17か所、実施をいたします。また、委託事業として済生会茨木病院で新たに病児保育を実施いたします。
 障害児保育につきましては、民間保育園への補助を行うとともに、保育指導主事、心理判定員が保育所と保護者との連携を密にすることにより、体制の強化を図ってまいりたいと考えております。
 子育て支援策の具体的な取り組みでございますが、子育て支援総合センターにおきましては、児童虐待防止のための子育て相談を引き続き実施するとともに、育児負担感の軽減を図るため、一時預かり事業を拡充するなど、子育て支援サービスの充実に努めてまいります。
 次世代育成支援行動計画(後期計画)の目標事業量についてでございますが、後期計画はパブリックコメントを終えた段階であり、成案までには至っておりませんので、現段階で目標事業量、目標数値を申しあげることは差し控えさせていただきます。
 

 

大きな六つ目として、不況対策と商工業・農業の進行を市政の重要な課題に位置づけることに関連して、お尋ねします。

第一に、不況対策と商工業振興策についてお尋ねいたします。

産業振興ビジョンの策定の進捗状況について答弁を求めます。さらにビジョン策定の取り組みとさらに発展させて商工業振興対策本部の設置、商店・事業所全実態調査の実施と、商工業振興まちづくり条例を制定するなど、積極的な対応を強く求めるものでありますが答弁を求めます。同時に商工予算の大幅増額を強く求めるものでありますが、答弁を求めます。

次に、産業振興ビジョンについてでございますが、検討委員会でまとめた素案についてパブリックコメントを終えたところであり、3月下旬に検討委員会を開催し、成案を得ることといたしております。次に、商工業振興施策についてでございますが、市内商工業の振興と地域経済の活性化を図るため、従前から商工業振興施策の充実に努めるとともに、産業振興ビジョンの策定に当たりましては、市民や事業者等へのアンケート調査を実施しておりますので、商工業振興対策本部の設置、あるいは商店・事業所全実態調査の実施、商工業振興まちづくり条例の制定をする考えは持っておりません。また、商工予算についても必要なものは十分配慮し、計上をいたしております。

次に、本市の発行するプレミアム商品券についてお尋ねいたします。施政方針で触れられている「プレミアム商品券」の発行は、各地の成功例をみると、狭い範囲の適用ではなく、その使用可能範囲をどれだけ広げるか、どれだけ協力がえられるかにかかっていると考えますが、今回の事業はこうした面でどのような知恵と工夫がなされているのでしょうか、大阪府発行の同種の事業は売れ残りが出ています。内容の説明とあわせ答弁を求めます。

次に、プレミアム商品券でございますが、消費意欲の拡大や低迷する地域経済の活性化を図るため、10%のプレミアムをつけ、7月に発行を予定いたしております。その取り扱いは、幅広い業種で使用できることが重要な要素であると考えておりますので、取扱店の負担を少なくし、期間も6か月と長く設定する予定をいたしております。
 なお、大阪府発行商品券の内容は新聞に掲載されている範囲でしか承知いたしておりませんので、答弁は差し控えさせていただきます。

次に、融資制度の改善については、この間、一部補助に後退した融資保証料補助の全額補助復活を国に求めるとともに、市独自ででも、全額補助の実現と、不況下のもとで融資制度の改善を求めますが、答弁を求めます。

次に、信用保証料補助につきましては、融資に係る信用保証料の補助は市独自の制度として実施しているものでございます。市の融資や府の緊急融資も全額補助の対象にするなど、制度充実に努めております。

次に、「地域活性化・きめ細かな臨時交付金」などの国の緊急対策について、積極的に雇用創出施策に活用すべきだと考えますが、この間の緊急の雇用対策の交付金の状況とあわせて、本市の活用策をどのように考えているのか答弁を求めます。また市内業者の活性化に向けた小規模工事等の追加措置事業については時機を得た施策であり、本市独自での仕事と雇用創出のための努力を今後も引き続き実施されていくよう望みむものです。さらに産業活性化緊急事業として、北摂地域でも広がってきている小規模工事等契約希望者登録制度を創設し、需要の拡大に取り組むこと、小売店舗改築(改装)補助制度や創業促進事業補助制度の対象拡大、要件緩和を図るべきと考えますが、答弁を求めます。

次に、国の緊急雇用対策についてでございますが、国のふるさと雇用再生特別基金事業及び緊急雇用創出事業の内示額は合計で3億8,713万3,000円であり、その趣旨等に沿って新たな雇用創出を図る事業を平成21年度は25事業を実施しており、22年度は22事業を計画、実施してまいりたいと考えております。 また、地域活性化・きめ細やかな臨時交付金などは6億2,501万7,000円でありまして、地元事業者の発注配慮を基本に、道路整備や橋梁の耐震化、公民館やプールの改修などの地域経済の活性化に資する事業に活用しております。

次に、産業の活性化についてでございますが、本市では、従来から市内業者育成の立場から少額な工事、修繕は市内業者に発注することを基本としておりますので、改めて小規模工事等契約希望者登録制度の創設は考えておりません。また、小売店舗等の改築・改装補助や創業促進事業補助制度の補助要件等につきましては、制度の趣旨や利用者の声なども参考に、見直しを行っており、さらに商店街活力アップ支援事業を実施するなど、商業者支援に努めているところであります。

 

第二に、農業振興に関連してお尋ねします。

農業後継者対策や荒廃した森林・農地対策など、近郊農業振興策を具体化させることについて答弁を求めます。また、今回、鳥獣被害防止特別措置法に基づく「被害防止計画」の作成が施政方針でも述べられていますが、その内容と作成スケジュールについて答弁を求めます。また、これだけ食の安全性が叫ばれている昨今、さらに地産地消の取り組みを進めるため、安全・安心な地場産農作物の販売所、販売店の増設、また、そのための市独自の支援策の強化が必要だと考えますが、答弁を求めます。さらに、新年度の島にひきつづき市民農園の計画的整備を進めること、生産緑地の追加指定推進の立場に立ち、その要件の緩和、特に面積要件を500平米以上に緩和すべきでありますが、それぞれ答弁を求めます。

次に、近郊農業振興策についてでございますが、農業後継者対策として、茨木市担い手育成総合支援協議会を設置し、担い手の確保、育成に努めているところでございます。また、森林や農地対策につきましては、森林ボランティア等による森林整備や遊休農地の実態調査、並びに所有者に対し意向調査を実施するなど、遊休農地の解消に向けた取り組みを行っております。 有害獣被害防止計画についてでございますが、計画期間は平成22年度から3年間とし、被害防止に関する方針や鳥獣の捕獲等に関する事項、被害防止策等を策定する考えであります。スケジュールにつきましては、茨木市鳥獣被害防止対策協議会の意見を踏まえ、今年度当初には被害防止計画を作成し、被害防止対策を講じてまいりたいと考えております。
 次に、農産物の販売所についてでございますが、販売所の新増設につきましては、一定の支援は行っておりますが、新たな支援策は考えておりません。
 次に、市民農園の計画的な整備についてでございますが、用地の問題もございますので、計画的とはまいりませんが、機会があれば積極的に整備してまいりたいと考えております。
 次に、生産緑地についてでございますが、都市計画として将来のまちづくりに必要な要件を備えた土地について指定をしているものでございます。面積の緩和を行う考えはございません。 次に、学校受付員の配置方針と今後の考え方でございます。平成22年度におきましては、府の交付金が存続することから受付員の配置を継続いたしますが、23年度以降の対応につきましては、どのような警備方法が有効であるのか、十分研究してまいりたいと存じます。

 

大きな七つ目として、教育、文化、スポーツの振興と女性施策の充実を積極的に進めることに関連して、お尋ねします。

第一に、学校園の管理運営の充実についてお尋ねいたします。

児童の学校生活における安全確保を維持するための校門受付員の2010年度配置方針と、市独自で次年度以降も存続に努めるべきであると考えますが、今後の市長の考え方についてお示し下さい。また、ノロウィルスなど校内蔓延を防止し、健康・衛生維持向上のため、市の具体的取り組み内容をお示し下さい。学力向上にもっとも効果がある方策の一つが「少人数学級」の実現であると考えます。国・府に要望しているとのことですが、せめて小学校1年生と中学校1年生などとくに少人数指導が望ましいと思われる学年や基本教科から市独自でも少人数指導への取り組みを研究してはどうかと考えますが見解を求めます。新年度はスクールソーシャルワーカーの3名の増員が言われていますが、いじめ・不登校の一掃、体罰の根絶、児童虐待防止体制の整備、就学困難児童への配慮などをすすめるため、スクールカウンセラーの小学校全校配置・中学校全学年配置へむけた拡充など対策・体制整備を引き続いて重視すべきであると考えますが、見解を求めます。

次に、健康衛生の維持向上に関する取り組みでございますが、ノロウイルスなどの校内蔓延防止につきましては、ウイルスの流行時期に学校へ手洗いなどの注意喚起を行うとともに、消毒薬、手袋、マスクを配布するなど、感染防止に必要な対策を実施をしておるところでございます。
 次に、少人数指導の取り組みでございますが、国や大阪府の加配教員を活用して、小学校1、2年生での少人数学級編制、また、小学校3年生から中学校3年生での少人数指導をはじめとした指導方法の工夫改善を行っており、市独自の教員配置については考えておりません。

次に、スクールカウンセラーの対策、体制整備についてでございますが、いじめ・不登校問題、児童虐待防止等への対応といたしまして、スクールカウンセラー等の専門家の外部人材の配置を進めるとともに、関係機関と連携して解決を図ってまいりたいと考えております。

 

第二に、教育費の保護者負担軽減についてお尋ねいたします。

国・府による就学援助制度の補助拡充を求めるとともに、現状の市の制度は予算枠から対象枠が決められるという逆立ちした運用となっており、本当に援助が必要な児童に十分行き渡らない制度となっています。「趣旨に沿った公平で適正な制度にする」というのなら、児童のおかれている経済的状況を的確に把握した上で思い切った拡充に踏み出すべきであります。そうした中で、せめて所得基準を少なくとも05年度ベースを基準とする制度に戻すべきであると考えますが、見解を求めます。また申請方法についても間接申請に限定する合理的理由も存在しません。間接申請はいじめの端緒ともなりかねないとの危惧から保護者の要望も強い教育委員会への直接申請も認めるべきです。見解を求めます。

次に、就学援助制度の充実についてでございますが、国の補助制度の廃止に伴って、必要な改正を行ったものでございます。平成18年度以前の基準に戻す考えはありません。また、間接申請は、よりきめ細かな教育的配慮が可能になると考えており、直接申請を復活する考えはありません。

 

第三に、教育施設の維持・改善についてお尋ねいたします。

老朽化が進む学校・園の耐震化を含む改修事業の促進と中学校の屋内運動場の拡充、小学校の多目的室の設置に積極的に取り組むなど義務教育施設の充実を進めることを求めるものですが、新年度における主な取り組み内容と予算規模およびその前年度比較についてお示し下さい。あわせて留守家庭児童会教室の施設改善についても老朽化が進んでいる施設が少なくなく存在し改善が急務です。児童会全教室へのクーラー設置とあわせて取り組むべきであると考えますが、答弁を求めます。

次に、学校園と留守家庭児童会教室の施設整備についてでございますが、新年度の主な取組内容は、小学校普通教室へのエアコン設置工事、校舎、園舎の耐震補強工事、エレベーターの新設工事でございます。予算規模につきましては、平成22年度が繰り越し事業を合わせますと26億2,200万円となりますので、前年度当初予算と比較し、13億1,600万円の増となります。

次に、留守家庭児童会教室の施設改善につきましては、従来から余裕教室の転用が見込めない場合、プレハブ教室を設置しており、年数がたち、老朽化が目立つプレハブ教室は改修や建て替えを行っております。また、エアコン設置につきましては、既にプレハブ教室には設置をいたしております。余裕教室を利用する施設につきましては、小学校普通教室への設置計画にあわせて検討してまいります。

 

第四に、小学校給食と中学校スクールランチ事業についてお尋ねいたします。

小学校給食の調理業務民間委託計画は直ちに中止し、自校直営調理方式を堅持するとともに、民間委託校についてもその影響について、市民委員も含めた検討委員会を設置し、あらためて十分に検証すべきであると考えますが見解を求めます。中学校スクールランチ事業についてはいまだほとんど利用が進んでいないという実績が続いており、効果ははなはだ薄い状況にあるといわざるをえません。利用率が低いと言うことはつまり生徒や保護者の望む給食からはかけ離れていると言うことです。見解を求めます。これ以上の事業拡大は中止し、再検討するべきです。またランチ事業についてはせめて就学援助制度の対象となるよう運用を改善してほしいという要望が市民から言われていますが、見解を求めます。小学校、保育所などの給食食材調達については、より一層地場産米や野菜の利用促進、米飯給食の回数増が計画的にすすめられるよう市内の農業従事者等関係者と連携・協力関係を強化することやアレルギー対応態勢の充実に引き続き努めることが必要です。見解を求めます。

次に、給食調理業務委託等検討委員会の設置についてでございますが、給食調理業務の委託は、合理化による経費の削減と民間のノウハウの活用により、豊かな学校給食の提供を目的として実施をしております。民間委託運営委員会において、学校現場、保護者の意見把握に努めながら計画的に実施をしてまいります。したがいまして、新たに学校給食に係る検討委員会を設置する考えは持っておりません。
 次に、中学校ランチ事業についてでございますが、この事業は成長期にある中学生への栄養のバランスに配慮した食事の提供を目的としており、今後とも、保護者等への説明、意見把握に努めながら、利便性を高め、利用率の向上に努めてまいりたいと存じます。なお、ランチ事業を就学援助の対象とする考えは持っておりません。
 次に、学校給食の食材の調達と米飯給食の回数増及びアレルギー対応についてであります。学校給食における地場産の米及び農産物の使用につきましては、できる限り、使用回数の増に努めております。また、米飯給食の回数につきましては、現時点ではふやす考えは持っておりません。アレルギー対応につきましては、除去品目の増加に努めてまいりたいと考えております。

 

第五に、公民館行政の施策後退についてお尋ねいたします。

公民館のコミセン化は撤回し、地域に運営を丸投げするのではなく、今後とも直営を堅持し、法律に定められた公民館としての趣旨や機能を十全に発揮できるよう、専任の公民館主事の配置、管理業務の全日化、市主催事業や主催講座の拡充、さらに公民館運営委員会を公募して地域に開かれた公民館運営などをすすめるべきであると考えますが、それぞれ見解を求めます。

次に、公民館の運営についてでございますが、公民館は地域の実情にあわせた運営を行いますので、地域の方に館長及び主事を委嘱し、配置いたしております。
 開館時間につきましては、今後とも地域の実情に応じた運営をしてまいります。また、主催事業や講座の拡充につきましては、生活文化の振興及び教養の向上などが図れる事業を行ってまいります。
 なお、公民館運営委員は、現在、おおむね地域の各団体から選出していただいており、地域に開かれた公民館の運営を行っておりますので、委員を公募する考えはありません。

 

第六に、学童保育と放課後子ども教室についてお尋ねいたします。

茨木市が策定中の次世代育成支援後期行動計画案では、その施策の方向として@待機児童の解消と保育環境の充実A多様な保育サービスの充実B放課後児童サービスの充実を挙げています。にもかかわらず、数値目標では通常保育事業では平成26年度までに614名の定員増を定めている一方で留守家庭児童会事業の定員増はありません。0歳から5歳の待機児童増加の予測はそのまま小学校低学年の保育サービス需要増にもつながると判断するのが自然です。理念と具体の目標に矛盾があると言わざるを得ませんが、見解を求めます。入所保育所の割り振りは居住地に関わらずある程度柔軟に対応できますが、児童会の場合、居住地校区の入会となるのが基本です。過密校における児童会の定員増は後期計画の基本方針を達成するために不可欠の課題です。見解を求めます。また2010年度の一斉入会申し込みも1月に終了していますが、現時点で各教室について定員数を超える申し込みがあった小学校名と申し込み超過数についてお示し下さい。いずれにせよこうした地域によって偏りのある留守家庭児童会待機児童について茨木市は今後どのような対策によって解消しようと考えておられるのか答弁を求めます。

次に、いわゆる過密教室解消への対策についてお尋ねします。過密教室について、市長は06年の答弁で「一定の配慮が必要である」と答弁しましたが、09年には「現在の留守家庭児童会の教室は過密であるという認識は持っておりません。また複数教室にする考えもありません」と答弁を後退させています。この間、1クラス71人以上の過密教室が存在するという状況に変わりはありません。答弁を翻した理由についてお答え下さい。国は子どもの情緒の安定や事故防止を図る観点から、1教室当たりの放課後児童の人数が一定規模以上になった場合には、分割を行うなど適正な人数規模のクラブヘの転換に努めることを求めています。ただし、09年度までは、経過措置として1教室当たりの児童数が71人以上の場合も国庫補助の対象とするとしてきました。この国の方針については現時点でも変化がないのかお答え下さい。またこうした国の方針について茨木市としてどのように理解し、どのように対応されるのか答弁を求めます。71人以上の教室を放置したままでは国ないし府の補助金も受け取れなくなります。補助金受給についてどのような見通しにあるのかお答え下さい。補助金が受け取れないという事態になれば財政規律という観点からも好ましくないと考えますが見解を求めます。

さらに、この間、大阪府は、茨木市が行っている「学童保育」と「放課後子ども教室」の連携による指導員の兼務は国庫補助の対象にならないと市にもわざわざ指摘し、放課後児童健全育成事業補助金について、07年度の6300万円に対し、08年度は3000万円と半分に減額される事態になっていますが、09年度と10年度の当該補助金受給額の見通しについて、補助金が本来予定する指導員の勤務形態なら茨木市に当てはめると満額いくらもらえるはずが、市の独自のやり方によっていくらに減額されることになるのかという形でお示し下さい。いずれにせよ厳しい財政運営を強調しながら本来ならば受け取れるはずの多額の補助金がみすみす減額されるような学童指導員への過度の兼務の押しつけはただちに改善すべきであり、財源を確保してこそ、学童教室および放課後子ども教室を含めた放課後子どもプランの充実に資するものであると考えます。他の自治体でも同様の放課後子ども教室は実施されており、補助金の要綱を満たす形での連携がおこなわれているはずです。そうした自治体の運営のあり方を参考にし、茨木市のあり方を再検討すべきであると考えます。それぞれ市の見解を求めます。

次に、本市留守家庭児童会の運営について、市は「要綱による運営で支障なく運営できている」というこの間の答弁ですが、議会のチェック機能がじゅうぶんに働くよう条例による運営に改めるべきであると考えます。新年度における機構改革で所管が子ども育成部に移管されるとのことですが、これを機会に要綱による運営から条例による運営に改善すべきです。見解を求めます。あわせて条例運営なのか要綱運営なのか北摂七市における状況についてお示し下さい。

次に、留守家庭児童会指導員の雇用の安定化についてお尋ねいたします。指導員については、これまで非常勤嘱託職員として雇用されていましたが、新年度から任期付き短時間勤務職員という新しい雇用形態が導入されます。党市会議員団は昨年12月議会においても反対の立場をとりましたが、この間、一次、二次の採用試験が実施されたと聞いています。選抜状況についてお示し下さい。とくに留守家庭児童会職員については、採用予定人数が何人で、何名の応募があり、応募者の内、現役の学童保育指導員(非常勤、臨時別で)は何名応募し、何名合格したのかもお示し下さい。不合格となった現役の指導員の処遇について希望者は臨時職員による採用をするなど最大限雇用の維持に努めるべきであると考えますが、市の方針についてお示し下さい。あわせて任期付き職員、臨時職員ともに待遇改善については、資格加算やスキル加算、経験年数加算などを取り入れていくべきであると考えますが見解を求めます。

留守家庭児童会の定員等についてでございますが、これまで受入定員の約7割の在籍率で推移しておりますこと、また、今後は、一時保育の場を活用して留守家庭児童を受け入れる私立保育園の支援拡充をはじめ、多様なニーズにこたえる民間放課後児童サービスの参入もありますことから、対応できるものと考えております。 次に、平成22年度の受付状況でありますが、中条小学校と彩都西小学校で大きく定員を超える申し込みがありましたが、それぞれ定員の増と選考により対応しております。これまでの傾向として、年度当初は一時的に定員を超える状況は見受けられますが、年間を通じて見た場合、定員を超える状況にないことから、過密教室の状況にはないと考えております。
 次に、留守家庭児童会の運営費補助金でございますが、留守家庭児童会の利用人数が71人以上の施設についても国の補助金が継続されると聞いておりますので、補助金受給については支障がないものと考えております。
 また、留守家庭児童会指導員に放課後子ども教室の業務を兼務させた場合、補助の対象とならない問題につきましては、大阪府が本市の実態調査をした結果、通常どおり補助金が交付されるとの報告を受けております。今後とも両事業の円滑な連携を図りながら、放課後対策事業の推進に努めてまいります。
 次に、留守家庭児童会の運営にかかわる条例化についてでございますが、北摂では、要綱による運営が2市、条例による運営が5市でございます。要綱によって支障なく運営できておりますので、現在、条例化は考えておりません。
 次に、留守家庭児童会指導員の採用試験についてでございますが、採用予定人員60人に対して79人の応募がありました。最終合格の決定はまだいたしておりませんが、その中で指導員として勤務されている方は、応募書類から推定いたしますと65人と考えております。
 不合格者の中で臨時職員として勤務を希望される方については、その任用について検討をしてまいりたいと存じます。なお、任期付職員や臨時職員について、資格加算等を取り入れる考えはありません。

 

第八に、公立幼稚園のあり方庁内検討委員会についてお尋ねいたします。

公立幼稚園の統廃合の検討と理解しますが、検討委員会の設置目的をお示し下さい。対象年令の拡大についての見解をお示し下さい。公立幼稚園の空き教室を利用しての学童保育の実施の余地について見解をお聞かせ下さい。

次に、公立幼稚園庁内検討委員会の設置目的でございますが、公立幼稚園の園児数が年々減少するなど、さまざまな課題が生じている現状を踏まえ、庁内検討委員会を設置して、公立幼稚園の諸課題と今後のあり方について、研究、検討を行うものであります。
 次に、公立幼稚園の対象年齢の拡大と幼稚園での学童保育実施についてでございますが、公立幼稚園におきましては空き教室がないことや新たに教員の配置が必要となることから、3歳児保育の実施は考えておりません。また、公立幼稚園での学童保育についても現段階では実施する考えは持っておりません。

 

第九に、女性の地位向上施策前進についてお尋ねします。

平成23年度を最終計画年度として茨木市男女共同参画計画に従って施策の推進がなされていると聞いていますが、残すところ2ヶ年度となって計画の8つの基本課題のそれぞれについて、現状と目標への到達度および目標達成までの課題について市長の見解を求めます。また中小商工業、農業などに従事する女性の地位向上にも資する所得税法56条廃止を求める声が、全国津々浦々で、ますます高まりつつあります。茨木市民にとっても無縁のものではありません。市としても同法条の廃止を国に求めていくべきであると考えますが、見解を求めます。

男女共同参画計画の現状と目標の達成度と課題についてでございます。男女共同参画計画では8つの基本方針のもと、229の実施事業をあげており、平成20年度までに取り組んだ事業は224事業で、97.8%の達成率となっております。また、課題につきましては、実施状況報告書の中で明らかにし、目標達成に向け、取り組んでいるところでございます。
 次に、所得税法第56条の廃止を国に求めることについてでございますが、本件につきましては、国税に関することであり、国において検討されるべきものと考えておりますので、廃止を求めていく考えはありません。

 

大きな八つ目として自然豊かな安全で便利な街づくりを進めることに関連して、お尋ねします。

第一に、防災対策の充実についてお尋ねします。

集中豪雨による浸水を根絶するために、道路脇の雨水排水口の増設など、排水能力の向上を進めることが重要ですが、学校の校庭や公園での雨水一時貯留、各戸での雨水貯留や住宅敷地内での雨水浸透対策、大型店、公共施設など、大規模駐車場や住宅団地の棟間での貯留、大規模開発予定地や未利用用地などの活用することも内水被害を抑制するために重要な方策であると言われています。市長の認識をお聞かせ下さい。開発地における調整池、貯留槽、一般家庭での雨水貯留タンク設置助成などは市でもおこなわれていると言うことですが、今挙げたその他の有効施策についても実施を検討すべきであると考えますが、見解を求めます。さらに下水道と水路改修計画の見直しを早急に取り組むとともに、現在取り組んでいる水路現況調査の進捗状況、および調査結果を内水被害防止対策に役立てることについての考え方をお聞かせ下さい。

次に、防災対策の充実についてでございますが、一時貯留は内水対策として有効な手法でありますが、外水の整備なくしては限度があり、現在の排除施設も踏まえて対策に取り組む必要があると考えております。
 また、浸水対策として、公共下水道の合流区域においても水路を廃止することなくその機能を残し、浚渫、清掃を行い、内水対策に努めております。現況水路調査の活用については、調査内容と下水道施設の排除能力を勘案して取り組んでまいります。

 

第二に、安威川の堆積土砂浚渫の問題についてお尋ねします。

安威川の治水については、下流の抜本的な堆積土砂浚渫工事の実施を強く求めます。09年度の実施箇所と10年度においての実施見通しについて明らかにしてください。

次に、安威川の浚渫についてでございますが、21年度には安威川で実施はされておりませんが、平成22年度の実施箇所は現時点で未定と報告を受けておりますが、今後とも堆積土砂対策を強く要望してまいりたいと考えております。

第三に、バス路線網の再編と地域公共交通会議の設置についてお尋ねします。

路線バスをはじめ地域の公共交通網を維持・整備を図っていくことは地方自治体の重要な責務となっています。市民生活の利便性を高め、高齢者や障害者など交通弱者ともいわれる方々が気軽に外出できるよう、バス路線網の再編整備、コミバスの運行、高齢者私鉄バス運賃助成、乗り合いタクシーへの助成などに行政として積極的に取り組むべきと考えますが、答弁を求めます。特に彩都西部地区と市中心部を結ぶバス路線等への対策については市民の大きな声が上がっています。こうした市民の声を茨木市はどう認識し、検討がなされ、行動をとっておられるのか、答弁を求めます。また、昨年の12月議会において地域交通の確保等を協議する地域公共交通会議の設置について「最終的には検討段階に入っていきたい」と答弁されていますが、現段階の進捗状況について答弁を求めます。

次に、バス路線網の再編と地域公共交通会議についてでございます。市内のバス路線はおおむね充足をいたしており、路線網の再編整備の新たな要請、コミュニティバスの運行や高齢者私鉄バス運賃助成、乗り合いタクシーへの助成についても考えておりません。
 また、彩都西部地区と市中心部を結ぶバス路線につきましては、現在、開設に向けてバス事業者と協議を重ねているところでございます。地域交通会議の設置につきましても、市民、バス・タクシー事業者、労働組合関係者と勉強会等を開催し、設置に向け、努めてまいります。

 

第四に、まちの活性化につながる駅前整備についてお尋ねします。

ひきつづきバリアフリー化などJR駅前周辺歩行者安全対策をすすめ、同歩道橋床面の破損箇所についてはクラックの充填は適宜おこなわれているようですが、ひび割れは縦横無尽に走り、街の表玄関としては美観上もお寒い状況にあります。こうした状態を市としてどのように認識しておられるのかお聞かせ下さい。またバリアフリー化についての関係者や警察はじめ、関係機関との協議についての進捗状況についてお聞かせ下さい。

JR駅前整備についてでございますが、歩道橋は定期的な点検により、必要に応じて補修等で対応いたしております。今後も歩行者の安全や美観を考慮し、経年劣化を見きわめながら対応してまいりたいと考えております。また、バリアフリー化につきましては、現在、関係機関と協議中でございます。

 

第五に、生活道路整備についてお尋ねします。

車道と歩道との区別のない道路がいまだたくさんあります。茨木市は茨木市道路計画整備プログラムを策定しました。しかし、市民の生活道路である市道の歩道整備は、あまり進められていないのが実態です。高齢者や車いすで安全に通行できる歩道整備が何よりも求められております。新たな茨木市道路計画整備プログラム策定し、歩道の計画的整備を進めていくべきであると考えますが、答弁を求めます。歩道の歩行者安全を確保するために、一定の車道幅員のある国道や府道への自転車専用道路の設置計画の立案と国・府への要望、改正道路交通法に即した市道における歩道、路側帯の自転車安全走行を呼びかける看板の設置、市民に対する交通マナー遵守教育の実施など、具体的な対策を進めるべきと考えますが、見解を求めます。

次に、生活道路の整備についてでございますが、歩道の整備は交通量や歩行者の通行量、また通学路等を勘案し、必要性や施工性から優先順位を判断し、整備に努めているところでございます。また、歩行者安全対策につきましては、啓発看板の設置、あるいは交通安全教育の実施、広報、啓発に努めております。

 

第六に、茨木市住宅・建築物耐震改修促進計画について

現在までの到達度および今後の課題について茨木市の認識をお聞かせ下さい。いずれにせよ計画年度までの目標達成には、耐震化のピッチを速めるため思い切った施策を講ずることが必要だと考えますが、答弁を求めます。また、住宅、民間の特定建築物の耐震化の目標は、平成27年度の耐震化率9割と設定されましたが、民間の場合は、高齢者や障害者などの社会的弱者が、耐震化を理由に住むところを追い立てられるようなことがないよう対策が必要だと考えますが、答弁を求めます。くわえて、耐震改修工事補助制度については木造家屋だけではなく、マンション、共同住宅への助成制度創設を国・府に強く求めるとともに、当面は市独自の補助制度拡充を求めるものでありますが、答弁を求めます。

次に、住宅建築物耐震改修促進計画についてでございますが、市有建築物の耐震化率は今年度末現在、約60%となっております。また、計画年度までの目標達成に向けては財政的及び人的な要因などの課題もありますが、指定避難所等、災害時の重要施設や耐震性能の低い建物を優先的に耐震化を計画的に進めてまいります。建築物の耐震化補助に当たりましては借家人の同意を要件としておりますので、耐震化を理由に追い立てられることはないものと考えております。
 なお、マンション等の耐震改修補助制度につきましては、国は制度化しておりますが、府は扱っておりませんので、市長会等を通じ、要望しており、市の独自の制度設計は考えておりません。

 

第七に、自治体が取り組むマンション管理支援施策についてお尋ねいたします。

住生活基本法の制定により国・地方自治体が住生活安定向上の促進のために必要な施策を講じることが求められるようになり、分譲マンションストック500万戸時代に対応するマンション政策のあり方について言われる中で、地方自治体の役割もますます重要なものとなってきています。住生活基本法や計画を実効あるものとするため、マンションの地震対策、バリアフリーや省エネ対策など共用部分などの改善、管理組合のとりくみ、大規模修繕など建物の維持管理、ライフラインなど、公共的な性格をもつ設備の負担軽減、分譲時の消費者保護という6つの支援体制の強化が必要であり、あくまで「自己責任」であるというスタンスを超えて、行政がより積極的にかかわっていくべきであると考えますが、それぞれ見解を求めます。

次に、マンション管理の支援施策でございますが、民間の区分所有建築物の管理は所有者の責任において行われるべきものでありますが、市独自の取り組みとして、茨木市分譲マンション管理組合連合会を組織し、分譲マンションセミナー等を通じて、建て替えや日常管理に関する情報提供を行っております。また、本年度より相談体制を充実いたしますとともに、分譲マンション居住者や管理組合を対象とした建築相談会を実施してまいります。

 

第八に、高度地区の見直しについてお尋ねいたします。

茨木市建築物の形態制限に関する取り組みについては、高さを設定するルールが必要という市民の声が84%と圧倒的であり、昨年来、市民に対する説明会も各地で行われてきました。これまで市民に約束してきたように早急に決定し、当初予定どおり、この4月から実施すべきであると強く求めるものですが、その取り組みの進捗状況と実施見通しについて答弁を求めます。

次に、高度地区の見直しについてでございますが、広報誌や都市計画審議会でも随時報告するとともに、高度地区の素案について、おおむね中学校区での説明会や出前説明会、パブリックコメントを実施し、広くご意見を伺ってまいりました。いただいたご意見等を踏まえ、運用等の詳細を定めた上で大阪府との協議など必要な都市計画手続を行った後、実施するべく取り組みを進めてまいりたいと存じます。

第九に、市街化区域と調整区域の線引き変更の検討について

実態のない商業地域や工業地域が数多く残されており、住民の立場に立ち積極的に住居地域への変更を行う、こうした用途地域の見直しも同時に行うべきであると考えます、また徹底した市民参加で進めるべきと考えますが、その進捗状況とあわせて答弁を求めます。

最後に、用途地域の見直しについてでございますが、大阪府において平成22年度に実施予定されております市街化区域と市街化調整区域の線引きにあわせて実施予定の用途地域の見直しにつきましては、総合計画や都市計画マスタープランに基づき進めるものでありますが、本市の活力や発展をも考慮した用途地域としていくことが必要と考えております。
 なお、都市計画の変更に当たりましては、都市計画法に基づく公聴会や説明会の開催、案の縦覧など、市民参加の機会を設けることとされております。

 

以上